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おぬこ様と飼い主さんの日常  作者: ねこた まこと
2匹目 音無夕陽ちゃんとニコちゃんの場合
3/6

1乗っからないで。



 私は、幼い頃から、原因不明の病気で高い熱を出す事がしばしばある。

今日も、昨日から熱が出てるからベッドの住人なんだけど、目が覚めた。

 だって、私の上に何か乗ってる。ズッシリ重い訳じゃないけど、それに布団が軽く踏まれてるっぽい。人間の足じゃない何かの小さな足で、フミフミとリズミカルに踏んでる。犯人

寝返りをうつ不満気な声が聞こえる。 

「んにゃ〜」

「ニコちゃん!もうなんで、いっつも私の調子悪い時に乗るんよ!乗らんといてって言うとるじゃろ!」


ムクリと体を起こすと、私の上にいた白い子猫が、「別にいいじゃない」と、言わんばかり睨んでくる。


「睨んでも、駄目なもんは駄目!お願いじゃけぇ、寝かせてや。ニコちゃんが一緒だと寝られんのよ!じゃけ、おりんさい」

「みゃー!」


文句を言うニコちゃんを、抱っこして、ベッドから降ろす。

だって、ニコちゃんが一緒だと、ゆっくり寝てらんない。

人の胸の上とか、股ぐらとで寝ちゃうんだ。寝返りうつたんびに、「みゃー!」って怒られるし。しかも、ニコちゃんを潰すかとヒヤヒヤもんだし。

だから一緒に寝ないのだ。

「はい!ニコちゃんの寝るとこは、ここ!ええね!」

「みゃ〜」


私は、かまくら型のニコちゃん用のベッドに、ニコちゃんを入れると、再びベッドへ入る。

みゃ〜みゃ〜騒いでるけど、無視しよう。

この後、ちょっとしたハプニングになるとは、私はこの時思ってなかったけど。


−−−−


胸の上なんかある? ぐにぐにと触られてるような。またニコちゃんかな?

もう!せっかく寝たのに!

「もう!ニコちゃん!いい加減に、って拓人さん?」

「イヤその。これには、深い訳があって」


しどろもどろに答える拓人さん。良く見たら、掛け布団は退けられ、そして拓人さんが、思い切り私の胸をわしづかみしてるじゃないか。


「拓人さんのエッチ!バカ!嫌い!」


と、枕を投げつけてやる。彼氏とはいえ、寝込みを襲うなんて最低だ。

半泣きで頭から布団を被っていたら、第三者の声が聞こえてきた。


「全く!このおてんば娘。おとなしく、自分のベッドで寝てろって、拓人さん何やっとるん?また転けたん?」


ハスキーな声で男の子っぽい喋り方をする女の子。私のお姉さんである(あきら)だ。


「イヤ、夕陽に枕投げ付けられた」「枕。ははあ」


と晶は、私の布団を剥ぎ取る。私を除きこむ晶の顔は、むちゃくちゃ呆れてる。なんで呆れられなくちゃいけないんなだろう?

「おい、夕陽。何勝手にはぶてとん?(すねてるんだ?)」

「はぶてとらんもん。(すねてないよ)」

「いや、はぶてとるし。お見舞いに来た拓人さんにニコちゃんが、いきなり飛びついて、驚いた拓人さんが、夕陽の上にコケちゃったんだよ。胸揉まれたのは、事故だよ。事故!」

「じゃあ、布団が捲れとったのは?」

「それは、ただ単に、夕陽の寝相が悪いだけ」


晶にすっぱりと言い切られてしまった。

うぅ恥ずかしい。完全な早とちりじゃないか。


「拓人さん、ごめんなさい」

「いや、コッチこそごめん。胸触ったし」


恥ずかしくて、布団から顔を出せずにいたら、頭をポンポンとされた。

今度お詫びに、拓人さんの好きなジンジャークッキーを作ろう。そう思った私だった。





 

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