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おぬこ様と飼い主さんの日常  作者: ねこた まこと
一匹目。林原拓人くんとおにゃんこさん。

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1/6

1 お水ちょーだい。



 4月のとある土曜日の午後。

 自室のベッドで惰眠を貪っていた僕の耳にその音は届く。

 ガランガラン。ガラゴロガラゴロ。さっきから何かを転がすような音が聞こえる。音がしてるのは庭。そして音の原因も分かってる。

 だけど行ってやるもんか!

眠いんだよ。無視しよう。その内諦めるはずだ。

 だけど、そうは問屋が卸さないらしい。ガラゴロという音は、心なしか大きくなった気がする。

このままだと、理緒が怒鳴りこんでくるな。仕方ない。

 ちなみに僕の部屋は、1階にあって、庭に面してる。

それをわかってて、あの悪魔は、ガラゴロやってるに違いない。

 耐えかねた僕は、窓明けて怒鳴ってやる。


「あーもう。うるさい!水あげるから、ガロゴロやめてくれ!おにゃんこさん!」

「んなーん」

 と鳴くグレーと黒のしましま模様のポチャッリ悪魔。いや我が家の飼い猫おにゃんこさんは、ジョウロから前足()を出しお座りする。

 僕は、自分の部屋から庭へ出て、おにゃんこさん専用ジョウロへお水を入れてやる。

 なんで暖かくなったとたん、水を外で飲むんだ?

しかも、ジョウロからじゃないと飲まないし。

そもそも、外でお水を飲むようになったのって、母さんと理緒のせいなんだよな。たまたま、花に水やりするつもりで、用意していたジョウロ。

その中のお水をおにゃんこさんが、飲むのを目撃した母さんと理緒が、飲む姿が可愛いからと、外で飲むように誘導したのがきっかけだ。

 ただし、水を入れたジョウロが重いっていう理由で、おにゃんこさんに、水をあげるの僕の仕事だし。

パシャパシャと呑気に水を飲むおにゃんこさんに、文句を言ってみた。

「おにゃんこさん。なんで、わざわざ外でお水を飲むんだ?しかもジョウロで。家の中にも、水を用意してるんだから、そこで飲めばいいじゃないか。人の昼寝の邪魔してまで、お水を要求するな」

「んな〜」

 おにゃんこさんは、不満気に鳴いた。直訳するなら、「別にいいじゃん。ケチ」と言いたいのか。まったく、最近、いっちょまえに文句たれるようになってきたな。

 ホントに猫か?人間の言う事は理解してるし。文句をたれるし。そんなに文句を言うんなら、僕にだって考えがある。

「んな〜じゃないよ、んな〜じゃ。まったく。母さんが余計な事するから、おにゃんこさんが、外でお水飲むなんて事覚えるんじゃないか。いいか、おにゃんこさん。今度から、外でお水飲むの禁止!ジョウロは、隠すからな」

「んなーん」

 

 おにゃんこさんの悲痛な鳴き声を出すけど、無視だ。無視! 今の光景を母さんや父さんが見たなら、「虐待してる。か弱いおにゃんこさんを虐めてる」とか言って、騒ぐだろうな。だけど、これからの季節、暑い中、外へ強制的に出されたり、眠いのに朝の四時とか五時に叩き起こされる事を考えたら、おにゃんこさんのジョウロを隠した方がいい。僕の貴重な睡眠時間が、確保出来るし。大体、今昼寝してたのだって、朝の三時にご飯くれーって起こされたせいなんだ。とか考えながら、僕はおにゃんこさん専用のジョウロを物置へ隠した。

その夜、おにゃんこさんに復讐されるとは知らずに。


 ーーー

 夜。夕食の片付けを済ませた僕が、脱衣場で服を脱いでると

「んな!んななん!」

 と鳴き声とともに、ドアをカリカリひっかくおにゃんこさん。入れてと騒いでるんだ。

 おにゃんこさんは、猫だけどお風呂が大好きだ。

ただし、おにゃんこさんが入った後は、毛まみれになるから、浴槽内を洗わなくてはいけない。

 そのせいじゃないけど、おにゃんこさんは、最後の人がお風呂に入るのを見計らってやってくる。

「ほら、おにゃんこさん」

と、おにゃんこさんを招き入れ、浴槽のフチまで連れてくが、ジタバタと暴れる。

「んななん。んなーん」

「なんだよ。お風呂じゃないんなら、何なんだ?」

「うみゅ〜」

「はぁ?お水くれって?」

「んな〜。うみゅ〜」

 間違いない。おにゃんこさんは、お水が欲しい時、「うみゅ〜」と鳴く事がある。

僕は、仕方なくおにゃんこさんを下ろして、おにゃんこはん専用の洗面器にお水を入れてやる。ちなみに、お風呂場もおにゃんこさんの水飲み場だ。だから専用の洗面器がある。

「ほら。お水」

とおにゃんこさんの前に置いてやる。

「さて、入るか」

と言って、気づく。おにゃんこさんがいるから、頭や体洗えないじゃないか。

おにゃんこさんに、シャンプーや石鹸が散るとマズイもんな。

まぁ僕で最後だしいいか。

とはいえお湯をかけるぐらいは、やってから入るか。

湯に浸かってる間に飲み終えるだろ。


「なあ、おにゃんこさん。いつになったら、飲み終わるんだ?」

 と訊くけど、ずっとピチャピチャ飲んでる。給湯リモコンの時間表示を見たら、五分近くたってる。お湯の温度は、40度。最初は、ちょうどよくとも、五分近く浸かってると辛い。のぼせてきてるのか、頭がぼんやりとする。

「おにゃんこさん、僕、倒れそうなんだけど」

「うみゅ〜、んなな」

 やっと満足したか。若干フラつきながら、風呂場からおにゃんこさんを出し、かなり大雑把に頭と体を洗うと、風呂場から脱出した。

 翌日。おにゃんこさんのジョウロを庭へ戻した僕だった。 あまり考えたくないが、おにゃんこさんの復讐だったのかもしれない。

現に、ジョウロを戻してからは、僕が風呂に入ってる時に、お湯に浸かりはしても、お水を要求する事はなくなったからな。



 


めちゃくちゃですみません。一応前作のスピンオフとなっております。

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