回想5 魔王が狂人だった!!
「なにその『ア○ス・ヴォルディゴード』を眼前にしている顔?」
「『暴虐の魔王』の方がお前より遙かに寛容だよ! あと、いい加減アニメやラノベのネタを出すのやめろ」
「だが断る」
また思わず突っ込んでしまった…。
「呆れた顔されても困るんだけど。あんたがアニメやラノベのネタを出すなって言ったからマンガのネタを出したじゃん?」
突っ込むな、突っ込むなよ僕。我慢だ我慢。
「で、なにがわからないって?」
よっし、なんとか堪えた。
「だ、か、ら、サインする所。話聞いてた?」
「てめぇが急に変なこと言うから忘れたんだろうが!」
あ、ダメだ。今のは堪えなかった…。
「で、どこなの?」
と言って開いたファイルを机に置いてペンを持ちながら僕が教えるのスタンバイしている未廻下。
「スルーかよ…」
これはこれでなんか複雑な気分になる。
「えっと、お前の名前どこ?」
その隣に立ち開かれたファイルの中の左上に『2019/7/8(月)』と書かれた紙に日付の少し下に上から名前が並んであって、それらの右に箱ひげ図のようなものがある。
それらの上に小さな正方形に時間を表している番号が右から並んであって、午前六時から次の日の午前五時まで書いてある。
その時間を表示している正方形の下に何かの色で塗り潰されている場合はその時間に働くと言う訳。
自分の説明だと解りにくいので、もう少しわかりやすくするために僕の場合で例えると。平日、バイトの後に学校がある日は午前六時から午後二時まで働くので、僕の名前の右にある箱ひげ図のような長方形は上の『6〜14』の所に青色で塗り潰されている。休憩の所は白で塗り潰されている。
なぜ他の人それぞれ色が違うのわからないが休憩だけは皆共通の白になっている。
この時間を示す紙をなにも知らない人にパッと見せるとなんらかのグラフだと思うのだろう。
今気づいたのだが、自分の名前が『リッピ』と書いてある。やっぱり、これが自分の名前、なのか?
まあ、良い。考えるのもうやめたことだ。
僕はここで初めて未廻下の名前の字を目にする。
「もしかして、これか? 名前でこんな字の並びってある?」
なにこの中二病のような名前は。本名なのかよこれ?
「それあんたが言うの? って言うかあんただって『リッピ』と言う変なのあるでしょ?」
「ちょっと待って。お前、記憶喪失なのか? お前が僕に…!」
「何回でも言うけど、あんたがそう呼べって言ったから」
僕の突っ込みを遮って変の度を超えたことを言う狂人女。
こいつ、頭大丈夫か。記憶が混乱しているとか。言うてることが突っ込み所があり過ぎるってレベルじゃないぞこれ。
何回でもって、そもそも今日初めて聞いたよそれ。僕が呼べって、なにを? 自分の名前? …ないよそんな記憶。
本当に心配になってきた。こいつは本当に病院に行った方がいいのかもしれん。
一番怖いのは真剣に迷いなくそう発言したことだ。ヤバイ、ヤバイ!
「あんた…。本当に顔見ただけで考えてることが大体わかってしまうだけど」
呆れたように言う頭が可哀想な女。
今魔王学院の不適合者にはまっています。
秋さんの作品最高です。




