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吸鬼  作者: ツヨシ
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一番親しいのは木本という男。


体育会系でどこか抜けているところがあるが、明るくおしゃべり好きの気のいい奴だ。


二番目に親しいのは桜井という男だ。


おとなしくて目立たないが、真面目で頭がいいタイプだ。


そして木本、桜井を除く五人の中に、上条が気にかけている女の子がいた。


夏木雅美。


小柄で顔も性格も可愛くて、もろに上条のタイプだった。


しかし雅美に関しては、一つ大きな問題があった。


マクロ経済学には女性が二人いるが、問題なのは雅美ではなくてもう一人のほうだ。


真亜矢という可愛らしい名前だが、「どこの相撲部屋に所属しているんですか?」と本気で聞きたくなるような体格で、当然ブスだ。


体と顔がブスなのはまだ許せるが、許せないのはその性格と行動パターンだった。


六人の飢えた男どもは、当然のことながら雅美のほうと話をしたがる。


雅美もそれを別に嫌がってはいないのだが、雅美との会話が盛り上がりはじめると、真亜矢が露骨に邪魔をしてくるのだ。


本人は「私の親友にちょっかい出さないでちょうだい」などと言った意味のことを言って、雅美の保護者のような立場を取ろうとするのだが、それは男たちが雅美しか眼中にないと言う当然の事実からきた、単なる嫉妬や僻みにしかすぎない。


そのことには雅美をふくむ残り七人全員が見抜いていた。


それに気がついていないのは、真亜矢本人だけだった。


おまけにこういった輩はずうずうしいというか図太いというか、男子がみなこぞってやんわりと抗議をしても、思いっきり完全拒否。


時に大きな声を出したり、時に重量級の体を使って男子を押し返したりするのだ。


男たちも雅美の前で、とりあえず女子大生の真亜矢にくってかかるわけにもいかず、いまだに雅美のメールアドレスや電話番号を手に入れた男はいなかった。

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