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さんだいのきせき  作者: ちくましゃん
3/14

熊 命令 系図

人によっては残酷な描写と捉えられそうな場面があります。

 これはとある森の主のお話。

 その熊は森の厄介者として、ふもとの村で有名でした。森の入り口にはあえて目立つように引っ搔き傷がつけられていて、森のそばで作物を栽培すると、すぐに荒らされてしまいました。しかも、その被害がなんと百年にもわたって続いているのです。ふもとの人たちは、あれは化け物だ、と言い、何度も腕の立つ狩人を遣りましたが、次の日には決まってぐしゃぐしゃになり、原形をとどめていない狩人があの引っ掻き傷のある木の下に並べてあり、そこにハエがたかっていました。やがて、村人たちはその森へ近づくのを固く禁じるようになりました。

 それから数年後、森の中では人間追い払い業を受け継いだ五代目の熊がいました。熊は四代目までの家系図が彫られた木を見て、ため息を一つつきました。そして、のっそりと森の見回りを始めました。この森に人間が近づかないことを祈りながら……。しばらく歩いていると、ふと、人間のにおいを感じて立ち止まりました。熊は毛を一気に逆立たせつつ、においの方向を探しました。においは入り口の方からします。熊は全速力で入り口の方へ駆けていきました。入り口が見える木陰で様子をうかがうと、そこには人間の赤ん坊がいて、すやすやとかわいい寝息を立てていました。近づいて顔をよく見てみると、一筋の涙が頬を伝って毛布に小さなしみを作っていました。熊はしばらく赤ん坊をじっと見たあと、首の後ろ辺りを優しくくわえました。

 一方、そのころ村では、一人の若者が猟銃を点検していました。お茶を出しながら、団子屋の主人が言いました。「おい、そこの若い旦那。本当に行く気かい?喰い殺されても知らんぞ!」若者はお茶を一気に飲み干して、「お心遣い感謝します。必ず、親の仇を取って参ります。」と言い、鈍い光を放つ猟銃を手にして、森へとずんずん歩いていきました。

 森の入り口まで行くと、どこからか熊の唸り声が聞こえてきました。「絶対仕留めてやる……!」そうつぶやいて、若者は武器を構えながら森へと入っていきました。

 しばらくすると、草やぶのそばに一匹の大きな熊がいました。熊をまっすぐ見据えながら若者は「そなたがこの森の主だな!!おれと勝負しろ!!!」と叫びました。熊は一瞬ぎょっとしたかのように若者を見ると、すぐに威嚇するように若者をにらみつけて、一直線に若者めがけて突進した。若者は冷静に猟銃の引き金を引いた。ターン、ターン、ターン…。

 若者は肩を震わせて足元に横たわる熊をにらみつけていた。なにやら泣き声がして、奥の草やぶを見ると、そこには四つの熊の頭蓋骨が並べてあり、その手前には生後一か月ほどの赤ん坊が何かを求めて泣き叫んでいました。若者はもう一度熊を見つめました。「お前にも、守るものがあったのだな。」若者の両目には、大粒の涙があふれ出ていました。

どうも!ちくましゃんです!

今回の物語はどうでしたか?今回の作品では、人間と動物の対立、調和を描いてみました。(友達に見せたら、ちょっと感動したって言ってもらえて僕は泣きそうになりました)この物語でなくても、人間も同じ動物な訳ですから、仲良く共存できる社会にしていきたいですね!

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