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歌姫♂は今日は悩み事

宇多聴ってメインヒロインのハズなのにヒロインしてない……してなくない?

「ふっふっはっはっふっふっはっは」


現在朝6時、に太陽が見える。左はまだ暗い。知っている道の筈なのに少し薄暗く感じるだけで新鮮さがある。気温が上がってきたにも拘らず肌寒い。


それにしても夕方と朝方では太陽の位置が反対なだけなのに、なぜ朝焼けは美しく感じ夕焼けは黄昏れたくなるのだろうか。それは気温のせいだろう。寒いと『光』が美しく見える。暑いと『色』が綺麗に見える。なんでだろう?


ん〜??


そんな事考えながら走ってると角で飛び出してきた人に気づかずぶつかってしまう。


「うげ!」


「いた!」


そのまま尻もちをついてしまった。尻が痛い。


しまった! 耳につけてたイヤホンが取れた! それにぶつかっちゃった?! まずい! 考え事なんてするんじゃなかった! ぶつかってしまった人大丈夫かな。


「いたた、ごめんなさい。大丈夫ですか?」


「いっつ〜、いえ、大丈夫です。俺こそぶつかってすみません。大丈夫ですか?」


私の不注意だ。本当に申し訳ない。


不安と心配の両方で声をかける。相手も痛がっているようで………よく見ると晴夜(はるや)だった。あちらも気づいようだ。


「晴夜君?!」


宇多聴(うたき)か、すまん。怪我はないか?」


私よりも早く立ち上がって手を差し伸べてくれる。尻もちついて痛かったので助かった。手をとって立ち上がる。晴夜もジャージを着ているところから走っていたのだろう。

私はこの前の体育祭の種目決めの時休んでしまった為にマラソンに出ることになってしまった。


「大丈夫大丈夫。晴夜君は…平気そうね」


「少しは鍛えてるからな。にしても考え事しながら走るもんじゃなかった」


「同じく」


「お互い様だったか」


何事も無かったので互いに流すように軽く笑う。ぶつかった際に外れたイヤホンを拾おうとすると何故か4つあった。あれ? 


「あれ、どれが俺のだ?」


全く同じデザインで同じ色。まさか同じイヤホンを持っていたとは、大人気モデルだから仕方ないか。


「流れてる音楽からわかるんじゃない? 流石に音量や曲まで同じものを聞いてるって事は無いだろうし」


「え? ちょっとまっ?!」


一番近くにあった奴を拾って聞いてみる。この前投稿された『結月晴(ゆづきはる)』の歌ってみただった。私のでは無い。これは晴夜のだ。と言うか


「自分で歌ったやつを聞いてたの?」


「うっ」 


私が取るのを制止しようとしていた所からも知られたくなかったみたい。ちくしょうと顔に書いてある。


「いやぁ、さっすがは『歌姫』自分も魅了しちゃうのかぁ」


「良いじゃないか別に。『結月晴』として歌ってると歌の世界に入るから俺とは別人の感覚がするんだよ」


ちょっと煽り気味にいうと答えてくれた。別人の感覚ってそれもはやその歌の為に人格を作っているようなものじゃん。でも自分で歌っている事に変わりないから他人には知られたくなかった。自分が歌っているやつを聞くと恥ずかしくならない? 私はなる。歌い手とかなら確認とかの為に聞くとは思うけど日常では聞かないかなぁ。

 

「もういいだろう。イヤホンもわかったし、俺はランニングを再開する」


「ならどうせだし一緒に走ろ」


「………………………」


「無言で嫌な顔されると傷つくんだけど」


「だって学校外でお前に会うと辱めを受けるから」


「……………………なんの事かな?」


「その間はなんだ」


快く一緒に走ることになった。近くの川にそう。絶好のランニングスポットだと思う。


「考え事って何考えてたの?」


さっきの疑問をぶつけると晴夜は言うのを渋る。でも少し考えると私なら良いかと教えてくれる。


「この前日白(かしろ)さんのLIVEあっただろ」


「あれかぁ、チケット買えなくて萎えた」


「実はあの時マネージャーがいないとかでデュエット時に指名されてさ」


「ええ?!」


日白さんと言ったら『結月晴』と同じ『歌姫』の称号を持つ人! そんな凄い人と歌ったと言うの?! 日白さんは気まぐれでデュエット時に観客の誰かを指名するときがあるのは有名。でもまさか晴夜が選ばれていたなんて!


「いいなぁ、二人の『歌姫』聞きたかったぁ! あれ、でもそれって正体がばれたんじゃ」


「それはない。あの声は裏声でそれは使わなかったから」


それでも逃した事には変わり無い。マラソンと言い運が無いなぁ。


「それで人前で歌って、大歓声をもらったんだ。日白さんがいたのもあったけど、凄く楽しくて嬉しくなってさ、本気で歌って、沢山の拍手をもらったのが。だから(晴夜)としても活動を始めようかと思ったんだ」


「え?」


少し照れくさそうに言う。一瞬晴夜が物凄く遠い人に見えた。


「でもまあ、晴のようには上手く行かないだろうけど」


「上手く行くか行かないかはわからないけど………私は聞いてみたいな。晴夜君の本気の歌」


「……ありがとう」


目を逸らされた。  




 

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(楽しくなってきた露骨なブクマ稼ぎ)

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