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世界ランキング第二位の俺は金のために無双する  作者: 漆黒のギル
第1章 仕事からの解放
4/12

ロリになってから男に生まれてよかったと思った

スランプ気味で遅れました

 女体化した次の日。

 俺は学習していた。

―風呂に入る時は水着を着る―

 たぶん今日の夜には忘れてるけどね。

 それは置いといて今日も学校があるわけだが・・・なんと水泳がある。

 水泳だぞ?俺は女子になっているんだぞ?みんなわかるよな?俺は女子更衣室に入らなければいけない。そうすると女子たちの裸が見えてしまうわけで俺は変態扱い・・・はされないけど罪悪感に押しつぶされて死にそうになる。だからと言って男子更衣室に入るわけにはいかない。だって俺はいま女子でその体を男子にみられるのはなんだか恥ずかしい。下着は女子たちならまだいいけど男子にみられるのは今回だけは絶対に嫌だ。なぜなら姉ちゃんが例の下着を俺につけさせているから。胸のところの真ん中あたりが猫の形になっていて下のほうも結構危ない。デザインはかわいいから好きだけど自分が着るとなると恥ずかしい。自分で見て恥ずかしいと思うんだからほかの人に見られるのはもっとダメ。というわけだ。出ないという手もあるだろうが水泳は好きだし出ておきたい。あーでも水着も女子のにしないといけないのか・・・犯人を見つけたらこの苦しみを倍にして返してやろう。

 などといろいろ考えていたが解決方も見つからなかったのであきらめてプールに入ることにした。

 また姉ちゃんに教えてもらおう。

「姉ちゃん今日水泳あるし水着貸して」

「はい」 

 今度は魔力ではなく普通に渡してきた。

 俺に姉ちゃんの水着を着ろと?

「マジで着るの?俺が?」

 俺は自分の姉の水着で興奮するような変態ではないがさすがに着るのはちょっと・・・

「うん」

 いい断り方も思いつかないしあきらめて今日はこれを使おう。

 水泳の授業中暇にならないだけましだろう。

(いや、よく考えたらサイズ合わなくね?)

 だって今の身長140あるかないかくらいだぞ?ちなみに胸などは蘭より大きいので何とかなるかもしれない。

「姉ちゃんおれ―わたしの身長だとこの水着は合わないんじゃない?」

「それもそっか。わかった。作る」

 今度は魔力を送り続けるのではなく魔力の塊にしてくれた。

「今度は魔力を送らなくてもいいよー」

「わかった」

 これで一つ目の問題は解決。

 次は髪が長いので拭くのが面倒。

 昨日は姉ちゃんにやってもらったが今日は姉ちゃんはいない。天宮に頼めばいいかもしれないけど天宮は髪は俺ほど長くはないからもしかしたらだめかもしれない。

 わがままだってことはわかっている。

 だが!俺は面倒なことは嫌いだ。髪を拭くくらいはできるようになりたいけど。でも嫌いなものは嫌いだ。

 まあこれは後回し。

 三つ目は着替えの時の事。

 さっきも考えていたが俺は女子になった。そうすると必然的に女子更衣室に行くことになる。ということは俺は女子の裸を見てしまうということだ。姉ちゃんと風呂に入ることはまだたまーーーーーーにあるがそれではまったく興奮しない。というか自分の姉の裸で興奮するとかマジ変態じゃねぇか。でも今回は違う。相手は姉ではなくクラスメイト。正直言うとクラスメイトの女子の半分以上、いや、二人しか知らないがその知っている二人が問題。特に天宮。あいつはスタイル抜群で胸のほうに視線が行ってしまう。特に今は。いや、今までもそうだったってわけじゃないぞ?ロリのなってから「俺の胸のサイズでも邪魔なのに・・・あのサイズは生活に支障をきたしそうだなー」とか思っただけだからな!やましいことなんてまったくもってないからな!だからってまったく問題がないってことはないけど。だって天宮は俺が男ってことを知っているんだから・・・・・・・・・・・・

(あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!これが一番の問題だったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 絶対今後気まずくなる。だってお互い裸を見たんだぞ?天宮が俺のを見るのはいいかもしれないけど俺が天宮のを見るのは絶対アウトだろ!もう一人も含めたほかの人は事情を知らないからいいけど天宮は絶対ダメ!

 天宮だしどちらかというとあとから「元男の割にはいいからだだねー」とかいうかもしれないけど。それどころか揉んでくるかもしれないけど。俺がダメ。そんな堂々と裸とか着替えとか見れるか!こういうことを望んでするような変態じゃないんだから。

 あーもうダメだ。思いつかない。どうすればいい?学校事態休むってのは無しで。あと雨が降っても無駄。だって屋内だし。

 ほんと犯人にはまず説教だな。

 さて、こんなこと考えてても時間の無駄。何も思いつかないし何も気にせず学校に行こう。着替えるときはなるべく自然に。

 よし、学校行こう。

 やっと決意して家を出た。

 その直後俺は思い出した。

―寝癖やべー―

 この程度の事は男だったときは特に気にしてはいなかったが今は男ではない。前以上に見た目のことを気にしなければいけない。

 めんどくさいし姉ちゃんに頼もう。

「カクカクしかじかだからお願い」

「了解」

 なぜか通じた。

 姉ちゃんは俺の髪を梳いてくれている。カクカクしかじかで通じるってすごいな俺の姉。

 今度こそ準備完了。

 リボンは何とかなった。スカートは短すぎると恥ずかしいから少し長め。下着は今日も例の猫のやつ。髪を結ぶのはめんどくさいからそのままで。教科書はいつものところに。水泳の道具もある。姉ちゃんの名前が見られないようにしなければ・・・

 やっと学校に行ける。

「今度こそ行ってきます」

 今日はいつも以上に視線を感じる。

 あれか?美少女(うち一人幼女)が二人並んで仲良く話しながら歩いてるからか?それなら昨日だってそうだったじゃん。

 右には普通に姉ちゃんがいる。それは普通。

 で、なんで左にも人がいるわけ?

 いや、左側に人が歩いていることが不満なわけではない。俺の左側にいるはずのない人がいたからだ。

(なぜノエルがいる?家の方向とか県とかそういうのを超えて住んでる国自体違うのに)

「リン、そこの幼女って誰?」

「そのことについてはまた後程」

 あー今ので大体わかった。

 ノエルは俺に会いに来る→俺がいないので取りあえず姉ちゃんに合っておく→謎の幼女(俺)と遭遇。

 こんなもんだろう。

 俺はノエルにこのことを打ち明けるべきだろうか?

 答えは否、だと思う。

 が、姉ちゃんはそれを一瞬でぶち壊した。

 ノエルのスマホから「LINE」と聞こえた。

 まさかとは思った。違ってほしいと祈った。だが神は祈りを聞き届けなかった。

『そこの幼女ね、実は迅くんw

 かわいくなったでしょーw』

 見たくなかった。

 LINEの内容なんて見たくなかった。

 内容を知らないままでいたほうがよかったのかもしれない。

 そう思ったが今回は除いてよかったらしい。

「おんぶしてあげよっか?」

「あ、うん」

 ついうんと言ってしまった。

 公衆の面前でおんぶしてもらって登校とかさすがに恥ずかしい。

 某エロゲだとちゃんと人が少ない時間に行ってるのに。

 一応女同士?だしノエルと今の俺だと特に違和感もないはずだから大丈夫のはずだけど・・・今は制服なんだよなー。

 まあいったものはしょうがない。歩かなくていいって思っとけばOK!

 もう周りの視線を気にせずノエルにおんぶしてもらう。

 こうしておんぶしてもらうのは何年以来だろうか?

 小さいころに姉ちゃんにおんぶしてもらったのは何となく覚えてはいるが姉ちゃん以外にしてもらったことはない気がする。むしろ俺はする側だったし。だからなんとなくうれしい。ついでにノエルに下心がないか心配。

「じ、梨紗ちゃん眠そうだね?」

 今絶対迅君って言いかけたよね!?

「学校までおんぶしていくから寝てていいよ」

 俺完全に子ども扱いされてるし。寝れるならいいけど。

「おやすみー」

 俺はほんとに寝る体制に入った。疲れがたまっているのかすぐに寝てしまった。絶対あとでからかわれる。もしこのことが蘭に知られたら「おにーちゃんあの時はかわいかったなー」とか絶対言われる。




「おーい、起きて―」

 何かが聞こえる。外からというか脳に直接語り掛けている感じがする。

「たぶん予想は当たってるから早く起きて―。来世の私はそんなかわいい子なのかなー?」

「断じて違う!」

 つい反応してしまった。

 だがまだ意識があるだけで体はいまだに起きようとはしない。

「体のほうも頑張って起こして―。学校ついてるよ」

「マジで!?俺そんなに寝てたの?」

「うん。もう一時間目の中間くらい?ノエルちゃんが幻影で起きてるっぽくしてくれてるよ」

 ノエルにはいろいろ感謝しないといけないな。

「わかった起きる」

 そして俺は目が覚めた。それと同時に前世の俺(?)は消えた。そして幻影も消えた。



 授業早く終わらないかなー。

 内容が全く頭に入ってこない件。

 保健とか何が楽しいの?人の体とか知らなくてもいいじゃん。怪我とかしたときはググったほうが早いじゃん。性がどうのこうのってことに興味なんかないし。中学生から思ってたけど遠まわしに言わずに小作りの仕方を教えたほうが早いじゃん。○○○を○○○に入れて○○○して○○○して○○○すればできるって。

 こんな授業するより戦ったほうが絶対楽しい。

 そんな感じで俺は完全にやる気を失っていた。

―戦いたい―

 今はそれしか考えられない。

 この近くに悪魔共がいることはわかる。だがさすがに授業中に飛び出すことはできない。

 仮病で行くか正直に言うかどっちでもいいが正直に言ったらみんな不安になるかもしれないから言えないが・・・とにかく戦いたい。

 

バァァン!

 

 どこかで爆発した。

 いつものことではあるが俺の都合のいいタイミングで何かが起きる。

 戦いたいと思ったら敵が来て、帰りたいと思ったら家に帰れるようなことが起こる。

 誰かに心を読まれているのだろうか?

 まあやりたいことができるからいいけど。

 ・・・あれ?

 何かが爆発したはずなのにまったくざわついてない。気づいていないようにも見える。

「先生!悪魔に干渉されてるみたいなんですけどどうしましょう」

 素直に言って教室を抜け出す作戦。

 ダメ元だけど・・・

「了解です!事情は察しました。頑張ってくださいね」

 なんていい先生なんだ。行かせてくれる上に「頑張ってくださいね」だなんて。いい先生じゃないか。

 さて、そんなことを考える暇なんかない。急いで行かないと。

 爆発に気付いてないのは悪魔側が何かしらの結界を張ったからだろう。普通の人に聞こえていないということはたぶん魔導士たちへの宣戦布告?もしくは挑発。

 早く言って状況を見ないと対応が遅れて大変なことになる。

 迅(梨紗)は急いで教室を出る。

 携帯を見るとメールが来ていた。

『爆発地点・・・

 君の学校の地下にある極秘研究

 施設だw

 俺らも頑張っていくからそれま

 で耐えてねw

 遅くなるかもしれないw

 






 まあがんばれw』

 まあがんばれって・・・まあがんばるけど。

 って、あれ?この学校に地下ってあったんだ?

 悪魔共がそこを爆破したってことは魔術的な何かか?それならいいけど人体実験とかだとやばいぞ?ここの校長も理事長も頭おかしいからやりかねないのがさらに怖い。

 校舎は広いので校舎中歩き回っても走り回ってもきりがない。

 サーチ系の魔術はあまり使うことがないからできるかわからないけど使ってみる。範囲はこの学校の一部。範囲は狭く、だが確実に。

 怪しいと思った階段のところやエレベーターのところを調べてみる。

 すると壁の向こうに通路があった。

 なるべく威力と範囲を狭めて魔術を使う。

ブー ブー ブー ブー ブー

 サイレンが鳴ったようだ。

 本当に極秘みたいだった。

 これは先生たちに見つかる前に終わらさないと大変なことになる。

 急いで入って階段を下りる。

 階段が分かれていたり道が複雑だったりしたが下りていくと次第にまっすぐの道になった。

 遮蔽物もなく足音がよく響く。

カンカンカンカンカン

 地面は鉄でできているっぽい。

 少ししか見えないが壁などはゲームやマンガに出てきそうな研究室のような作りだった。

「誰だ!?」

 あと少しで明るくて広い部屋につ着そうなところで誰かに見つかってしまった。

「敵に名を名乗るのは素人のすることです。プロを甘く見ちゃいけませんよ?」

「そうか・・・それは残念だ。霧崎梨紗さん」

「え!?」

 私の名前を知っている!?ということは先生?

 知らない人の前だと口調と一緒に考えるときも私と言ってしまう梨紗(迅)であった。

「倒したほうがよさそうだね?」

「そんなことをする必要はありません。私はあなたと協力したいのです。だかここに『おびき寄せた』のです」

 おびき寄せた?どういうこと?

「私は協会のものです。あなた、いや、あなた方と協力したいのです。私たちと協力してともに悪魔を殲滅しましょう!」

 協会・・・最近支部長から「協会に協力しろと言われても絶対に協力するな。あれは敵だ」と言われた気がする。

 支部長のことはこれっぽっちも信用してないがこれだけはほかの支部の人や本部長にも言われるので断るように心がけている。

 だが、いきなり断って向こうが機嫌を損ねたら大変なことをしかねないのでなるべく丁寧に終わらせなければならない。

「協力したほうが効率がいいのはわかってます。ですが知らない協会の方に協力しろと言われても何も知らないので信用はできません。せめてどこの協会か教えてください」

 すると相手は「はっ」と何かを思い出したような顔をして「魔族討伐対支援協会です」といった。

 そんな協会は聞いたことがない。まだできたばかりなのか非合法集団なのか・・・出来立てのだけだったらいいけど非合法だと通常戦闘時に使用が禁止されている武器や兵器を使ってきたりする危ない集団だ。どちらにしろこちらにはメリットがないので断らなければいけない。

「ごめんなさい。そのような名前の協会は今回が初耳ですので協力はできません」

 ここからが本番。

 もう容赦はいらない。

 少し間をあけて顔色、反応、仕草を見る。

「協力したいのなら何か実績があることと公式であること、さらには会員の数が千人はいないと協力することはできません」

 こういった瞬間に顔色が変わった。青というか紫だった。

 まさかとは思ったがその通りだった。

「ちゃんと断るとは偉いですね。ですが・・・それがあなたの敗因でもあるのです」

 敵はいきなり切りかかってきた。

「あぶなっ、女の子に切りかかるとかサイテー、絶対に許さないんだから」

 迅は半分ほどキレていた。

「よくよけましたね。おなかがすいたので早く死んでください」

 大量のナイフをこちらに投げてきた。

 急いで創った剣ですべて跳ね返すが飛んでこなくなったころには刃こぼれが酷くなっていた。

(銃があれば・・・)

 銃は家に置いてきた。

 接近戦はダガーナイフと身体能力を強化している。だがダガーナイフを創るとなると魔力の消費量が変わるので身体能力の強化の精度を少し落とさなければならなくなる。

 実は黒魔術を使った戦闘はあまり経験がない。なので上級魔法ともなるとこの学校ごと、酷ければ町ごと吹き飛んでしまうかもしれない。中級下級でもこの学校に被害は出る。初めてモモと会った時に使った技ならばもしかしたら加減ができるかもしれない。そう思って<アイシクル・レイ>を一発撃つ。

 加減は何とか出来たが弱くしすぎて当たらなかった。

(もう少し早く)

 もう一度<アイシクル・レイ>を撃ち込む。

 スピードは足りたし当たってはいるが防がれた。

 ここはもう召喚魔法しかないのかもしれない。あ、もちろん強制召喚で。

「テレポート」

 手加減しないといけないので泡沫の朧月のメンバーを強制召喚する。

「あいつを倒すから手伝って。戦術はいつものでね」

「「「「了解!」」」」

 みんな完全戦闘モードになってくれた。

 支援射撃専門の東雲四姉妹は後ろからSRで敵の足を撃つ。そしてひるんだところで中衛の魔術組、小鳥遊姉弟の姉の結衣が重力で拘束し弟の優斗が上級魔術を撃ち込む。最後に最前線の暗黒騎士、八雲舞がとどめを刺す。

 が、一番強いはずの連携を以てしても倒せなかった。完全になめてかかっていた。

 こういう時は日本最強の梨紗(迅)が攻撃するべきだとは思うがっこで攻撃するとカウンターをくらうかもしれない。様子を見つつ移動し、攻撃しないと倒せない。

 あの感じだと防御というよりは一部に魔力を集めて障壁を作っているのだろう。そうじゃないとあの連携攻撃を簡単に防ぐことはできないはずだ。なぜ銃弾を避けなかったのか、防がなかったのかはわからないがとにかく作戦を変えなければいけない。

「作戦Bに変更!」

「了解」

 今度は敵に閃光弾を投げつけて怯んだ隙に全員散開して敵を撃ちまくる。

 AR、SR、MG、SGなどいろいろあるが今回は主にARを使う。

 周りから敵を撃ちまくる。とにかく撃つ。撃って撃って撃ちまくる。

 だがその銃弾は尽く防がれる。それも思考を読まれているかのように。もしそうなら本気で殺れるように仮想戦闘空間に飛ばさないといけない。

「だから無駄です。そんな攻撃は私には効果なんてありません」

 まだ一つだけ望みはある。

「とにかく適当なところに撃ちまくって!何も考えずに」

 こうすれば銃弾のくる場所を予測されることはないと思う。

 それでも防がれる。一点に魔力を集めて防がれている。

(もう行こうかな?)

「飛ぶよー。テレポート」

 何もない場所から空間転移で移動する。

 スナイパーのための隠れる場所や、梨紗の使うダガーに合った地形になっている。あとは廃墟や洞窟などもある。

「容赦なくバシバシやっちゃってー」

「了解!」

 梨紗は身体能力と武器を極限まで強化して壁を蹴って移動しながら敵の様子を見る。その速度は誰にも捕らえることはできない。

 そして東雲四姉妹は武器を出して指示が出るのを待つ。

 小鳥遊姉弟は結衣が強化魔法、優斗が隠れて狙撃の準備をしている。

 舞は双剣を出して東雲四姉妹と同じく指示を待つ。

 敵は動く様子はない。だ、口が不自然に動いている。

 そして止まったと思ったら地面から大量のゾンビのような何かが出てきた。

「無双だ―」

 これを合図にみんなが無双を始める。

 梨紗は超高速で敵を切りながら進み、四姉妹は目の前の敵をとにかく切り伏せる。結衣はみんなの強化をして優斗は四姉妹の後ろから攻めてきている敵を撃つ。舞は双剣でとにかく切って切って切りまくっておそらくこの中で一番無双を楽しんでいる。

「わたしも本気出そうかな?モード・シフト、太刀」

 持っていたダガーが太刀に代わる。

「炎を司りし精霊よ、我が剣に加護を与えたまえ」

 詠唱をすると、刀身から赤い閃光が出る。

 久々だからできるかわからないけど―

「燃やし尽くせ、烈火斬!」

 炎の刀身が周りの敵を一気に焼き払う。

(あぁぁぁぁ、きもちぃぃぃぃぃですわぁ)

 もう手加減なんて関係ない。敵ってことも関係ない。とにかくあいつらを倒して倒して倒しまくる。

「モード・シフト、双剣」

 今度は双剣に代わる。

「みんなやるよー。じゃあまずはわたしから。暗殺技・死蝶ノ舞」

 その蝶のように舞う姿は美しく可憐で見とれてしまうような姿。だがその後ろには血痕が残っている。

「なら次はわたし。烈風乱舞」

 風の如く的に近づき、確実に仕留める。

「わたしも」

 今度は千秋。と、他三人もやる気に見える。

 連携技かな?

「「「「龍滅斬・四百連撃」」」」

 一人百連撃ずつ移動しながら敵に当てていく。一太刀でより多くの敵を倒す。それを四人同時に行う。

 強化魔法もあって前見た時よりも速度と精度が上がっている。

 そして最後。

「シフト、ハンドガン」

 優斗の持っていたSRがHGに代わる。

 優斗が隠れていたところから飛び出して高く飛ぶ。

 そして壁を蹴って銃を撃ちながら移動する。それでも弾は確実に敵の頭に当たって確実に殺している。

 だがこれでやっと半分弱程倒した程度。敵はまだまだいる。

 女体化してロリっ娘になったことはラディウスのみんな知ってはいるがこの姿だと少しやりづらい。胸さえなければ・・・。あと骨格も変わってるから戦闘になるともうちょっとなれないと高度な技が使えない。

「あー、もーいい!」

 姿を変えるのは結構魔力を使うけど戦いやすさを考えるとしょうがない。

 魔力の残量を考えると姿を男にするよりも胸をぺったんこにするほうが魔力の消費が少ないからこの後も戦いやすい。

「神技・絶竜乱舞」

 竜を倒すために使うような技をゾンビ?に使うとどうなるだろうか。

 竜一体の強さとゾンビ千体の強さが同じだったらすぐに終わる。

 空間転移と障害物をうまく使って全方位から攻撃する。その攻撃を当てるのは今回は一体ではなく数百体。それ一体一体を竜に使う攻撃と同じやり方でやるので(たぶん)すぐ終わる。

 全方位からゾンビを攻撃していく。

 そして残り数体になったとき・・・

ヴゥゥゥゥ

 また何もなかったところからゾンビが現れた。

 しかも今度は今まで見たいな小さいのではない。巨大な奴だった。

 雑魚共のついでと思って攻撃をしてみたが弾かれた。

 今度は雑魚数体ではない。

 一体しかいないが強い。

 あの協会の人にはまだたどり着けないのだろうか?

「私に勝つことは不可能なのです!誰であろうと、なんであろうと!」

 こうなったら『あれ』を使うしかないのだろうか?これを使うと確実に敵は死んでしまう。難しい技というわけではない。むしろ訓練すれば誰でも出来る。敵の反射神経でも追いつけない速さで斬るだけ。ただ、それをして斬る位置を変えるのは難しい。というか太刀専用なので真っ二つは確実。

 やり方は簡単。

 敵に肩が当たるぎりぎりのところに潜り込んで斬る。掠り傷だけでも敵は確実に真っ二つになってしまう。ただ、魔力のほとんどを使わないとできない。足と剣に半分ずつ魔力をを集中させて強化させる。そして敵を斬る。それだけの事。それだけの事ではあるが対人戦だとめちゃくちゃ強い。

 そんな技を初見相手に使うと敵が死ぬ確率のほうが大きい。

 もし死んだら情報を聞き出すことも出来なくなる。

 どうすればいいことか・・・

「あの男の敵は俺に任せろ!」 

「えっ!?」

 誰かが来た。

「ずっと見とくってのもなんかいやでな。ついでてきちまった」

 どういうこと?ずっと見とく?いつからいたの?

 でも協力してくれるならそれでいいや。こっちはでかいゾンビを叩こう。

「結衣はみんなの援護。優斗は敵の状態以上を狙って。千春、千夏、千秋、千冬は水蓮乱舞。舞ちゃんは連続攻撃より攻撃を重視して大剣で防御を削って。俺は戦いつつ指示を出す」

 少し焦ってキャラを作るのを忘れて素を出してしまった。それだけ敵が強いということ。

ヴォォォォォォォォォォ           ・・

 でかいゾンビは近くにあった倒れかけた電柱を片手で持ってこっちに振り回してきた。

 倒れかけている電柱はほとんど折れてはない。だから結構長い。下手したら優斗にも当たるかもしれない。

「GO!」

 最初の一撃は梨紗が攻撃を当てる直前に優斗の爆破弾が当たった。

 そして、梨紗がの攻撃が当たってちょっとしてから弾が爆発する。敵の動きは少しだけ止まったが足の傷はすぐに治った。

(バーサーカーかよ!?)

 傷が完治してからゾンビが動き出した。

「みんな!上!」

 さすがに見えないほどではないが結構早いスピードで飛び、電柱を槍のように投げてきた。

「バインド」

 結衣がギリギリのところで止めてくれた。

「あいつ・・・すごい強い・・・・・・みんな!本気でいくよ!」

 加減なんかしたら絶対勝てない。

 あの巨体であのスピードだときつい。こっちもなるべく早くいかないといけない。

「結衣、スピード強化。優斗は移動速度低下。四姉妹は攻撃を当てるタイミングを微妙にずらして敵が防ぎにくくして。舞は敵の頭上から攻撃。俺はみんなが攻撃してあいつに隙ができたら即叩く。あと連携が崩れないように」

「了解!」

 また作戦を変更する。

 優斗が敵の両足に重弾を撃ち込んでスピードを落とす。

 傷は癒えたが中にある重弾は消えてないようだ。

 四姉妹は攻撃を当てるタイミングを約一秒ずつずらして攻撃を何とか当ている。しかも当てている場所は前回攻撃した場所とまったく同じ場所。治りきる直前にダメージを与えて、どんどん治癒速度が落ちて行っている。舞の攻撃は頭上からで、防がれることも少ないので相当なダメージを与えていた。迅の攻撃は当たるには当たっているがあまりダメージが入っていない。ただ、治癒速度低下の毒を使っているのであと数秒もすればさらに治癒速度が遅くなって今の三倍くらいのダメージは与えられるだろう。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 舞が敵の頭上に大剣を振り下ろして防がれなかったから倒したと思った。

 が、それは幻想に過ぎなかった。

 確かに敵は頭をかち割られて一度死んだ。

 だが、生きている。いや、魂のない体を操られている。

「アンデットリバース」

 もう死んだ敵はゾンビとなって生き返った。見た目的にはもともとゾンビかもしれないがまあ一度死んだから効果はあるはずだ。

(頼む)

 願い通り体は光って消えて行ってくれた。


                      ※


「お前が協会とやらの刺客か?結構強いじゃねーか」

「あなたは誰です?」

「俺か?俺は真藤真だ。ラディウス日本支部第一戦闘部隊隊長の護衛だ。あいつは知らないみたいだが・・・まあいい。あいつがピンチっぽいしな、助けに来た」

「護衛、ですか・・・誰であろうと私は倒せません」

「どうかな?」

 真は少しにやけると一瞬で敵の目の前に移動する。

「世界ランキング第二位、日本最強の霧崎迅の護衛にこれくらいできないとだめだからな。あいつだって本気を出せばお前くらい一撃だと思うぞ?」

 そうだ。あれでも梨紗は手加減をしていたのだ。

 本気を出せばあの程度の敵は一撃で倒せる。だが、その魔力を開放して戦うと周りにいる人が魔力の波動で死んでしまう。それは迅が桁外れの魔力を持っているから。その迅の護衛をしている真は魔力は普通だが戦闘能力はめちゃくちゃたかい。迅に匹敵するほどではないがおそらく日本では二番目だろう。

「むだで―」

 敵が無駄ですと言いかけたときに思いっきり腹を殴った。

「あいつらの戦いが終わったらみんなで事情聴取だな」

 そしてみんなの戦いが終わってから協会の人を椅子に縛り付けて聞いてみた。

「なんで俺たちとの協定関係を持ち掛けたんだ?」

 真が一番最初に聞いた。

 だがその答えは想像を絶するのだった。

「私は元魔王様の部下だったんです・・・アンデットとして何とかしてきたんです。そこそこ強かったんですが・・・この世界に来たらなぜか受肉してしまいませいて・・・」

「で?どうなったの?」

「魔界に帰れません」 

 モモが言っていた通りただのアホだった。

 受肉したから帰れないってことはさすがにないだろ。

「で?なんでわたしたちに協定関係を?」

 あ、梨紗キャラになった。

「そっちに行けば体と魂を切り離してくれそうな魔導士がいそうだったからです」

 こいつマジでアホじゃねーか。

「そんなことしなくても魔界には行けるんじゃない?だってゲートがあるでしょ?」

「確かにありますがそのゲートがどこにあるのかわからないのです」

「最初からそう言ったらいいのに。はぁ、ゲート開いてあげるからさっさと魔界に帰って」

「ありがとうございます!」

 なんて面倒な奴だ・・・

 迅がゲートを開いて自称協会の人を帰らせる。自称協会の人は「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と言っていた。なぜあそこまで敵対してきたのかは知らないが取りあえずむかついたのでゾンビ数千体の死骸をホールに放り込んでやった。

 これで今日の事件は終わった。

 空間を閉じ、地下から出ようとすると先生がいた。

「知られてしまったようですね。この学校の秘密を」

 学校の秘密だと!?

 よくわからないけど一応話を合わせておこう。

「なんかすごそうなことしてますね」

「知ったならしょうがない、話してやろう。

 この学校は極秘で人体実験を行っている。

 内容は人間の体内にエネルギーコアを内蔵して人工的に魔力を生成し、誰でも魔術を使えるようにするというもの。だが誰も耐え切れず死んでいった。だが一人だけ成功者がいる・・・それがこの子だ」               ・

 そう言って自分の後ろから出したのは先生の孫だった。

 人工的に魔力を生成しているということは限界がわからないため無限に生成し続け最後はその魔力に体が耐え切れず壊れてしまう。そして壊れた時に出る魔力の波動で人が死んでしまう。

 魔力はお互い了承のうえで譲渡しないと突然の魔力量の増加で酔うことがある。それだけならましだが一度に大量の魔力を取り込んでしまうと気絶してしまう。酷い時には死んでしまう。そういう仕組みになっている。

 まだ詳しくは解明されてはいないがとにかく一度に大量の魔力を取り入れたり自分の限界を超える魔力を超える量の魔力を取り入れると死んでしまう。それしかわかっていない。

 この子も適応したとはいえいつかは確実に限界を超えて死んでしまう。

 そうなる前に殺さなければ。

 迅はいざという時に「殺す」権利を持っている。

 ただ、正当な理由がないと犯罪になる。

 自分が攻撃されたとき、周囲が危険にさらされたとき、これは殺さなければいけない。もしくは壊さなければいけないというときに適応される。

 そして今がまさにそのとき。

「破壊対象を確認、破壊します」

 これは「グロいから気を付けろ」という合図。

 みんなは基本こういわれると後ろを向く。

「先生すみません。この子は危ないと判断したので殺します」

「やれるものならやってみるといい」

「挑発と受け取りました。僕をなめているということですね?」

「生徒に負ける教師などいない!」

 挑発に乗って思いっきり子供を斬る。

 すると以外とあっさり殺せた。

 一撃で首をはねることができた。

「すいません先生。一撃でした」

「それだけのことで調子になるなッ!」

 こいつも危ないので殺す。

 女の子になったからって容赦はしない。

 先生の後ろに転移して心臓を刺す。

 また一撃でとどめを刺した。

 さすがにかわいそうな気がしてきた。

「破壊完了」

 これで今日やらなければいけなさそうなことは終了した。

 この学校の先生が一人いなくなったので言い訳を考えなければいけない。

 まあ「駆け付けた先生が敵に殺されました」とでも言っておこう。

 そして迅たちは地下施設らしき所から出た。


 が、異変に気付いた。

 あれだけ長く戦っていたのになぜかまだ五分しかたっていない。

 仮想戦闘空間の中と外の世界の時間の流れは同じ。だとすればあの施設の中と外の世界の時間の流れが違うのかもしれない。

 またこの学校の謎が深まった。

 部隊のやつらと別れて教室に戻った。

「戻りましたー」

 そう言って何事もなかったかのように席に座り時計を見る。

 するとやはり五分しかたっていなかった。

 もうめんどくさそうなのでこのことはまた今度調査することにした。


                   ※


「おわったーーーーー」

 今日の長い長い授業はやっと終わり、ついに放課後になった。

 今日はこれからやることがある。

 それは新しい部活を作ること。

 活動内容は主にサバゲ。という名目で訓練。そしてFPSをプレイしながら作戦を考える。例えば立ち位置、戦略、配置。これは実戦の時に戦いながら考えることがあるから。すべては戦闘のため。そして部活の名前は・・・サバゲ部。

 一応廃部にならないように何か大会で実績は作るつもりだ。

 部員は最低四人はいる。

 候補は、自分を入れなかったら姉ちゃん、天宮、モモ。

 顧問は先生にしてもらう。

 その準備をしないといけない。

 だからまず―

「天宮、部活って何か入ってたっけ?」

「いや、特に何も・・・」

「わかった、ありがと」

 これで一人獲得?

 次は姉ちゃん。

「姉ちゃん部活創りたい」

「わかった」

「ありがと、詳しいことはまた後で」

 二人目獲得。

 そして最後。

「モモ、面白い部活あるんだけど」

「わかった!」

「かくかくしかじかでまた後で」

 そして全員集めて話をすることに・・・

「新しい部活を作ろうと思う。名前はサバゲ部。サバゲとかFPSで功績を作りつつ戦闘の訓練をする。そうでもしないと最近の敵は強いからね」

 最近の敵はなぜか強くなっている。

 あのゾンビ(?)といいアホな魔王の部下といい・・・

 別に強いだけなら問題はないが敵にも戦略がある。

 そのためにもこの学校にいる戦力になりそうな人、ラディウスの人をこの部に入れて強くしないといけない。

 それを説明したうえで改めて頼んでみた。

「まあそうだよねー。わたしも悪魔やってるけど正直こっちのほうが生活しやすいし楽しいからねー。ラディウス?にでも協力しようかと」

 この気分屋はいろいろ面白い。

 あとの二人も賛成してくれた。

 後は顧問の先生。

「先生、かくかくしかじかで、この部活の顧問お願いします」

「まあ担当の部とかないしいいよ」

 即OK

「ただし条件がある。使ってないそこそこでかい倉庫を部室にさせてやるからそこの掃除をしろ。許可はとっておく」

 が、すごい条件を出された。

 この学校は敷地が広すぎていまだにどんな感じか把握できてない。

「ここだ」

 そう言って地図を出して場所を指してくれた。

 この学校の敷地はフェンスの中側だけだと思っていたがその横にある大きな山もこの学校のものらしい。

 そしてその倉庫の場所は山入口から少し上に登ったところ。

 先生は「ここだと訓練に使えるだろ?」と少しにやけながらいっている。

 まあ上るのも体力づくりと思ってやればなんとかなるからありがたいからいいけど。

 いろいろ確認をしてこの話は何とか決定した。

 最後にクエストクリアのために倉庫に行ってみた。

 その倉庫を見ると本当に大きかった。

 さらに中に入ってみる。

 物はあまりおいていない。だが、蜘蛛の巣があったりほこりまみれだったりで掃除は大変そうだった。

 だが、広さは結構ある。

 ベッド、机、キッチン、本棚などいろいろ置けそうな広さだった。

 ここに住み込んでもいいように見える。

 それはできないことはない。が、その前に掃除をしなければならない。

「がんばるぞー」

「おー」

 まずは電気をつける。

 まだ電気はつく。しかも結構明るい。

 そして次は蜘蛛の巣の撤去。

「水よ」

 めんどくさいので取りあえず魔術。

 ほこり、蜘蛛の巣はほとんどなくなった。

 というよりも魔術で使った水を一部に固めている。そこに全部ある。

 その水をゲートを開いて魔界にあるマグマ溜まりに突っ込む。

 残ったものはひとまず普通に運んで倉庫から出す。

 草刈機などが置いてある。

 ほかにもいろいろ置いてあるがそのほとんどが山菜をとったり畑仕事をしたりするのに使いそうなものだった。

 これを見てみんな「えー」という顔をしていた。

 なぜなら錆びて汚くなっているから持ちたくない。それだけ。

「こんな時に男手があればなー」

「梨紗ちゃんがんばってねー」

 墓穴を掘った。

 そういえば男だった。前までは。

 ロリっ娘になった原因を解明しなければいけない。というか犯人を捜さないといけないんだった。完全に忘れていた。

「わかったよやるよ・・・おっと、え?あっやばい重い」

 ロリっ娘になったことで力が弱くなっている。

 出来ればこれだけは自分たちの手でやりたいのだが・・・ 

「みんなでやろっか」

 姉ちゃんわかってるぅ。

 鎌が入った箱は二人でやっと持てた。

 そんな作業を続けているといつの間にか日が暮れていた。

 三時間ほど作業していたのだろうか? 

 物を外に出すのは早く終わったがそれを校舎裏にあるここでまだ使えそうなもの専用の倉庫に持って降りるのが大変だった。

 だがその達成感はいいものだった。

 これで明日から内装のほうに手を入れられる。

 早くしたいという気持ちもあるが今日はもう疲れたし解散して早く休む。

「今日は解散。明日から内装に取り掛かるよー」

「はーい、ばいばー」

 真っ先にモモが帰って行った。

「姉ちゃん・・・おんぶ」

 せっかくロリっ娘になったんだからとことん甘えてやる。

「はいはい」

 姉ちゃんは笑顔でおんぶしてくれた。

 元の性別だと逆な気もしないでもないが今は関係ない。こういうときだけ犯人に感謝してしまう。

「昔を思い出すねー」

「え?」

「お祭りのときさ、迅がもう眠たいから帰るって言ってね。もうお店も回ったしいいかなー?って思って帰ろうとしたらこんどはおんぶって言ってきて。あの時はかわいかったなー」

 そんな前のことを覚えていたとは・・・確かにそんなことがあった気がする。

 確かその時は帰り道でおんぶされたまま寝ちゃってたんだっけ?それでドーンって聞こえて起きてみたら神社にいてそこで一緒に花火を見た。そんなこともあった気がする。

「それ何歳の時だっけ?」

「まだ私のほうが結構背が高かった時だから・・・私が四年生くらい?」

 三年生になってもそんな甘えん坊だったのか・・・

「え?じゃあ蘭はどうだったの?」

「蘭は家で寝てたよ?なんか明日のために早く寝るとか言って」

 これも覚えている。

 そのお祭りの日の次の日にプールに行く約束をしていてそこでたくさん遊ぶために蘭は寝たんだった。蘭はお祭りは人が多いからって行きたがらなかったし。

 懐かしいなー。

 またあの頃みたいにお祭り行ったりプールに行ったりしたい。

 今は学校と仕事が忙しくて行けないけど。

 学校は久々に行ってみたら訓練とか何とかで行く理由ができたからだけど仕事のほうは迅がラディウスに入って二年目あたりから悪魔の出現率が一気に増えてお祭りとかプールどころじゃなくなったから。今学校に行けているのは他の部隊の人たちが活動してくれているから。世界ランキングも日本ランキングも地区ランキングも今のところ今までの実力と迅自身の体質を考えて固定されてはいるが時間があるときに一気に始末しないと稼ぎが減ってしまう。

 これでも家族を養っているのはメインが迅だから。

 凜も蘭も同じ部隊にいるが給料の差は結構い激しい。

 蘭は中学生なので戦う暇があまりなく少ない。だが五十万は超えている。

 月の小遣いと思えば結構いいほうだ。

 凜は支援がメインなので給料は多い方だがランキングは中の上くらい。

 迅は日本最強、世界第二位で、部隊の指揮もしているので戦うことが減ってもいい額にはなる。

 だが仕事で遊ぶ時間がないのは事実。

 いくら稼いだって遊ぶ時間は増えない。

 休暇がないブラック企業ではない。

 休暇は敵がいないとき。もし家族と遊びに行ったりとかだと週に二回までは許される。固定の休暇も絶対にある。

 毎週日曜日は大人たちがやってくれている。

 なら日曜日に遊べるんじゃない?

 いろいろ考えていたらついにここまで来てしまった。

 遊べるルートに!

「姉ちゃん、日曜日にプール行きたい」

 まだ暑いから空いているはず!

「いいよー。どこがいい?」

「せっかくだからおっきいとこ」

「わかった。捜しといてあげる」

 久々に家族で遊びに行ける。

 霧崎一家は仕事も異変も気にせずにプールに遊びに行くことになった。

 迅もロリっ娘になったことなんて何も気にせずにプールで遊ぶことを決めた。

 自分の女体化のことなんかよりも今は遊びたい。そう思っていたから。

 だが今は誰もわからなかった。

 プールに行くことで原因がわかるということが・・・ 

どうも

作者のギルガメッシュです

いやー、次回は水着会ですよ!水着会

といってもイラストレーターさんなんてまだいないから水着は見れないけど・・・まあそこは皆さんの想像力におまかせします。あ、でもHな水着はやめてくださいね?

最後に原因がわかるとか書きましたが少しネタバレしますとたまたま遭遇しちゃいます。犯人と。

それからいろいろ話して・・・という感じです

もしこの作品を読んでくださっている方がいるなら、楽しみにしていてください

それでは次回お会いしましょう

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