声劇台本「枯れた涙」
1年前に亡くなった
最愛の君から
手紙が届いた
最初は毎日泣いた
一年もたてば
涙も枯れた
今日は
結婚記念日
そんな日に君から手紙が届いた
「拝啓
最愛のあなたに、お元気ですか、この手紙を読んでいるってことは私は生きていないのでしょう。
なんてね、このセリフ言ってみたかったんだ、でも実際、私は多分生きてないよね
この手紙はね1年後の結婚記念日に届くようにして
あるの、びっくりしたでしょ?
『私は、あなたといられて幸せでした』この言葉を伝えたくて
1年もあれば泣いてないよね
前を向いてるよね
もし前を向けてないならこの手紙を読んで
前を向いてね
私はね、あなたの素敵なところをたくさん知ってる
前向きなとこ、一途に頑張るとこ、みんなに優しくできるとこ
まだまだ沢山あるけど書ききれないかな
本当にあなたは素敵な人なんだよ
だからね、新しい恋をして欲しいの
新しい奥さんを見つけて
私を忘れて欲しいわけじゃないけど
あなたみたいな素敵な人を、私が縛り続けるのはダメだと思うから
最後のわがままちゃんと叶えてね
最後に、こんな私を愛してくれてありがとう
心から愛した最初で最後の人
『いつまでも愛してます』」
手紙を読み終え
僕から
枯れたはずの涙が溢れ出てきた