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オキュパイド・アース ~占領下の地球~ 原案  作者: 振木岳人
第一次南極戦役
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進化する存在が、知能も進化しないと誰が決めた




回避する空中要塞アーシラトに対し、【神格型物体E】の攻撃が始まる。


アーシラトに遅れて後方3kmから、護衛艦隊のコアトリクエ、セクメト、カーリー、リスキー・ビスキーの4隻が、

アーシラトと【神格型物体E】の間に入り、アーシラトを守る為、壮絶な艦砲射撃を開始した。

対する神格型物体Eは、右手を右腕ごと前に向け、そこから謎の怪光線…荷電粒子を発射していた。


いきなり、予想だにしなかった戦闘を開始した、護衛艦リスキー・ビスキー。


ブリッジでは「鬼の」キンゼイ艦長が本領発揮。

見事な操艦と援護射撃でアーシラトの盾になりつつある。


ブリッジには、キンゼイ艦長と副艦長の飛鳥恵少佐、操舵士と航宙士、航宙士補のミカ、武器管制官の4名と、

護衛艦改装後、CICが設置され、四日市東高等学校の生徒会長伊達庸子と、エレノア・シグニスが、

情報分析、索敵、通信等のインテリジェンス業務を全て担っていた。




キンゼイ「コアトリクエとセクメト、カーリーに伝えろ、【問答無用で我に続け!】と。

ったく、僚艦の艦長が教え子ばかりだとやりづらいわ」




伊達「了解しました!」




エレノア「ボギーが進路を変えます、予想進路モニターに表示します!」




キンゼイ「何が何でもアーシラトが欲しいのか、よし!一旦潜り込んで、

船体上部、バルカンファランクスの射角を広げるぞ!」




飛鳥副艦長「エアブレーキ使用、船体角度3%下降!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」




操舵士「船体角度3%下げ、アイサ!」




船体の構造上、狭くてブリッジ内に設置されたCIC。

額に油汗を浮かべ、不安げに端末を操作する伊達とエレノア。


その背後では、情報保全部のメリル特務少佐と、カオルの母レイコが、

やはり不安げに、一言も言葉を発する事無く、モニターに見入っていた。




レイコ「…」




レイコ (…6枚羽の神格型。勝てない、このままじゃ…)




ブリッジ内にいる者達とは、全く別の事で思い詰めていたレイコ、

何かを決心したのか、隣にいたメリル少佐の肩を掴む。




メリル少佐「…?」




レイコに視線を移すメリル、レイコの表情は真剣そのもの。

既に何かを決意したかの様な、決してブレない、巌の様な硬さが瞳に宿っている。




レイコ「…ちょっと」




レイコは視線で扉の方向を差し、そのまま二人はブリッジから出て行く。




メリル少佐「負ける…だと?」




うなづくレイコ。

その真剣な表情や瞳に、嘘や偽りは一切現れていない。


ブリッジを出たメリル少佐とレイコ、誰もいない狭い通路なのに、

二人とも顔を近付けて、これ以上無い程の囁き声で会話している。


軽い、相手の吐息が心地良く感じる囁き声では無い。

腹に力の籠もった、「ドスの効いた」囁き声だ。




レイコ「…神格型は地上高数メートルを浮遊する。…次元移動するのが精一杯だった」




メリル少佐「それが今は、成層圏で飛翔行動をとっている…」




うなづくレイコ




レイコ「間違い無く、奴らは進化している」




メリル少佐「レイコが言う通り、もし奴らが進化しているとするならば、

地上で沈黙している【物体E】はもしや…」




青ざめるメリル少佐。


手を口に当て、想像したくない現実、口に出して音にしたくない言葉を彼女は吐いた。




メリル少佐「…奴らは、連携して作戦行動を取っていると言う事か?

地上に我々を引きつけておいて、アーシラトと言う【退路】を絶つ、陽動作戦だ…と?」





レイコ「…進化する存在が、知能も進化しないと誰が決めた」




メリル少佐「…全軍撤退を勧告せねば!」




レイコ「遅い!既に手遅れだ!」




メリル少佐の叫びにつられ、レイコも大声で叫ぶ。

慌てて周囲に目を配る二人、かすれた様な囁き声で会話を再開する。





レイコ「完全に分断された。…地上部隊を回収するのに、どれだけの時間がかかると思っている?」




メリル少佐「認めたくはないが、確かに詰んだ。まさか、初戦でここまでしてやられるとは」




レイコ「…我々は負けた、惨敗だ。だからこそ、やらなければならない事がある」




メリル少佐「やらなければならない事?」




レイコ「カオル達を…何としてでも守り抜かなければ」




メリル少佐「!」




レイコ「美田園恭香達は食堂にいるはずだ、声を掛けて格納庫へ連れて来てくれ。

私は先にカオルを…!」




メリル少佐「わかった!私はその後、艦長に直談判して、脱出用輸送艇の手配をして来る」




メリル少佐とレイコ、二人は通路の中で別々の方向へとダッシュした。





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