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吸鬼  作者: ツヨシ
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吉木は犬田や真亜矢ほどではないにしろ、その次に嫌われていたキャラだ。


少し横暴で、少しわがままなところがあったからだ。


「それでは授業を始める」


教授はいつになく元気だった。


おそらく、ほっとしたのだろう。



次の週も吉木は来なかった。


昼食会は当然その話題になった。


「犬田君も吉木君も来ないわね」


雅美が言った。


犬田も吉木も好意を寄せているわけではないのは確かだが、それでも心配しているようだ


――まるで天使だな。


人を殺してもおとがめなしだったとしたら、この時の上条は、迷うことなく真亜矢を殺していただろう。


「あんな男、いない方がせいせいするわよ」


真亜矢と意見が合ったことは今まで一度もなかったが、この時ばかりは四人の男が全員胸の中で同意した。



そして次の週、ひょっとしたらと頭の片隅にはあったのだが、そのとおりのことが起こってしまった。


吉木が講義に顔を出したのだ。


その態度、雰囲気、そして桜井が死人のようだと言った顔色は、犬田と全く同じだった。


「じゅ、授業を始める」


講義は三十分ともたなかった。

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