表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/34

第2話 ヘッドルームにようこそ

 可那はショートヘアのちょっと華奢な女の子。

 趣味は読書なんだけど、走ると足も速い。

 結構活発な女の子なのです。

 それでは二話目、どうぞ。


 

 可那はダイブした瞬間、普通の人が大抵する『目を瞑る』という行為を行った。

 そして、自分と、手を離し離れ離れになった自転車が、次の瞬間、ビシャ!と川に落ちるのを想像していた。

 長い。

 もう目を瞑り、十秒位経つ。

 確かに体は重力に従って、下の方へと落ちて行っている。

 可那は恐る恐る目を開けた。

 「!」

 声すらも出なかった。

 可那は空の上にいた。

 どれくらいの高さがあるだろう。

 可那は上下左右、落ちながら見回した。

 遠くに連なる山々が見える。

 足元には平らな草原が、そして、真っ黒な塊、人だ。人が一人立っているのが見えた。

 この期に及んで可那はパンツが見られると、赤に黒のギンガムチェックのスカートを手で押さえた。

 先程まで、三階建ての校舎二個分の高さ位にいた様な気がしたが、もう地面との距離は一個分位だ。

 中学生の可那にはそんな方法でしか高さを計測出来なかった。

 自転車は可那より軽いのか、可那の斜め上をやはり下へと落ちてくる。

 下の人間らしき姿もはっきり見えてくる。

 アルプスの少女ハ○ジに出て来るおんじにそっくりだ。可那は思った。

 がっしりとした体に、白髪にもじゃもじゃの白い髭。

 『おんじは灰色だったかな?』

 そんな事を思っていると、急に落ちるスピードが遅くなった。

 もう、おんじとの距離は四~五メートル位。

 おんじは手を広げている。

 『なんだ、これは夢か?空から女の子が降ってくる。まるで、アニメ映画みたい』

 そんな事を可那が思っている間に、

  ストン!

 可那の体はおんじの腕の中に落ちて、収まった。

 二人は顔を見合わせる。

    ガシャン!

 五秒程遅れて、可那より軽い自転車も側に落ちた。

 おんじはニコッと微笑むと口を開いた。

 「ヘッドルームにようこそ。お嬢さん」

 可那はポカンと口を開けて思った。

 『この人、おんじって書いてていいのかな?作者』



     つづく


読んで頂いて、有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ