第26話 対決のルール
1つ注意点を、本来のマンドラゴラは、引き抜く時毒を体表面に出して、抜いた人間を毒殺するそうです。毒は1度しか出せないらしく、抜かれた後に別の人が触って持ち去るのは大丈夫だそうです。しかしこの話のマンドラゴラは、異世界?なので、毒を持っていません。あしからず。
「私を倒す?」
そう言うと可那はニヤリと笑い、右足をキッキョーとフタバンの上に大きく振り上げた。
「お前らなんて一発で踏み潰せるんだぞ」
「やめなさいよ!可哀想」
可那の脅し文句に、アルルが慌てて声をあげる。
「だってこいつら生意気なんだもん。それに、アルルの足元にいたから、ワンピースの中見られたぞ。ノーパン。始末した方が良くないか?」
相変わらず可那は笑いながら言った。
ノーパンの言葉にアルルは少し頬を赤らめた。
「そ、そお?」
アルルの言葉に驚くマンドラゴラの二人。
「ちょ、ちょっと待って!」
「み、見てないよ!僕ら見上げなかったから!もし見上げてもきっと真っ暗で見えないよ!」
「そうそう!」
慌てて弁明する二人を、アルルは笑って見ていた。
「冗談よ」
「私は冗談じゃないよ。踏ん付けちゃおうよ!きっとフタバンの方は見たよ。男だし」
マンドラゴラ達の頭上に右足を振り上げたまま、楽しそうに可那は言った。
「ぼ、僕は本当に見てないよ!」
フタバンは可那の言葉にアルルの方を向いて必死に訴えた。
「大丈夫、分ってるから。それに見られたとしても、履いていない私が悪いんだし」
少し恥ずかしそうな顔をしてアルルはそう言った。
「だからカナブン。やめて」
「なんと!ノーパンな自分が悪いと!ひえ~!・・・しょうがないな~」
可那はそう言うと、右足をゆっくりマンドラゴラ達から外して、地面に降ろした。
「ちぇーっ」
一遍に詰まらなそうな顔をして、可那が呟いた。
一難去って落ち着いたマンゴラドラの二人は、一呼吸置いてから可那の方を向いて話し始めた。
「そんな卑怯な方法じゃなくて、ちゃんと勝負をしてよ!」
フタバンが言った。
「そう!公式ルールで!」
続いてキッキョーが言った。
「公式ルール?」
可那が聞き返した。
「ジャンケンよ」
可那の横に並んで立つ、もはや公式ノーパンキャラ、アルルが涼しい顔で言った。
「ジャンケン?」
可那は驚いてまたも繰り返す。
「そう。これなら体格差も、男女差も関係ないでしょ。単純に、運が全ての鍵を握る」
「ジャンケンかぁ~。私不利じゃん。この世界に落ちて来た時点で運が悪いんだから」
可那はアルルの説明を聞き、不満な顔をして言った。
「あらま」
そんな可那の表情を見て、勝ち誇った様な顔でキッキョーが言った。
「お前が勝てば、お姉さんはお前のもの。私達が勝てば、次の町までお姉さんは私達のものよ」
つづく
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ジャンケンは、異世界も含めて万国共通なのです。笑