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ヒロインがいる最悪な日常  作者: 春輝 鉄和
二章目 ヒロインと学校〜なんでお前がここに⁉︎〜
24/61

未廻下唯学校に降臨!

いやいやいやいやいや!

 おかしい。普通におかしい。何この突っ込みどこ全開な展開は! ラノベやマンガの世界じゃあるまいし。

 大体、そいう展開が許されるのは運命的な出会いをした男女のみ。

 例えば、パンを咥えながら走って登校していた女子高生が曲がり角でイケメンとぶつかる。そのあと、そのイケメンは転校生で同じクラスだった。と言うのはベータなパタンだが、まだ許せる。

 だがしかし! 僕と未廻下の場合はお世辞でも運命的な出会いと言えない。どちかというと致命的な出会いである。


 出会って早々、僕に対して生意気な態度とるわ、僕を冷凍庫に閉めようとするわ、僕の腕を握って恐怖で気絶させるわで。

 人生で一番最悪な出会いと言っても過言ではない。

 これを運命的。だと言う奴が見てみたいわ。そんな奴の気がしれない。

 多分、これ以上最悪な出会いはない。


 それを全て考慮すると、僕がアイツのこと「おとこ女」と呼んだことが些細なことに思ってきた。

 僕は何先までアイツに謝るか、謝らないかで苦悩していたのだろう? 僕は悪くないじゃ…?


 僕の頭の中が雑念いっぱいになっているといつの間にかホームルームが終わり。

 先生がどこかから机と椅子を持ってきて、教室の一番左の一番後ろに置いた。

「ここが唯ちゃんの席ね」

「はい。ありがとうございます」

 未廻下が自分の席に座る。


「一時間目まで少し時間あるから、ゆっくりしてていいからね。緊張してる?」

「緊張ですか…? いいえ、してません」

 未廻下が先生の言ったことを反芻すると少し黙ってから答えた。

「そっか、じゃ、頑張ってね」

 先生が未廻下に優しくそう言うと教室を出ていた。


 すると未廻下の前に座っていたギャルが未廻下に声をかけた。

「唯ちゃんって、どこから来たの?」

「神奈川」

 未廻下が淡々と答えた。

 この教室の右は男子の席が集まっていて、左は女子の席が集まっている。

 僕の後ろの男子共は今、正に転入生について話していた。

 勿論、本人に聞こえない程度の声量で話しているが、僕にはまる聞こえだ。

「意外と、可愛いね」

 と後ろから聞こえてきた。


「う〜ん、まあまあ、かな? みためがちょっと怖い」

 もう一人の男子が答えた。声がする方を考えると、後ろとその隣の奴が会話をしている感じだ。

 僕はラノベを読んでいる、フリーをしているので正確にはよくわからない。


 未廻下の方をチラッと見ると、いつの間にか女子共は井戸端会議ならぬ、未廻下端会議をしていた。

「髪が綺麗だね」

 と穏やかに古田さんが言った。

「ありがとう!」

 未廻下は満更でもなさそうな声で感謝を述べた。

 今は普通の会話をしているが、少し嫌な予感がする。


「唯ちゃんって、彼氏いるの?」

 はい、出た! 来ると思ってましたー。

 しかもちょうど、言うであろうと思ったギャルがぬかしやがった。予想通りすぎて逆に予想外。

 ホント、くだらないベターな質問だ。


 でも…。確かに少し、少しだけど気になるかも。

 まあ、あんな奴好きになる野郎の気がしれない。逆にそんな奴の顔見てみたいわ。

 おそらくいな…。

「いるよ」

 いたー‼︎ 彼氏いやがったー! えー、マジで? マジ卍⁉︎


 だとしたら、かなり偏った趣味の物好きがいたもんだ。

 凄いよ、未廻下の周りの女子が興奮状態だ。先から「えっ、どんな人?」とか「写真見せて」とかで教室の一点が騒がしい。

 女三人寄れば姦しい。と言うが、今は六人で、つまり二倍姦しいと言うことになる。


 男子は密かに、「聞いた? 彼氏おるって」とか言ってる。

 三文字の一言でここまでクラスを騒がせるなんて、未廻下唯おそるべし。

 いや、このクラスの野蛮人共がちょろいだけか。

でも、そうか、彼氏、…いたんだな。



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