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吸鬼  作者: ツヨシ
54/65

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どのくらい待ったのだろう。


不意に雅美が口を開いた。


「わかったわ。いざという時は私が犠牲になるしかないみたいね。もちろん嫌だけど」


「!」


「……」


「でもそれはあくまでも最後の手段よ。私はまだ大事なことを聞いていないわ」


「大事なこと?」


「そう、桜井君」


「なんだい」


「吸鬼の弱点って、いったいなんなの?」


桜井は上条を見た後、雅美に近づき耳元で何かをささやいた。


上条の心臓がどくんと鳴った。


それを聞いた雅美の大きな目が、さらに大きく開かれた。


「そうなの。それが弱点なのね」


「そうだね」


「それなら……それならなんとかなるかもしれないわ」


「えっ?」


「えっ?」


「そう。なんとかなるかもしれない。で、念のために二人に聞きたいことがあるんだけど」


「なに?」

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