過去の話。2
「お、お願いします…!!!」
ドキドキしながら大人の人たちの夜間へ行った。
そこには、まだ数人しか来てないのか高校生3人と大人の人が1人だけいた。
しかも全員男子。
私はもう嫌で仕方なかった。
「帰りたい…、」
小声でそう呟くと、目ざとくその言葉に母は目ざとく反応した。
「強くなりたいんでしょ。今さら我儘いわないの。」
「うっ…」
強くなりたくてここにきたのは本当だ。
だから今更根をあげるわけにはいかない…
…わかってる、わかっているけども…!!!
「はっ、は、はぁ…」
「体操するぞー」
まだフォーミングアップで5周走っただけなのに、この差はなに…!?
と言うか、スピード速すぎる…。
男子高校生ってこんなに走るスピード速いのか…。
他の3人は息も上がっていないのに、私だけ疲れてる。
この差だけで泣きたくなった。
メンタル弱いってよく言われるけど、これは誰でも泣きたくなる。
うん、絶対。。
そんな時、誰かが声をかけてくれた。
「最初はそんなもんだよ」
「あ、はい…」
優しい笑顔でいかにも爽やか、年上の余裕?がある人が話しかけてきてくれた。
イケメン…普通に爽やかイケメン。
これが私の第一印象。
「だからさ、そんなに緊張すんなって!!俺は弘樹。高2だよ。君は?」
「わ、私は凛です。中1です。」
「中1かぁ〜…じゃあ、まだツライよな」
私の緊張をほぐそうとしてくれてる…?
どうにか話を続けようと、話題を変えながら話しかけてくる。
…私の気のせいではなければだけど…
そのうちに体操は終わり、次の練習に入ろうとしていた。
私はなんとなく仲良くなった弘樹さんの側で話を聞いている。
「えーと…まず最初に自己紹介かな。俺はここの運営みたいなのをしてる潤だ。」
「俺はさっき自己紹介したけど、弘樹だよ!」
「えー…三波です。高1です。」
「良だよ〜一応中3。よろしくね!」
4人の自己紹介が終わり、私の順が回ってくる。
「凛、です…!!中1です。」
手に汗を浮かべながら自己紹介をした。
私の自己紹介が終わり、ホッとしていると、
「一応、ここに来るんだったら続けてこないと意味ないから。本当に強くなりたいならだけど」
クギを刺すような一言。
私はこの言葉にこう返す。
本当に負けず嫌いだと思う…。
「毎回、休まずにきます。必ず」
これが私と潤さんの出会い。