表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインがいる最悪な日常  作者: 春輝 鉄和
第四章 日常の裏
51/61

思い出話しと鬱憤晴らし

「わかった。なんかあったら直ぐ言え」

そういって彼はやっとほっといてくれた。

モニターに視線を向けると表示している文字が歪み始める。

何も示さない文字列。

一瞬でそれは危険の予兆だと悟った。

やがて文字列は意味を成し始める。


『よ、akくもptやってくれたね』

『$%所詮=#の作りもの&@*二度はない』

『貴様なら察知しっているだろ我の支配を』

前回のリセットワールドを完全支配しかけた存在からのメッセージ。

ソレの言う通り世界はウイルスに感染されている。

しかし、そのウイルスの正体は不明でいま世界がどれだけ感染されているか確認できない。

正体をうまく隠し徐々に感染させたのだろう。


前回ソレは存在を自分から露わにした。

リッピに対し攻撃的で、私に関心がなかった。

それが仇となって私は辛うじて世界をリセットできた。

私はソレからリッピの存在を消している。

正確にはリッピの情報を他の人形のプログラムに入れた。

いわば偽物のリッピを複数作っているようなもの。

簡単に把握はできないが、今のように私の世界へのコマンドに干渉することがある。

それらの情報を合わせると感染率は二分の一未満。

だが、50%にはかなり近い…。


「おい、無理するなよ、難しそうだったら言えよ」

後ろにいる記憶喪失者から声をかけられる。

まさか、あんたに心配されるなんて…。

あと、信じて貰えないから言える訳がない。

「大丈夫だから、ちょっと考えごとしてただけ」

私は情報の塊を別の薄い情報の塊に包んだ。

必ず排除する。

私が存在する目的に失敗してはならない。


※ ※ ※


この後からモニターは通常に戻った。

だがリッピが抱えられる以上の忙しさになった。

コマンドにアレが干渉したせいかもしれない。

私はリッピの負担を減らすように動いたが、それでも彼のsan値は47まで下がった。

それはなんとかなったが、正直不覚だった。

世界に大きく干渉するようなコマンドの使用を自ら制限することに決めた。

一つのコマンドで今まで同じ流れだったリセットワールドが変わった。

私は初めてアルバイトというものを経験した。現実ではないがどういうものか理解できた気がした。

あと、リッピの対応も変わった。


毎回私に向って冷めた目で私を見て、蔑んだ態度だったのが、初めて「ありがとう」と言ってくれた。

需要性のない議論で私の意見を認め「なんかごめん」とも言ってくれた。

こんなにお互いの距離が縮んだのはいつぶりだったのだろう。

計算外で正直戸惑った。

しかし、戸惑い意外になにかの「感覚」が奥の方で感じていた。

その時から私は既に「変化」していたのかもしれない。

アニメやラノベなどの知識は彼が記憶を失う前から彼と接触して覚えたのと、何回もリセットした世界で彼の情報を集めた時に取り入れた。

だから彼が私に求めたもの。彼の好きだったものは全部知り尽くしていた。


※ ※ ※


リッピは休憩に入った。

スタッフルームでしばらく一人にさせている。

早く回りに異常やバグがないか確かめて今スタッフルームに向かう。

「あ、未廻下さん。ちょっと待って」

斧崎が私に話しかけてくる。

どうやらスケジュールというものがあるらしい。

それを確かめるように人形からいわれる。

なるほど。

リッピはそういうことは斧崎が教えてくれると考えているようだ。


ピンポーン。

ドア越しにインターホンの音が鳴る。

そしてドアが開けられる。

「うっげ!」

私と対面するとそれが彼の第一声だった。

「なに…?」

「い、いや、なんでもない…」

彼には問題はないようだ。

スタッフルームに入る。異常なし。

「お前も休憩なのか?」

彼は今まで私に対する態度が変わっている。

威圧的だったそれが、少し委縮している。

今までの彼の発言はメモリーにちゃんと保管してある。

先、彼に今までされてきたようにしたらなんだかエネルギーが漲った気がした。


「そうだけど、文句ある?」

もう一回やってみる。

やっぱりなんだか悪い気はしない。

彼のsan値も大して下がっていない。

先から65から78を往復している。

今後の計算のためだ。

決してメモリーに保管している彼の行動をやり返したい訳ではない。

うん…。きっと違う。

san値の60以上は正常。60以下50以上は注意。50以下は危険。

だったら大丈夫。

彼は恐らく私を避けたいはず。

だとしたらスタッフルーム外で好きなハンバーガーとラノベを読みたいのだろう。

それを指摘してみた。

「はっ? なんで僕の考えてることを⁉」

「やっぱり、そうなんだ…?」

エネルギーが再び漲った。

メモリーの容量も増えた気がする。

「言っとくけど、あんたがそいう態度だから私も冷たくしてるからね」

「…はい…、…すいません」

これくらいにしよう。

やり過ぎて彼のsan値がまた急低下したら困る



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ