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歌姫♂は今日はラブコメ

誤字報告毎度ありがとうございます! 既に50件以上来てるとかやばいわ。

いつもブクマありがとうございます!

「うちの妹が迷惑をおかけして申し訳ありません! 本来なら私が面倒を見なきゃいけないのに本当にありがとうございます!」


「いいえ! こちらこそ勝手に家に上げてしまいましたし! 顔を上げてください!」


 とんでもない罪悪感から深々と下げる頭を上げさせたい。


 (かえで)の初潮が多分俺のせいで来てしまったのでその処置、バイトが終わるまで家にいるつもりだったがそうもいかなくなり楓が連絡した所バイトを早く切り上げて迎えに来てくれる事になった…………………ところが(はっぱ)さんは俺の家を知らない、迎えに来れない為に楓をおんぶして葉さんの家に行く事になった。


 さっきから申し訳なさそうに物凄く謝罪とお礼の言葉を受けているが聞くたびに罪悪感が増す。こちらが物凄く申し訳ない。それもこれも全部クソガキのせいなんです。 


「バイトの途中でわざわざすいません」


「いえ、こちらこそわざわざ面倒をみてくださってありがとうございます! 楓ちゃん、体調はどう?」


「お風呂に入りたいです」


「わかった、直ぐに沸かすね」


「じゃあその間面倒見ておきますね」


「ごめんなさいお願いします」


 慌てながら風呂を準備しに行く葉さん。ドタバタと足音が聞こえる。「キャッ!」とか「冷た!」とか聞こえてくる。お湯の蛇口を捻っても最初の冷たい水が出てきたのだろう。


「蛇口に切り替え忘れて冷たいシャワーを被りましたね」


「あれか、たまにあるそれ。どんなドジしたか音だけでわかるのか」


「姉様の妹歴約10年は伊達じゃないです。あんな姉様ですが料理だけは完璧にこなす自慢の姉です」


「バイトも飲食店?」


「横の料亭です。次期女将ですよ」


「え」


 女将? え? 隣の料亭って、確か『四季折』と言う名前だったような。

 スマホで検索して見るとそこは大変凄いお店だった。和食屋とか良くわからないけどとりあえず凄かった。星を獲得するんじゃないかとか言われている程に。そこの女将? もしかして物凄い人?


「つまり葉さんは後継者って事?」


「はいそうです。18歳と4月になったら引き継ぎます。なのでご飯を食べに来る約束をした兄様は言わばただで高価な物を食べに来てるのと一緒です。食べたからと言って姉様に惚れないでください。この前の非常識なセクハラじじいみたいにネットで吊し上げて社会的に殺します」


 やべえ帰りたくなってきた。おんぶしているせいか怨念のようなモノを凄い感じる。身震いしたよ。


「兄様は前にラブコメしてるんですから。今回だってしてるんですよでも今回は私にも落ち度があります。なので今日は見逃しますが次ラブコメしたらASMRをネットに流します」


「あれ録音されてたのか?!」


 ただでさえ恥ずかしかったのにあれが流れたら死ぬ! 記憶に無いけど多分とんでもなくはしたない事言ってたと思う! このクソガキやべえ。やべえよとんでもねえよ。ラブコメって何? 食パン加えて走ってぶつかってないよ。


「ラブコメした覚えないぞ」


「したじゃないですか思いっきり。一緒に帰ってきました」


「あれは俺の不注意で怪我させてしまっただけだ! ラブコメならこう、『うち………来ませんか?』見たいなシチュエーションの事を言うんだろう! 後は手と手が偶然触れ合って『あ』みたいな」


「はあ? なんですかそのテンプレ。今は少し強引で現実味の無い展開が主流です! 偶然怪我させてしまって、家まで付いて来て、ご飯作って、さり気なく次の約束をして、充分ラブコメしてるじゃないですか!」


「あれは俺が悪いし無理に料理して悪化でもしたらどうする。一応楓隠れて節約してるんだぞ」


「………死んでください。ネットに上げますね」


「髪引っ張るな! やめろ!」


 なんで?! ラブコメしてないぞ?! した覚えもない。いやもしかしたらしてるのか? 基準がわからなくなってきた。それにASMRがネットに上げられるのを阻止しないと! 


「冗談ですよ」


「……ふぅ」


 良かった。冗談だったか。一安心。耳が痛い。よく考えたらおんぶしてるから耳元で大声出されてた。


「…………時間的にそろそろ沸きそうですね」


「わかった。下ろすぞ」


 下ろすと下半身を気にしながらドアを開けて中に入っていく。ちゃんと閉める。玄関近くにいる俺には脱衣所の中も見えない。葉さんはこの後も楓の面倒を見なきゃいけないだろうし女の子の問題は男の俺にはよくわからないな。けれどまあ例の日ぐらいは姉貴に気を遣うか。


 俺がいてもお邪魔だと思うので帰ることにする。受話器が置いてありメモ用紙とペンもある為帰る旨を伝える書き置きをしておこうと脱衣所の前に行くと何故か楓が出てきた。


「?」


「給湯器の様子を見てきます。古いのでたまに動かなくなるんですよ。まあ直ぐに直しますけど」


 そう言うと工具を持って外に出る。お湯が出てなかったのか。風呂に入るだけなら銭湯とかとも考えたが例の日が来たときは不特定多数の人がいる場所はあまり行きたくないかもしれないな。



「うう、機械の事よくわからないから(かえ)ちゃんに悪いことしちゃったな…………? もう帰るんですか?」


 楓に続いて葉さんも出てくる。申し訳なさそうにしていた。古いタイプのはお湯になるのは遅いから気づくのに時間がかかったのか。春とはいえまだ寒いしより時間がかかるんだろう。

 書き置きを見て俺が帰ることに気づく


「そうですね。楓も異性の俺がいない方が安心するでしょうし」


「待ってください」


 即却下された。


「今回や前のお礼がまだ出来てないです。その、楓ちゃんから今日はお姉さんの帰りが遅いと聞きました。それに、この前約束をしましたでしょう。今日はうちでご飯を食べてってください」


『うち…………………来ませんか?』


 さっきの言葉が出てきた。状況がにていた。そう思うと意識してしまう。楓が外にいる今、二人きりと言うこと。そして、風呂を入れるためにワフクの衿下を上げたのか葉さんの細長く綺麗な足が太ももからつま先まで顕になっている。そして女将になるとは思えないその可愛らしい混じり気のない純粋な笑顔が近くにあると言うこと。追い打ちをかけるように水しか出ない風呂場は寒かったのか少し頬を赤らめている。


『ラブコメ』その単語が上記の事をより意識に刷り込ませてしまい咄嗟に後ろを向いてしまう。


「どうしたのですか?」


 凄いドキドキする。恥ずかしくなってきた。クソガキがラブコメなんて言うから! まだ2回しか会ってないんだぞ。そんな恋愛とか、そんなのになるわけがない……………多分


「その、男性の前で足を露出させるのはあまり良くないと、思います」


「あ」


 言われて気づいたのか咄嗟に衿下を元に戻す。


「ごめんなさい。和服、濡れるといけないので…………わ?!」


「危ない!」


 はしたないと思って数歩下がったのか、ドアの段差にかかとを引っ掛けて後ろに倒れそうになってしまっていた。咄嗟にその腕を掴んだ。




























 


意味の無い会話って好きなんですよね。それがある漫画や小説はつい読んでしまいます。日常ってそんな感じなんですかね。

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