アルバイトがある日の朝(プロローグ)
どうも、春輝 鉄和です。読まれる前にお願いしたいことがあります。
これが自分が初めて投稿した小説です。
最後まで読まなくて結構ですので、できればあなたの素直で率直な意見を書いて頂ければ幸いです。
つまらない。とか、退屈だ。などでも構いませんので、詳しく教えて頂ければ改善に努めていきますので。
ご協力お願いします。
スマホのアラームが鳴り響く。
目が覚めると、そこは見慣れた天井、見慣れた部屋。
ただそれは、少しだけ霞んで見える。枕元から鳴っている不愉快な音を止め、次いでに時間を確認する。
時刻は午前5時。
「はぁ、今日もバイトかぁ」
一人の存在しかいない空間で溜息まじりにそう呟くと、自分が生活するために欠かせないものを、先までぐっすり眠っていたベッド…、通称、ソファーの周りを探し始める。
「え〜っと、メガネ、メガネは…?」
簡単に見つからず、どこに置いたかも思い出せない自分に呆れ、探す手を止めた。
毎日必要で使っている物も管理できないのか。
と今更考えてもどうにもならないことが頭の中で過っていると。
それは、本来、座って背中をもたれる為に構造された場所の上にあった。
しかもそれは、ちょうど眠っていた頭上で畳んで置いてある。
「なんだ、普通にあるじゃん」
と言いながら、それを取って顔に掛けた。
ものをはっきり見えるようになったが、 今度は違う意味で周りが少し霞んで見える。
あと、わずかだがフレームが緩い。
あと…、若干傾いて感じる。
やっぱり、管理できていない。
それをまた手に取り、ガラスの部分を服で拭き、窓から差し込んでいる太陽の光に当て、汚れがないか確かめる。
「あんま…、とれてない」
しかたなく、トイレにある洗面所で石鹸水で洗おうと立ち上がろうとしたら、足元にある大惨事に体の動きを止めざるを得なかった。
真下に視線が行ったことで、落ちそうになった、元はメガネと呼ばれていたガラクタを押さえながら足元にあるゴミを凝視していた。
「掃除せんにゃいけん…、ってレベルじゃないぞ、これ」
ソファーの前だけとはいえ、足先が埋まるほどにビニール袋やプラスチックが床に散らばっている。
コンビニやスーパなどで買って来た物のゴミだ。
この家には寝室はない。
玄関のドアを開けると、その時点でリビングにたどり着いている。
ただ、リビングに上がるには、玄関と言う名の段差があって、靴を脱いで段差を上がれば、はい、リビング。
床は木造でできているが、三十センチ程の複数の正方形のタイルで床を覆っている。
そのせいでズレが出って木造の部分が目に見えることがある。
今は正にそう言う状態だ。
リビングには、先まで眠っていたソファーの後ろに、扉式の窓があり、カーテンで覆っているが、隙間から太陽光が差し込んでいる。
ソファーの前には、ゴミを除いて、扇風機。その左に洗い済みの洗濯のかごで、そして後ろに、真ん中にガラスが張ってある木材でできている大きめの円型テーブルに続いてテレビがある。
テーブルは床に座りながら使う為にちょうど良い高さだ。その上は散らかっているが少なくとも床よりはマシだ。
テレビに関しては、キャスターのついているデスクの上にあって、画面が割れていて使えない。
五万もしたテレビが…。
ソファーからは、奥にあるキッチンが見える。
立ち上がって、トイレを目指してキッチンの方へ歩く。
と、突然、足に何かが引っかかった。
バランスを崩し、そのままリビングとキッチンを別ける壁の左端に激突しそうになるが、間一髪、両手で体の勢いを抑えることができた。
と思えたのはたったの一瞬だった。
左手でリビング側の壁に手をつけることができたが、右手はリビングもキッチンでもないちょうどその境の壁についたものの、壁はそんなに厚くはなく体重がかかっていたことで右手が前に滑った。
額が壁の角に激突する。
「イッタ…、くない?」
衝突をしたところを考えば、産まれてきたことを恨むほどの激痛を感じる羽目に陥ることになるのは明確なことだが、痛みは皆無と言って良いほどほぼ何も感じなかった。
しかし、少しだけめまいがする。
何に足を引っかけたか確認するため振り返って下を見る。
そこには倒れてある汚れた服の洗濯かごがあった。
洗い済みの洗濯かごと違って小さいからか、寝ぼけているからなのか、気づかずに足をぶつけったようだ。
激突の痛みを感じなかったことに少し不思議に思いながらも、気を取り直して、踵を返し、キッチンへ。
キッチンの床はリビングと一緒で木造でできている。キッチンは特別なものは何もない。
勿論、ここがキッチンだと一目瞭然でわかるものは設置してあるが、自炊をすることは全くない自分にガスコンロがあっても、シンクがあっても。使うことはほとんどない。
家にいる時は休みの日か寝る時以外。
そんなこともあって、食事は外食か、学校の給食で済ますことが多い。
家で食べる時は、大体コンビニやスパーから買って来たものだ
リビングの床の混沌がその証拠である。
なぜ自炊をしないのかというと、理由は二つある。
一つは、時間がほぼないからである。
休みの日でも作れるじゃないのか。と聞かれると、それが二つ目の理由となる。
単純なことだ、面倒くさいからである。
バイトがない日は学校、学校がない日はバイト、若しくは両方がある日が主である。
四六時中暇があるのは珍しい。
だから空いてる時間はアニメやラノベに時間を費やしたい。
つまり、全く動きたくない。
…でも流石に掃除くらいはする。
あの床のゴミは時間がある時は絶対に片付ける。
理由は以上だ。
他人からは「自炊したほうが安い」と、その逆に「一人暮らしの自炊は食料の無駄が出るけぇ」と言われたりする。
だが、そんなことは、どうでもいい。暇な時は専ら頭の中を「無」に近い状態にしたい。
「今日は何作ろう?」とか、「素材が足りない。買いに行かなきゃ」とかで時間を使うより、ひたすら好きなことがしたい。
キッチンに入って目の前にシンクその左にガスコンロ、そして、入って直ぐ右隣に、中に食料を保存するためのでっかい白い物体がある。
そう、冷蔵庫だ。
外で買ったものを直ぐ食べ飲みするから食料を保存する必要性は全くない。
冷蔵庫を電気に繋いでいると電気代を喰うだけだ。だから、この子はキッチンの飾り物でしかない。
虚しくしてる冷蔵庫に手を当て、こいつはどうしたものか。と考えていると、冷蔵庫の前から一メートル半程離れたところの下に視線を向ける。
シンクと言う穴の両側にものを置くための平らな所がある。
正に、「凹」と言う字みたいな。
その右側の下には、中にものが収められる小さな木材でできた扉がある。
そこに今視線を向けてるはずなんだが、その扉は目に映らない。
何故か? 扉の前にモノが何個かあるからである。
何が? それは…、ゴミ袋の数々。
……。
「くっそ、また出すの忘れたぁっ」
昨日は、週に一回しかない。プラスチック類のゴミを回収する日だった。忘れるのは、これで三回目だ。
パンッパンになった緑色の字で『不可燃物』と書かれた袋は、ぱっと見、一、二…、五袋もある。
ここがゴミ屋敷と言われても何も言い返せない。
次こそは…。
キッチンの一番右端の壁にトイレにつなぐ木材でできたドアがある。
それを開くと、他の部屋と違う、ほぼコンクリート構造でできた部屋が目の前で広がっている。床は赤に近い色の小石を集め、白い地面にはめたような作りになっている。
壁に関しては、水色の小さい正方形を付けったような作りに。
トイレに入って直ぐ左には、便座がある。
その右の壁にシャワーがかけてあって、そのまた右に、手前に捻るとシャワー、反対に下の口から水が出る蛇口がある。
その蛇口の下にボロい風呂がある。
そう、この部屋はユニットバスだ。
それらのものの上には三つの窓があって、換気のため真ん中の窓の左の窓扉を少し右にずらして開いている。
風呂には死んでも入りたくない程見た目は良好じゃない。
そうじゃなくとも、娯楽の時間を大切にしたいことで、いつもはシャワーだけで済ます。
部屋の奥の右の壁には洗濯機も設置できるが、そんなものなどない。
前のが壊れたばかりだ。
仕方なく金が貯まるまではランドリーで洗濯している。
右の壁の真ん中に洗面所があってその上に歯磨きやら、髭剃りが置けるところがあって、その少し上の壁に鏡がある。
洗面所の前に立って、鏡を見る。
鏡には、メガネをかけた、髪をスポーツ刈りに切った男が映っている。
見た目は真面目そうだが、根はそうでもないことは自分は知っている。
その男の顔は嫌いだ。
何故かと聞かれると…、理由はあるはずだが、何故か思い出せない。
多分、何となく気に食わないだけだろう。
鏡の男を一瞥し、少し睨んだあとで目を逸す。目を逸らした先には、洗面所の右端にある石鹸水の入った容器だ。
メガネを外し両方のガラスの両面に石鹸水を少しかけ、軽く親指と人差し指で擦る。
水で石鹸水を流し、服で拭き、また顔にかける。
メガネが綺麗になっただけでこのボロい家も輝いて見える。
家の中はそこまでじゃないが、外だけを見ると中が心配になるぐらい見た目が朽ち果てたように見える。
これでも家賃は三万五千円だ。
二部屋しかないアパートだから、右に空いてる部屋がある。
このアパートに住もうと思う人がいるだろうか。
って言うか何で自分はここに住んでいるんだけ…。
まあ、良いか。
とりあえずバイトに行く準備をしないといけないから物思いに老けている暇はない。
歯磨きたてに立ててある歯磨きを手にとり、その右にある容器に入った歯磨き粉をブラシにかけて、丹念に歯を磨く。
髭はそんなに伸びていないので放置。
リビングに戻って白シャツとパンツ姿の上に バイトの制服のズボンとボタンのついたシャツを着る。
その制服姿を人目につけないため上着を着て、靴下を履く。
本来だったらバイト先についてから着替えないといけないが、ギリギリに家を出る自分がそんなことをしたら、チェックインに遅れるだろう。チェックインに遅れたら、遅刻としてみなされる。
六時に既にチェックインをしていないといけないが五時四十分に家を出る。
ソファーの枕元にあるスマホ画面を点けて時間を確認する。
五時二十分だ。
他人は、「何でもっと早く出ない?」と言ってくるが、そんなことは決まっている。
「今日はアニメの新しい配信ないから、ラノベ読もっとぉ」
娯楽の時間が少しでも多く欲しからだ。
アニメはタブレットでネット配信アプリで見るが、今日は特に見たいアニメが配信していないから読んでるラノベの続きを読むことにした。
アニメ化もされた人気の異世界コメディだ。
しばらくするとスマホのアラームが鳴る。毎日、五時四十分に鳴るように設定してある。
鳴っている曲は読んでいるラノベのアニメ化されたオプニングテーマだ。
前に、時間も忘れてラノベを読んでいたらバイトに遅れたこともあるので、しっかり対策してある。
「チッ、良いところだったのに」
ソファーの近くに倒れてあるリュクに読んでいたラノベとリュックの近くにあるタブレットを入れ、それを背負う。
ズボンの右ポッケとに円型テーブルの上に置いてある財布を入れ。
左にスマホを入れる。
玄関の段差に座って靴を履く。
とまあ、こんな毎日である。
異世界に転生も召喚されることなく、この歳まで生きって来た。
彼女も今までできたこともない。
欲しくない訳ではないが、正直、必要ない。
恋愛なんて自分には向いていない。
友人は…、ラノベが永遠の親友だ。
こんな平凡な毎日だが、それなりに幸せだ。
玄関のドアを開けると眩しい光が目の前の視界を遮る。
光に目が慣れると、なんと、そこには。
見慣れたと言うより、見飽きた光景が広がっていた。光の正体は太陽光だった。
いつも乗っている自転車が止まってあって、
他の住宅が見える。
「十八歳にもなって、何を期待しているんだろう僕は…」