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世界ランキング第二位の俺は金のために無双する  作者: 漆黒のギル
第1章 仕事からの解放
5/12

俺たちの非日常は日常に変わっていく

ついに5話ですね

 日曜日、そしてプールに行く日。

 新しい水着も買って準備は万端。

 新しいのは迷彩柄のかっこいいやつにしようとしたが、ロリっ娘だったことを思い出してあきらめたて選んでもらった。

 今まで水着は適当に買っていたのでどんなものがいいか全くわからなかった。しかも女物となると決めるのに時間がかかる。迅はそうでもなかったが、他二名は決めるのに二時間くらいかかっていた。やっぱ女子ってよくわからない。今は女子だけど。

 でもまあ楽しければいいか。

 実のところ服の下に水着を着ている。

 本当は男の体で行きたかったがプールに行くだけで魔力を消費するのはさすがに疲れるからしないが少し残念だ。

 まあこれはこれで楽しめそうだからいいけど。

 とにかく今日はプールで楽しんでくる。

 早く遊びたいから一番につくように出た。

 車に乗っていきたいところではあるが誰も運転ができないので電車で行くことになった。

 こう電車とかに乗って遊びに行くのは中二以来だ。あの頃からさらにおかしくなった。だから今日はめちゃくちゃ楽しみだ。

 休暇というかなんというか・・・やっと落ち着いてきてやっとできた休みの日だから存分に楽しまないとな。

 今日はうれしすぎてずっとワクワクしている。

 今日は晴天、絶好のプール日和。しかも気温も結構高いからプールに入ったら絶対気持ちいい。

 ウォータースライダーもあるみたいだしとにかく遊びつくす。今まで魔族のせいでできなかったことをとことんやる。今日だけで今までの分遊びつくす。今日はとにかく遊ぶ!

 そしてそこに行くまでの電車の中、プールまでのルートもすべて楽しむ。あまりできなかったことを供する。今日は何もかもを楽しみつくす。

 久々の自由時間くらい自由にしてもいいよね?

「姉ちゃん、あと何分?」

 楽しむとはいえずっと電車だと眠くなってしまう。

 昨日も倉庫の中を家みたいにしていたからまだ疲れが完全に取れたわけではなく、こうずっと座っているとね憂くなってくる。

 もう意識が遠くなってきた・・・

「そろそろっって・・・もう寝てるか」

 迅(梨紗)はついに寝てしまった。

 寝て数分後に駅に着き起こしてもなかなか起きなかったのでまたおんぶして運んだ。

 凜は「梨紗の寝顔かわいー」と言って写真を何枚も取りながら進んでいた。

 そして蘭は相変わらず後ろを歩いている。こっちも結構眠そうにしている。だが今回は迅以上に楽しみにしていたので絶対に寝ない覚悟まであるようだった。

 駅から出て徒歩一五分ほどで今度はプールのついた。

「梨紗ちゃーん、つきましたよー」

 その一言で迅、そして蘭もぱぁっと目を覚ました。

 開くまであと五分ほどあった。それまで適当に話しながら待ったらすぐだった。

 そして五分後・・・

「あいたーーーーーーーー」

 猛ダッシュというほどではないが走って更衣室に行ってさっさと服を脱いでさっさとプールに行った。やりたいことがいっぱいあるがまずはテントを立てて場所取り。それからプールへGO。

「つめたー」

 こんな暑い日にプールには入れて気持ちいい。

「あー、きもちー」

 三姉妹(?)で少し水をかけあったあと、ウォータースライダーに行った。

 誰もいなくて一番目に行けた。

「誰から行く?」

 ここのウォータースライダーはめちゃくちゃ長くてそのうえ急なところが多い。

 そのせいで行きたいという人はいない。

 そうなったら当然じゃんけん。

「じゃーんけーんぽん」

 凜・・・グー

 梨紗・・パー

 蘭・・・パー

「姉ちゃんにけってーい」「それではいってらっしゃいませー」

 こういう時にはよく息が合う梨紗と蘭。

 姉ちゃんが勇気を出して出発した。

 その数秒後、いや、一秒もたっていないかもしれない。

 引くほど大きい声で「キャー」と聞こえた。

 あの姉ちゃんがここまでビビるとは・・・ジェットコースターでも笑うか無表情なのに・・・

 じゃあ次は誰が行く?

 怖いものほど挑戦したくなる本能は迅も梨紗も同じだった。

「いってきまーす」

「いったらっしゃーい」

 最初は滑らかだけどあとからが・・・これはやば・・・「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」つい叫んでしまった。これは本当に怖い。年齢制限とかつきそうなくらい怖い。初めてジェットコースターに乗ったときの感覚を思い出す。

「あーーー、あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁ、やばいやばいやばいやばいやばいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・おわっ―」

 バッシャ―――ン

「いったーーいー」

 ぐねぐね曲がっていたり角度の差が激しかったりして凄いスピードも出るし酷いところではいっかいてんしかけてた。というか完全に筒に囲まれているところに関しては一回転するところもあったくらいだ。

 さて、これに蘭ちゃんはどう反応するかな?

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 怖くないのか、逆に怖すぎて声が出ないのか。

 そっちか期待しつつ感想を聞いてみる。

「で?どうでした?」

 うざい感じで聞いてみた。が、素直に答えた。

「心臓止まるかと思った」

 泣きそうになりながら梨紗に抱き着いてきた。なんてかわいいんだ。

 さすがにあれは怖かった。見た目がえげつない触手モンスターに襲われたとき並みに怖かった。

 うん!ウォータースライダーなら他の緩そうなのにしよう!

 恐怖のウォータースライダーゾーンを出たところで看板を見つけた。そこには「ジェットコースターより怖いです」と書いてあった。

 しょっぱなからここはきつかった。

 まあこれの前に波が出るプールとかボールとか使って遊んだほうがいいかな?いろんな意味で。

 以外にやること思いつかないなーと思ったがそうでもなかった。

 姉ちゃん泳げない。

 姉ちゃんの弱点の一つ、水泳。

 今まで姉ちゃんが泳いだところを見たことがない。まえプールに行った時もなぜか足形わないところには行っていなかった。この際泳ぎ方でも教えようかな?ついでに蘭にも。

「二人とも泳げたっけぇ?」

 いった瞬間にビクッとした。

 姉ちゃんは逃げようとしていた。

「はーいにげちゃだめですよー。どうせならここで泳ぐ練習でもしようよ?教えるからさ」

「ほんと?」

 少し涙目になっている姉ちゃんもかわいい。

「うん。で?蘭はどうする?」

「わたしもやる」

 よし、何とかこの二人を泳げるようにしよう。

 まずはいちおう浮けている蘭から。凜はカナヅチだし時間がかかりそうなので後回しにしておく。見てみたら意外とできたってこともあるかもしれないし。まあ凜に関してそんなことはないと思うが・・・

「受けるよね?わたしの手をもってバタバタしてみて」

 している。バタバタしている。しているはずなのにこの差って何だろう?中一の時に友達にそれをやったことがあるがここまで足が沈んではいなかった。あの時のはできていた。でも蘭は本当にバタバタしている。溺れる人のように・・・

「力抜いてみて?」

「うん」

 力を抜いたのはいいがなぜこうなった?足が動いてないというか某マンガの怠惰な方を目指すのかな?というかこれは―

「力抜きすぎ」

 そう、蘭は力を抜きすぎてもはや足が動いていなかった。

「抜きすぎて足が動かなくなったら泳げないからね?手の力には自信があるってゆーなら別だけど」

 アドバイスっぽく聞こえるけど実はからかっている。

「もう一回」

 いいね、あきらめずにやるんだ。

 確かに足は沈まなくなった。でも何かがおかしい。

(これは強くしすぎかな?)

 ダメとも思ったけどこうするのも勉強のため。そういうわけで手を放してみた。

 受けるからいいほうではあるけど姿勢が崩れすぎて少し笑ってしまった。かわいくて。

(なんてかわいいんだ)

「姿勢崩れすぎ。バランス?が取れてないだけだと思うけどそこはわたしにはどうにもできないからイメージして」

 蘭は考えてた。

 この世の中にはこのような言葉がある―

―考えるな、感じろ―

 そうだ、そうしよう。

 こんな感じでやってみるとバタ足だけはできるようになった。

「よし、ぎりぎり合格。次は手も付けるよ。これは百聞はなんとやらっていうし見てて」

 なるべくわかりやすいように及ぶのではなく立ったままやった。

 蘭がそれを見ながら手だけで梨紗と同じようにやっていた。が、形が少しおかしかった。

「えーっと、こうかな?」

 蘭の手をもって自分でやったのと同じように動かした。「この感覚を忘れないようにねー」と言ったらうなずいたが実際に泳いでできるのだろうか?

 まあそれは見てみないとわからない。そういうわけで蘭を泳がせてみた。

 足はギリギリOK、手は水から出してまた前に伸ばすときに大きくかきすぎている。

 蘭をいったん止めてもう一度アドバイスをして泳がせたらよくなった。

 こっちは覚えるのが早いから楽だった。うまいとは言い難い感じではあるけど。

 あとは凜。

 スポーツ(水泳以外)は大体得意。でも水泳となるとまったく泳げない。

「蘭もできるようになったばかりだけど手伝ってくれる?」

「ワカッタガンバル」 

「姉ちゃんは水泳は壊滅的だからねー。時間かかるかもしれない」

「うぅ」

「わたしはもともと受けなかったわけじゃないからよかったけどおねーちゃんはどうかなー(棒)」

「あうっ」

((かわいい!!))

 梨紗と蘭はまったく同じことを考えていた。

 まずは姉ちゃんのカナヅチ度を見るために潜ってもらう。

 十秒潜るのは大丈夫だった。

 次に蹴伸びで浮いてもらった。

 これは酷い。

 足から少しずつ沈んでいっている。どれだけ力を入れればこうなるのやら・・・止まったままだと梨紗でもあるが進みながらだとさすがに沈みはしない。

 これを見て確信した。

(姉ちゃん今日中は無理だ・・・)

 手順は蘭にしたのと同じようにする。

 もちろん最初からうまくいくとは思っていない。初心者は誰でもこういうものだから。

 でもさ、バタバタしながら沈んで行ってるのはどうなの?

「姉ちゃん、バタバタしながら足が沈んでいくんならちょっと下めに蹴ってみたら?」

「わかった!」

 さっきよりは沈まなくなった。さっきよりは。

「足が動く程度に力を抜いて」


ダラァー


「動いてない」

 凜も蘭も同じようなことをしている。

「姉ちゃんはこっちのほうが早いかもね」

 今までずっと一緒にいたからこそわかる。

 姉ちゃんに口で説明しても無駄だと。

 だから実際に泳ぐ。ついでにこのプールの端まで行ってターンして戻ってくる。

 ターンしたときに鼻に水が入ったなんて口が裂けても言えない。

「ただいまー」

「おかえりー」

「姉ちゃんならできるはず」

「わ、わかった。やってみる」

 蘭と同じく姿勢はそこまできれいではないものの泳げてい・・・る?

「一瞬かよ!?」

 少し進んだがすぐに沈んでいった。

「姉ちゃん完全に力を抜いて浮いてみて」

 プカァーと浮いて数秒後に沈んだ。

 これはもはや才能では?と思ってしまった。それほどひどかった。

 もうどうしようもない。これは水泳のコーチの経験がない人には手の付けようがない。でもまあかわいいかったし問題ない!

 蘭だけでも泳げるようになったし今回はよしとしよう。

 

                   Ф


「おなかすいたねー」

「あー、もう十二時かー」

 遊んでいるうちにいつの間にか十二時になっていた。

「焼きそば食べたい!」

「さんせー」

 確か焼きそばの店は今いる場所の真反対だった気がする。

 何でこんなときに限って・・・って言うかこのめちゃくちゃ広いプールでここまで来たということは相当夢中になっていたのだろう。主に流れるプールで。

 流れるプールで全力で鬼ごっこして約三週してウォータースライダーでぶっ飛んでetc

 そんな感じでここまできていた。

 この流れるプールは一周するし浮き輪に乗って向こうまで流れていこう。

「あれ?」

 姉ちゃんが見つからない。この人ごみだとしょうがないような気もするがここではぐれると後で合流するのは難しいと思う。今のうちに見つけないと。

「蘭ー、姉ちゃんさがそー」

「うん、わかった」

それから結構探した。50mほど進んだところでチャラい男どもが一人の女子を囲んでいたのが見えた。よく見るとその女子は凜だった。

 別に自分でその中に入るのは問題はないが蘭もいる。

 ま、いっか。

「あー、姉ちゃんいたー」

「アァ?」

「こいつらもかわいいじゃねぇか」

「おぉー、いいねぇ」

 うわっ、巻き込まれた。いやそれを覚悟で来たんだけど・・・

 思った以上にウザい。

「悪いけどあなたたちには興味がないの。そこをどいてください。お腹がすいたから早く食べたいんだけど?それ、私の姉ちゃんなの」

「あぁ?生意気だなぁ、女だからって容赦しねぇぞ!」

「そうですか。まあ頑張ってください」

 挑発的に接することで男たちが殴りかかってくる。

「その程度で手加減しないとかほざいてたわけ?ダッサ」

 今度は三人同時に来たが、それも同時に片づけた。

「死ねぇ」

「定番すぎて面白くない」

 最後も一瞬で終わらせた。

「このアマぁ」

「さっさと・・・消えろ」

 これで全員片付いた。

「早く行こ、おねーちゃん」

「大丈夫だった?あと蘭も、ありがと」

「なんで?」

「だって気づかれないように強化しててくれたでしょ?」

「あのほんのちょっとの強化でもわかってしまうのかッ!?」

「もちろんだ、我を誰だと心得る」

「・・・・・・ごめん梨紗おねーちゃん、さすがに二つ名は思いつかないや」

「大丈夫だよ。わたしも二つナは無理だから」

 中二病の真似事をしたがすぐ終わった。

 ちなみに二つ名や真名で中二全開な会話が終わるのはよくあること。

 そんなかとより・・・・・・・お腹すいた。


「はぁぁぁぁ、やっと着いたー」

「人多いねー」

「日曜だからねー」

 みんな座ってだらけていた。

 早く買ってこないとさらに人が増える。

「じゃーんけーんぽん」

 凜・・・グー

 梨紗・・チョキ

 蘭・・・グー

 買いに行くのは梨紗になった。

「みんな同じのでいいよね?」

「いいよー」

「おっけー」

 はぁ・・・まあ行列ってわけでもないしいいか。一七人ほど並んでるけど待てないわけじゃないしみんな決めるのも早くて進むのも早い。問題は熱いこと。この暑い中並んでいなければいけないということ。日焼け止めを塗った記憶がまたくない。まあいいや。

 残り五人。後ろの男どもの視線が気になる。その視線は一ヵ所に集まっている。

 これだから男どもは・・・

「次の方―」

 やっと自分の番になった。

「焼きそば三つ」

「あいよ」

 手際よく作ってパックに詰める。それにかかった時間は約十秒。作るとこも含めて。だからあんなに早かったのか。

「ありがとうございました」

 さっさと戻って食べたい。

「ただいまー」

「さんきゅー」

 テントに入って焼きそばを食べる。おいしい。これは拡散するべきだ。Twitterに挙げてフェイスブックに乗せてLINEのTLに乗せる。これはあたりだった。

「これはあたりだねー」

 蘭のあまり使い道のないような気がする能力的なのがそう告げている。らしい。

 蘭は店の料理が当たりか外れかを当てることができる。その能力的なのがこの焼きそばを「あたり」だと告げている。らしい。

 あまりにもおいしそうに食べるので梨紗も食べてみる。

「おいしい」

 これは本当においしい。今まで食べた中では断トツだろう。食レポとかはできないからうまくは言えないがこれは本当においしい。

「我が姉、梨紗よ。焼きそばを勝ってくるがいい」

「はいはい」

 小食な蘭もこれに気に入ったらしく追加で食べた。その後さらに三回食べた。梨紗と凜も1回ずつ追加で食べた。

「午後二時からクイズ大会を開催しまーす」

「いこー」

「おー」

 前に一度クイズ大会に参加して優勝したような気がする。あの時の問題は簡単だったけど。

「ルールは簡単。ルーレットで難易度と問題のジャンルを決めます。頑張ってくださいねー」

 毎回ジャンルが変わると予測ができないから難しいけど賞品のためなら頑張れる。

「第一問!太平洋戦争後,日本が独立を回復した条約を結んだアメリカの都市はどこ? 」

 子供が参加しているクイズ大会で出すような問題ではない気がする……これはサンフランシスコだったかな?

「正解はー…サンフランシスコです!」

 


 そして十問目が終わったて残ったのは二人。親子と元三姉妹。

「なんと二組残ってしまいましたッ!今回の決着はーーーーーーーーーーーー!!決闘だッ」

 ナレーションの人がそういったっ瞬間に観客みんなが「おぉぉぉぉぉぉーーーーー」となって盛り上がった。

「両者選手を一人決めてください」

「ここはわたしがでる」

 こっちは梨紗。

「茜、お父さんが行くよ」

 敵は茜ちゃんのお父さん。

「開始!」

 梨紗のところと相手のところに武器が落ちてきた。ダガー、剣、斧、刀などいろいろ落ちてきた。相手は斧、梨紗はダガーをとった。

 相手はすぐに攻撃してくるのではなく様子を見ていた。どうやら初心者ではないようだ。構えもプロのように見える。もしかしたらラディウスの人かもしれない。もしそうなら気を抜いた瞬間に攻撃される。そうならないように集中しないと―

「え!?」

 すきを突かれた。

 かろうじて避けたが姿勢を大きく崩してしまった。このままだと追撃で負ける。

 追撃が来たがこれも何とか避けれた。

 いったん下がって体制を立て直す。勝負はそこから。

「はぁッ」


ガキンッ


 防いで敵が怯んだ瞬間に足を蹴りさらにバランスを崩す。

 いける!そう思った刹那、何かが話しかけてきた。

(俺に任せろ。そのほうが勝ち目がある)

(だれ?)

(君の元の人格だよ。霧崎迅君だよ)

(なんでかわるの?)

(君は俺の別の人格ってわけ。記憶は共有だけど能力的にはもともとの俺のほうが強いからね、俺が戦ったほうが有利なの。体の動かし方も慣れてるこっちのほうがいいしね。勝ちたいならそうしたらいい)

(それなら)

 そういうわけで人格を入れ替えた。見た目は変わらないが中身は変わった。キャラはなるべく変えないようにやっているが戦っていると素が出てしまうかもしれない。

 とにかく今は戦うことが優先。

「あの……武器を剣に変えていただけないでしょうか?」

「理由は知らんがいいだろう」

 理由は簡単。

 ダガーだと戦力の差が激しい。それなら剣を使ったほうが互角になるかもしれない。それに観客も見ていて楽しいだろう。

 こっちが攻めたら向こうも合わせて攻撃してくる。

 観客はさらに盛り上がって来ていてもうクイズどころではなくなっている。最初はみんな「えっ!?関係なくない?」という顔をしていたが戦闘になってからその雰囲気はなくなった。

 この戦いはせめて守って、守って攻めてが続いている。観客は大盛り上がり、動画をとっている人もいる。

「残り一分」

 残り一分まで同じようなことを繰り返していて観客もめちゃくちゃ盛り上がっていた。

 そろそろ決着をつけないと時間切れになってしまう。

「そろそろ決着をつけましょうよ」

「いいぞ」

 お互い距離をとって構えて、突っ込む。

「はぁぁぁぁっぁ」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ」

 今見ただけではどっちが勝ったかはわからない。

「ぐはっ」

「勝者はーー……霧崎梨紗ーー!!!」

 実際戦ったのは迅だけど。

 観客はさらに盛り上がった。「こんな小さい子が勝ったのか?」という声がちらほら、「このこすげぇな」という声も聞こえた。

 そして優勝賞品が渡された。

「賞品はーーーーー、ハワイ旅行だーーーーーーー!!!」

 ハワイ旅行ってもはやクイズをしてないクイズ大会でもらえるようなものじゃないと思うけどありがたくいただいておこう。

 もはやクイズをしていないクイズ大会が終わったころには四時半になっていた。ずっとプールってのも飽きそうなのでここで切り上げて帰った。この日のご飯は家ではなくて外に食べに行った。

 

                     ※


 ハワイにて。

 準備、通訳などをほとんどしていた凜は疲れ果ててホテルのベッドで倒れていた。それでも蘭は「あそぼー」と迫っている。どうにか止めることはできないのだろうか?さっきから「遊んであげるから寝かせてあげて」と言っているがなかなか聞いてくれない。

 仕事以外で海外に来るのは初めてだしはしゃぐ気持ちはわかるがぐったりしている凜は休ませてあげたい。

 蘭にはそれが通じないほどテンションが上がっているということだ。梨紗も楽しみにしていたけどさすがにここまではならなかった。休暇を取ってまで来たわけだが初っ端からこのテンションだとすぐに疲れる気もする。

 このテンションの蘭を説得するのは梨紗でも難しい。凜が「疲れたから休ませて―」と言ってもなかなか聞かない。こうなったら「あれ」をするしかないのかもしれない。

 「あれ」とは、蘭のシスコン、ブラコン属性を利用するものである。今回は梨紗の身体で蘭を釣り、三十秒だけ好きにしていいから姉ちゃんは寝かせて上げてという身体を張った作戦なのあーる。だが、激しくなりすぎると梨紗のほうのスイッチも入ってしまう可能性もあるのでそうそう使えるものではない。精神力、忍耐力を鍛えていないと絶対に使うことはできない。

そんな技を発動するタイミングは……蘭の視界から外れた時。

 蘭がよそを向いた瞬間に梨紗は服を脱ぐ。そして言う、魔法の言葉を―

「わたしの身体を好きにしていいから姉ちゃんは寝かせてあげて?」

 言うのが恥ずかしかった。今でも羞恥心で死にそうだ。

 妹の前で下着姿になっているだけなのに一つのセリフでここまで違うとは思ってはいなかった。この技を完全に舐めていた。

 それでもやるしかない。愛しの姉ちゃんのためにも。

 そう思うと頑張れる気がした。さようなら、私の純潔。こんにちは、大人の私。

 蘭の目つきが変わり、危なくなる。今にも飛びついてきそうな獣の目をしている。今から蘭に侵される。他人にはお見せできないゆりんゆりんなシーンになってしまう。某百合アニメよりも百合要素が高くなってしまう。

 そんな考えもすぐに打ち砕かれた。

 蘭は梨紗に抱き着いていただけだった。それだけで三十秒使い果たしたのだった。

「正気に戻ったよ。梨紗ねえ、早く行こ?」

 梨紗の貞操は守られた。

(蘭が正気に戻ったからよかったけどあの想像と同じようなことになったらどうしてたんだよ!?)

 突然迅が出てきた。

 迅の意思とは関係なく梨紗のほうの意思でこうなってしまったから焦っていたのだろう。自分の身体がもう一人の自分に使われている今、何をされてももう一人の自分の許可がないと干渉できない、そんな不便なことにされていた。

(まあ姉ちゃんが守られたって思えばいいじゃん?)

(次こんなことしたらお前のお気に入りの服とかがどうなっても知らないからな?)

(モウシワケゴザイマセン)

(わかればよろしい)

 衣類ということは下着とかも入るのだろうか?いくら自分の元の人格とはいえ恥ずかしい。風呂に入るときと着替えるときとトイレの時は迅からの干渉を完全にシャットアウトしていたからもし下着とか見られたら羞恥心で死んでしまう。そこまで変わっていた。

 この人格も日に日に女の子らしくなってきている。特に問題はないが。

 さて、今説得したし今の自分の状態がわかったわけだが……なぜだろう、水着を着るのをためらってしまう。別に迅がど変態というわけでもないからシャットアウトする必要はないが恥ずかしいものは恥ずかしい。初めて彼氏と海に行ってなかなか水着を見せられないのと同じかもしれない。彼氏も彼女もいないから知らないけど。

 そんな感じの羞恥心を抱きながらも着替えて海へと向かう。その途中である男に出会ってしまった。

 爽やかでイケメンな男子。レア度は出現率0.0001%もないくらいレア。だがそれは偶然ではなかった。   ・・・

「やっと来たね、霧崎迅君。いや、今は霧崎梨紗ちゃんかな?」

 自分の真名を知っている?こんな奴はチームの中にはいない。ということはまさか―

「まあ君の予想は当たってると思うよ。僕が君を女の子にしたんだよ」

 やはりそうだった。

 クイズ大会の時から薄々気づいてはいた。プールで剣技とか絶対おかしいと思ってはいた。しかもそれでハワイ旅行とかも都合がよすぎると思った。

 さすがに悪魔が絡んでくるとは思わなかったが何かがあるとは思っていた。

「僕はロア・ルクスリア。色欲を司る悪魔で司令官をやってるんだ。ついでに言っておくと色欲だからって変態とかそういうのはないから。今回のは君の反応が見てみたかったんだけど……すぐ新しい人格が生まれて面白くなかったからもう元に戻しても問題はないけど、僕的にはまだ戻したくはないかな?」

 自己紹介とついでに忠告してもらった。梨紗には最後のあれは忠告に聞こえた。

 梨紗は女物の服、下着、水着しか持ってきていない。そんな中男に戻ったらどうする?メイクで何とかなるような問題でもないし無駄に金を使うことになってしまう。だからまだこのままの身体でいる。そうしないと後々大変なことになる。

 そんな忠告に聞こえていた。

「お気遣いどーも」

「理由がわかるならまあそれでいいよ。悪かったね、好奇心だけで性別を入れ替えちゃって」

「まあタイミング的にはいきなり戻されたりしなくてよかったけど出来れば今日から二週間後にしてくれればありがたい。早すぎても不自然だし」

「わかったよ」

「それじゃあ、罪を償ってもらうよ?」

 瞬間で強制的に人格を変える。

「……………え?」

 右手に魔力を込めて強化する。

「三分の一で我慢してやる……歯を食いしばれ!」

 鳩尾を殴って吹っ飛ばす。加減はしたが、見えなくなるところまでは飛んで行った。避けたり防いだりしないあたり反省しているのだろう。

 これでこの件は終わり。あとはハワイを満喫するだけ。


                     ※



「あの子、強そうだね」

「魔王くらいならすぐかもねー」

「さすがにそれは無理でしょう」

「いや、いける確率は高いよ。あれでもまだ、力を開放してないからね」

「魔王なら第二形態で倒せると思うよ」

「迅くんと遥ちゃんなら任せられるかもね。あいつを倒すの」

「魔王でさえ支配されてるんだ。ただ……解放しすぎると二人とも世界を滅ぼしかねないからね」                        ・・

「この七人で倒せないんだから任せるしかないわよ。特に魔神相手になると魔界の全戦力を以てしても倒せないわ。あの二人が最終形態になって神、悪魔、竜、天使、堕天使の力を使いでもしないと絶対に倒せないわ。この魔界を、世界を救いたいのなら任せるしかないと思うわ」

 そうだ、この魔界は、この世界は魔神の手によって、浸食されつつあった。

 魔王は魔神に支配され、民はなすすべもなく従って、最終的にもともと頭がおかしかった奴等は人を喰らうようになった。人間が殺しているのはそれ。

 人を喰らう悪魔は魔界では魔族を喰らっていた。そこで殺されなかった奴らが人間界に来て人々を喰らった。

 魔神はそこらの神々よりも強い。神数体とならまだ一体だけで倒すことができる。それほどのやつがこの世界を、宇宙を支配しようとしている。それを止めることができるのは日本代表の霧崎迅、アメリカ代表の真藤遥しかいない。だがその二人がいればいいということではない。それは他人の支援がいるということではなく、二人が力を開放しなければいけない。迅、遥が最終形態になって、神の力を使わなければ絶対に勝てない。もしかしたら前世の自分の力も使わないと勝てないかもしれない。そうでもしないと倒せないような強さのやつがいる。支配している。

 このことは前々から七天将、暗黒騎士団、魔剣士たちの間で問題になっていた。会議をし、作戦を立て、実行したところもあったが、それらはすべて失敗に終わった。それもあって、あの二人でも勝てないんじゃないかという意見も出たが、迅と遥が最終形態になって、神の力を使えば勝てないでもない。最悪の場合は前世の自分の力を使って戦えば勝てる。魔族の上位魔術士たちがそのことを知ってからこの作戦が立てられた。それは魔族だけではなく竜族なども協力することになっている。主に後方支援だが、魔神相手ならいないよりはまし。というわけだ。

 七天将がメインで進めている作戦なので、ここで決まれば後は人間と竜が協力してくれるかだけで決定する。

「あの二人なら勝てる可能性はある、ということでこの作戦を次の段階へ移す。と言っても二人を誘うだけだけど、それでいいわね?」

 結果、反対は無し。この場にいる者は全員賛成した。あとは竜族と人間との交渉をして、成功させるだけ。

「では、作戦は次の段階へ移すわ。交渉はモモ、あなたに任せるわ。狂った悪魔たちは見方も敵も関係なく殺そうとするかもしれないし――ロア、あなたにはモモの護衛をしてもらうわ。モモ一人でも問題はないと思うけど万が一のこともあるし、任せたわよ、司令官さん」

 意味深な言い方でロアをモモの護衛につけた。

「これで今回の会議は終わりよ」

 今回の会議は作戦の第二段階の決行を決めて終わった。

「ありがとうございましたー」

 終了してみんな、店を出る。

 その後の行先は同じ。店を後にして今度はカラオケに行く。

 会議ではなく歌うために。

 この七人は会議をしていたら自然に仲良くなった。最近では会議という名目で遊びに行くとこもある。今まさにその時。

 この悪魔たちは基本的にそこらの学生と大して変わらない。違うとこは悪魔としての能力があるかないかだけ。だから学校に行けば普通に友達もできるし一緒に遊ぶ人もいる。特に強欲のアイリはモテる。男女両方から。女子からはかわいいと、男子からもかわいいと。とにかくかわいい。が、告白されるたびにフッている。男ならだれでもいいようなビッチじゃなくてよかったよ。

 ついでに言っておくと全員付き合った経験は無し。

「ねーねー、炭酸を一気飲みして日本の国家歌って勝負しようよ。点が一番低かったら罰ゲームね」

 モモが面白そうな提案をした。最下位は罰ゲームという簡単なゲームだが、やることはきつい。炭酸を一気飲みして国家を歌うのは簡単そうで実は難しい。

 炭酸を一気飲み→国家を歌う→歌いにくい→歌い終わってから点数を見るときの緊張感→八十点に行きそうで行かない→みんな七十点台なのに六十どころか五十点にさえ言っていなかったときのさらにひどい絶望感。

 こんな感じ。あと人によるけどお腹痛くなる。

 そのつらさを知らないみんなは「面白そー」という軽い気持ちでやって、あとから後悔するのであった………


                    ※


 無事、とも言えないが七天将の遊びを兼ねた会議は終わり、解散した。

 その次の日、モモとロアは梨紗たちが止まっているホテルへと向かった。

 ロアは気まずかった。

 男一人ということもあるが、何より昨日殴り飛ばされたばかりだから。しかもその原因は勝手に性別を変えたこと。殴られてから会うのが気まずいくなっていた。

 モモとロアは交渉目的ではあるがいろいろあってホテルに泊まっていくことになっている。部屋は違うが、一緒に行動することがあるかもしれない。そうなったらロアは一人になってしまう。これに関しては梨紗たちの心に広さでどうなるか決まるが、とにかく気まずい。ロア的には部屋でゲームでもしていたいところだった。

 ロアがモモについて行ってホテルに到着すると早速あってしまった。が、ここは何とか乗り切れた。

 梨紗たちがいなくなるのを確認してチェックインして、部屋へ向かう。

 部屋に着いたら荷物を置いて、ある作業をする。

 モモたちの部屋を中心にこのホテルを囲むように結界を張る。

 この結界は、許可されていない悪魔は中へ入ることができないというもの。それを張ったのは、別の悪魔たちに邪魔されないため。これは、明後日になったら消滅する。明日梨紗の中にいる迅と交渉するためだ。 

 結界を張り終わったら、やることがないのでモモとロアは探検する。このとき周りからカップルと思われていることに二人とも気づいていなかった。

 その後も歩き回っていたら、たまたま水族館を見つけた。

 そこまでは良かったのだが、モモが「はーいーりーたーいー」と言ってなかなか動こうとしなかった。

 ロアは仕方なくモモと水族館に入った。

 ロアは特に好きな悪魔がいるわけではないがいつも見ているモモとは違う少し子供っぽいモモを見て可愛いと思っていた。だから入って良かったと思っていた。

 魔界にこのような水族館は少なく、ロアも水族館に行ったことがなかった。いつも通りにしながらも内心少しはしゃいでいる。

 いろんな魚を見て歩いていたらいつの間にか十二時になっていた。

 二人とも歩き疲れていた。都合よく近くに食べるところがあればよかったが、場所もわからないし、ここは諦めて全部回って外に出た。

 モモは歩きながら「あの魚おいしそうだったなー」とずっと言っていた。ロアも共感していたが、どうやら食べる気にはなってはいなかった。

 話しながら進むこと約五分。

 レストランを見つけた。

 話していて忘れていたが、ここに来ると思い出した。空腹というものを……

 死にそうなくらいにお腹がすいている。思い出した途端、シカを追いかけるトラの如く、店に入った。

 時間も結構経っていて、人は少なかったからすぐに食べられた。

 ロアはいつも通りの量で済んだが、モモは驚異的な食欲を発揮し、十回くらい追加で注文した。そのせいで会計に行くのが怖くなるロア。恐る恐る行って出た値段は一万円を超えている。これを払うのはロア。モモは何も考えず、欲望のままに食べまくった結果がこれだった。ロアは護衛として払うのではない。モモは財布を忘れてきている。どうせ持ってきていても金は入ってないだろうし、前払った分よこせというのも男としてどうかと思い、今回もおごった。今回も。

 大事なことなので二回言いました。

 ロアの財布は今のでとっても寂しいことになった。と言ってもまだ十万は残っているが、これはお土産や、お土産や、お土産のためのもので、今使い過ぎると買えなくなる。今日ここにいない七天将のみんな、家族、人間界の学校の同級生の友達、ラディウスの第一部隊など、いろいろなところに渡さないといけない。ロアの金は次々に天へと召されていく。

 


 そのころ梨紗たちは海にいた。

 ハワイといえば海ということでまた水着を着る機会があった。

 今は梨紗と蘭だけしかいない。

 二人で遊ぶことも少ないしこれは貴重な体験なのかもしれない。特に蘭は凜と同じく、ブラコン。蘭にとっては最高の時間だった。今の人格は梨紗だが、その人格は迅が頑張って作ったキャラが新しい人格として生まれたものなのでそれでもうれしかった。

 蘭とのイベントは今までの合計でも少ない。だからこれはギャルゲーやエロゲっぽく言うと重要なイベントになる。蘭にとっては好感度アップ、梨紗と迅にとっては意外に二人っきりになることが少ない蘭のことを知る機会という感じだ。

 蘭はまだ中学生ということもあって、ラディウスには入っているが、学校が優先になっている。だから討伐に出ることも少なく、部隊の隊長をしている迅と話すことは少なかった。だから迅も知っているつもりで知らないことが多かったりする。二人ともこの時間を使って、もっと仲良くなろうとしている。

 来年には蘭も高校生だし、同じ高校に来ると言っていたので別に今じゃないといけないということはない。だがチャンスを逃すのも嫌だし、それよりも兄として、姉としてちゃんと妹のことを知ってないといけないと思った。そして蘭も、妹として知っておかないといけないし、昔は「けっこんするのー」と言っていたくらい好きな人ともっと仲良くなりたいとずっと思っていた。家族だからと言っていつも一緒にご飯を食べて、毎日同じ屋根の下で寝るということはない。この時代だといろいろあって話すどころか顔を合わせることすら少ない家族は多くいる。

 長い休暇をくれた総司令官に感謝だ。

「おねーちゃん、飛び込んでみたい!」

「あーそれ私もしたいかも」

「あっちのほうならできるかもよ?」

「じゃあいこっか」

 今いる場所から飛び込めそうな場所に移動する。

 やはり人は多い。

 ここに来る前に調べてみたところと同じ所だった。

 岩の上から次々い人が海へ飛び込んでいく。そこそこの高さはあって、初めてだと怖そうだが、ここにいる人たちは慣れているように助走をつけて思いっきり飛んでいる。

 それを見て楽しそうだと思って走っていく。

「私が先にいく」

 意外に蘭が先に行くといった。が………

「やっぱり高くて怖いー」

 そうなると思った。

「お手本を見せてあげよう」

 と言って梨紗が周りの人のように飛び込む。

「痛ッ」

 これは変な着水の仕方をしたわけではない。原因は胸に合った。

「怖そうだけどわたしもいくっ」

 蘭も思いっきり飛び込んだ。

「これ楽しー」

 だが、蘭は何の痛みも感じてはいなかった。

 蘭の胸は小学生レベルで、体にほとんど凹凸がない。今は梨紗のほうが幼く見えるのに、発育具合は梨紗のほうが断然上だった。それは水着を着ているといつもよりよくわかることだった。

「いやー、痛かったなー」

 蘭の反応がわかっていて梨紗は言った。もちろんからかっている。

「何が?」

「きれいには入れたけど胸がさ……」

 梨紗が視線を蘭の胸に向けながら言った。これは蘭のかわいいはんのうが見たかったから。

「くーらーべーるーなー」

 予想をはるかに上回るかわいさ。

 周りに可愛い女の子がたくさんいるもはや某マンガのラッキースケベ属性の主人公だった。ラッキースケベはあまりないけど。

 こういう風に改めて妹を見ると恵まれてるなーとは思った。

 こんな時代でもこうして何でもない会話ができて、一緒に笑えて、一緒に楽しめる家族がいる。これが平和というやつか……

 そう思えるのは少しのことだった――

「君たちかわいいねぇ」

 英語だから聞き取れて意味がわかってもどう返せばわからない。

 戸惑っているとナンパしてきたチャラい男が察してくれて、日本語で改めて言ってきた。日本語で言ってくれるのはありがたいがそこまでうれしくはない。

 まあ、ナンパされるということはそれだけかわいいということだが。

 蘭には任せられないし姉として、対応した。

「ごめんなさい私男の人には興味ありません」

 正直に言った。

 梨紗になってからも恋愛対象はあまり変わってはいなかった。ということは梨紗は百合っ娘ということになる。

「いやー、俺と飯食ってくれるだけでいいからさー」

「さっき食べてお腹いっぱいです」

「じゃあ一緒に遊ばない?」

「私は妹と二人っきりでキャッキャうふふしたいので遠慮しておきます」

 このセリフを聞いて、蘭は後ろで少し赤くなっていた。

「いいじゃんよー、遊ぼうぜー」

 あまりにもしつこく、ついキレてしまった。

 梨紗がナンパ師相手に切れるということは相手の心を完全にへし折るということ。しかも心をへし折られた相手は一生立ち直ることはできない。

「ナンパするってことはどうせ彼女もいないんでしょう?そんな事ばかりしてるから彼女ができないってことがわからないの?そのしつこさと性格だと一生彼女なんてできないわよ?少なくとも私はあなたみたいな男と遊ぶ気なんてないの。わかったら早く帰ってちょうだい」

 バキッと聞こえた気がした。

 男はその場で膝をつき、泣いていた。笑いながら。

「はっ、ははっ……………はははははっ」

 おかしくなって、ふらふらしながらも走って、男は海へと帰っていった。こうなってから梨紗はやり過ぎたと後悔する。

 その後梨紗の二つ名が≪下心ブレイカー≫となったのは言うまでもない。

 ここは危ないと思って別の飛び込めそうな場所に移動した梨紗たちは早くも平和な時間を打ち砕かれた。

ヴォォォォォォォォォ

 周りにデカいモンスターも何もいない。悪魔さえもいない。いるのはがタイのいい男一人。だが、その男が変だった。

 目が黒くなって、周りにも黒いオーラがまとわりついている。だとすればいるのは憑依型の亡霊だろう。悪魔じゃないだけましだが、属性が限られるのでめんどくさい。椅子にロープで縛り付けてお祓いしてもらったほうが早い。

 そんなわけにもいかないのが現実。仕事だから。

 後ろで蘭が震えている。守ってやらないと、私が守ってやらないとだめだ。それなのに足が動かない。

 なんでこういう時に限って動かない?この中で、一番強いのはわたしなのに。今は趣味だけじゃなく姉ちゃんと蘭のために、平和に過ごすためにもやってるのに。それなのにいざとなったら動かない。動け、動け動け動け動け動け。世界で二番目に強いのなら妹くらい守れるでしょ?妹一人守れないようなヘタレじゃないはず。早く、早く動かないと――

「すぅーーー、はぁーーーー……………審判の光の矢≪ジャッジメント・ライトレイ≫」

 光の矢は敵を貫き、一撃で仕留めた。男の身体にも傷はない。蘭はうまく亡霊だけを貫いたようだ。支援魔法専門の蘭が。

 梨紗は亡霊系の敵にトラウマがあった。梨紗というより迅のほうだが、それまで引き継がれていた。

 今回は蘭に助けられたが、もしいなかったら。いや、もし蘭が魔術を使えなったら。確実に両方死んでいた。それならまだ蘇生ができる人もいるしいいほうだ。敵は男。何をされるかわからない。そう考えると今自分の無力さに気付いた。

 梨紗は迅よりも弱い。周りの人よりは強いが、迅ほどの力はない。魔術だって一部しか使えない。技も完全に使えるわけではない。この力は才能であり、借物の力。前世、迅の力がないと使えるはずもない力。それを使いこなせないような自分の無力さを知った。そして絶望し、失望した。そう、自分の力のなさに。

「わたしは守られるばっかりじゃないんだから。魔術だって使えるし、少なくともそこらの男よりは強いんだから。一人で何とかしようなんて思わなくていいんだから。どうせまた一人でやろうとしたんでしょ?」

「それは―」

 図星だ。

 妹にはかなわない。見てないようで見てくれている。自分の考えはとっくにわかっている。

 そうわかると今度は涙が出てきた。

「ほらね?無理しちゃだめだよ?」

 蘭が優しく抱きしめてくれた。梨紗はそこでもっと泣いた。今までのストレスもすべて吹き飛んだ。悩みなんてものもなくなった。ついでに理性もなくなりそうだ。

 とにかく、安心した。

「ありがと……」

「ううん、これくらいなんでもないよ。家族なんだから」

 落ち着いたところでいったんホテルに戻ろうとした。

 何か忘れてる気がするけど………いっか。


(せめて俺も運んでくれー)

 そんな声が聞こえた気がしたが気にせず戻った。

 その後の男の行方は今は誰も知らない。


                     ※ 

 

 蘭との好感度UPイベントを無事に終え、次の日になった。

 梨紗たちは朝食を食べ終わって部屋に戻ると、モモとロアがくつろいでいた。

「なんで二人がここにいるわけ?」

「大切な話があるから迅くんを出してくれる?」

 真剣な目で言われて、梨紗も戸惑ったが断わることができなかった。

「いきなりだけど魔神討伐に協力してほしいの。魔神は迅くんが最終形態になって神々の力を使いこなさないと勝てない。それと本部長で世界最強の遥ちゃん。この二人がいないと絶対に勝てない相手。悪魔がここによく攻めてくるのはその魔神のせい。ここに攻めてくる奴らは魔界のほうで別の悪魔を食べてたから殺しても問題ないけど……そうじゃない奴らも来るの。機関の人たちは強いし態勢もあるから大丈夫だけど魔王が乗っ取られちゃってみんな命令に逆らえない状態になったの。できれば人間には頼りたくなかったけどもうそれしかない。だからまず迅くん。この作戦に協力してくれる?」

「いいけど………蘭と姉ちゃんの安全は保障されるか?あと戦えない人とか。俺がいない間に守ってくれる人がいるならいいけど」

「それなら大丈夫。こっちから騎士団を派遣するつもりだから」

「なら答えはOK。あとは遥さんだっけ?あの人もたぶんすぐ協力してくれると思うし頑張ってね」

「ありがとそれと――」

 モモが迅に近づいて耳元で囁いた。

「大好きだよ」

 いきなりの告白に驚き、返事もできなかった。

「それではさよーならー」

「あ、ちょっと―」

 待って、と言いかけてやめた。というよりいう前に部屋を出て行った。

「顔赤いけど大丈夫?」

「うん……」

 告白されただけですから。

 このセリフを言ったらどうなることやら。

 とにかく今は魔神討伐が優先になる。そろそろラディウスでも入団のテストがあるから作戦決行がまだならそっちにも顔を出しておかないといけない。こんなことなら早く男の身体に戻りたい。

 今日はもう寝よう。まだ九時だけど。


                     ※


 無事ハワイ旅行を終え、学校に復帰した梨紗たち。

 何事もなく学校に行けると思ったが、そうでもなかった。

 教室に入るまではいつもと何も変わらない。席替えをしたわけではなかったので席も変わってはいない。梨紗がいつもの席にいっていつも通り座って鞄を掛け、机の中から本を出そうとする。ここからが問題だった。

 ピンクの封筒にハートマークのシールが貼ってあるいかにも怪しい手紙。これがラブレターというやつなのだろうか?

 クラスの人たちにみられるのが恥ずかしく、急いでポケットに入れ、トイレへ駆け込む。個室に急いで入ってカギを閉め、その手紙をあける。

 中身は想像通りのラブレターだった。書いてあることはシンプルに『今日の放課後に体育館裏に来てください』と書いてあった。怪しいけど行ってあげたほうがいい気もするし行ってあげた。


(わたしが元男ってことを知らずに書いてるならかわいそうだなー)

 などと思いながら体育館裏に向かった。

「ついたけど……誰もいない?」

 ついて数秒後、肩をポンポンとたたかれ、振り向くとほっぺをぷにっとされた。そして梨紗は反射的に鳩尾を殴ってしまった。

「グハッ………………ぼ、僕だよ…ロアだ……よ…」

 これでロアに攻撃したのは二回目だ。一回目は仕方ないが二回目は申し訳ない。

「ごめんつい反射的に。で、何か用?」

「事情を聞いちゃったんだけどさ、そろそろ男に戻る気はない?」

「わたしが出てこれるなら」

「それなら姿を変える能力でもつけてあげるから」

「じゃあ決定で」

 結構軽く決定した。それも梨紗が。梨紗が男に戻るということは人格が迅に戻って、梨紗が出てくることはほとんどなくなるということ。それでも出てこれるならということでOKした。何の保証もないのに。

「能力をつける代わりに契約しないとけない。この契約は梨紗ちゃんのほうの契約だから迅君にはあまり関係はないよ。でも迅君が姿を変えることもできる。あ、契約は僕に血をささげたらそれだけでいいよ。詠唱とかそんな面倒なこと省いていいから」

 血をささげて契約するというのが条件。こっちには特に害はないし、人格が残るなら迅と話して姿を変えてもらえばいい。それがめんどくさくなったら魔術か何かで人格を分離してもらえれば早い。今まで楽しくやっていたが体を借りていたようなものなので早く返したいという気もあった。それに仕事での事情もあるし戻してくれるのはありがたい。前ハワイから帰って一週間後とか言った気がするがそれはなしにする。明日にでも戻してもらいたい。

 何がともあれ戻れるならもうそれでいい。

「ついてきて」

 ロアを例の部室へと案内する。

 広い敷地で迷いそうだったが感を頼りに入口まで行く。そこからは目印があるのでわかりやすい。

『サバゲ部部室この辺』

 こんな看板を立ててある。

 この辺という曖昧な書き方だが、外からでも建物が見えるのでそこまで行くのは簡単。道も整備されていて、階段もある。部室までの道もしっかり整備されている。

 きれいに整備された道に沿って行くともちろん部室にたどり着く。

 何となく付け替えたドアを開くとそこには異様な光景が広がっていた。

「お、お帰りなさいませ、ご主人様」

 出迎えてくれたのは天宮。意外と大胆なことをするものだ。そしてなぜつけたかが自分でもわからないキッチンではモモがケーキを作っている。また「つきり過ぎたー」などと言わなければいいのだが……そして凜は上で着替えていた。申し訳ない、お姉さま。悪気なんてなかったんだ。

「あー、ロアだー。何でここにいるのー?」

「カクカクしかじか四角い―」

「わかったからそれ以上は言わないでねー」

「はい」

 爽やか系超イケメン男子でもモモには勝てなかった。確かにあの笑顔は怖い。

 そうだ、本題を忘れていた。

「ロア、契約」

「血は?」

 そうだったと梨紗は自分手を少し切る。

「はい、これでいいよね?」

「いいよ。それじゃあ始めよう」

 やっていることはもはや吸血鬼だった。手の甲の血を吸う。契約の方法が悪魔というより吸血鬼でなぜか怖かった。

「これで契約は完了したよ。別に僕の眷属になってってわけでもないし生涯服従ってこともないから安心して。あと呪いとかもないよ。梨紗ちゃんは契約したことで魔女になったってことも全くないから」

 魔女なんかになってたらまた殴り飛ばしてたけど危険なことがないならそれでいい。

 早速男に戻ろうとする。初めてこの能力を使うのに使い方がわかる。

 梨紗の身体が光り、形が変わっていく。凹凸がなくなって背が高くなっていって、元の姿に戻る。来ている服は消え、迅は裸の状態で元に戻った。

 天宮以外は普通にしているが、天宮は顔を真っ赤にしている。

「は、早く服を着て!!!」

「すいませんッ」

 服がないから魔力で作る。もう天宮の目なんか気にしてもしょうがない。どうせいつか同じ部隊で戦うんだから。

 服を作ったことについてのことには触れないでおいてくれた。

「ロアー、帰る前にケーキでも食べていく?いっぱいあるんだけど」

 この子やっちゃいましたね。ケーキを作り過ぎてないことを祈ったけどもう遅かった。祈ったときにはとっくにたくさん作ってた。

「へー、モモってケーキなんて作れたんだ。おなかもすいてるし、頂くよ」

 机の上にはケーキが二つ置かれていた。これを5人で食べきれというのですか?さすがの迅でもこれでは飽きそうだった。

「モモ……………残りは?」

「二個」

「おいしいのはおいしいけどさ……ケーキがトラウマになりそうなんだけど」

「大丈夫。残り二つは明日あの五人にあげるから」

 あの五人というのは七天将のことだろう。おいしいけどたくさんあるからすぐに飽きるから頑張ってほしい。応援してる。

 今日でモモのケーキは八分の一のサイズで七個目になる。次食べたらホール一つ分だ。この量を食べられる自分を尊敬する。

 今回はロアが頑張ってくれたからいつもよりも食べる量が少なかった。一つだけ。

 姉ちゃんもケーキ消費に参加していたがほとんど食べていない。生クリームが苦手という意外な弱点がある。正確に言うと生クリームがだめになった。食べ過ぎて。あとはダイエット中ということもある。そんな太っているようには見えないけど。

 作った本人のモモは家のほうでたくさん食べているらしい。

 今日のケーキ消費パーティーは終了した。あまり作り過ぎても困ると思うしこれだけはいておきたかった。「ケーキ作り過ぎても食べるの大変だから作る量減らして?」と。

 サバゲ部の恒例行事になっても困る。これが恒例になったらもはや料理部だ。キッチンも最新だし。

 この後はのんびり雑談でもしながらお菓子を食べて家に帰る。部の活動は今のところこんな感じ。

「課金してーーー」

 いつもと同じセリフ。

「モンスト?」

「そうそう。ウリエルとガブリエルが欲しいし可愛いキャラも集めたい」

「今月はいろいろあったし給料はそこそこ多いいんじゃない?」

「いいなー。わたしもラディウスにでも入れたら自分で稼げるのに」

 そっか。天宮はまだ入っていないんだった。数日後の試験に来れば天宮は確実に合格だろうがそれに来るかわからない。

「わたしも入ろっかなー?」

 悪魔が入るというのは全世界で見ても今までで一度もない。規定に悪魔は入れないということもないけど。金が欲しいならこの仕事が一番効率いいしモモなら権能とかあるだろうし

収入も結構入ると思う。

 そうだ、あのことを言わなけらばいけなかった。

「もし今回のラディウスの入団の試験を受けるならいいこと教えてあげるよ。面接官とか俺が務めることになったから。あと優斗と舞。姉ちゃんは記録」

 迅のようにランク上位になるとこういう時に働かないといけなくなる。これくらい大人たちでやれよっと思ったこともあったが、大人は悪魔討伐よりもテロ系の犯罪をメインにやっているからこっちに来れる人が少なかった。

「金目当てで入る人結構いてさー。まあみんな現実を知ってやめるか死ぬかだったけど」

「そんな残酷な世界だったとは……」

「七天将が全員入ってくれると俺的にありがたいんだけど手続きがめんどくさい」

「要するに迅くんは楽に稼ぎたいってことだね?」

「正解」

 こんな隊長でも慕われているだけましなのだろうか?今は守りたいものとかもあるから手を抜くことも減ったけど。

「っていうか課金のためって理由で頑張るってすごいね」

「確かにこれは少ないね」

「わたしも聞いたことないかも」

「僕はそもそもゲームをするとこが少ないからよくわからないけど目標があるだけいいんじゃない?」

 いいこと言った。これは言い訳にできそうだ。

「まあモンストも合計で五万は課金してるけどね。主に復活で」

 どれだけ弱いの?

「確かにガチャ運悪すぎていいの全く出てないしね。☆五が出やすい時間に十連ガチャを回して☆四しか出ないってのは笑ったよ」

 姉ちゃん酷い。間違ってはないけど酷い。俺のガチャ運のなさを心の底から恨む。

「まあちゃんと生活費に回してくれるならどれだけ課金しても文句は言わないけど止まらなくなったら終わりだからね?」

「善処します」

 こういう時には姉として言ってくれる。姉としてというよりも親としてという感じもしないでもなかったがまあそこは考えてくれているということだろう。都合のいい解釈が間違っていなければ。

 この語も雑談が続いて六時になってから部室を出て、各自家に帰った。

 まだ蘭が帰ってきていなくてよかった。

 凜は急いでご飯を作って迅は入団式で言うことを考えていた。

 今回の性転換事件は無事に終結し、悪魔に関する情報も入手した。特に魔界でも強いほうだといわれる七天将のメンバー数名と交流したのはいい収穫になった。それどころか協定関係にまでなった。これで迅の給料UPも間違いなし!

 いろいろあって大変だったが強い敵と戦う日常にもなれた。

 そう、非日常だったことは自然に慣れていくものだった。この先何が出るかわからない常に死と隣り合わせの生活も今では日常。そんな危険な生活をしていても楽しいことはあるし迅たちはやっていけた。

 だが、その一時の気のゆるみが原因で重大なミスを犯すことに迅はまだ気づいていない。

迅君に戻したのは迅と梨紗の人格が少しづつ離れて行って完全に二つの人格にするまでを書くのが面倒だったからですw

たぶんこれ一番長いですけどその分頑張ったので最後まで読んでくれるとありがたいです

という前書きで書いたほうがいいことをあとがきに書きました

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