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歌姫♂は今日は前夜

残業のせいで仕事おわったのが22時50分なんだけど。そこから帰って、飯食って風呂入って、日付変わってるんだけど。

体育祭前夜、明日に向けて沢山寝ろと姉貴に言われて早めにベッドに潜る。しかしまだ8時だ。早すぎだ。せめて9時になれば寝ると思う。しかし暇、ゲームでもすれば目が疲れるし漫画でも読むか?

 

何周したかわからない読み慣れた漫画を手に取ろうとする。スマホがピコンとなった。誰からだろうと思い手に取ると(はっぱ)ちゃんからメッセージが届いていた。


『いきなり夜分にすみません』


『大丈夫、暇だったし。どうしたの?』


『その、晴夜君の明日の体育祭なんですけど、晴夜(はるや)君の学校って関係ない人でも入れるんですか?』


『入れるね』


『実は、女将さんが急遽明日を休みにしてくれたんです。そしたら(かえで)ちゃんがせっかくなので晴夜君の応援に行きませんかって』


「え?!」


びっくりして声を出してしまった。いきなり応援しに来ても良いですかって、嬉しい。家族や学校内以外で初めてかもしれない。誰かに応援されるのって。にしてもいきなり、いや急遽休みになったっていってたし、連絡先交換して良かった。いやまて、こんなに美人な人が俺を応援しに来たところを他の奴にバレたらいじられる。


『やっぱり迷惑でしょうか。いきなり応援に行きますって言われても困惑するだけですよね』


あ、やばい。


『いえいえ全く迷惑じゃありまSん! むしろ嬉しいです! 葉ちゃんが応援してくれたらやる気100倍元気100倍です!』


焦ってうちミスをしたままメッセージを送ってしまった。勿論嬉しい。葉ちゃんのような人に応援してもらえるなんて。闘志100倍どころじゃない。


『ありがとうございます。精一杯沢山の応援をしますね』


来ることが決まってしまった。これは失態を晒さないようにしないと………醜態を晒すこと確定してること忘れてた! 騎馬戦! あれだけは見られたくない! ちくしょう! そうだ! 騎馬戦だけは見ないように頼もう! 男の半裸なんて刺激が強すぎる! それを理由にしよう!


『特に騎馬戦! 楓ちゃんが晴夜君の学校の騎馬戦は全学年が参加するから最も重要な競技で迫力もあるって聞いたので私も声が負けないように頑張って応援します!』


あのクソガキ余計なことを!!!!! よりにもよって騎馬戦をピックアップしやがって!  


キレてスマホを下に叩きつけかけた。言えない。一番期待してるものを見るなとは言えない。詰んだ。こうなったらもうハイになるしかないのか? 覚悟を決めるか? 諦めよう。


『ところで、晴夜君は何組なんでしょうか?』


何組、ああ。確かに。全員ジャージだからわかりづらいか。


『A組。赤だね。BCDEからじゅんに青、緑、黄、白。赤の鉢巻をしてる誰かが俺』


『見つけられそう!』


『すぐに見つけられると思うよ』


男子席に女子っぽい奴がいたら俺だ。


『どうしよう』


『?』


『何かあったのか?』


何の脈絡もなく送られてきたどうしように少し困惑する。


『女将さんがお弁当を持っていきなさいって』


『当日は皆弁当だけど? 購買も開いてはいるけど何も売ってないし』


『その、3人分もの材料を渡されちゃって』


『3人分?!』


『応援しにくるのって葉ちゃんだけだよね。いても楓ちゃんだし2人分で充分じゃ』


『友達の体育祭の応援しに行くって言ったらその人の分もって行きなさいって』


ええっと、弁当の下準備は姉貴に任せてるけどまだ始めてないよね。

『ちょっとまって』と送って確認すると既に始めている。しかもめっち張り切ってる。普段なら前日から下準備なんてしないで当日冷蔵庫の中を見て何かを作る人なのに今回に限って………これは止められない。


そっと部屋に戻る。葉さんの弁当食べたかった。でも仕方ない。既に作り始めている以上止めることはできない。姉貴に殴られそうだし。


申し訳ないけど弁当は断ろう。


『弁当断ったら『歌姫』だってこと晒す』


楓から詰みのメッセージがきました。当日熱出さねえかな。


『まってこっちもう弁当作ってるんだけど』


『頑張って二人分食べてください』


『二人分なら何とかなる……かも』


そうだ。こっちと合わせても5人前、一緒になることは確実だから4人。何とかなる。


「よっしゃー! 沢山食べられるように作るぞ!」


姉貴の張り切ってる声が聞こえる。ねえ、沢山ってそれ本当に沢山じゃないよね。二人分だよね。特別多くなってないよね


『あ、米は朝炊くみたいでそれ合わせたら四人前になるそうです』


死んだわ。これ死んだわ。昼ご飯食べすぎた後応援歌で一人で歌い公開処刑になったところ騎馬戦の半裸で追い打ち。止めに吐く。


送信先を葉に変更する。


『ありがとうございます。是非とも頂きます』


『こちらこそ勝手をききいれてくれてありがとうございます。一年に一度の体育祭。腕によりをかけてお弁当を作らせて頂きます!』





















 



次回から体育祭ですね。正直に言います。醜態晒しまくりたいです。


この小説が少しでも面白いと思った方、つまんないと思った方、ブクマと高評価お願いします。

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[一言] 思わずイッキ読みしてしまった… w
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