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神社での出会い

新参者の文章ですが、よろしければどうぞ。

 現世とはちょっと違った場所に存在する、外界と完全に隔離された世界“幻想郷”。人間、妖怪、吸血鬼やその他諸々が共存しているこの奇妙な世界での出来事。


「ここですか……『ユカリ』さんが言っていた、『博麗神社』という場所は」


 幻想郷の東の端、長い石段を上った先に一人の少女の姿があった。年齢は十代半ばから後半ぐらいだろうか。エプロンドレスと割烹着を合わせたような、和洋折衷の不思議な服装の『彼女』は、独り言のように呟くと、石段を登り切った後とは思えぬほどの軽やかな足取りで歩き出した。

 鳥居を抜け、綺麗に敷かれた石畳のその先には小さいながらも、立派な造りをした社が建っている。『彼女』はその前まで歩いていくと、


「おや、お賽銭箱。では、こちらの神様にも敬意を表しておきましょう」


 何か思い出したように立ち止まる。そして服のポケットを探ると、硬貨を一枚取り出した。それから手にした硬貨を、目の前に置かれた木の箱……いわゆる賽銭箱に投げ込む。チャリン、と小気味のいい音を立てて硬貨が箱の中に入った途端、


「お賽銭!? 久しぶりのお賽銭かしら!?」


 拝殿の方から『彼女』と同年代くらいの、赤い巫女服を着た少女が顔を輝かせつつ飛び出してきた。巫女服の少女は賽銭箱の前に立っている、おかっぱ頭の少々エキセントリックな服装の人物を認めると、


「どうもー、ユカリさんの紹介でこちらにやって来ました」

「……あんた誰よ?」


 気さくな笑顔で先に挨拶をしてきた『彼女』を、怪訝そうな顔で見てきた。

 それに対して『彼女』は、


「おっと失礼、わたくし『華美香ケミカ』と申します。いろんなところをぶらついていたら……この辺りに迷い込みましてね。先程、『ユカリ』と名乗る女の人にこちらを紹介されたのです」

「へー。私は『博麗霊夢はくれい れいむ』よ。迷い込んだ、ってことはあなた『外来人』みたいね」

「確かに、こちらの方々からすれば、わたくしは見知らぬ外来人でしょうね……しかしご安心を。おかしな真似をするつもりなど毛頭ございませんから」

「それなら助かるわね。外から入ってくるものは良きも悪きもあるから、仕事が増えないのは嬉しいことだわ」

「ええ、それに皆さんと仲良くなりたいですし……というわけで、霊夢さん」

「何よ?」

「友達になって下さい」

「……そういうわけにはいかないわ」

「ええっ!? ユカリさんは快諾してくださいましたのに……」

「立場ってものがあるのよ。私は『巫女』という立場上、何者に対しても公平に接しないといけないの。だから友達とか、そういう関係にはなれないわ」

「そうですかー。では一方的に友達だと思っておきますね」

「……ま、そうしたいなら勝手になさい」

「いえーい、早速友達が一人できました!」

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。気に入ったのならば、これからよろしくお願いします。気に入らなかったなら・・・他の小説を読むことを強くおすすめします。

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