剣と愛憎【200字】
掲載日:2022/04/11
死屍累々の砦に老将を訪ねてきたのは彼の弟子だった。
弟子の父親は彼が斬った。つまり彼は師であり親の仇でもある。
お前に斬られるなら本望と従容する老将を、老いたなと嗤って弟子は去った。
翌日の敵の攻撃は精彩を欠き、逆に砦の士気は高かった。朝に敵の将軍の首が砦に投げ込まれていたからだ。そして老将は生き延びた。
その後弟子は剣聖として名を轟かせる。師である老将の名は霞んだが、隠棲した田舎で天寿を全うしたという。
「2面性」というお題を頂いたので書いてみました。




