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歌姫♂は今日は誘われる

ブクマ33ゾロ目! 今回の投稿で4人増えたら嬉しいな。

ん?


33から4?


33-4


なんでや阪神関係無いやろ!

「ごめんね、私が払うお金なのに」


「…………………………………………………………」


 ユニクロニクル。略してユニクルを出て街中を歩く。買わざるを得なかっただけと私が選んだから私が払う筈だったのに自分が着てるからって支払ったうえにもうタダで譲ろうとしたパーカーのお金まで支払ってくれた。イケメン過ぎない?


 すれ違う人々皆の目を引く程に魅力的な美少女となっている彼は目が死んでいる。心を殺していると言っても良いのでしょうか、着替えられる場所が無いために女装しながら諦めている。

 話しかけても無反応で無理矢理にでも反応させたら現在進行形で殺し続けている羞恥心が爆発してしまう。それはそれで見てみたい。


「あの子可愛い」 


「綺麗」


「誰? モデル? 有名人?」


 耳を傾けると結月(ゆづき)を見た人達の感想が聞こえる。本当に有名人なら人だかりができてしまう。


「君達綺麗だね、今買い物帰り? ちょっと疲れたでしょ。休憩がてら俺達とカフェ行かない?」


 私も目が死んだ。


 声をかけてきたのは金髪で耳にピアスもつけている、派手な服装でチャライ二人組の男性。俗に言うナンパと言う奴だとわかった。


「結構です。お金ないですし」


「いいよいいよ、俺達が金出すし。君達二人でしょ? こっちも二人だし丁度良いでしょ」  


「今日はもう帰るだけですしお腹いっぱいなのでこれ以上どこへ行くつもりも無いです。他をあたりください」


「君はそうでもこの子は違うでしょ?」


 ナンパされるの初めて何だけど、君()って言ってるけど二人とも目線は結月の方何だけど。いくら私が断ってもしつこくて意味がないって事は私はついで扱い、おまけ。男に負けるって………。


 完全にスルーして通り過ぎる結月。


「おいおい無視はないんじゃないかな?」


 無視と言うより無心になっているから聞こえて無い。


 並行して歩きながら色々と言葉をかけるも全て届かず痺れを切らしたのか道を塞いでくるもさらりと躱す。

 声をかけても無視、道を塞いでも無駄なので肩を掴むという強硬手段に出る。


「返事がないって事はオッケーて事で!」


「そうですね、これは逮捕してオッケーでしょう」


 なお途中で私のことは完全に蚊帳の外だったので近くの交番から警察官を一人連れてきた。


 女装男子高校生にナンパする金髪男性二人に対して警察官を連れてきたJKと言うもう二度と見ることのないであろう構図が出来上がった。警察官の登場に固まった金髪二人。  


「無抵抗な事は良い事です」 


 笑顔で言うと我に返ったナンパ達は慌てて逃げ出す。何か悔しいけどこれで面倒は去った。


「ありがとうございます。友人にしつこくて困っていました」


「そうですか。この時期はこう言うのが多いので気をつけた方が良いです」


 お辞儀をしてお礼の言葉を述べる。近くに交番があって良かった。


「この時間帯は遊ぶのに時間があることもあって特に多いんですよ。人が帰り始める時間になれば極端に減りますのでそれまで不安でしょうからそこのカフェで時間を潰すのが良いでしょ。お供しますよ」


 お前もか?! しれっとご一緒になろうとしないでください! 業務拒否しないで! 無駄にイケメンなのが腹立つ! 


「そ、そうですね。ですがもう帰るだけですので、ショッピングモール周辺から離れればナンパは無いでしょうし大丈夫です。業務頑張ってください」


 ちょっと引きつった笑顔で答える。


「その帰り際にナンパされていたのでまたされるの可能せ」


「カフェまで付きそうとは仕事熱心だな」


「せ、先輩?」


 警察官の肩を掴むといういかにも先輩といった顔の警官。笑顔で褒めているが目だけは笑っていなかった。無駄にイケメンな警察官はまずいといった表情だったので今がチャンスとお礼を言いつつ離れた。


「まさか警察官にまで誘われるとは思わなかったね」


「………………………………………」


 かんっっっっっっぜんに聞いてない!! こっちが対応で苦労しているのに!!!! 肩を掴まれてもなお無心?! 


「そこの君! アイドルとかに興味無いかい!」


「この子はもう既に活動しています!!!」


 ああああああああああああああああああ!! 私にはそんな事一度もなかったのになんでものの数分でナンパ、警官、スカウトマンに誘われるの!


「もう帰ろう! これ以上は惨めになるだけだから!」


 結月の手を引き帰路を走る。走れば声はかけられないだろうし! 


「あっ! ちょっと待って!」


 制止の声が聞こえるも無視して手を引きながら全力疾走をする。家につく頃には息が上がっていたが休めば良いだけ。今日は負けた気分だから負け犬の歌でも聴いて眠ろう。


 無反応だったが為に無理矢理手で引っ張って走らせたが何も言ってこないって事はこれでも無心になっているの?! と、振り向いた。


 手を繋いでもなお無心になろうとするもなりきれず恥ずかしくて赤くなった顔を隠すも異性と触れ合っていると言う事実に目だけは隠さずその繋いだ手を見ていた。


 服で助けてくれた時といいこれといい、結月もしっかりとした男性だったんだ。私は自ら異性に手を繋いで………。


 私もその手から目が離せなかった。互いに顔を上げたら赤くなった顔を見せ合うと考えると互いに顔を上げられなかった。

 直ぐに手を離せば良かったのに離せなかった。










最初っから出てきて最後まで一言も発さない主人公がいるってマジ?

ブクマと評価ありがとうございます!!

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