とある日の昼下がり
「るーーうーー」
ゴールデンウィーク二日目の昼下がり。
暇だったあたしは怠そうに流雨を呼んだ。
流雨が暇じゃないときなんてないはず。
「なに~?」
「暇」
「流奈、ぼっちなんだね。分かるよ、うん」
「分かられてたまるか」
ぼっちってなんだよぼっちって。
友達くらいいるわ。
微妙に。うん。数人。多分いい人。
「ほら流奈はぼっちだから暇なんでしょ?」
「流雨もぼっちだから暇なんだろ。ただ外出したくないだけだし」
「引きこもり~!」
「琉兎に言え。お前のペットの琉兎に」
「琉兎はいいんだよ」
「あたしは」
「ダメー」
「なんで!?」
「流奈だから」
可笑しい。
あたしだからって行動を制限しやがった。
しかも笑いながら。
他人事かよ。
いや、他人事だけども。
というかあたしならこういう人がいたら無視するけど。
ほら、暇とか言われたら相手するの面倒だし、無視決め込んで本読むわ。
うん、その辺を考えたら多分流雨はいい人なんだろう。
多分だけど。
というか流雨は人に部類していいの…?
まぁ、いい人ということで。
はい、本人には言いませんとも。
調子に乗るから。
っていうか、伝えたくない。人のいいところってあんまり言う気がしない。
「そういや流雨。お前はあたしに引きこもりって言ったけど、あたしより絶対に学校の出席日数少ないよね。あたし今年一ヶ年皆勤だったし」
話題を変えて、流雨を苛めにかかる。
泣くかな~、棒読みで。
「一ヶ年皆勤ってなに」
はい、そこからでした。
「え、そこから?...一年間学校を休まずに来ました~偉いね~ぱちぱちぱち~てきな」
「あー、なるほど。でも流奈は保健室でサボってたじゃん。それなら学校を休んだのと同じでしょ?」
「あれはいいんだよ。学校登校したから」
「そうなんだ。私も明日からそうするー。そしたら監禁賞?貰えるんだよね?」皆勤じゃなくて監禁かよ。それじゃ罪に問われるわアホ。
お願いだからそういうところを影響されないでほしい。
「やめなさい。そして監禁じゃなくて皆勤だ」
「流奈は監禁好きだよね。流石皆が同情するほどのドM」
「監禁と手錠は好きでもドMじゃない」
「そっか」
「そして話がズレてるし保健室は病人が行くところだよ。お前が行くなよ」
つか、流雨に余計なこと教えるなよって流雨溺愛者に殺されるわ。
れーとと明那と琉兎に。
「えー、流奈はいいのに?」
「うん、ほらあたしは病弱設定になっちゃったし。先生の中で」
自業自得だと思ってる。
保健室を利用しすぎた。
先生がノリのいい人だからって利用しすぎた。
寝過ぎた。
「っていうか、普段から桁のない点数なのに桁が一桁になるぞ?」
「あー、流奈みたいに200番くらい成績落ちるのね。大丈夫。そこまで落ちない」
「下に200人もいないんじゃ…?」
っていうか50人いるかどうかも正直怪しいと思ってる。
え、最初は300人中のトップクラスだったけど、うん。ネットしてたらいつのまにか最下層にいた。
なんでだ。
「流奈の馬鹿。失礼な」
「馬鹿は流雨」
「酷い!いってもいいことと悪いことがあるのに。礼儀ってないの?新しき仲にも礼儀ありだよ」
「うん、先輩を馬鹿にして生きてきたあたしが礼儀なんて知ってるとでも?そして親しき仲にも礼儀ありだと」
「あ、そうだっけ。ていうかありえない。でも流奈って尊敬のその字も知らなさそう」
「しかも流雨のこと最初年下だと思ってたし」
「え、なんで」
「身長と性格?」
「流奈の方がギャーギャー煩いし、身長は同じじゃん。喋るときはいつも喧嘩腰だし」
「あたしみたいな人間とはあたしは関わりたくない。流雨ってよくあたしの相手できるよね」
いや、それを言ったら皆もか。
「流奈が二人いたら同時に相手できるかな」
「二人いる前提かよ」
「その話題だしたの流奈でしょー?」
「まぁ、そうだけど。あ、でもあたし、流雨が二人いたら二人とも愛せる自信ある」
「流奈キモい」
「正直、悪かったと思ってる」
うん。
でも流雨が二人いたら漢字とか言葉を教えるのが大変そうだから流雨みたいな脳を持ってるやつが二人もいるのは勘弁。
でも、天界から落とされたのって結構最近とか言ってたし、頭あんまりよくなくても仕方ないのかな…。そして天界から落とされたのって使えないからなんじゃないの?
でも流雨って普通に人間として生まれていたとしても多分バカな気がする。
なんでだろう。
「流奈が黙るときって失礼なこと考えてるときだと思ってる」
「そんなことねぇよ」
思ってるけど。
思ってますけど。
「流奈が思ってること分かるよ?えーと今流雨のバーカって思ってるでしょ?最低」
うん、あながち間違ってない。
流雨馬鹿だし。
ていうか、こんな天界追い出されたアホを私は尊敬したくない。寧ろ尊敬していただきたい。
「っていうか最低でこそ最高だって誰かさん言ってたでしょ」
「ことあるごとに屁理屈を言うのはやめた方がいいよ?」
「あー、わかった。これからは先に手を出すよ」
「嫌われるよ?」
「嫌われてるから大丈夫」うわ、なんて悲しいことを自分で言ってるんだ。
ただの自虐じゃないか。
「お疲れ様…」
「お菓子あげるから今のは忘れて…」
あたしはパーカーのポケットからイチゴ味の飴を渡す。
「うん、忘れる。あ、ついでにポテチを買ってきてよ」
「わかった。明那に頼む」「えー、遊生ちゃんいつ帰ってくるかわかんないじゃん」
「そうかれーとと今頃デート中かもしれないからね」「ちゃーちゃんと俺がデートなんかしてねぇよ…るなちーアホかよ。ずっとこの部屋にいたし…」
「「え、気付かなかった…」」
「え、るーたんも?俺泣くよ?るーたんさっきこっちチラチラ見てなかった?」「いや、見てなかったよ」「勘違い乙ーwwwwwwww」
「るなちー噛むよ」
「まだ地獄に行きたくないんでやめてください噛むなら流雨でお願いします」
「るーたん可愛いし、可愛げあるから無理。いろんな意味を含めて天使だし」
「れーとありがと!」
「もう皆のあたしの扱いの雑さが解らない」