78話
ヤマタイ国の首脳陣と相談した後は鬼の様な忙しさだった・・・。
木々の伐採はコロマルとダイクンにお任せして、サイクン主導の下にパイプと水回りの設備を延々と作り続けた。実際にはサイクンの弟子たちが5人掛かりで型を作り、他の弟子たちが型に土を被せて綺麗に均す。俺は型の注文と硬質化の魔法を使い続ける・・・。
明け方まで作業を続け、大小合わせて600ものシンクを作る事が出来た。
夜明けと共に伐採完了の報告を受けた俺は、目にクマを作りつつも、深さ1メートル、半径で200メートル程のクレータを2箇所に掘り出した!
・・・そこで魔力が尽きて休憩所に連れて来られたのだが。
「あれ?イライザか?なんか久しぶりだな」
「ジーク様が私の名前を!もはや、ここで死んでも悔いは無いです!」
「流石に自分の家のメイドさんの名前は覚えてるよ・・・あ、そうだ!ニーナに会ったぞ。団長のニーナだ。知って居るだろ?」
「ニーナさんに!・・・彼女は・・・その・・・ジーク様、彼女とはどんなお話を?」
「んー・・・まずは、ヤマタイ国へ攻め込もうとしていてな。軍団ごと返り討ちにしたんだが、彼女は俺に降って部下になった。ミーシャ達みたいに俺の近くに控えてもらう予定だよ」
「良かった・・・彼女は無事なんですね?」
「それがな・・・貴族に恨みが募ってる。って事で、数日後に王都を大規模に粛清して回る事になった。後世まで語り継がれる程の血の粛清になるんじゃないか?」
「・・・やはり・・・」
「少し強引な気もするが、長く住民を苦しめ続けた貴族は淘汰されるべきなのだろう。国の違う俺はどっちでもいいがな」
「貴族はどうでも良いのですよ?私達のジーク様に歯向かうと言うのであれば、私の命に替えてでもニーナさんを説得しようと思っていたのです!彼女もジーク様の御威光で開眼されたのであれば、何よりの幸福でしょう!」
「いや、何を言っているのか分からないんだが?」
「そもそも、世の全てはジーク様にかしずくべきなのです!」
「ヤバいな、発作が起きてる・・・」
「しかし、ジーク様の直属の部下とは・・・ニーナさんも出世したものですね・・・」
「団長からゴブリンの部下だぞ?出世か?」
「大金星でしょう!恨めしい・・・いや、羨ましい!」
「そ、そうですか・・・」
「でも、ニーナさんがジーク様の護衛に就くなら安心ですね。少しお堅い所も有りますが、見た目も麗しいですし、何より・・・」
イライザが巨乳のジェスチャー。
確かに出会った時はご立派な物をお持ちだった!
「それがな、特殊な魔物の肉を食べて進化・・・いや、退化したんだ。代わりに随分と若返ったみたいだよ」
「若返った!?若返ったですって!?ジーク様!どういう事ですか!?」
物凄い剣幕で問い詰められても俺の知ったこっちゃない。
「知らん。魔物の変異種だったんじゃないか?ついでにサタンも若返ったぞ」
「あ、猫はどうでも良いです」
サタンが可哀想でならない。どうやら引き籠もりの性質がバレているらしい。
一応は幻獣・金華猫なんだが・・・。
「今度本人に聞いて見るんだな。王都が一段落したらヤマタイ国に来るだろうから」
「はい!楽しみにしておきます!若返りの秘法!」
「楽しみなのはそっちかよ・・・」
若さってのはそんなに重要なモンかね?
日本に居た頃は化粧や髪型、服装で結構誤魔化しが効いてたよな。アラフォーでも気を付けてる人は若く見えるしな。
まあ、寿命が伸びるなら死にものぐるいで方法を探す人も居るだろうがな。




