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オキュパイド・アース ~占領下の地球~ 原案  作者: 振木岳人
国連軌道宇宙軍編
12/77

コロニー3【中京】 市立四日市東高等学校




日本国のコロニー3【中京】

人口15万人の大規模工業コロニーで、工業生産力で言えば、

月面に拠点を構える月面工業都市「ニュー・シンガポール」に次いで二位の位置にある。

もちろん、人口15万人と言っても、全てが労働者と言う訳では無く、

配偶者、一家、一族、子供、商業者などなど…、

一つの社会を、その宇宙のゆりかごの中に構築させての、コロニー3【中京】である。


そのコロニー3は、下層が一般人居住区、上層は企業・工場エリア。

中層は商業と公共施設エリアに分かれている。




時刻は朝の8:25分

デイリー中京の堂上が、「取材に出掛ける」と言って会社を出た時間。


ここ、コロニー3【中京】の中層エリアにある、市立四日市東高等学校の校門前では、

教育実習明けで久々に通学して来た、カオル達の姿があった。


校門と言っても、エリアの入り口に校名の刻印されたプレートが壁に打ち付けてあるだけ。

通路は緩やかに視界の奥へと上昇し、左右に部屋が並ぶ、典型的なドーナツ型コロニーの屋内施設配置。


ただ、公共施設用に改装されているので、入り口から二階、三階が吹き抜けになっており、

また、教育施設であると言う理由をもって、天井部には【スカイ・モニター】、

天井全体をスクリーンにして、地球環境の【空】が投影されている。


校舎や体育館、プールなど、「見るからに」学校と言う様相は無い。

あくまでも、ドーナツ型コロニー構造に準じていた。


その市立四日市東高等学校の校門、ちょうど学校名が刻印されたプレートの前に、

ミカ・カートライトと、エレノア・シグニスが並んで立っている。

通学してくる生徒達の中に、ムナカタ・カオルとショーン・カザマの姿を見つけたのだ。




ミカ「おお、来た来た♪」




ショーン「おはようっす」




エレノア「おはよ」




カオル「おはよう」




教育実習が始まるまでは、特別仲が良かった訳でも無いこの4人。

キンゼイ艦長主催の、「あの」特別授業を経て、いつの間にか互いの距離が近くなっている。

あくまでも友情。将来に飛躍する事を夢見た、同じ志しを持つ仲間同士としての距離だった。




ショーン「いやあ…昨日は参ったよ(笑)親に聞かれて、ここまで出そうになった」




自分の右手を、自分の喉で水平に振るショーン。




ミカ「わかるわかる(笑)実習のほとんどが大気圏退避だから、親に話す事少なくてね」




通路を進む4人。目指すは学校エリア一番奥にある、一年二組。

四日市東高等学校は、全校生徒200人の中堅学校で、一年生は総勢60名。

一組とカオル達4人のいる二組とがある。




「ミカちゃんおはよ♪」




ミカ「あ、ハナちゃんおはよう♪」




ミカに明るい声で挨拶し、そのままカオル達の脇をすり抜け、小走りで教室へ向かう少女。


元々彼らは、市立四日市東高等学校へ入学し、4月中盤から国連軌道宇宙軍の教育実習に出ていた身。

要領の良い子なら、4月半ばにもう新しいクラスの友人が出来ていても、おかしくは無いのである。




ショーン「エレノアは大丈夫だった?親に色々聞かれたんじゃ?」




エレノア「ふふふ、全然平気。だって、国連軌道宇宙軍の機密情報を漏洩して、

無事だった人間はいないって言ったら、お父さんもお母さんも黙っちゃったわよ」




ミカ「そりゃあ、黙るわよ(笑)」




カオル「何か…エレノアの両親が不憫に感じる」




エレノア「人の事なんてどうでも良いの。

私は重度のマザコンでお馴染みの、ムナカタ君の話が聞きたいわ」




カオル「ぼ、僕?」




ショーン「大好きな母さん…か、思い出した(笑)

そうだよ、俺もエレノアと同じで、カオルの事聞きたい」




ミカ「私も興味ある(笑)あれだけべた褒めしてたお母さんなんだから、

コロニーに帰って来て色々話たんじゃないの?」




カオルに視線が集中する。しかし、一年二組の教室は目の前。

一時限目の時間も迫り、あまりのんびりしていられない。




カオル「授業が始まるから、また後でね」




ショーン「な~んだよ、つまらんなあ」




エレノア「そんなに…時間を費やす話になるの?」




カオル「あ、いや。そう言う訳じゃ…なくて」




エレノア「じゃあ、どういう訳なのよ(笑)」




珍しく、無表情のエレノアがクスクスと笑っていた。





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