歌姫♂は特別編のクリスマス
誤字報告ありがとうございます!
今回はクリスマスの話です。特別編なので1話1恥も無いです。多分。
時系列的に未来になりますので初登場のキャラクターが出てきますので少し紹介します。
ベール。
金髪爽やか可愛い系イケメン。夏休み明けに登場予定。クラスメイト
双葉
なろう系量産主人公。夏休み明けに登場予定。クラスメイト
如月
自由人。旅人。
日白
『歌の食料庫』の異名を持つ。そろそろ登場予定
「まさかあんなに並ぶとは、時間指定って何だっけ? 」
「そうね、皆も待ってると思うし早く帰らないとね」
雪が降る中姉貴と大量のチキンとケーキを持って帰る。厚着して寒くないが白い息がどれだけ寒いかを知らせる。ホワイトクリスマスとはしゃぐ子供達、雪に舌打ちしながら走るスーツを来た大人。手を繋ぎ幸せそうに歩くカップル。
「こうして見ると私達カップルみたいね」
「ハハハハハハ(愛想笑い)」
「可愛い冗談に愛想笑いで返すなんてお姉ちゃん悲しい」
「ハハハ(真顔)」
「シクシク」
「姉貴はチキンいらないな」
「いる!」
姉貴に恋人が出来たら絶対別れさせる。
玄関を開けると家の中はクリスマスの装飾がなされていてテーブル同士を繋げて大きく引いたテーブルクロスの上には既に沢山の豪華な料理が並んでいる。
そこには既に数人座っている。そう、今日はクリスマスパーティー。
「おかえりー!」
「「おかえりなさい」」
「「おかえり! 待ってました!」」
「お帰り、混んでたのかい?」
「遅すぎますよ! 餓死させる気ですか! さあ早く私にそのチキンを寄越すのです!」
「姉貴、そこのクソガキにそのまま掴んで渡してやれ」
手袋を付けたままチキンを取り出そうとする姉貴を慌てて止める葉。楓は叱られ不満げな様子で椅子に座る。
如月さんはその様子を見ながら炭酸飲料を飲む。
手を洗いチキンを机に並べて全員で席について乾杯をする。
「外が寒かった分シチューがより美味しく感じるわ」
「ふふーん、それは私が作ったの! 一人暮らしを始めてから自炊したかいがあったわ」
「チキン美味しい! 最高です!」
「もう楓ちゃん、ちゃんと掴み紙があるから使いなさい。手に油がついてるわよ」
「モシャモシャ! ボキボキ! おかわり! シチューも!」
「やっぱり足りなかったかって、骨ごと食うな?!」
「え?」
「お前もか。軟骨以外は食わないぞ」
「賑やかだねぇ」
姉貴の感想に対し自慢げに言う宇多聴。
直接手づかみでチキンを食べる楓を注意する葉。
開始早々骨ごとたべておかわりを所望する日白に対し突っ込む俺。
母国では普通に骨ごと食べてたのかビックリするベールと日本の食文化を教える双葉。
この光景を見て微笑む如月さん。
パーティーらしくドンチャン騒ぎ。葉の作った和風ケーキを食べたり今年を振り返っては各々言いたいこと言いまくったり食い終わってゲームして初心者なのにものの数分で楓をボコボコにするにまで上達するベール。片手なのに楓をボコボコにする如月さん。意地でもお菓子を食いたいが為に片手しか使ってないのに楓をボコボコにする日白。
「なんだこのクソゲー! もうプレゼント渡しましょう! 」
持参したコントローラーを叩きつけながら楓が言う。お前らゲームうますぎない?
「プレゼントの前にサンタ服持ってきたから男子組は着てね」
3つほど持ってくる宇多聴。別室に行って着替えようとすると中身がミニスカサンタの衣装だった。
「………………予想は出来てた」
「宇多聴の事だから晴夜だけミニスカかと思ったらまさかの全員かよ」
もう慣れた。ので普通に着替える。
「ぶは! 双葉似合ってねえ!! 」
「似合ったらむしろ困るわ! 」
「あれ、このサンタさんの服髭が付いてないよ? 雪見さんに聞いてくるね」
一名そもそも女性用と言う事に気づかず行ってしまった……と言うか
「俺と違って女顔じゃないのに何で似合ってるのあの人」
「金髪爽やか可愛い系のイケメンは何でも似合うのさ」
なるほど。それじゃあ俺達も行こう。
案の定写真を沢山撮られた。恥じらいが無くて残念とか言われたが慣れたものは慣れた。残念だったな。
プレゼント交換はくじ引きでいっせーのーせで決めた。
「日白さんのプレゼントがきました。ケーキ食べ放題券? あ、これってあの凄く有名な高級なお店の?! ありがとうございます!」
「葉ちゃんそれ2名までオッケーだから!」
「私は、如月さんのだ………白紙の本???????????????」
「ああ、雪見。それは御朱印帳さ。つてがあってね、販売されてないレアなものさ。ついでに5000円入れといたから集めてみると良いよ」
「俺のは楓のか………何故にスタンガン?? 殺意高すぎないか?」
「余ったパーツで作りました。威力はギリギリ死なない程度なので大丈夫です。それでカップルとか言うリア充よろしくお願いします」
「僕のは、箸だ。鳥の模様が彫ってある。葉さん、ありがとう」
「その箸は7角形なの。その鳥は鷹って言うのよ」
「俺のは宇多聴のか。てこれ『初音○ク』のライブチケット! しかも特等席じゃないか?! こんなものをどこで手に入れたんだ?!」
「ふっふっふー、バイト先のつてでね、私はその日スタッフとしているから」
「私のはベールさんのですね。て、これなんですか?! サファイアですか?!」
「日本ではそう言うみたいだけど僕のいた国では『冬の史水金』て呼ばれてるからクリスマスに良いかなって」
「私は双葉のか。雪結晶の腕時計? ゼンマイ式とはシャレてるな」
「と言うよりゼンマイ式しか取り扱ってない店だから。知り合いに取り寄せてもらだったんだ。誤差10年一秒以内、職人技だね」
「晴夜君からだ。どんな食べ物かな……マフラーだ。つけたことないけどこんなに長いんだね」
「よりによって年がら年中格好が変わらない奴に当たった」
何かとんでもないモノ用意した奴が数名いたがプレゼント交換が終わりお開きの時間になった。各々帰る中俺は宇多聴を家まで送っていく。
「何かあっという間だったね」
「だな」
「雪、いつの間にか降ってたんだ。結構積もってる」
降る前にやって来た宇多聴は手袋をしてなかったため手に吐息を吹きかけて温める。
俺はその右手をそっと左手で繋ぐ。
「は、晴夜君?!」
「こうしたほうが暖かいだろ」
いきなりの事で宇多聴は驚いて顔を赤くする。
「流石に左手は自分でどうにかしてくれ」
「……わかった」
「ホワイトクリスマス、今年は互いにお世話になりました」
「ハッピーニューイヤー、来年もよろしくお願いします」
ブクマ、評価ありがとうございます! 大人数の会話書くの難しいので本編で同時に沢山のキャラクターが出るのは今後無いと思います。




