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ヒロインがいる最悪な日常  作者: 春輝 鉄和
二章目 ヒロインと学校〜なんでお前がここに⁉︎〜
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試合開始!!

 未廻下はいまだに事ありげな表情を浮かべている。

 今度はまるで何かを恐れているような、警戒を張っているような…、とにかく穏やかな気分ではなさそう。

 我に帰ったと思ったら、鋭い視線を僕にむけ。


「あんた、覚えてるよね?」

「な、何を…?」

「はぁ⁉︎ もう忘れたの?」

「き、急に声あげるなよ!」

 未廻下の突然な声色の変化に少しビックとなってしまった。

「私があんたに勝ったら、どうして自分からボッチになってるのかを教える約束でしょ?」

「なんだ、それか…(ボッチ言うな)」

 真剣な顔で言うから浅瀬に関することだと思ってしまった。


「でも、今日って練習形式なんだぞ? どうやって決めるの?」

「はい皆ー! 傾聴ー!」

 先生が皆の注目を集める。

「時間が結構余ってるので、試合をしたいと思います」

 え、マジで? タイミング良すぎないか。

「やりたい人だけで大丈夫なので、それ以外の人は練習のままでも構いません。やりたい人ー!」

 いやいやいや、こんなことってあるの?

 でもまあ、選べるなら、もちろんやらないよ。

 ここで手を挙げなかったら後で未廻下にいろいろ言われそうだが。

 正直、もう体力が限界を迎えそうだ。

「あれ、誰もやらないですか?」

 うん? 誰もやらないって…。


 そう思って未廻下の方を見ると、コイツも手を挙げていなかった。

 どう言うことだ? コイツにとって都合のいい展開なんじゃないのか?

「そうだねー…、リッピ君試合やって。申し訳ないけど、リッピ君が上手だから皆の見本になって欲しい」

 え…、僕!

「リッピ君が一番基本打ちができてたから、お願いするね」

 クッソ、先生相手に真面目にやってしまったことが裏目に出るとはッ。

「未廻下さんに本気を出しても大丈夫だからね。彼女もリッピ君に負けないくらい上手だから」

 マジか…。ついてないにも程がある。

 でも、そう言えば、コイツのラケットは壊れているだった。

 よっし、やってやる!


「試合が長すぎるのも良くないので、十五ポイントマッチです。デュースはあり、一回ゲームとします。サーブは未廻下さんからで、いいよねリッピ君?」

 もう僕は何も言わねーよ。(もとから何も言ってないけど…)

 こうして僕と未廻下の試合が始まった。

 バトミントはサーブを打つプレイヤーの点数で立ち位置が決まる。

 偶数だったら各々コートの右側に立つ。

 奇数は左。

 言い忘れたが、先生と浅瀬が抜けてるので、コートを広く使っている。

 それも見込んで試合にしたのだろうな、先生は。

 最初は二人ともゼロ点なので、偶数点として今それぞれコートの右側に立っている。

 サーブは相手がいる側のコートより、コート半分の線を越えるのと、ネットを越えてから約一メートル未満のところに落ちるとファールとなる。

 もちろんコート外も然り。


 未廻下はサーブを打つ構えになる。

 右手でラケットの面を胸の前で浮かせて、左手で羽をラケットの面の少し上に構えている。

 これは、そんなに高く打つつもりがないのか?

 トンッ!

 未廻下がサーブを打った。

 思ったより高く打ったが、この軌道だと僕の真上で羽は落ちてくる。

 なるほど、確かにラケットに不調があるようだ。

 だが、それは自業自得、因果応報!

 調子に乗ったことが裏目に出たな未廻下ぁ!

 悪いが、容赦はしない。

 スマッシュで一点目を獲らせて戴くぞ!

 僕は上を見上げ、右の腕をできるだけ長く後ろ斜め上に伸ばしてスマッシュの構えを取る。

 よーし、このままいける!

 羽は僕の真上で、あれ…、眩しい。

 トンッと鈍い音が足元で響く。

 床を見下げるとそこに先まで空中にあったはずの羽が足元に落ちている。

 え、嘘だろ?


 いやいやいやいや、ない、っ絶対にない。

 まさか体育館の照明で眩しくて打ってなかったなんてことはありえない。

 うん、ないない。

 でも、あれ? なんで先生は得点盤で未廻下に一点をつけているのだろう。

 嫌だなぁ、先生。冗談がキツイって。

 アハハ。

「ほら、リッピ君、未廻下さんに羽渡して」

 ・・・。

 

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