1/2
フラッシュバック
この話は事実を元にしたフィクションです。
「高瀬って障害ないらしいぞ」
どこからか聞こえてきたそんな声。
高瀬くんは私のクラス、2年5組の問題児だ。
「えー!まじ〜?」
「信じらんなーい」
「あると思ってた、、」
高瀬くん、かわいそう。いないとこでそんなこと言われて。
「どこ情報?」
「松村先生ー」
「担任が言うなら間違えないな笑笑」
先生が言うとかありえない。どうなってんだうちの担任は。
「でも障害児って確定してたら近づきたくないから違って良かったかも笑笑」
「確かにー!笑笑」
私の胸がきゅうっと狭くなる。息が苦しい。蘇る嫌な記憶と醜い自分。そして大嫌いな診断書。
頭に浮かぶ診断書にははっきりと
「葉山せな 14歳 傷病名:注意欠陥・多動性障害(ADHD)及び広汎性発達障害」
と書かれていた。