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2話

よっこいせ!と体を起こして地獄絵図を再確認。込み上げるアレを必死に抑え込む。


少しずつ落ち着いて来た。そこで冷静に状況確認。冷静に冷静に・・・いや!無理!逆に混乱してきたよ!だって俺の体が変だから!そもそもココドコ?ワタシハダレ?なんつって!いやいや、ふざけてる場合じゃない。とりあえず俺が覚えてるのは・・・



そう、さっきまで昼寝してたよな?営業先の勘違いで2時間空いたから昼飯食って車で軽くウトウトと・・・んで、気付いたら洞窟?何故?いや、分かるところから考えよう。

俺は原田 久。そう名前は大丈夫。年齢は30歳。ここまでは分かる。

ここからが問題だ。だって俺の髪が無くなってるんだよ!?周りの連中が例外無くハゲ頭だから不安になって触ってみたら案の定、髪が無い!




少し放心してしまった様だ。冷静に冷静に。

他には・・・爪も鋭く伸びてるし耳も少し細長いかな。服は雑巾みたいな布が腰に巻き付いてるだけで靴も無し。体型もガリガリにやせこけてる。触った感じでは多分だけど、顔の形も変わってるみたい・・・。

俺も周りのハゲ頭の仲間入りしてたんだね。皆、ハゲ頭ハゲ頭言ってゴメンね?ハゲは悪く無いよ、むしろ清々しいよね!逆に爽やかさが光るよね!・・・虚しくなってきた。

これはゲームで見たことあるね!レベル1でも倒せる魔物、ゴブリンだよね、どうみても。





いかんいかん、また放心してました。とりあえず洞窟から出たいな。

でも近くにオッサンが斧もってウロウロしてるかも知んないから慎重になろう。

あのオッサンは多分、人だったな。鬼みたいな強さで鬼みたいな雄叫びあげてたけど、人・・・だよな?やっぱり。このまま外にでるのは不安だな。辺りを見渡す。

「コレ貰うよ」

後ろで体が2つに別れた偉そうなハゲ頭、もといゴブリンから木で出来た棒を拝借する。うん、無いよりマシ。他には・・・革の袋とサンダルみたいな靴か。無いよりマシ。血が着いてるけど洗えばいいか?

更に後ろには木の実っぽいのが転がってる。お腹はさっき空腹にしたけど地獄絵図のこの場では食べたくないので革の袋に入れて行こう。略奪上等!なにせこっちはゴブリンだからね!


しかしここにある同胞(?)も本当は俺みたいに自我があったりして・・・。

ヤバい、また込み上げてきた!落ち着け俺!きっと大丈夫!言葉をしゃべってた奴は居なかった!

多分、自分とは違うと思っても涙が出てきた。やっぱり俺、ゴブリンになったんだな。


そんな感傷に浸ってたら洞窟の外が薄暗くなってきた。そろそろ外に出てみようかな?


外は一面の森でした。そんなに木の密度は高くないが奥は見えないな。なんか不気味だ。

誰か助けてくれないかな?道に迷った哀れなゴブリンを助けてくれないかな?無理だよね?知ってる。

だって俺ならこんな所、近寄らないもん!ゴブリンに声なんて掛けないもん。悲しくなんてないもん!

うん。30歳のセリフでは無いな。よし飯食おう。さっきの木の実はひとまず置いとく。んでコレを見本に木の実を探す。これで行こう。


深呼吸して耳を澄ますと水の音が聞こえた気がする。なら、先に水を確保しよう。遭難したときは、なるべく動くなっていうけど、関係無い。だって救助される見込みが無いからね。


そんな事を思いながら散策、そして川を発見!辺りを見渡すが他の動物は居ない様だ。ワニとか居ないよな?水の底まで見える位だから大丈夫か。

まずはスリッパと木の棒の血を洗い落とす。ゴブリンも血は赤色でした。その後は当初の目的の木の実探し。

ラッキーだったのは魔物になって夜目が利くようになってた事と耳が良くなった事。他の動物?魔物?に遭遇しないように食べ物を手に入れた。そこで洞窟から持ち出した木の実的な物を食べる。先に手に入れた物から食べていけばそうそう腐らないだろう。

リンゴみたいな見た目の木の実はリンゴみたいな味がした。うん。美味い!これはリンゴと名付けよう!


すっごく疲れたので、休める所を探す。とりあえずは川から近い所で身を隠せる所だな。寝心地はこの際諦めよう。大きな木のウロを見つけたので体を休めるとしよう。


どうか、夢であってくれ。よりによってゴブリンに産まれ変わったなんて・・・。せめてドラゴンとかイケメンとかが良かった!

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