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5話

俺は妙な世界に喚ばれたようだが、元日本人のサチってケットシーに出会う事が出来た。

俺は幸運かも知れない。いや、そんな訳あるかい!俺の種族ゴブリンやぞ!?


「おはようさん」

「おはよ!ネズミ食べる?」

サチは自分と同じ位でかいネズミを咥えて来た。そりゃ猫だしな?魔法使えるしな!?羨ましいな!!

「えっと・・・。生で?」

「私はイケるわよ?他のゴブリンも確か生で。」

勘弁してください。

「焼こう!炎の魔法使えるんだろ?」

「ちょっとだけって言ったでしょ?このサイズに火を通すのは無理よ?」

「じゃあ、枝でも集めてくるわ。」

適当に燃えやすそうな小枝と火持ちの良さそうな太めな枝をかき集める。

「それならイケるわね。私は手が使えないから色々不便なのよ・・・。」

「苦労して来たんだな・・・。」

「変わりに高品質の毛皮があるし、少し魔法が使えるから大丈夫だったけどね。」

「喋らなきゃ街で暮らせたんじゃない?」



ケットシーがこちらを凝視している。口を半開きで凝視している。

「なるほど!」

この猫は少しお馬鹿さんでした。でも俺は大人だから指摘しない。で、さりげなく目を剃らす。笑いを堪えよう。とことん堪えよう。

「でも、ただの猫として暮らすのもプライドが傷付くわね」

「野良猫ならいいの?」

威嚇された。


こんがり焼けた?燃えた?ネズミを頂く。枝をぶっ指してくるくる回しながら焼いたら腕がパンパンになった。次はYの字型の枝も用意しよう!


「さて、お腹も膨れたし、水浴びしてくる。サチはどうする?」

「いやん、エッチ!」

「ハイハイ。」

猫って恥ずかしいのかな?毛皮は服の変わりにならないのか?なら、普段は素っ裸?それとも俺の裸が問題か?ゴブリンなんて普段は何着てるんだ?


どうでもいい事を考えながら身支度を整える。持ち物は手に馴染んで来た木の棒とスリッパ、そして革の袋。


「待たせたな。じゃあ行こう!」

「ゴブリンの巣穴か・・・。」


確かこの辺りのはず・・・。出てきた時は薄暗くなってたから不安だな。

思ったより入り口が隠れてて見つけづらかった。これは住みかには持って来いじゃないか?


「あぁ、この洞窟ね!」

「えっ?知ってるの?」

「良くゴブリンが住んだり、死んだりしてるわよ?人間とか、他の魔物の絶好の狩り場ね。」

「・・・。今回は探索だけにしよう。」

「もしかして住もうとしてたの?人間が狩りに来てたのに?馬鹿なの?やっぱりゴブリンね!・・・だから冗談よ、棒はやめて!」


俺は少しふざけた後、深呼吸して洞窟をそーっと覗き込む。そこには予想していた光景は無く、変わりに大量のゼリーが蠢いていた。


「あれ?大量の元ゴブリンは?んで、これは?スライム?」

「そう!森の掃除屋、スライムさん達だよ!」

「ゲームみたいに何でも食べるの?」

「何のゲームか分かんないけどスライムさんが食べるのは有機物だけね。」

「そりゃそうか。ならお宝とか残ってるかもな。」

「えっ?お宝!?早く探しましょうよ!」

「本当の宝じゃないよ、布とか鉄くずとかね。」

「そういう事ね。まぁいいわ。探して見ましょう?」


戦利品報告。ヒサシは革の袋を手に入れた!ヒサシは金属の腕輪を手に入れた!ヒサシは革の袋を手に入れた!ヒサシはボロ布を4枚手に入れた!


ゴブリン達のまとってたボロ布は人間の一撃でズタズタになっている物が多く、辛うじて4枚だけの収穫だった。革の袋は特にラッキー!今までのには食糧を、こっちには投石用の石とか石器を入れておこう!金属の腕輪は・・・なんだろう?オシャレ用?サチに見せて見ようかな?


「サチさん?この腕輪ってなんだろ?」

「何々?これ?・・・嘘・・・まさかね。でも・・・。」

「なんだよ?勿体ぶって!」

「この腕輪の模様が魔術の式に見えるの。」

「魔術?魔法と違うの?」

「魔術は魔法を制御する公式の事よ。魔法はただの魔力の放出。詳しい事は後で教えるわね。・・・メーベルの婆さんが生きていれば丁寧に教えてくれたかも知れないけどね。」

「使い方は解るか?」

「こういう式を刻んだ道具を魔道具っていって魔力を込めると魔術が発動するわよ。」

「やってみたいな!」

「せめて洞窟から出て使いましょう?」

「あいよ」


もしかして、俺も魔術が使えるかも!?


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