私の1ページ_27
「悲しいときは泣いたらいいよ」
たいしたことないから大丈夫と言って、へらっと笑った私に彼女は告げる。
唐突な言葉に、私は口角があがったまま彼女を見つめる。
「そんなふうに表情作ってたら、自分の気持ちがわからなくなるよ」
大丈夫だ。
私は取り繕ってなどいない。
それなのに、
何も反論できずに表情が固まったままでいる。
「悲しいときに笑ってたら、今度楽しいことがあって笑ったときに、気持ちがぎゅーって切なくなるよ」
その言葉を聞いて、最近の自分の気持ちを思い出した。
私、心から楽しいって思ったのはいつだっけ。
「自分の気持ちには素直にいてあげて」
もう、だめだった。
よくわからないけど、涙が溢れてきていた。