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オキュパイド・アース ~占領下の地球~ 原案  作者: 振木岳人
黙示録の4騎士編
30/77

蒼・白・黒・赤、黙示録の4騎士




10月


国民投票で採決され、圧倒的な得票数を持って決定した【四季】。


地球軌道上にある日本国は今、気温を8℃~18℃に設定し、

公共施設やポート、壁面の壁紙、そしてスカイモニター。

それらの全てが過去の地球の景色…「紅葉」で飾られ、

過ぎ去った暑い夏と、これから来る白い息吐く冬の狭間で、

夜も昼も快適で、哀愁漂う空間を、人々にもたらしていた。


日本国コロニー3【中京】

場所は、国連軌道宇宙軍日本国事務局。


こじんまりとしたオフィスの一角、薄暗い部屋の中に、情報保全部のメリル特務少佐がたたずんでいる。


メリル特務少佐は直立不動。


そして、机を挟んで椅子に座るのは、彼女の上官である、グレン・ヨーバス中佐。

メリル特務少佐の様な民間徴用の軍属とは違い、国連軌道宇宙軍の軍服を来た、職業軍人である。


丸眼鏡の奥から、メリル少佐を見上げる冷たい瞳。

さすが、情報保全部…スパイ部門と言うべきなのか、

表情や視線からは、その内面で何を考えているのか、何を感じているのか、全く判断出来ないほどに、

グレン中佐は完璧な冷徹なオーラを発しながら、メリル少佐の報告を聞いていた。




メリル少佐「【プロジェクト・ゴーホーム(帰宅計画)】の付帯作戦である、

オペレーション・ノスタルジア(郷愁作戦)。

先週末に始まった、映画の上映で、全てのメディア媒体への展開が終了しました」




グレン中佐「ご苦労だった、一般の反応はどうかね?」




メリル少佐「上々です。昨年末よりの、空前の地球ブームは衰える事を知りません。

ブームに便乗するメディア媒体も増えているので、作戦は軌道に乗ったと判断しても良いでしょう」




グレン中佐「そうか、さすがは情報戦略のプロ。君に任せて正解だったな」




メリル少佐「ありがとうございます」




グレン中佐「いくつものプロジェクトを抱えさせて、申し訳ないとは思うのだが、いかんせん人材不足。

デイリー中京の記者を使った、オペレーション・リーク(漏洩作戦)と、

ぺイル・ライダー関連の監視は、君に一任する」




メリル少佐「承知しました」




メリル少佐は敬礼し、グレン中佐の部屋から退出しようとする。


その時




グレン中佐「少佐、待ちたまえ」




グレン中佐が呼び止めたのだ。

振り返り、再びグレン中佐と向き合う少佐。




グレン中佐「別のチームのプロジェクトだが、ペイルライダーの所属する学校に、ホワイトライダーが合流した事。

君の耳にも入っているな?」




メリル少佐「美田園恭香、国連月宇宙軍の手配で留学したルナリアンの少女の事ですね?」




グレン中佐「そうだ。そして、間もなくして【黒】と【赤】も合流する」




メリル少佐「はい」




グレン中佐「…分散させていた優先事項特1。最重要機密が一カ所に集まる事になる。

つまり、各国の情報員もぞろぞろと…ここに集まって来る」




メリル少佐「私は、何をすれば」




グレン中佐「フェイシャ、そして、ペイルライダー以外の情報も上げて貰いたい」




メリル少佐「赤、白、黒も…と、言う事ですね?」




グレン中佐「そうだ。情報の主導権は、あくまでも我々が握っていたい」




メリル少佐「承知しました」




グレン中佐「うむ、頼む。…では少佐、行きたまえ」




グレン中佐に促され、メリル少佐は部屋から退出した。

しばしの沈黙が漂う、グレン中佐のオフィス。

おもむろに、グレン中佐は通話機に手を伸ばし、誰かと回線を繋いだようだ。




グレン中佐「…私だ」




相変わらず、抑揚の無い低い声で、中佐は淡々と回線の向こう側へ、指示を出しているようだ。




グレン中佐「どうやら、タブロイド雑誌の記者が、プロジェクト・ゴーホームに気付いた様だ。

オペレーション・ブラックアウト(暗転作戦)を発動する」




【プロジェクト・ゴーホーム(帰宅作戦)】

そして、それに付帯する、様々な作戦。


ここでまた、国連軌道宇宙軍の組織の一つである、情報保全部(スパイ機関)日本支部の部長であるグレン中佐が、

支部長権限で新たな作戦を発動させた。


受話器を置き、回線を絶った中佐。

息つく暇も無く、中佐は再び受話器を取り、再び回線先と会話を始める。

それは、今しがた命令口調で会話した相手とは、どうやら「格」が違う様だった。




グレン中佐「…グレンです。オペレーション・ブラックアウトを発動しました。

はい、三流マスコミがかぎつけた様で、…はい、閣下の名前に傷を付ける事はございません。

全て私の独断で処理いたします」





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