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「いったい何を掴んだんだ、あいつは。昨日電話で聞いたけど、答えなかったぜ」
「俺も聞いたけど、答えなかったな」
「本当になんなんだよ。はっきり言やあ、いいのに」
「大事な話だから、直接言いたいんじゃないのか」
そんな会話をしていると、桜井が入って来た。
「桜井、いったい何がわかったんだよ」
桜井までまだ距離があるにもかかわらず、木本が聞いた。
桜井は何も言わずに一番安い定食を注文すると、それを受け取り席に着いた。
「おい、もったいぶらずに、早く言えよ」
木本の口を止めることは出来ない。
三人で言いたいことを言うとややこしくなるのは目に見えているで、上条はなるべく口を出さないことにした。
「まあ待て」
桜井は鞄から何かを取り出した。
スマートフォンだ。
そして何かを打ち込むと、それを上条と木本に交互に見せた。
「何だ、これ」
「ツイッターだよ」
「そんなの見りゃあわかるぜ。このツイートがどうかしたか」
「ハンネを見てみて」
ハンネはドッグパーティフィールドとなっていた。




