表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界ランキング第二位の俺は金のために無双する  作者: 漆黒のギル
2章 始まりの予感
7/12

お世話をするのは大変ですね

やべぇ……無理やり詰め込み過ぎたw

 悪魔と人間は敵対していた。だが、それはそこまで意味がないとわかった。そしてラディウスの一部の人間にだけ知らされた事実。主に迅が勝手に広めただけだが。まあそんなことがあってとある二人が合うようになっていた――

「あ、おはよー」

「おはよー、まった?」

「ううん、今来たところ。じゃ、いこっか」

「うん」

 待っていたほうはノエルで、今来たのはシャルロット。何の接点もなさそうな二人だが、戦闘中にたまたま遭遇してなかよくなった。そして、ノエルはたまに迅のお世話、シャルロットはモモの弟、妹たちのお世話をしているということも知っている。そんなこともあって仲良くなった。

 今日は二人でお買い物。まあこの時代平和に買い物できるなんて思ってないけど。

 話しながらショッピングモールまで歩いていく。

 二人とも日本人離れした顔だ。というか二人とも日本人ではない。しかも超絶美人。周りからの視線も二人が独占しているようにも見えるくらいだ。今なら芸能人が来てもそっちに視線が行くのはほんのごく一部の人だけだろう。

 そんな二人が歩いていると持ちるんスカウトされたりするわけだ。モデル、アイドル、ファッション誌etc。出れば一躍有名に――

「あの子たちじゃね?」 「うわー、写真と全然ちがうー」 「こりゃ永久保存だわ」

 そう周りで騒がれていた。写真と違うとか聞き捨てならんセリフも聞こえたがそんなことは気にせずに話しながら店まで行く。

 店の中に入っても注目されている。

 それでも気にしない。

 気にしないというか気づいていないかのように歩いていき、まずは服を買いに行く。

「どれがいいかな?」

「うーん、ノエルちゃんは――これ。ささ、来てみて?」

 中に押し込むように入れ、カーテンをバサッと閉めるが――

「着方が、わからない」

「それならわたしにまかせたまえ」

 シャルロットは人間界の、日本の文化に興味を持ってからいろいろと研究した。作法から政治まで。もはや日本のことで知らないことはない。魔界の日本マスターといったところだ。だからもちろん着付けもできるわけだ。

 着付けが終わったら髪まで整えて完成。

「出来たよ」

「こんなスキルどこで磨いたの?」

「それは日本が好きだから完全独学で」

 完全独学。その言葉にここまで人を驚かせる力があったとは……

 うますぎて声も出ない。これなら普通に稼げるレベルだ。 着付け教室とか開いたら超繁盛しそう。

「お客さ…ま?――お客様!これも来てみてください!」

 たまたま通りかかった店員にスイッチが入る。

「は、はい」

 今せっかく来たのを脱いで、次の服に着替える。

「おぉぉ、可愛いですよ!じゃあ次行きましょう」

 店員が着せ替え的なことをしている。もう買ってもらうとか関係なくなったのだろう。

「これも、これも、これも……全部来てみてください!」

「て、店員さん……すごいセンス」

 店員が持ってくるのはすべてノエルにぴったりなもの。髪の色や体型などにも完全にマッチしている。店員、恐るべし。

「うーん……じゃあこれとこれとこれとこれとこれ、買います。あとこっちのこの服もお願いします」

「え?わた―」

「わかりました!」

 店員はシャルロットにぴったりの服を六着持ってくる。

「これ、来てみてください」

 そしてこれらもまたぴったりだ。店員、恐るべし。

「じゃ、じゃあわたしはこれとこれで」

 完全に店員のセンスに任せたが、滅茶苦茶にあっていたので二人ともその中から自分の好みに合ったものを買った。

「お買い上げありがとうございます!」

 店員、恐るべし。

 あれだけ買ったが、値段があまり高くはない。と言っても合計で三万円にはなっているが。

 今の出三万使った。残り十七万。

 ショッピングにもっていくような金ではないが気にしない。引っ手繰られても犯人を捕まえて警察に突き出すのだって簡単だし。

 ただそれは、一人や二人の少人数相手の話だ。

 前からヤクザの群れが近づいてくる。

 避けようとして横に行くと一番端の奴がノエルの足に引っかかったようにこける。

「いってー、おいてめぇ、人をこかせといて無視か、あぁ?」

「自分からこけたくせにそれはない」

「口答えすんじゃねー!」

「………」

「あやまんねぇのか」

「サ―セン」

「黙れ!」

「理不尽すぎない?」

 あーあ、頭のおかしい集団に出会ってしまった。ってかほんと理不尽すぎる。誤ったのに黙れって……

「ボス、こいつやっちゃってください」

「おう、ヤってやろうじゃねーか」 

 ぼすと端の奴の「やる」の意味が違った気がした。

「なあ嬢ちゃん、ここで脱げば、許してやるよ」

「お前が脱げよ」

 そう小声でつぶやいたのが聞こえたのだろう。ボスはキレて殴りかかってくる。

 が、片手で、しかも人差し指一本で止める。ドラゴン○ールかよ。

「わたしはラディウスイタリア支部の中では二番目に強いけどそれでも殺りあう?」

「俺らをなめんなぁぁ」

 バカな男だ。

 数秒後には血まみれになることも知らずに。

「うら――」

パチン

 その音と同時に男どもの動きが止まり、ノエルの力が抜が抜ける。

「喧嘩はそこまで。不良やるのはいいけど他人に迷惑はかけないようにね。あとノエルちゃんは帝国一つを一発で潰せるんだからちゃんと手加減はしてあげないと相手がかわいそうだよ」

「ごめんなさいッ!」

 端っこにいた奴がおびえて逃げる。

「お、覚えてろよ!」

「わたしそこまで記憶力ないから明日は忘れるかもしれない」

 端の奴に続いて、どんどん逃げていく。

「なんだったんだろうね」

「さぁ?」

 戦闘慣れしすぎて、この程度の事は何とも思わず、よくわからないまま今度はアクセサリーショップに行った。

「おー、いっぱいあるねー」

「これ、かっこいい」

 ノエルが手に取ったのは猫などのものではない。刀のストラップだ。この店はなんでもそろってい過ぎる。

「それなら――」

 今度はシャルロットが剣を見つけてきた。

「おお、いいね」

 ノエルがだんだん乗ってきた。

「で、それ何につけるの?」

「レーザーブレードEx-R型」

 レーザーブレードEx-R型は、ノエルの愛用の武器で、柄にストラップを付けられそうな場所がある。武器にストラップを付ける人はそう多くはないが、ノエルは今日そういう気分だったので武器用で買った。

 そしてシャルロットは、猫や犬などの小動物系の物を買った。


                      ※


 買い物を終えたノエルたちが出てきた。

 だがそれは、(今から襲ってくる奴らの)悲劇の始まりだった。

 早すぎる再開だった。

「おい、テメェら、さっきはうちの手下どもをかわいがってくれたそうじゃないか」

「誰ですか?」

 ごもっともな質問だ。だがそれに答えなかった。

「あぁ?なめてんじゃねーぞ!」

「それは小物のセリフですね」

 さっき注意したばかりだしノエルも手加減はするだろうと思い、シャルロットは手を出さなかった。

「テメェ!ふざけんじゃねー!」

 図体のデカい女の後ろから坊主の男が殴りかかってきた。

 が、簡単に止めた。

「はっ、かかったな!」

 一人の攻撃を止めたすきに囲まれていた。

 周りの人はビビって逃げ、今ここにいるのはノエルとシャルロット、ヤクザ共だけだ。

「覚えてるうちに来てくれたのはありがたいけどしつこい。気持ち悪い」

「おとなしくしてたら痛いことはしねぇぜ?どうするよ」

 こんな奴らの「痛いことはしない」は全く信用できない。

「こいつがこういってるんだ、お前らにとって悪いことはないだろぉ?」

 正直言って悪いことしかない。

「へー、君たち面白いことするね」

「そんなことしたらお前らのほうが危ないと思うけど?」

 いいところであの二人が来た。

 迅とロアだ。

 Twitterでたまたま見かけてきてみたら本物だった。それでタイミングを見計らって出てきたというわけだ。

「誰だテメェら」

「名乗ってもどうせ死ぬか記憶がなくなるから意味がないと思うよ」

「迅君。手加減を忘れないようにね」

「了解」

 確かに手加減しないと群れでないと行動できないような雑魚共は死ぬ。

 手加減しなくても死ぬ奴は死ぬかもしれない。

 だが、それを承知の上で殺りあいに来た。

「この人数相手に勝てるってかぁ?笑わせんなよ」

「その程度の人数で勝てると思うほうがおかしいわ」

 もう完全な挑発になっている。

「ウラァァァァァ!!」

 当たった。だが、完全に衝撃を吸収している。

「その程度か………わかった。全員で来てもいいよ」

 全員で二十人以上いる。まあ迅なら朝飯前というか瞬殺レベルだが。

「わかりやすすぎて笑えるんだけど」

「攻撃できねーくせにぬかしてんじゃねぇ!!」

「まともにダメージも与えられないような奴が調子に乗るな」

 迅が軽く殴ると、後ろにいた奴に当たって、そいつらと一緒に吹っ飛んでいく。

「ロア、任せる」

「わかったよ」

 残りはロアに任せて迅はノエルとシャルロットのほうに行く。

「二人で行けたと思うけどノエルが殺しかねないし迎えに来た。シャルロットは初めましてかな?」

「あっはい、初めまして。シャルロット・インウィディアです。いつもモモがお世話になってます」

「おー、シャルロット……あ、モモの弟たちの世話をしてるっていう」

「ですです。モモが学校に行ってるあいだに」

「へー、すごいね――なんて話す隙がなくなったね」

「うわーすごい数」

『指令、女の子を寄ってたかっていじめるヤクザ共をガチで殺りに行ってもいいですか?』

『あー……後遺症を残す程度でなら』

『了解!』

 司令官がOKしてもいいような内容じゃない気もするが、後遺症を残す程度ならまあいい。腕が動かないようにする程度なら文句は言われないだろう。

「はーい注目ー。後遺症を残す程度ならやってもいいよ」

 最後の言い方が黒い。ということは迅はこの状況を楽しんでいる。

「シャルロットは長いし、じゃあシャル、ロア、使ってもいいよ。ばれたらばれたで何とかするから。ノエルは絶対に手加減して。下手したらこの町がなくなるから」

 シャルとロアは魔力を使って容赦なく潰していく。

 ノエルは高速で敵の背後に回って地面に顔面を叩きつけていく。

 迅はいつも通り無双する。

「いいねいいねぇ。面白くなってきたよー」

 図体のデカい女のテンションがおかしくなってきたかもしれない。

「お前ら!あれを使え!」

 この合図とともに、どこから湧いてくるのかわからないヤクザ共が銃を構える。

「撃て」

 そして女の合図とともに、撃ち始める。

 幸い周りに人はいない。車の中にも人の気配は感じないし大丈夫だろう。

「君たちが持ったら銃刀法違反になるから注意。で、それはP90か……いい趣味してるね」

 ロアは意外に銃を知っていた。参考になります!

「お前らがそれを使うならこっちも容赦しないけどいいよね?」

 さらに迅の黒さが増し、周りの魔力が少し増える。

「神器開放!天叢雲剣」

 敵がマシンガンを使うということで迅も武器を出す。人間相手に使うものではないような武器だが――

「ちょ、迅君、それは危ない!」

「腕を一本落とすだけだし大丈夫」

「この程度の奴等にそんなことしたら死ぬよ。あいつらが」

「死んだら死んだで別にいい。俺はこの日本の中で唯一適用しない法律があるから。まあ無差別にやると死刑になるけど」

「何となく察したよ。こいつらならまあいいと思う」

「じゃあやるよ」

 迅は興奮してきた。唇を舐め、にやける。今の感情は怒りが半分を占めているだろう。

「お前らみたいなのは……死ね」

「お前らぁ、あの剣持を殺せ!」

 もうこれは剣かなんてレベルじゃない。殺し合いだ。

「獄焔剣・烈火斬!」

 烈火斬だが、火力を抑えているので熱いが、燃えることはない。だが、腕を十本狩るにはぴったりだ。

 迅の前にいた五人と左右二、三人の腕を一瞬にして斬り落とす。 

 そしてすぐ治癒魔法で止血する。

「お、お前ら!早く殺せ!」

「僕を忘れないでほしいな」

 ロアが女の背後に周り、悪魔の姿を見せる。

「僕は悪魔だ。その証拠に、羽があるでしょ?手を汚さずに人を傷つけるなんて、さすがは元幹部、『ハイネス・ミルシェード』ってところかな?」

「な、なぜそれを!?」

「そんなこと聞いてもどうせ死ぬんだし仕方ないよ。天の裁きを受けろ――judgement」

「グッ……ガハッ……」

 女は死んだ。悪魔による天の裁きというわかりずらいけどよく考えると結構な矛盾がある攻撃で。

「あの大将みたいなのは死んだ。全員ここで死ね!」

 迅の黒さは留まることを知らない。どんどん黒くなっていく。肌の色などそんな冗談ではない、周りのオーラが……

「武装変更・黒炎剣」


――黒の炎に包まれた双剣。世界を闇に落とす魔剣。さらには神をも殺すという――


「さあ、宴の始まりだ!」

 どれだけ黒くなっても、腕一本を切り落として、即止血というのは変わらない。

 五秒たてばすでに五十本。一秒に十本のペースで切り落としていく。

「お前が最後か……まあ少しは楽しめた。これで終われ」

 そう言い残して、腕を切り落とす。そして止血する。

「これで終わりかな?」

 最後の一人を倒した瞬間に、迅に笑顔が戻る。

 周りの黒いオーラも消え、持っていた武器も、強化も完全に消えた。

 そして気づけば周りには撮影している人がいる。

 まさかと思い、携帯でテレビを開くと――

「これって……俺!?」

 思った通りだった。

 迅たちはテレビに映っている。緊急でLIVE配信をしていた。どこのチャンネルもこのことばかりだ。終わった。学校でも絶対明日この話題になる。

 そして迅は気づく。

―自分が血まみれなことに―

 こんな姿を全国のお茶の間に配信するなんてどうかしている。

「霧崎さんですよね。一言どうぞ」

「え?いったほうがいい感じですか?」

 キャスターの人がこくりとうなずく。

「あっはい。俺はなんか血まみれになってますけどあいつら全員止血したので大丈夫だと思います。大将みたいなのは除いて」

 そのコメントの後から、いろんな人から質問される。一斉にしゃべり過ぎて聞こえない。

「はーい、みんな一列に並んでー」

 シャルが言うときれいに一列になった。サイン会?

「なぜこんなことになったんですか?」

「いくら二人が強いとはいえ女の子二人を数十人で攻撃しようとするのはやばいかと……」

 今の出ファンが急上昇しただろう。後先考えない発言だったと迅本人も後々自覚した。

「あの武器はなんだったんですか?それとあの金髪の悪魔のような羽が生えた少年は?」

 これはもう隠してもしょうがない。素直に言う。

「もう隠す理由もないですし言います。あの武器は対悪魔戦で使うやつなんですけど、なんかめちゃくちゃ怒りがこみあげてきて。それで使いました。で、あの金髪は悪魔です。でも今は協定関係なので安全です。ってかあいつは絶対に無差別に人を殺しはしません」

 誤解を招かないようにロアのことも訂正する。

 迅の魔術のことは面倒なので説明はしなかった。

「なぜ止血を?」

「指令に後遺症を残す程度習って言われたので」

 すいません指令。正直に言いました。

「あの弾丸はどうやって避けたんですか?」

「あの黒いオーラが見えたと思うんですけど、あれで全部防いだみたいですね。今気づきました」

 今気づいたのは事実だ。

「強いですね?」

「まあ小学校からいじめられてたんで中一の時点で周りを信用しなくなって鍛えてましたからね」

 この調子で、質問にすべて答え終わって、迅が個人的に言いたいことがあり、それをカメラに向かって言う。

「このテレビを見てるヤクザ共、それと海外の悪いやつらもよく聞いとけ。お前らみたいなやつが俺に喧嘩売ってきたら……次は両腕行くぞ。テロリストに関しては問答無用で殺す。来るなら周りの奴等を巻き込まないように来い。一体十でも、百でも千でも、一万を超えても構わない。やれるものならやってみろ。女子供しか狙えない、群れで行動しないと何もできない雑魚共」

 これは一言のレベルではない。ましてや喧嘩を売っているわけでもない。宣戦布告だ。

 もう迅相手に兵器を投入されてもおかしくない。国対迅の戦いになることだってあり得る。それを覚悟の上での宣戦布告。絶対に勝てるとは限らない戦いだが、勝てない相手でもない。

 そして―この戦争で集団を相手するのは俺だけだ。

「あ、これからは夜の奇襲に備えて家に殺人トラップを仕掛けるので注意してくださいねー」

 これがカメラに向かって告げた最後の言葉だった。

 このことが合ってから、迅はテレビには一切出ていない。そして学校で有名なヤンキーは更生。迅が通っている学校でのいじめが一切なくなった。いじめっ子の中には行方不明になったものもいた。

 さらには講堂で事情を説明したりといろいろと大変なことになった。

 だが、停学にはならなった。


                   ※


 俺が中一から思っていること。

 この世界は間違っている(w)

 何も知らないお花畑な奴等には中二病としか思わないだろうが、そうでもない。

 理由だってある。

 壱 人を蹴落としてまで上へあがろうとする

 弐 人間は秒とか言うが、全く平等じゃない

 参 実際この世は才能が全て

 これだけだがそうだろう?特に才能が全てってのはずっと思っていた。

 天才とは、九十九%の努力と一%の才能とか言うのがある。でも一%は才能があるわけだ。

才能のないやつは何もできない。

 あるところにこんな奴がいた。「俺は九十九%、いや、百%の努力をした。やれることはすべてやった。限界までやった。それでも何も上達しない。何もできなかった」という奴。それに対して大人は「それは努力が足りないんだ」と答えた。才能のないやつはさらに努力した。極限まで追い詰めた。そして限界を突破した。だが、少ししか上達していない。それでも「お前は努力が足りない」そういわれるだけ。何をやっても無駄。何もできない。そう思ってから努力をすることをやめた。

 この時点で平等じゃないとわかる。そして最後だ。

 あるものはこういった

―やめろ!それは犠牲が多すぎる!―

 それにたいしあるものがいった

―あいつが助かればそれでいいんだ!―

 そうは言うものの、実は自分より少し上の奴等をこの技で犠牲にして、上に上がろうとしただけなのだ。

 まさに世界の闇だ。

 という夢を見た。なんか面白かった。映画みたいで。そのおかげで朝早く起きれた。

「最近蘭がゲームとか誘ってこないけどなんかあったかな?」

 時間があったので、蘭とよくやっていたゲームを開く。

「操作忘れたけどまあ指が覚えてるかな?」

 画面を進めて行って、キャラ選択画面までくる。そこで得意だった気がするキャラを選び、敵のレベルをMAXにして挑む。

『3,2,1、G O』

 開始して速攻で吹っ飛ばす。戻ってきたところを黄色いマントで跳ね返し殺す。

 それをあと二回続けてノーダメ勝利。

「面白くないな。仮想空間でも行こ」

 早く勝ちすぎて一戦で飽きた。

 次は仮想空間でのんびり。

 したけど暇だったのでまた戻ってきた。

 早起きは三文の徳っていうけど俺の場合ただ暇でしかないんだけど?

 やることがなさすぎる。ゲームも大体クリアしたし本は一応全巻読んで内容も覚えてるし絵を描こうにも実物がないと見れないから全然描けないし。

 やるとこがない。寝よう。

 そして早速二度寝する。

 

 二時間後。

「ぐふっ!?」

 お腹に何かが降ってきた。

「お、おはよう」

「なぜおれのはら、に……」

「着地失敗。さらばッ!」

 迅は気絶し、蘭は逃げた。凜は急いで救助に行った。

 迅が起きたのはその三十分後だった。

「蘭よ、ちとこっちに来なさい」

「は、はい」

「なぜああなった?」

「おにーちゃんの横にダイブしようと思ったら失敗した」

「着地する位置がもう少し下だったらおにーちゃん死んでたよ?男として」

「おにーちゃんなら大丈夫」

「うんまあ確かに大丈夫だけど痛いものは痛いから。生理と同じくらい痛い。らしいから」

 今迅は蘭に事情聴取をしている最中だった。迅のほうがふざけているが。

「あのね、アレは男にとって第二の命なの。わかる?だから潰れたら寿命が半分以上知事むわけよ。あと精神的なダメージも入れると俺的には余命一年」

 と、大げさに言ってみると蘭が青ざめていた。凜は後ろで笑うのを必死にこらえている。失礼な!

「プリン買ってきたら許す」

「女子に奢らせ―」

「お前が悪いわ」

「あうっ」

 軽く頭をチョップする。その反応がやばい。可愛い。

「じゃあこの件はこれで終わり。でさ、相談なんだけど……新しい服買いたいんだけど選ぶの手伝ってくれる?」

「いいよ」

「うん」

「ありがと」

 なぜおれがこんなことを頼むかというと単純に服を選ぶのが苦手だからだ。

 俺は基本的にジーパンと上は適当だ。某アイドルアニメのあ○ずちゃんが来ているあのTシャツとかアマゾンで適当に買ったやつとかだ。

 だから選んでもらう。高校生になってからは服を買うときは絶対に選んでもらっている。迅は服を選ぶセンスがないから。

 買い物に行くのにヤクザに合わなければいいけど――



「ですよねー」

 一人のヤクザと遭遇してしまった。

「おいてめ―」

「頼む!今日はゆっくりさせてくれ!明日付き合うから!」

「お、おう……明日ここに絶対来いよ」

「ありがとうございます!」

 ヤクザ相手に交渉成立してしまった。

 なんていうとでも思ったかぁ!とでも言って戻ってくるかと思ったが、戻ってはこず、帰っていった。あの人はいいやつそうなので殺さないでおく。

「すごいね迅くん……」

「お、おにーちゃん実は恐れられてるんじゃない?」

「あの言い方でビビられても困るな」

 ガチデ今日やるのは嫌だったので明日にしてもらった。しかもその言い方が弱虫みたいだったのにビビられても困る。というかなんか嫌だ。っていうか姉ちゃんと蘭もちょっと怖がってる気がする。

 俺は強い自信がある。遥さん以外ならだれにでも勝てる。どれだけ大勢でも力を開放すれば絶対に倒せる。国を敵に回しても勝つ自信がある。それくらい強くなった。神の力が使えるようになり、神話武装が使えるようになり、最終的には剣を創り出すことさえ可能になった。魔術のでもそうだ。魔術を創るのに必要なプロセスをすっ飛ばして創れるようになった。やろうと思えば国を、大陸を潰すことだってできる。

 それでも!

 怖がられるのはなんか嫌。

 自業自得ではあるけどこっちは危ないやつらを病院送りにしただけだ。むしろ貢献していると思う。

(はぁ、君は殺すことに慣れ過ぎてるんだと思う)

 また直接脳内になにかが話しかけてきた。何かは覚えていない。

(怖がられたくないならいいとこを見せないと)

 いいとこ。災害に合った地域に行って土砂やら崩壊した家やらをどけて人を助けるとか?できるけど周りにいる人が死ぬ。

 もう人生終わったかも。

 参考程度に聞いてみるが、反応はなかった……ほんと何だったんだろう。

 まあ深く考えてもしょうがない。気にしないのが一番だ!

「ねえ、俺に合う服ってどんなの?」

「うーん……迅くんはこんな感じの?」

 渡されたものを試着してみる。

「おー」

「わー」

 すごいのかすごくないのかよくわからない反応いただきました。

「で、どう?」

「うん、なんというか……眩しい」

「おにーちゃんが別人になったみたい」

 よくわからないので鏡を見てみると、確かに別人だ。服が違うだけなのにこの差。姉ちゃんたちに任せて正解だった。

 よかった。けど、俺のセンスの無さがよーーくわかった。なぜだろう、悲しい。さすがにここまでセンスがないとは思っていなかった。まあ適当に買ってもデザインをまったく気にしないということはなかったけど。

 この服は気に入ったのでお買い上げ。ついでにズボンも買って今日は帰る。

 帰りに不意打ちなどを喰らわないか心配だったが、無事に家にたどり着いた。あのヤクザは言ったことは守る人だった。

 だが、このとき迅は、戦争な状態になることを知らなかった――

次回は迅VSヤクザ、テロリストが全面戦争。

それでも街に一切被害なし!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ