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女神様は少し語る


ある店のドアがゆっくりと開く。

ドアのベルはいつもより静かに部屋中に鳴った。


そこから現れたのは、女神である。

先ほどの豪華な装いとは一変し、質素なものであった。

はたから見るだけでは女神とは視認できない程であった。


「あー遅かったねこっちこっちー」

女神の姿を見て、うれしそうな表情をしながら、女性が手招きしている。

その行動を見た女神は、ぎこちない笑顔で彼女にレスポンスした。

そして、ゆっくりと女性の元へ向かい、彼女と反対側の席にゆっくりと腰を下ろした。


「モネってさ。会うたびに老けてるよね。大丈夫?肌のケアとか怠ってない?」


「そんな余裕ないわよ。ていうかアサミはいいわよね。いつも定時で帰れて。私も事務部に配属されたかったわ。」


「確かに退社時間は大体守られてるわ。でも残業だってあるし、取引先からのおしかりに頭を下げたりこっちだって大変なんだから……」


モネにとって彼女の言葉は嫌味にしか聞こえなかった。

内心はどの仕事も大変だという事は分かっていたが、やはり自分の配属先の環境と比べてしまうとやはり自分の職場がきついと思ってしまう。

モネはテーブルに置かれたグラスを握り、赤色の飲み物を注ぎ、口に流し入れた。


「そもそも面白くないのよ。なんで同じような説明を何度も何度も。私もっと創造的で革新的なことをしたいのよね。」


「魔王を倒すための人材発見なんてとても創造的で革新的じゃない。そもそも、男と出会う機会がいっぱいなんだから、私にとってはすごくいいと思うのだけど。私の部署なんて女ばかりよ。」


モネはグラスを、テーブルに置き手を組み、肘をつき重たい表情を浮かべ、アサミを注視した。


「ガン無視よ。大体の人状況を理解できないまま異世界に送り込まれるから、私に関心を持つ暇ないのよ。あとほとんどのやつが駄々をこねるし、私のタイプじゃないのよね。」


「あんた残念な人ね……もう少し自分の仕事に楽しみを持った方がいいわよモネ……私も最初事務なんていやだと感じていたけど、効率的な作業方法とか見つけた時に楽しいと思えたの。あなたもきっと自分の職を誇りに思える時がいつか来るはずよ。今はもがき苦しむべきよ。」


モネはハッとしたような表情を浮かべ、グラスに入った飲み物を一飲みした。

心なしか先程よりも、顔色が良くなっていた。






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