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帰って来たトマホーク(小声)
読者の皆様方においては大変長らくお待たせ致しましたm(__)mようやく続きを書き上げ投稿する事が出来ました。
よもや最終投稿から1年半近くも時間が空いてしまうとは…(-_-;)書かなければ書かなければとは常々思ってはいたのですが全く執筆意欲が沸かず、またどう執筆すれば良いのかも分からなくなってしまい放置期間が空いてしまいました。
読者の皆様方においてはもう内容を忘れてしまった方も多いと思います。かくいう私も内容をほぼほぼ忘れております(オイ)
やはり1年半という空白期間は長すぎたようです。…本音を申しますとここ最近執筆活動から全面的に手を引こうと思っておりました。
本作においては空白期間が1年半近くもあり、また作者の年齢が年齢で以前のように執筆時間が確保出来ないため、正直もう無理だろうと考えていました。
しかし、ここまで心血を注いで続けて来た本作を未完で放置するのも何だかなぁと思い時間を作って今回の話を完成させました。
そして、改めて思ったのが当初のプロット通りに完成させるのは無理!という事に…。
前々からちょくちょく言っておりますが、多分当初のプロットだと完結までにあと100話程度、3~4年ぐらい必要ではないかと(-_-;)
そのため、今後の予定としては執筆を続けるにしろかなりの話数を削ったモノになり、かなりの駆け足で物語が進行していくと思われます。伏線もほぼほぼ拾いません。
まぁ、もうこの作品が忘れさられた遺物であった場合は今回の話が最後になったりはしますが。
とにかく。あと僅かばかりは足掻いて見ようと思っておりますのでご覧頂けたらなぁ、と思っております。
では、次がいつになるかは本当に分かりませんが(打ち切りが確定した場合は活動報告の方で告知します)…また次のお話でお会いしましょう。
カノーネ村の近くに出現したダンジョンの創造主――辻正信はその身に降り注ぐ非常事態に、ただただ混乱していた。
「なんだこれは……」
ダンジョンを作成し攻め寄せる外敵を倒してポイントを稼ぐというPCゲームをプレイしていた最中に光に包まれ、気が付けば自身が作成したダンジョンの中にいただけでも驚愕モノなのに、異世界トリップした事を理解し自らの能力を使って自身のダンジョンを色々と強化して、とりあえずの体制を構築出来た事に喜んでいた矢先に砲撃で地上を守護するエントが全滅したという現実。
「ダンジョンクリエイトはファンタジーな世界だったはず!!なのになんで砲撃なんか受けているんだ!?」
次々と無慈悲なまでに降り注ぐロケット弾の鋼鉄と火の雨を遠見の魔法で見ながら、思わず辻が悪態を吐いた時だった。
ダンジョンを揺るがす振動が辻を襲う。
「っ!?今度はなんだ!?」
砲撃に気を取られていた辻が知るよしもないが、その振動は直上で投下されダンジョンに深く食い込んだMA弾仕様のバンカーバスターによって第1階層から第16階層までが完全に消失した振動であった。
「ご主人!!ご主人ってば!!大変だよ!!」
地震ともまた違う振動に恐れおののいていた辻の肩をサポートモンスターであるサキュバスのフューリアスがバシバシと叩き、辻の注意を自身に向けさせる。
「ハッ、な、なんだ、フューリ」
「第1階層から第16階層までがいきなり無くなっちゃったよ!!」
「ハァ?無くなった?どういうことだよ、それ!!」
「フューリにも分かんないよ!!でも第1階層から第16階層までポッカリ穴が開いていて綺麗サッパリ無いの!!」
「一体何がどうなって……」
次から次へと起こる異常事態に頭が追い付かず、混乱する辻とフューリアス。
しかし、2人が混乱している間にも事態は進行していた。
「なんだこいつら!!」
バンカーバスターで穿った穴からラペリング降下で降りて来た集団――現代兵器で武装したパラベラム軍の強襲部隊があっという間にダンジョンを攻略していく。
「ご主人!!早く指示を出さないとダンジョンが攻略されちゃうよ!!」
「そ、そうだな。今は何よりまず侵入者を食い止めないと……」
辻が混乱から立ち直りようやく侵入者達への対処を行おうとした時には既に第37階層までが攻略されていたのであった。
侵入者である強襲部隊は第17階層に降り立った後、ダンジョン内を制圧してから備え付けの階段で下層に降りるのではなく、降下地点一帯を確保すると手頃な場所にC4爆薬を仕掛け床を爆破。
そこから更に下層へと降りるという裏技的な手法を採用しており、それが驚異的な速さでのダンジョン攻略へと結びついていた。
「状況を纏めるぞ、第1階層から第16階層までが消失して敵は今第37階層を侵攻中なんだな」
「そうだよ、ご主人」
「分かった。とりあえず1000ポイントを使ってゴブリンとコボルトの混成部隊を召喚、1000体の物量作戦で時間を稼ぐぞ!!」
「分かった!!」
ダンジョンを操作するコントロールパネルを使って辻は第37階層にゴブリンとコボルトの1000体にものぼる混成部隊を出現させる。
しかし……
「ゴブリン・コボルト混成部隊全滅!!敵の侵攻速度に変化無しだよ、ご主人!!今第42階層まで侵入されてる!!」
期待した時間稼ぎをする間もなく召喚したゴブリン、コボルト混成部隊は全滅してしまう。
財宝やアイテムを欲して探索を行っている少人数の冒険者パーティー等であれば物量作戦も功を奏していただろうが、辻が今相手にしているのは宝探しや探索などには目もくれず作戦遂行の為、ただただ機械的に侵攻を続ける軍人達であり、また散開もせず橋頭堡の確保と下層への降下を目的とし、押し寄せる有象無象を大人数で橋頭堡周辺に構築した陣地内に篭って鏖殺すればいい強襲部隊にとっては何の問題にもならなかった。
「クソッ、防衛ラインを引き直す!!第50階層でミノタウロス500体でどうだ!!」
ゴブリンやコボルト等の下級モンスターではいくら数を召喚した所で意味がないと判断した辻は防衛ラインを引き直すと共に上級モンスターのミノタウロスを第50階層に召喚し集中運用する事で敵部隊の侵攻を阻みに出る。
「敵部隊とミノタウロス達が会敵したよ!!」
「ここで止まってくれ!!」
「ーーダメ、ご主人!!攻撃は失敗!!敵は第51階層に侵入!!それから別動部隊が新たに出現!!あぁ、更にもう1つ別動部隊がッ!!」
「何……だと!?」
ダンジョンクリエイトの基準であれば敵にもよるが攻略するのにかなりの時間を要するはずのミノタウロス500体ですら瞬殺され、更には敵の増援報告を聞き再度呆けてしまう辻。
「クソッ、各階層ボスは何をやっている!!」
「敵が強すぎてみんな瞬殺されてる!!」
「チッ、役立たず共が!!」
「不味いよ、不味いよご主人!!このままだと1時間も持たないよ!!」
「ク、クソッ!クソッ!クッソオオオオォォォォッ!」
異世界に来てからこれからだという時に突然自身に降り注いだ理不尽な現実に辻は怒りと現実逃避の声をあげ、座っていた玉座の肘置きを殴り付けるのであった。