表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインがいる最悪な日常  作者: 春輝 鉄和
二章目 ヒロインと学校〜なんでお前がここに⁉︎〜
31/61

失態を晒すだけだった…。

細田さんはネットの上で仁王立ちになっている羽を見て興奮をしている。

 僕はネットの下でうつ伏せのまま顔を上げている細田さんの谷間を見て興奮をしている。こんな自分が嫌になりながらも、目が離せない。


 あれ、僕の視線が下、細田さんが上のはずなのに左から視線を感じる。

 細田さんが立ち上がったので、左の方を見てみると未廻下が冷めた眼差しでこちを見ている。

 目が合ったが何も無かったことにして再び前を向く。

 細田さんがネットの上にあった羽を回収して、また少し前屈みになってサーブを打とうとしている。


「もういっかい行くよー!」

 よっしゃ! 来い!

 このあと僕と細田さんの激しい打ち合いが始まった。

 細田さんは僕から本気で点数を獲るつもりで打ってるけど。

 ごめん、僕は左右に羽を飛ばして細田さんの動きと共に揺れる二つの中身がたっぷり詰まっていそうな特大サイズの肉饅をずーっと見ていた。

 主よ、愚かで罪深い僕をお許しください。

 ピー、と笛の音が体育館に響いた。


 はっあー…。なんか疲れた。

 次の相手で休憩ができそうだ。

 今僕の前にいるのは加藤という奴だ。

 見た目は如何にも内気で気が弱そうだ。

 しかしそれは見た目と僕の初印象だけ。

 こいつは他の男子と一緒にいると一番に暴れる奴だ。


 加藤はバトミントン部だが、最近始めたばかりだからそんなに気を張らなくていいだろう。

 加藤もそんなに運動ができそうに見えないから簡単なサーブで行こう。

 僕は羽を高く打ったが、思ったより遠くに行ってしまった。

 ごめん加藤うちにく…くて。


 気付いたらいつの間にか羽が僕の左を横切った。

 しかし、バトミントンの羽だと気付いたのは既にそれが床に着いた時だった。

 気づく前は突風か何かだと思った。

「速っ!」

 思わず言葉を発してしまった。


 ちょっと待って‼︎

 え、しょ、初心者だよね?

 落ち着け。相手はバトミントン部。

 上手い技の一つや二つがあってもおかしくはない。

 しかもまぐれという可能性があるじゃないか。


 よし、もう一回。

 バッ、トンッ。

 ………。

 結果は同じだった。

 よしっ! やってやる‼︎

 僕は床の羽を拾って構えた。

 左手で羽を持ち、右手でラケット。

 羽をラケットの前に垂れさせる。

 目的は手前のラインギリギリだ。


 目を瞑って、息を鼻で深く吸って、口で吐く。

 目をゆっくり開く。

 よし、行ける!

「ねー、速くしてー」

 おっと…、ヤッベ、ブレた!

「アウトー」

 羽はラインの外に落ちた。

 くっ、加藤の棒読みな喋り方が始めて鬱陶しく感じた。

 そのせいで力が抜いたじゃないか?

 ピー‼︎ 先生の笛が鳴った。

 悔しいいいい、はずううう! なんたる失態。今すぐ死にたい!!!!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ