平和派の王様
僕とミラノはギルドを後にして、宿に戻りチェックアウトを済ませると、ミラノが何かに気付いたように手をポンッと叩くと俺に向かってこういった
「そうだわ!王様のところに行って勇者の証を貰わなくちゃ!」
そうなのだ。勇者とは王様に認められてからこそ勇者なのだ。
「えーっと…ここから王様の宮殿までは…」
「あれじゃないのか?」
僕は見た目からして「ゲームのお城」を指差した。
「え?」
ミラノは驚いたように指差した方向を向く
「そうよ!あれ!」
「なんでこんなに近いんだ?」
「気付かないうちに近づいてたみたいね。」
偶然かなにか分からないが、僕はたまたま宮殿の近くに飛ばされたらしい。
「まあいいわ、行きましょう、ミト。」
「そうだな」
歩くこと十数分
「以外に遠かったな」
見た目以上に遠かった。と言っても数十分しかかからなかったのだが。
「へぇーここが宮殿かぁー。」
まるでゲームのお城をそのままそっくりと移したかのような城が建っていた。もちろん門に番人の騎士もいる。
「お前ら、なんのようでこの宮殿を訪問に?」
すると、ミラノは何かを見せた。よく見ると警察官が出している身分証明書みたいだ。
「ミラノ様でしたか!こちらは勇者で?」
「はい。こちらは私のお連れした勇者です。」
「解りました。では、門を開きます。」
門番の手が光った。すると門がゴゴゴと音を立てながら開いた。
門が開いて門の中に男がいた。案内人といったところだろうか?そんな感じの人がいた。
「勇者のお方ですね?こちらへどうぞ」
そう言って男は城の中へ入っていった。その男の後を俺たちは追っていった。
「王様、ミラノ様と勇者様です。」
幼児向けのアニメや某有名冒険ゲームなどで誰でも一度は見たことあるような場所にレッドカーペットが敷かれていて、玉座にいかにも【王様】というようなオーラを放っている人間が座っている。多分この人が王様なんだろう。当たり前だろうけど。
「王様。頼まれた通り、勇者をお連れしました。」
「うむ、お前ならやってくれると信じておったぞ。」
語尾に「ぞ」をつける辺りも王様っぽい。
「うむ…もしやそなた…ミラノと適正があるな。」
「はっはい…たまたまだと思うんですけど、ミラノと適正があるらしいです…」
「適正があるということはお主らはガーディアンの関係じゃな。」
「そうなりますね。」
「うむ。ミラノとその男を勇者と認め、又、ガーディアンとする。この紙を門番に渡すが良い」
王様から渡された紙には今日からお主はガーディアンじゃぞ☆と書かれていた。なんて適当な…
「そこのお主、ガーディアンたちを門まで案内してやってくれ。」
そうすると先程の案内人の男が
「解りました。ではガーディアンの二人はこちらへ」
僕たちはまた案内人についていき、先程の門までやってきた。
「お二方の幸運を祈っております」
そう言うと門がゴゴゴと音を立て閉まった。僕は門番に紙を渡した。
「通常はこちらの蒼の紋章ですが、ガーディアンの場合はこちらの紅の紋章になります。」
僕らはその紋章を受け取り、宮殿を後にした。僕はとても嬉しかった。
「やったねミト!これで私達も王様に認められたわ!これから正式なガーディアンとして闇と戦いましょう!」
「そうだな!僕は何があってもミラノを守るガーディアンとなる!そしてアクスを救ってみせる!」
僕は何があってもミラノを守る。そう心とミラノに強く誓った。
かなり思いつきで書いてるので変なところがあっても気にせず読んでください。次回はもう一度ギルドに戻ります。