表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オキュパイド・アース ~占領下の地球~ 原案  作者: 振木岳人
グラビティ・ブースト編
72/77

願いは一つ「ムナカタ・カオルの復活」




夕方、日本国コロニーNo.3【中京】の商店街。


天然素材のみを使用する、庶民ではなかなかに利用する事の出来ない、セレブエリア。

その一角にある、老舗の和食店、どんぶり処「富士山」。


店員の「ありがとうございました」と言う、朗らかで優しい見送りの声を背に受け、

カオル達一行が通路へと出て来る。




ミカ「親子丼…最高だった♪」




ショーン「メリルさん、ご馳走様でした。本当に美味かったです♪」




カスミ「ご馳走様でした♪」




次々にメリルに頭を下げ、礼を述べるカオルの友人達。

そう、グラビティ・ブーストで汗を流した後、メリルの提案でみんなは夕飯を一緒にしたのだ。

もちろん、メリルのご馳走で。




カオル「メリルさん、ありがとうございます」




深々とメリルに頭を下げるカオル、するとエレノアが、




エレノア「いつまでも、よそよそしい事言ってちゃダメでしょ!」




意外にも、カオルをたしなめるエレノア。

たじたじのカオルと、メリルの心情を察したエレノアに、メリルは、




メリル「良いのよエレノア、私わかったの。レイコの物まねは出来ない、そして、

カオルとレイコの思い出や絆を壊す事も出来ない。私は、レイコの姉だと思って彼女を支えて来た私は、

私なりのやり方で、全力でカオルを守る」




メリルの表情は、まるで憑き物が取れたかの様に晴れ晴れとしていた。

すると、今度はカオルが




カオル「母に言えなかった最後の言葉…僕の本心。そして、怒りにまかせてやってしまった、やり直す事の出来ない過ち…」




ミカ「カオル…」




カオル「多分、いつまでも僕が背負っていかなきゃならないものなんだ。いい加減な気持ちで忘れちゃいけない事なんだ」




ヒロノブ「そうですね、残酷な言い方ですが、過去を変える事は出来ない」




ヒロノブに振り返り、うなづくカオル。




カオル「今すぐ、自分の身の回りの環境が変わったからって、笑い顔になる事は出来ないけど、

だからといって、…腐っちゃいけないんだ」




ショーン「そうだな」




カオル「僕を懸命に守ってくれた人達の為にも、足を止めちゃいけないんだ。

悩んでる暇あったら、ちょっとでも前に進む…進まなきゃ。メリルさん、みんな!ごめん、そしてありがとう」




改めて、深々と頭を下げるカオル。


仰々しいと言えば仰々しいのだが、不器用な少年の精一杯の気持ち…。

その気持ちの現れに、とやかく言う者は、ここにはいない。


この場にいる者達が願う事はただ一つ「ムナカタ・カオルの復活」。


それだけを願い、その為の行動を起こして来た者達にとって、

カオルがひとまず前へと、一歩踏み出そうとしている事は、

非常に喜ばしい事であるのだ。




ショーン「固いこたあ、言いっこなしだ。この先、逆に俺達がお前に助けられるかも知れない」




ヒロノブ「そうです、お互い様ですよ」




カオル「ショーン、ヒロノブ」




ミカ「新学期、楽しみね♪」




エレノア「楽しみだけど、もしかしたら学校でも話題になるかも」




ショーン「うん?何が?」




エレノア「…グラビティ・ブースト出場」




恭香「ええっ!?」




カスミ「それは有り得ないんじゃ…」




エレノア「あれだけの観客がいたんだから、うちの生徒が来てたっておかしくはないわよ」




カオル「あああ…」




カスミ「やだ…本当にお嫁に行けない」




恭香「わ、私も…」




カオル「僕も…」




一瞬、時間が止まる。


黙ったまま、顔を見合わせる仲間達。

そして、誰が笑い出したのか定かではないが、一同は腹をかかえて爆笑を始める。

もちろん、カオルも、そしてメリルまでも。




余計な事を考えず、汗びっしょりになって身体を動かし、そして、腹の底から笑い合う。


離れていた居場所、心の拠り所が一つになる…


何かそんな、春の様な清々しさを感じた一同であった。




ショーン「【TEAM・GALAXY】のサインも貰ったし♪」




ヒロノブ「良い思い出になりましたね」




ミカ「カオル、学校で待ってるから」




エレノア「新学期、学校来て」




カオル「うん」




メリル「じゃあみんな、カオルの事、学校でよろしくね」




仲間達は結束を新たにし、笑顔で帰路につくのであった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ