4話
コイツは・・・もしかすると元日本人かも知れない!猫だが!
俺はテンションが急上昇した!
「俺、ハラダ ヒサシ!お前も日本人だろ!?」
「えっ!?ゴブリンのクセに日本人?どういう事?信じらんない!」
「いや、お前も猫だからな?ってか落ち着け!」
なんか面倒臭い奴だな。こっちの話を聞く気が無いのか?とりあえず棒を構え直す。
「サーセンシタ!」
猫が伏せをする。俺は構えを解いて猫のアゴをコロコロする。
「おっふ、あっふ、ぐふぐふ。」
あまり可愛く無いな。
「くっ、やるわね!」
「んで、どうなんだ?お前の正体は?」
「タカス、サチ。サチって呼んで」
「サチは何で猫になってるか解る?」
「召喚された。気付いたら猫になってメーベルって婆さんの前に居たの・・・。あなたは?」
「俺は昨日、気付いたら洞窟で・・・」
俺は説明しながら泣いていた。猫、いやサチはウンウンと話を聞いてくれた。
「なるほど。辛かったわね・・・。じゃあ、こっちの世界の新人さんね。」
「サチはこっち来て長いのか?ってか何歳?」
「歳はよん・・・3歳。」
「そうか、3年前にこっちに来たのか。何か言い掛けたのは実年齢か?」
「引っかくわよ?」
痛そうだ。
「その婆さんと話は出来るか?」
「私を喚んで1年で死んじゃった。それからは野良猫。街の人達は言葉を話す猫なんて気味が悪いって石とかゴミとか投げてきたから・・・とにかく逃げて逃げてこの森に住んでるの」
「なんか・・・石、スマン。」
「えっ?もしかして、さっき石を投げたのはあなた!?」
毛を逆立てて威嚇を始めた。
「生き物が居るとは思わなんだ。スマン!この通り!」
謝りつつも棒を構える。
「何で威嚇し返してのよ!?」
「俺、ゴブリンだから、噛みつかれるだけでも簡単に死ぬかもしんないから。」
油断無く構える。
「そんなんで叩かれたら私だってヤバイわよ!?」
「分かった。時間はあるか?とりあえず色々教えてくれ。」
俺は自分の住みかにサチを案内しながらリンゴを収穫していった。
「へぇー、ゴブリンってリンゴ食べるんだ。」
通称リンゴから正式名称リンゴになった!
「昨日の洞窟にあったから食ってみたらうまかった。逆に他に何が食えるか分かんない。知ってたら教えてくれ。」
「他のゴブリンなら動物とか魔物とか虫とか果物とか、とにかく何でも食べてたわよ?」
「虫は勘弁。それよか魔物って居るの?」
「あなたが魔物の代表ゴブリンじゃない?馬鹿なの?やっぱりゴブリンね!」
構える。
「サーセンシタ!」
「冗談はさておき、俺も召喚されたのかな?」
「多分そうじゃないかな?ゴブリンの上位種族は眷属達を喚ぶから。」
「あれで上位種族?俺とあまり変わらない雰囲気だったぞ?」
「ゴブリンの上位種族で魔法を使うタイプが居るのよ。」
「マジっすか!?魔法あんの!?俺使えるの!?」
「あなたが使えるかは分かんないけどね。」
おもむろにサチは尻尾の先を振った。すると毛先にバチバチと放電が起きる!
「すっげえ!」
俺、大興奮!!
「私は電撃と少しの炎ね。後は・・・内緒!」
猫のクセに器用に片目のウインク。本当に猫か?いや、そもそも魔法使う猫って魔物じゃない?
「サチって普通の猫?」
「そんなの召喚するわけ無いでしょ?馬鹿なの?やっぱり・・・」
構える。
「サーセンシタ!」
「んで?実際は?」
「ケットシーだって。でも他のケットシーなんて見たこと無いのよね。」
「そうか・・・。サチはこの森のどこに住んでるんだ?」
「いくつか住みかは持ってるわよ?1ヶ所じゃ危ないし、不便だしね。」
「俺も住めそうな所ある?」
「あなたが寝るスペースなんて・・・えっ?私と寝るなんて!エッチ!」
「猫に興奮したら首を吊ります。もしくは十字架に張りつけられます。自ら。」
「素直じゃないのね?分かったわ。」
「何が分かったか知らんが住める所はここ位か」
「昨日の洞窟とやらは?」
「モザイク必要だと思うよ?」
「モザイク?・・・あぁ、大量虐殺の現場ね?それは心配ないわ。明日にでも行ってみましょう?」
俺は心強い知り合いが出来た!かも知れない・・・。なんせ猫だし。




