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その空間は、角は丸みを帯びているが、ほぼ正方形を成していた。
縦、横が5メートルほど。
高さは2メートルを少し超えるくらいだろうか。
そこに三百年前の巫女服の女性の死体があったのだ。
「おい、ここ、いったい何なんだよ?」
「封印したんだね」
「封印? 何を」
「封印しなくちゃいけないようなものだよ」
上条が聞く。
で、そいつが犬田に何かしたというわけか?」
桜井が答える前に、木本が口を出してきた。
「でも、犬田よりも先に、調査隊が入っただろう。そいつらに何かあったなんて、聞いたことないぜ」
桜井がゆっくりと答えた。
「それが長い間、三百年もの間封印されて活動停止状態にあったとしたならば、封印が解かれた後、封印される前の状態に戻るまでに少し時間がかかったんじゃないのかな。調査隊が来たときは、人間で言えば寝ぼけているような感じだったんだろうね」
「おい、それ本当かよ」
「それで、すっかり目が覚めたときに、犬田がやって来たというわけか?」
「僕も確信があるわけではないんだよ。でもさっき言ったとおり、調査隊には何も起こらず、後から来た犬田に何かがあったとしたなら、その理由としては僕にはそれくらいしか思いつかなかったんだよ」
「そうか」




