表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/78

8話

「魔力って鍛え方有るのか?」


俺はストレートに猫に聞く。


「簡単に言ってくれるわね?答えはイエスよ。」

「簡単に答えてるじゃねーか。」

「方法が簡単じゃ無いのよ。」

「ほうほう。」

「なんか教えるのが馬鹿らしくなっちゃった。」

「ダジャレは誰にも迷惑を掛けないから好きなんだよね!」

「次にカマしたら電撃入れるわ!」

「ヒドイ!」


さっきまでのしんみりムードはおしまいにしよう。


「魔力を使いまくればいいの。」

「そんだけ?」

「そんだけ。」

「簡単じゃん!」

「この森で?ネズミすらでかくて野鳥は肉食、ゴブリンが闊歩して人間が狩りに来るこの森で?」

「あぁ、はい、魔力使い切ればロクに動け無いもんな。一人じゃ無理な訳だ。なるほどな。」

「そうね、少なくともゴブリン一人じゃ修行は無理ね。私の強さでも修行は場所と時間を選ぶわ。」

「手伝ってくんない?」

「いいわよ?」

「おっ?すんなりオーケー貰えたよ!」

「せっかく魔道具を手に入れたんだから、魔力の使い方を覚えなさい?そして強くなって私の為に働きなさい?」

「そういう事か!猫の為ってのは納得しかねるが、強くなれたらサチのやりたい事に協力はしよう。約束するよ。」

「もう1つ約束して。強くなっても調子に乗らない事!」

「・・・。」

「あなたはゴブリンなのよ?野良犬にも殺されかねない最下級種族なのよ?身長は中学生レベル、筋肉は有るかどうか分からないレベル、顔は凶悪犯並み、髪は無い、ハゲ、泥団子、ケダモノ・・・」

「待て待て。それはただの悪口だろ?」

「全て事実よ?」

「ウグッ!」

「あら、ゴブリンっぽい。」

「分かったよ、俺はゴブリン、強くなっても気のせいって事だな?」

「分かってくれて何よりだわ。あなたは多少強くなってもゴブリンなのよ。」

「忠告、感謝するよ。」


「では授業を始めます!」

「何のノリ!?」

「では先生の指示に従って下さい。」

「分かりました。野良猫先生。」

「ゴッフ!」

「精神ダメージで吐血した!?」

「安心して下さい、トマトです!」

「どんだけネタを仕込んでんだよ!?」

「真面目に授業を受けなさい!」

「貴様がな!」


ふざけながらも修行を始める。俺は自分の住みかの周り、半径10メートルの外側を目安に穴掘りの魔道具で穴を掘りまくる。日本の城の空堀のイメージだ。深さは3メートル位か。これは俺の修行と住みかの安全性を高めるという一石二鳥の手だ。


最初は2回でくたびれてしまっていた。だが、休み休み繰り返す事で魔力の容量が増えたのか夕方には5回位連続で魔術を使える様になった。

しかし、サチの様に魔道具無しで魔法を放つ事は出来なかった。


「私みたいに魔法を使うのは当分先になりそうね?」


悔しいが1日頑張った位で魔法が使えれば苦労は無い。ここらで今日は終わりにしよう。

晩御飯は取り貯めしてあるリンゴとサチが確保してくれた鳥。何故か空堀の底で血抜きをやらされた。サチが言うには、血の臭いが魔物を誘き寄せる罠になるらしい。空堀からの脱出は住みかの巨木からボロ布をロープの代りにしてある。もちろん寝る前は引き上げる手筈だ。

枝を集めて焼き上げる。今度はYの字の枝を使って腕が疲れない様にくるくる回せる工夫をした。それはとある有名なモンスターのハンターのゲームをイメージした。焼いてる間はサチが周りを警戒してくれた。

調味料は無いけど美味しい晩御飯を食べたら巨木のウロで小さくなって休んだ。


ドン!

「ギ!グギッ!」

「何の音だ!?」

俺は木の棒を掴んで辺りを警戒した。

「ワナにかかったゴブリンがいるのよ。やっつけて!」

サチが空堀の底を睨みながら言う。

「俺もゴブリンなんですけど!同族殺しをしろって事!?」

「なら殺されたいの?」

「どういう事?」

「ゴブリンは自分の群れ以外のゴブリンを襲うのよね。あなたの縄張りを奪いに来たってワケ。」

「仲間扱いはしないんだ・・・。」

ちょっとショックを受けた。ゴブリンにすら受け入れて貰えないなんて・・・。

「それが天然の魔物ってヤツよ。」

「俺って養殖だったんだ。」

「フザけてないで殺っちゃって!」


そうだな。俺はまだまだ死ぬワケにはいかない!今度は同胞の命を奪う覚悟をしよう。


意外と問題無さそうだ。俺がどうとかは置いとけば、ゴブリンを退治するだけだからな。

良く考えたら最初に見たスキンヘッドのオッサンと同じ様なモンだな。

しかし、俺の持ってる木の棒じゃ空堀の底までは届かない。

どうしようか?

「ゴブリンに穴掘り魔道具使ったら?」

「やってみるか?」


穴を覗き込む。・・・。ヤベェ、思ってたんと違う・・・。



上から見たら泥団子が蠢いていた。10匹位のゴブリンがうようよしてた。気持ち悪い!1匹だけだと思ってたよ。

早いとこやっつけるか。


ゴブリンに穴掘り魔術を直接ぶつける。日中に鬼の様に穴掘りしたお陰で発動の距離や命中率は既に自信が有る程だ!狙い通りにゴブリンに・・・。




うわっ、エグい!ゴブリン達の頭や背中が割れていく!それでも魔術を打てる限り打ちまくった!



今、モザイクの魔術が切実に欲しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ