奴が転校してきたのはなぜだろうか?
タイトルまた変わったw
雷が落ちた日から一週間後。
俺の学校に転校生が来た。
「モモ・スペルビアです。よろしくお願いします」
奴が来た。
悪魔の割にはめちゃくちゃ優しくてしかも女子力の塊の女。
詳細は謎に包まれている。悪魔としての能力、年齢なども知られていない。
そんなモモがなぜここに来たのだろう?
「後ろの席空いてるからそこで」
よくあるアニメみたいに俺の横ってことはなかったけどまあまあ近い。
これからモモの観察でもしてみよう。例えば誰かを監視してないかとか。
ちょっと視線の先を見てみる。
たどってみたら特に誰かを見ているだけではなく普通に黒板を見ていた。
(マジで転校してきただけなの?弟たち大丈夫かな?俺的にめっちゃ不安なんだけど)
「モモちゃんどこから来たの?」
早速隣の人に質問されていた。小声で。
どう答えるのだろうか?
魔界とか冥界とか答えたらいろんな意味で大変になる。
「いろいろあって引きこもってたからよくわからないんだけど・・・たぶんスペインだったと思う」
ごまかすの下手すぎだろおい。逆にばれそうなんだけど?
「へ、へー。なんかすごいね」
隣の人少し戸惑っちゃってるけど大丈夫なの?
「なあ霧崎、スペルビアって七つの大罪とかでなかったっけ?」
俺の席の前の男子に聞かれた。確かにスペルビアはある。七つの大罪だと傲慢だったと思う。これはフォローしとかないとやばいかな?
「たまたまだろ?」
「だよな」
簡単に納得してくれてよかった。
まあそんな感じでいろいろあったが昼休みまで何とか出来た。
モモは普通に授業を受けていて話しかけられても普通に接していた。何もしないならそれはそれでいい。
(話しかけるか?それとも放置しとくか?)
話す内容的に人気のないところに行って話した方が安全だが・・・いきなり二人でどこかに行くと噂になって大変だろう。だからと言って放置しておくと何があるかわからない。姉ちゃんに頼むという手もあるが姉ちゃんがまともに聞き出してくれる気がしない。天宮はそのまま仲良くなりそうだし。いや、別にそれでもいいけどそれまでに何をしたかが不安。こういう時に都合よく人が減ってくれればいいのに。
と思っていたところで都合よく数人教室から出て行った。
教室に何人いるか数えると残り七人。
俺はモモをじーッと見ていてモモは周りの女子と楽しそうに話している。
話しの内容を聞いてみたい。
だからめっちゃ集中して何とか聞いてみた!
「料理とか好き?」
「うん。大好き。最近はケーキ作りにはまってる」
聞いて損したってレベルで普通な会話だった。
モモはスペルビアってつくからたぶん七つの大罪の傲慢担当なのかと思ったけどこれって普通の女子高生でも目指してるんじゃないのかな?実は自分の受け継いだ血が傲慢だったけど正直嫌だったとか?普通の女子高生になって普通に人間として生活していきたいとか?
なんていう妄想が広がっていく。
まあこの辺が平和ならそれはそれでうれしいけど。俺はどうやって生活すればいいのかな?
お?女子が三人教室から出て行った。
そろそろ行けるだろうか?
「あの・・・モモ。ちょっといい」
なんか恥ずかしくてこんな言い方になってしまった。
誤解されるかもしれない。
モモが視線だけで確認した。
「いいよ」
OKだったらしい。
「じゃあついてきて」
女子たちに一応大事な話だから盗み聞きしないようにとは言っておいた。
そして俺たちはいつもの体育館裏に行く。
さらに俺は直球に聞く。
「なんでいきなり来た?」
「楽しそうだったからかな?」
「悪いこととか考えてないの?」
「ないよ?」
「弟たちは大丈夫なの?」
「シャーロットに頼んでるし大丈夫だと思う。シャルロットも家事とか得意だし」
この少しの会話だけで安全かどうかわかってしまった。これは絶対に安全である!
普通敵に家庭の事情とか友人関係とか教えないでしょ?人質に取られたりしたらいけないし。個人的に知られたくないってのもあるだろうし。だから絶対大丈夫!安心安全。
さていろいろわかったところで雑談でもしよう。
正直話すことなんて何も思いつかないけど。モモから話題を振ってくれないだろうか?いやでも俺的にはもう少し聞きたいけど・・・
今までのことで何かないだろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ??
「モモって初めて俺ん家来た時と性格変わってない?」
これがあった。完全に忘れていた。
「あれはなんていうか・・・別の人格?もうとっくに消し去ったけど」
俺の中でのモモの謎は深まるばかりであった。
「じゃあもう一つ。スペルビアというのは?」
直球に、どストレートに聞いてみる。
「七つの大罪の傲慢だけど?」
「いや、そうではなくてですね。名前の」
「それはわたしのおとうさんがそうだから。ほかにインウィディア、イラ、アケディア、アワリティア、グラ、ルクスリアがあるよ。ちなみにさっき言ったシャルロットはインウィディアね。早速のネタバレになっちゃうけど七つの大罪が名前に入ってる人たちで集まったりすることもあるよ~」
早速過ぎるネタバレありがとうございます。
その後もいろいろ質問した。
ほかの七つの大罪系のやつらのこととか。
その結果七つの大罪系の悪魔と魔王はただのアホで他のこっちに攻めてきている悪魔は向こうの腹ペコども。それが人間を喰っている。実はこの世界には悪魔のほかにエルフ、ドワーフ、天使、竜、龍、死霊etcがいるらしい。あとは大罪系のやつらが週に一回集まって会議をするとかしないとか。
と、いろいろおもしろい情報を入手して無事今日は家に帰った。部活は今日をもってやめた。
さて俺は家に帰ったわけだが・・・
家に誰もいない。ゲームはこの時間そんなに強いやつはいない。そういう時いつもなら寝ているが俺は今日特に何もしていないので眠くない。アニメもすべて見終わっておhンも何度か読んだので内容は大体覚えている。一人用のゲームもほとんどクリアしてやることは特にない。誰か来てくれないかなー?っと、電話で呼んだほうが早いか。
リストの中から適当に探す。学校に行ってなかったから家族以外だと天宮、モモ、先生、その他ラディウスの人たちくらいしかいない。
ラディウスの人たちも暇じゃないだろうし・・・
「あっもしもし、暇だからあそぼ―」
「なんで?」
「どうせお前部活さぼるんでしょ?スマブラしよー」
「じゃあ俺ん家来て」
「了解であります!」
これで暇じゃなくなった。ついでに奴が部活をさぼっているという事実が発覚した。あれは中学校から変わってないらしい。
「さて、行くか」
スマブラといってもあいつも俺もまだXなんだよなー。そろそろ違うやつがやりたい。
「あ、リモコン」
別のことを考えていて完全に忘れていた。
―俺はクラシックコントローラーがないとスマブラができない―
手ぶらで行こうと思ったのに・・・
ついでにお菓子とジュース(主に自分用)でも持っていこう。
「・・・・・・・・・」
あいつらなぁ。
もしかしたらと思い姉ちゃん、蘭の部屋に入ってみたら・・・
「やっぱここにあるのかよ!」 ・・
霧崎一家はどれだけ食べても運動とか無しでも絶対に太らない体質。だからお菓子大好きなあの二人は俺が買ってきたものをどんどん部屋にもっていって食べてしまう。
あれだけ食べて太らないとか周りの女子に憎まれるぞ。特に姉ちゃんはあのスタイルだし。はぁ、まあ買っていくか。
「今度こそいくか」
あいつの家は結構近い。ついでにその近くに店がある。そこによって言って何か買っていく。主に俺が食べるもの。
「いらっしゃいませー」
なんかないかなー。
俺的にはポップコーン五袋と三ツ矢サイダー十本ほど買っていきたい。
けどそんなことをしたら俺の荷物が増えてしまう。いや、それ以上に大変なことがある・・・それは・・・・・・・荷物が重くなる。ジュースごときで魔術を使うのも魔力が勿体ない。けど重いのもいただ。
(今日は一本でいっか)
「ありがとうございましたー」
(俺も遥さんみたいな量の魔力ほしいなー)
俺の魔力量はゲームで言うと約九十七万八千六十五。遥さんはその百倍はある。その半分は特に使い道とかないと思うけど。
俺でも魔力半分も使ってないのに。
ちなみに俺の魔力の使い道としては三割中一割は特殊次元倉庫として使っている。あとはBB弾の魔力強化と家具を作るのに使っている。
魔力と金は一緒だからね!
おっともうついていた。
ピンポーン
『はーい』
「はーい」
『はーい』
俺と優斗は「はーい」だけで通じる仲なのだ。
「どーぞー」
「おじゃましまーす」
久々にこの家に来た気がした。いつも自分の家で遊んでいたから。極力自分の部屋から出たくなかったし。
「ポップコーン五袋持ってきた」
「多すぎだろ」
「大丈夫半分は俺のだから」
「まあスマブラやろ」
「準備よろ~」
優斗が準備している間に俺はポップコーンの袋を開けて食べる。
夕飯は大丈夫かって?ダイジョウブですよきっと。
ちょうど一袋食べ終わったところで準備が終わった。
「お前食うの早すぎ」
「それは置いといてさっさと始めよう。優斗が1Pでいいから」
そしてOP最後まで見てキャラを決めてあの平面ステージ、終点でバトル開始。
『天・空』
『はぁぁぁぁ』
俺はアイクで優斗はトゥーンリンク。
『天・空』
『天・空』
その後も俺は天空を続けて負けた。
二回戦目はマルスvsトゥーンリンク。マルスの勝利
三回戦目はマリオvsフォックス。マリオの勝利
四回戦目はヨッシーvsクッパ。クッパの勝利
五回戦目は優斗の妹の結衣も参戦してアイクvsトゥーンリンクvsマルス。マルスの勝利。
後はカービィの真・格闘王への道をしていたら六時になっていたのでそろそろ帰ってきていることを信じて俺も家に帰った。久々のスマブラだったが操作はなぜか体が覚えていた。正直意味なんてないと思う。
* * *
スマブラをした次の日。
「おはよー」
あれ?
「あー」
ん?何かがおかしい。
「あー」
俺ってこんなに声高かったか?
下を見てみると男にあるはずのないものがあった。
「おぉ、そこそこある」
いやいや、そんなことを考えている暇はない。
焦って下のほうを触ってみる。
「・・・・・・・ない・・・・・・・・・・」
俺は本気で焦った。あるはずのものがなく、ないはずのものがある。男としての証がなくなってしまった。これは何かの間違えのはず。俺は夢でも見ているのだろうか?感触は凄くリアルだったけど。なんというかこう・・・揉み心地が・・・あとなぜ触られているという感触がある。自分で揉んでいるのに同時に誰かに揉まれているという感触もある。下の方を触るのはさすがにやばい気がしたし触ってはいないが・・・なぜこうなったのだろう?
取りあえず部屋に置いてある鏡を見てみると・・・
「ロリ?」
どう見ても高校生には見えない。胸は蘭よりはあるっぽいけど身長がねぇ・・・見た目的には少し胸が成長している小学生にしか見えない。大体五年生くらいだろうか?この姿で学校に行ったらやばいかな?
「おにーちゃ・・・お邪魔しました」
「ちょっと待って。誤解、というか俺・私?とにかく姿は違っても俺は霧崎迅だから」
「え?かわいい。おねーちゃん、おにーちゃんがかわいくなったー」
「えぇ?今すぐ行く。見たい」
なぜこうなった?神様のいたずらか?悪い意味での。
「どれ?」
「これ」
これ扱いかよ。まあ今日は期間限定の転校生って設定で学校に行こう。
「あのさなんか女体かしちゃったんだけど・・・どうしよう?」
「取りあえず三人でいちゃいちゃしよ?」
そういいながら姉ちゃんたちが服脱いでるんだけど?
さすがにそれはまずくない?兄妹?姉妹?とはいえ俺だって(元)男なんだから。しこもこれ18禁じゃないからそんなことしたらダメなんだよ?見て目的に考えると法律に触れることもあるかもしれないんだよ?それなのに・・・
「愛しあお?」
「やめて。ほんとに」
「私たちとね?」
「アッー」
「なんて茶番は置いといて」
茶番かよ!めっちゃビビったわ。
「今日学校どうする?」
「期間限定の転校生ってことで」
「それじゃあ喋り方を変えないとね?」
学校に行くまでの時間でいろいろ教わった。
俺じゃなくて私にすること、胸が蘭よりも大きいので一応ブラのつけ方、スカートの中が見えないようにするガード方法、ナンパされた時に断るついでに相手の心を折る方法、女の子らしい仕草etc使えそうにないようなことも教えてもらってできたのがこれ「これでいいの?」と言っているロリっ娘。確かに女体かしたいと思ったことはあったが実際してみるとめんどくさい。
「あ、今日は早めにでるよ」
「わかった」
いろいろして7:30になっていた。今日は本当に家を出るのが早い。
「で、制服は?」
「私の予備の制服」
「身長の差をよく見ればわかると思うけどサイズまったく合わないよ?」
「まあ制服みたいなのを作ってみるよ」
そうか。忘れていた。俺達には「魔力」というものがあった。それで作れる。
おれ、じゃなかった。わたしが服に魔力を送り続ける限り消えない。気が抜けると下着姿になってしまう。見るのは良くても見られるのはいやだよ?
今はとってもかわいいロリっ娘なんだから。
学校についてから早く言った理由が分かった。わたしの担任に事情をいうためだった。
「先生。わたしは転校生ではなくて霧崎迅です。なぜか女体化しちゃいました」
笑い事ではないがいうときに少し笑ってしまった。俺自身この状況を楽しんでいるのかもしれない。
「理由はしりません」
「じゃあ仮の名前でも作っとかないとな」
そっか。さすがにこの姿で霧崎迅とか言っても信じてもらえないだろうしもし信じてもらえたとしても「おかしなこと」何るだけだから。
名前かー・・・苗字はそのままでも従妹ってことにいとけばいいけど名前が・・・
「じゃあ梨紗でいいんじゃない?」
「ぱっとおもいついたんだね?よくわかるよ」
「じゃあそれで決定ね。梨華ちゃんには事情を説明しといてあげるから」
「ありがと」
そんなこんなでHRになった。
「今日から期間限定の生徒がこのクラスに来るからなー。はいっていいぞー」
「はい」
結構緊張する。
すこしカクカクしながら黒板の前まで行って名前を書く。
すると教室がざわついた。
「えー、霧崎梨紗です。迅の従妹です。いろいろ事情があって代理できました」
「はいはーい、質問でーす」
「あ、はい」
「事情というのは?」
「この学校の周りの調査とかいろいろ」
まあ嘘だけど。
「質問はこれだけか―?・・・・・・・いないようだな。じゃあ取りあえずそこの席にすわれ」
そこはいつもの席だった。
まあ当然だろう。ほかの席はすべて埋まっているから。
「今日から数日頑張ろう」
このとき俺は何も知らなかった。
これが本当の≪異変≫の始まりだということを・・・
トイレ行ってくる