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ヒロインがいる最悪な日常  作者: 春輝 鉄和
ヒロインとバイト〜このヒロインは何者⁉︎〜
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圧倒的ピンチなんですけど!!

僕は後ろで作業している女について考えながら、左にある台の上に重ねてある硬い紙でできた卵用ケースから左手で卵を何個か持って、左手から右手で一つずつ片手で卵を割ってリングの中に殻の中身を落としていく。


 ジッュージリジリ、と卵の焼く音響く。

 空殻を右の細長い容器の中に入れ、八つのリングに入っている卵の黄身を、直ぐ左に用意されている、先の尖った小さな黒いトングで全部潰すとエッグクッカーについている蓋を閉め、その中心にアルミの水差しに入ったお湯を上にかける。


 ふたの中心には小さな穴が四つあって、ちょうど中のリングとリングの間にお湯が落ちるようにできている。

 鉄板に接したお湯は水蒸気となり中の卵を蒸していく。

 エッグクッカーについている唯一のボタンを押してタイマーを起動。


 しばらくするとエッグクッカーからシュッワーとお湯が急激に水蒸気になっている音が響く。

 その時、僕は既に他の作業をしていた。


 長方形の大きな、薄い鉄でできたピザピールのような物をエッグクッカーの直ぐ右にあるキャスターのついた台に乗せて、その上にマフィンを並べていた。


 エッグクッカーがある厚い鉄の下の段にある小さな窯のような機械にマフィンの乗ったピールを中に入れて左にあるレバーを引くと機械の蓋が閉め、ピールだけ取り出すことができる。

 機械は二つある、その両方の中にマフィンが焼かれている状態だ。

 ピールを取り出すと。


「ねぇ、これ何?」

 左後ろを振り返ると未廻下はモニターに指を指していた。

 こいつも結構作業が進んだようだが、モニターはまだ注文で埋まっていた。

 そいつが指してる箇所を見ると。


「うっわ、面倒なの来た!」

 ジャイアントブレックファーストと言う商品だ。


 その商品は、朝ガッツリ食べたい客視点で言うと一言で『最高の朝食』。

 作る僕らからしたら、忙しい時に頼まれるの本気で勘弁してもらいたい。

 それが、四つ頼まれている。


 商品の内容を断片的に言うと、ホットケーキ、マフィン、肉にスクランブルエッグを紙の容器に収める。

 それを未廻下に伝えると。

「簡単そうじゃん、それのどこが面倒なの?」

 と聞いてきた。


「いや、別段難しいと言う訳ではないけど。…ただ本当に時間を犠牲にしないといけないのが…」

 確かにその商品だけ作るなら難儀な話ではない。


 しかし、今焼いているマフィン、卵、そして今から焼こうとしてる肉が出来上がったとしても、足りるか怪しいこの状況でその商品を頼まれるのは地獄の極み。


 何故か、その大きな問題はスクランブルエッグにある。

 今からエッグクッカーで作らないといけないが、卵が出来上がっていない状態では作れない。

 週末だったら、エッグクッカーの左隣の台と下にある冷蔵庫兼引き出しの更に左にある。

 今は電源のついていないグリルにも、卵が作れて、そこにもスクランブルが作れる。

 だが、今日は平日。週末より忙しくないとのことで使わないが、今忙殺されているこの状況は週末並みだ。

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