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さんだいのきせき  作者: ちくましゃん
7/14

歳暮 啜る 玩弄

お久しぶりです!これからも書くぞ~!

「……よぉ、凛。」そう言うと、彼女は一瞬肩を震わせて、こっちを振り向いた。「何?」「いや、別に……お前、今日も相変わらず髪がぼさぼさだな。ちゃんとリンス使っているのか?」「相変わらずひどいこと言うね。こう見えてもちょっと気にしてるの。ほら、私ってアホ毛だけじゃなくて、くせっ毛もひどいし…。」「毎日、実らない努力、お疲れ様です。」「終わるし!てか、終わらせてみせるし!」あぁ、今日も失敗。おれは何で凛にこんなことばかり言ってしまうのだろう。おれが伝えたいのはもっと別のことなのに。「…ねぇ、日向…。12月30日って、予定が空いてたりする?…ほら、大晦日は家族と過ごすだろうから、その前日。」「え、お、おれは全然大丈夫だけど、お前こそいいのか?だって、年末は大切な人と…。」「じゃあ!決定ね。絶対来てよ!」「お、おぅ……。」おれは凛には敵わないと思った。

凛の部屋。いつもぬいぐるみやら服やらでごった返していたのに今日は何故かきれいに片付いていた。まあ、最後にこの場所に入ったのは10年近く昔の話だが。「、久しぶり、だな。」「まあ、1週間会ってなかったからね。」「……まあいいや。久しぶり。何する?」「そうね……じゃあ、ジェンガやらない?私、得意なんだ!」

それからしばらく彼女に勧められるまま、いろんな遊びをした。結果は散々なことになったけど、そんなことはどうでも良かった。「はい、そばが出来ましたよ~!今日は来てくれてありがとうね。この子もすごい楽しみにしてたのよ。昨日からずーっとこの部屋の片付けをしてたんだから。」「ちょっ、お母さん!そんなこと言わないでよ!恥ずかしいじゃない!」そう反論する凜をおれはじっと見つめた。そういえば、いつものアホ毛やくせっ毛は見つからなかった。

2人は黙々と、もぐもぐと、そばを食べた。おれの残りが海老天1個になったとき、おれは口を開いた。彼女は今まででいちばんの笑顔でそれに応じてくれた。それから、ジューシーな海老のうまみとともに二人は1日早い年明けを迎えた。

歳暮

意味:①一年の終わりごろ。年の暮れ。年末。

   ②お世話になった礼として、年末に物を贈ること。また、そのもの。

啜る

意味:音を立てながら空気とともに吸い込むこと

玩弄

意味:人を弄んだり、なじったりすること

オンライン国語辞典より

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