生き残る者、生き残らない者
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朝霧大尉「アッザン少尉!アッザン少尉!。アッザン少尉聞こえるか!?」
『こちらアルファ1、ウッズ軍曹です。
アッザン少尉は先ほど戦死、もうアルファ1は私しかいません!』
朝霧大尉「そうか…ウッズ軍曹!私の隊も、私だけになってしまった、
戦線を立て直したい。合流出来るか?」
ウッズ軍曹『モニターに大尉のブリップが確認出来ます!
これからそちらへ…うわあああっ!!!』
ビビッ!…プツ
悲鳴と共に途切れた、ウッズ軍曹の無線。
朝霧大尉「ちっ…!」
モニター越し、周囲に目をやる朝霧大尉。
今、このエリアでたった一人になってしまい、焼け野原に立ち尽くしている。
最初に行われた艦砲射撃の焼け野原とは違い、そこに無数に散らかるのは、
無残に壊れたAPE、そして機械化歩兵部隊のパワードスーツの残骸。
それと、人型【物体E】の死体…死骸。
神格型物体Eと同じく、白金色に鈍く輝き、そしてその輝きがそのまま、
蒸気の様に煙となって、大気の中へと消えて行く。
大きさは、機械化歩兵部隊のパワードスーツ程度の大きさではあるが、
一回りも二回りも大きなAPEの武器が、当たってもほとんど効果が無く、
乱射に乱射を重ねてようやく倒れる有り様だ。
朝霧大尉「…」
その人型【物体E】の、白金の衣の中に、何かがありそうな…。
本当の実体がありそうな、そんな気持ちに押され、物体Eの死骸を見詰める朝霧大尉。
しかし、オープンチャンネルの無線が、けたたましく入って来て、朝霧大尉を現実へと引き戻す。
『こちら、機械化歩兵A大隊指揮官、楠木中佐だ。機械化歩兵各中隊と、APE部隊に通達!
インディペンデント湾に集合せよ、繰り返す、インディペンデント湾に集合せよ!
アーシラトが爆沈した、各自【随意脱出】状況だ!輸送艦隊が湾で補給する…。
俺が責任を取る、全部隊撤退だ、全部隊撤退!』
朝霧大尉「…撤退か」
何か、魂の抜けた様な声を出す、朝霧大尉。
しかし、その抜けそうになった魂も、次に飛び込んで来た無線で、慌てて魂が本体に入る。
『こちら補給艦隊指揮官、ヒュゴー中佐です!機械化歩兵A大隊の楠木中佐が只今、戦死しました。
全部隊は至急湾に集合してください!【物体E】が接近してます!』




