ずっと好き。
―桜が満開の4月。
なにもかもが始まる4月。
私は憧れの中学生になった。
藤谷佳奈。田舎住で都会に憧れ。
結構なマイペース。人見知り。
恋愛経験なんかない。
好きな人なんていなかったし。
そもそも男子と話すことが
めっちゃ苦手。
だから中学では
克服しようと思ってる。
-クラス分けの結果…。
1年4組。クラスは最悪。
仲良かった子たちとは見事
離れてしまった。
ほとんど違う学校の人だし。
一緒に行動する人いない状態。
これで1年間やっていけるか
めちゃくちゃ心配〜。
その後促されるまま入学式に。
校長の長〜い話のあとに
全校の前で新入生の名前
1人ずつ呼ばれるらしい。
無理無理!恥ずかしっ!!!
そんなこと聞いてないよ〜(泣)
4組だから心の準備の猶予はある。
でもあっという間に
順番ってくるもんだね。
「藤谷佳奈」
「はぁぁい」
やばっ。声裏返ったし。
入学そうそうこんななんて。
第一印象が大事っていうのに。
案の定みんなから
くすくすと笑い声が。
今すぐここから逃げたい〜。
そのあとも色々な歓迎の言葉を
聞かされて入学式は終わった。
散々だったな。
教室に戻って最初のHR。
このクラスは38人。
まずは定番の自己紹介。
出席番号早い子から順番に。
そしてすぐに私の番。
「藤谷佳奈です。これから
よろしくお願いします。」
パチパチとまばらな拍手の後に
「声裏返ったやつやん!笑」
とっさに後ろから声がした。
乙女に向かってそんなこと
言うか~?常識ない人っ。
「松下くん、静かに。」
担任の救いの言葉。
「祐也〜。かわいそうやけん
そんなこと言いさんな!!」
そいつの隣の席の可愛い
女子が笑いながら言う。
あいつ松下祐也って言うんだ。
なかなかのいけめん。
ちょっとタイプかも(笑)
顔に似合わず口が悪い。
これからあいつには
気をつけておこう。
その後は何したっけな〜??
担任の話ずっと聞いてた。
で、やっと中学生1日目終了。
「聞いてよ〜(泣)クラスまぢ最悪。」
学校の帰り道に親友の美沙子に愚痴。
美沙子とは幼稚園からの仲で、
めっちゃ信頼してる子。男子にモテモテ。
「いいじゃん!佳奈のクラスに
結構なイケメンいるって
さっきみんな騒いでたよ。」
「それって松下って人?」
「あ〜。そんな名前の人。
佳奈はどう思う?」
「う~ん。タイプかも(笑)
でも無理。初対面でいきなり
からかってきたんだよ!!」
タイプって認めてる自分。
「そりゃあんだけ声裏返ったら
言いたくなるね(笑)」
美沙子までからかってきた。
入学式やり直したい!!
次の日。教室に入ると
同じクラスの昨日松下と仲良くしてた
可愛い子が話かけてきた。
「佳奈ちゃんやろ?ウチは坂本彩。
彩って呼んで!!これからよろしくね。」
感動〜(笑)こんな子に話しかけて
もらえるなんて。
「よろしく!彩ね。こっちのことは
佳奈って呼んで!」
満面の笑みで答える。
「よっしゃ〜。佳奈!!仲良し極めよっ!」
「ありがとう〜(泣)」
そのとき。
「みんな〜!!おっはよ〜!!」
昨日からかってきた男子登場。
「祐也おっせえ。もう本鈴鳴るぞ!!」
「30分前に起きた(笑)」
それから松下祐也の周りには
次々に男子が集まってくる。人気者!?
「ねぇ彩ぁ〜。松下って人気者??」
私は彩に聞いてみた。
「う〜ん。まぁ小学校ときもあんな感じ。
結構モテてたよ。」
「そっかぁ〜。」
「でもまだ誰とも付き合ったことないよ。
中学ではどうだろうね。」
そうしてるうちに本鈴が鳴って朝の会に。
担任が入ってきた。
「みんな〜。席に着け〜。」
まだみんな緊張しているのか先生の
言うことを素直に聞いた。
「今日から授業始まるぞ。
気を引き締めてがんばれよ。」
そんなことわかってますって。
「じゃあ終わり。チャイム鳴るまで
適用にしてて。」
え〜。それだけですか。
何すればいいんだろ??みんなの観察?笑
後ろを見ると。彩が松下祐也と
楽しそうに話してる。端から見たら
カレカノみたい。なんか複雑…。
え??今自分なんて言った??
ありえない。おかしくなった?(笑)
考えてるうちに
チャイムが鳴って休み時間に。
「佳奈〜。1.2組にイケメンさがし行こっ!」
彩がでかい声で私に言う。
「おぃ!!!イケメンならここにいるだろ!笑」
聞き慣れた声…たどってみると松下祐也。
「はぁ〜??誰がイケメン??雅人くん?笑」
隣にいる彩がすかさずツッコミ。
「俺に振るなよ。笑」
雅人くんとは同じクラスで
松下祐也が1番仲良くしてる子。
こちらもモテそうな顔立ち。
小学校では2人が学年1.2位なほど
イケメンって言われてたらしい。
そんな2人と同じクラスってなんかいい。
「まぁいいや。佳奈、行こうっ!」
「あっ、うん。」
「またあとでね。松下、雅人くん!」
彩が2人に言う。
「何で俺だけ呼び捨てなんだよ〜」
遠くで松下の声がした。
そして私たちは上の階にある教室へ。
「佳奈ぁ〜。イケメンいたらいいね」
「そだね。でも私男子嫌いなんだよね」
「そうなの??なんか意外だぁ!」
周りを見渡してみるとタイプの人は0人。
やっぱ田舎はこのレベルなんかな??
「佳奈、教室帰ろっか…。」
彩が低い声で言う。
「だよね〜。また今度じっくり観察!」
彩と私は以心伝心だった。笑
教室に帰るとすかさず松下が言った。
「お前ら戻るの早っ(笑)」
「また今度出直すもん!」
彩が言い返す。
「ふ〜ん。まぁがんばって。
藤谷も大変だね。こいつに振り回されて」
松下が私に話しかけてくれた。
「ふぇ?全然迷惑じゃないよ!!」
「お前また声裏返ったな!笑」
「裏返ってないし!聞き間違えっ!」
ああ〜。なんか顔が熱いっ。
(キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン)
チャイムが鳴って1時間目に。
1時間目は総合。
係とか色々決めるらしい。
「いきなりだけど今から各委員会の
委員になった人の名前呼ぶぞ〜。
1学期は先生が決めたやつな。」
それから委員になった人の
名前が呼ばれた。私は販売委員になった。
なんか微妙だな。別にいいけど。
「佳奈ぁ〜!あたし体育委員!」
彩が嬉しそうに話しかけてくる。
「めっちゃ嬉しそうやね!よかったやん!
そんなに体育委員したかったん?」
私が言い返すと彩は小さい声で
「だって祐也と一緒なんやもん!」
…えっ??それってどういうこと??
もしかして…。彩って松下のこと好き??
「彩ってあいつのこと好きなん?」
確かめるように聞いてみた。
うんって言わないで…。
「うん。好きだよ。小学校のときから。」
穏やかに微笑みながら彩が言った。
あのかわいい彩が松下祐也のこと好き??
なんかショック。この感じ何??
私って気づかないうちに松下のこと
好きになってたんかな??どうなの自分!
出会ってまだ2日目だよ!
一目惚れ??それとも全てを知って
好きになった??
というか好きなの??まじで〜!?
とか1人で考えてたら
「佳奈どうした?大丈夫??」
彩が心配そうに聞いてくる。
「全然全然大丈夫。彩がんばって!」
おい自分〜。何協力しちゃってんだよ。
「ありがとう。あたし頑張るね。
佳奈も好きな人できたら教えてよ!」
(私も松下のこと好きなんだけど。)
口に出して言えないから
心の中だけで響いた。
彩は小学校のときからだもんね。
出会って2日の私は勝てるはずがない。
この気持ちは自分の中だけに
とどめておこう。
―複雑な気持ちのまま
次は掃除場所を決めるらしい。
先生が黒板に掃除場所を書いていく。
「じゃあしたいところに名前書け〜。
多かったらジャンケンして決めろ。」
私は教室の隣の学習室の黒板にした。
1人でしたい気分だったから。
誰にも見つからないようにこそこそと
名前を書いた。そして自分の席に着く。
そして黒板の方では松下祐也が
「俺学習室したい!教室から近いし。
雅人も一緒に学習室しよーぜ!」
「俺は委員会で決まってる!」
「そうなんだ。まぁいいや。
俺は絶対学習室。」
そういって学習室の欄に
自分の名前を書く。
このまま決まれば掃除場一緒じゃん!
「みんな自分の名前書いたか〜?」
担任が黒板を確認する。
私も黒板を見てみると学習室の廊下の欄に
彩の名前が書かれていた。
彩は絶対に松下狙いだな。
掃除場近いのは嬉しいけど…。
やっぱり複雑だよ。色々と。
「あしたからその掃除場ね。
ちゃんとまじめにしろよ。」
担任の言葉で掃除場決めは終わった。
次は教室掲示用に
自己紹介カードを1人ずつ書いた。
こんなのには手間かけるの好きだ。
夢中になってる内に1時間目が終わる
5分前に出来上がって提出。
なかなかの力作だ。
松下に読んでもらいたいな…。
そんな思いで書いた。
入学式から1週間後。
毎日の放課後の部活動見学の結果、
私と美沙子はバレー部で
彩はテニス部に入った。
バレー部は3年生の先輩が12人で
2年生の先輩20人という大人数。
それに対して1年生は5人だけ。
祐也くんと雅人くんはサッカー部。
サッカー姿見たいな〜。
モテるだろうな~。
つか『祐也くん』呼びしてるし。
それと同時に新しい掃除場所開始。
めっちゃ掃除楽しい!!
学習室にしておいてよかった。
祐也くんが話しかけてきてくれる。
そのときだけは幸せだった。
でもその分緊張もあった。
私って祐也くんにどんな目で
見られてるんだろう??
良く見られてたらいいな。
掃除時間の10分間が唯一祐也くんと
話すことができる。
彩は廊下だったけど真面目にしてた。
それからは忙しい毎日が続いた。
部活の朝練→学校→放課後の部活→塾
これの繰り返し。充実してるって
いえるんかな?
でもだんだんと他のクラスの子とも
仲良くなって友達関係は良好。
その反対に部活はめっちゃ苦労。
先輩多いからサポートしないといけなくて
自分たちの練習は後回し。
奉仕活動と先輩のストレス発散のために
部活に行っているようなもの。
だから全然上手くなってない。
でも!バレー部は体育館で
練習してるんだけど体育館の目の前は
運動場になっててサッカー部見れる。
毎日祐也くんのサッカー姿見れるんだよ。
それが部活での楽しみ。
そんな感じで入学式から3ヶ月が過ぎ、
1学期も残すところ約20日。7月になった。
初めての期末テストも無事終わって
なんだか一段落ついたこの時期。
1年生の恋愛期がやって来た。
周りにはカレカノ続出。
でもなぜか4組には恋愛期はなかった。
やっぱ最悪なクラスだからかなぁ??
女子は変わった子ばっかりだし。
男子はあの2人以外微妙だし。
でも付き合ってる子に聞いてみると
その子も最初は祐也くんのこと
好きだったけど叶わないと思って
やめたらしい。それで同じクラスの
気になってた男子に告られたから
付き合ってる。って言った。
やっぱ祐也くんってモテるんだ。
さすがだ。
とか言って自分も祐也くんの
虜になってるし。
その日の部活でのこと。
1年生は練習の邪魔だからという理由で
運動場の周りを20周走ってこいと
先輩に命令された。
1周300mだからキツイ。
でも祐也くん見れるからいいもん。
私は美沙子と並んで走ることにした。
やっぱり話題になるのは恋の話。
祐也くんのことが好きなことを美沙子に
言うことにした。美沙子は口が堅いし
なにより相談にのってくれるから。
「美沙子ぉ〜。好きな人できたかも」
私が突然言うと
「えっ??まぢで??佳奈に好きな人?
だれだれだれ〜??」
驚いた様子で聞いてくる。
当たり前か。私に好きな人なんて
できたことなかったし。
「う〜んとねぇ。松下さん。」
「松下って松下祐也??あのモテモテの。」
「そうなのです」
「佳奈やったね!!がんばってよ!!」
「ありがとね」
「私も佳奈に言うね。実はその祐也くんと
仲がいい雅人くんのこと好きなんだ。」
美沙子が恥ずかしそうに言う。
「美沙子まぢでぇ〜??美沙子なら
大丈夫だって!!応援してる!」
「ありがとう。2人ともがんばろね」
美沙子が微笑んで言う。
「今日メールしようやぁ!」
「いいよ!たくさん語ろっ!」
その後も恋話は続いた。
帰宅して私はすぐに美沙子にメール。
(佳)美沙子〜!語ろ∀`
(美)なんか好きな人がいるっていいね!
(佳)毎日学校楽しいかも(*´`*)
(美)それ分かる!目合ったらやばい!
ホント雅人くんかっこいい(*´艸`)
(佳)美沙子まぢ惚れたねww
(美)当たり前。同じクラスいいな〜。
(佳)でも祐也くん好きなこと
美沙子にしか言ってないにょ(*¨*)
(美)そうやったんだ!彩ちゃんに
言ってないん??
(佳)これ言っていいんか分からんけど
彩も祐也くんのこと好きなんよ。
(美)まぢかよ('A`;)どうするん??
(佳)たぶん言わないと思う(笑)
(美)そうなんか。まぁ頑張り〜!
(佳)美沙子もね!
そういうやりとりで終わった。
次の日の昼休み。
私は同じクラスの男子に
「これ太田から。」
って言われて紙を渡された。
太田って確か1組で人気な男子。
こっそり中を見てみると…。
《太田が藤谷のこと好きだって》
って書いてあった。でも何かおかしい。
本人が書いたなら「だって」とか
普通書かないでしょ。
こいつら私のこと騙したいんか??
やっぱり男は嫌い。
祐也くんは別だけど。
そして次の日も手紙を渡されたけど
読まずにゴミ箱に捨てた。
そのあとは読んだ方がよかったな〜。
とちょっと思ったけど。
何が書いてあったか気になった。
―数日後。学校は終業式を迎えた。
1学期は色々あったな〜。
思い出すとなんだか懐かしい。
あしたから夏休みかぁ。
サッカー部と部活時間一緒がいいな。
今までは当たり前のように毎日
会ってたけど夏休みとなると難しそう。
1日でも多く会えますように。
そんな期待を込めて
1学期最後のHRを聞いていた。
(キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン)
チャイムが鳴る。
「じゃあまた9月!さようなら」
担任のその言葉で解散。
これから本格的に夏休みだ。
「佳奈〜!夏休み遊ぼうね!」
彩が私に言ってくる。
「もちろん!またメールしよ」
「部活時間一緒のときに語ろね!」
「わかった!ばいば--い!」
「ばいばい!」
そういって私たちは別れた。
―夏休み。
部活だらけの日々。まぢ退屈。
サッカー部は強いらしいから
毎日遠征行ってるんだって。
だから祐也くんに全然会えない。
美沙子も雅人くんに会えないから
2人とも飢えてた(笑)
そんなある日。夜遅くに
美沙子からメールが来た。
(美)佳奈〜。いま雅人くんから
メール来た!!!!!!
(佳)え------!うそやんっ!まぢで?
(美)うんっ。またあした詳しく話すね!
(佳)邪魔したら悪いから今日はこの辺で。
またあした聞かせてよ〜!
(美)ありがとう。またあしたね。
―その夜は私までよく眠れなかった。
なんだか自分のことのように
嬉しくて嬉しくて。
それにしてもいいな〜。美沙子。
私も祐也くんとメールしたい。
「美沙子〜!あれからどうなった??」
次の日の部活で私は興奮ぎみに聞いた。
「幸せな時間やった」
にやにやしながら美沙子は言う。
「詳しく聞かせてもらおうか(笑)」
「まずね、いきなり雅人くんから
メール来たんだぁ!友達にウチのアド
聞いてメールしたんだって。
それでやりとりしてる内に
好きな人の話になってウチの好きな人も
聞いてきた。言いにくかったから
雅人くんは??って聞いたら
俺は美沙子ちゃんのこと好きだよ。
って来たんだよ〜!!!その瞬間失神(笑)
それでウチの好きな人は雅人くんだよ。
って思い切って言った!それだけだよ」
「それだけって…。
それでどうなったわけ??」
「今日はサッカー部休みだから1時に
学校の前で待ち合わせした。
私たちは部活朝からだから1時には
終わるでしょ〜??」
「あなたらは付き合ってるわけ?」
「付き合ってはないよ。
今日会って直接告白するの!
雅人くんが直接がいいって言うから」
「そうなんや〜。がんばり〜!」
「何言ってんの!佳奈もついてきてよ!!
祐也くんも来るかもって言ってたよ!」
「…喜んで行きます。行かせて下さい」
―その日の部活が終わって私たちは
トイレへダッシュ。
色々しなくちゃね(笑)
久しぶりに大好きな人に会うから。
トイレから出てきた私たちは
部活後とは思えないぐらいさっぱり。
汗をふきとって薄く香水つけて
髪型も直して。体操服も正して。
そして学校の正門へ。2人を待つ。
5分後。遠くの方から自転車に乗った
2人の影が見える。
あれは絶対祐也くんと雅人くんだ。
一目見たら分かるほど好きになっていた。
「美沙子!あれ絶対2人だよね!
がんばってよ!応援してるから」
「がんばるね〜」
美沙子は緊張してるみたい。
いつもより違う表情してる。
そして2人がやってくる。
ところが。お互い緊張しているのか
美沙子と雅人くんは目を合わせることなく
雅人くんはその場を通りすぎる。
私と祐也くんだけ目が合った。
でも今は親友優先!
「美沙子。言うなら今日言った方が
いいよ。後で後悔するよ!」
「でも雅人くん通りすぎちゃった。
ホントにウチのこと好きなんかな??」
「好きやなかったらここに来んやろ。
でも約束通り来たやん!」
そのとき。タイミング悪く
部活の先輩数人がやって来る。
「佳奈ちゃん美沙子ちゃん!
こんなとこで何してるん??」
唯一仲良くしてくれている
先輩が話しかけてきた。
「あ〜。えっと…。色々です」
「色々って何よ〜。まさか彼氏待ち?」
「違いますよ〜!2人で話してただけです」
「これからみんなでファミレス行くけど
よかったら2人も行かん?」
「ありがとうございます。
でも今日は用事あるんで…。」
そうやって誤魔化していると
祐也くんが自転車に乗ってきて
美沙子目線で言った。
「雅人がまた今度だって」
美沙子はうなずくだけだった。
「あれって松下祐也やろ??美沙子ちゃん
あの子のこと好きなん?」
先輩は普通の口調で言ってくる。
先輩も祐也くんのこと知ってるんだ。
「違います!絶対に違いますよ!
勘違いしないで下さいね!」
「分かった分かった。そこまで
言われたら本気にしないよ〜。
まぁまたあした。ばいばい」
「さようなら〜」
そういって一段落ついた。
でも…。また今度って…。
「美沙子?今日メールしたら?」
「うん。してみる。
また佳奈にも連絡するね」
「分かった。待っとくね」
そのまま私たちは歩いて帰宅。
帰るまで2人とも無言が続いた。
私は何て話しかけたらいいか
わからなかった。
家に帰ってさっきのことを思い出す。
やっぱり両想いなんやな〜。
そんなことを実感した。
雅人くんはいい人だから美沙子は
絶対幸せになると思う。
2人ともがんばってほしい。
それにしても祐也くん…。
目合ったよね??私見てくれたよね??
それだけが嬉しかった。
やっぱり私は祐也くんのこと好きだ。
この先も。ずっと。
翌日。今日は久しぶりに部活休み。
雨だから家でダラダラすることに。
きのうはあれから美沙子からの
メールはなかった。大丈夫やったんかな?
そのとき。ちょうど携帯が鳴った。
画面を見てみると美沙子からメール。
(美)今日も学校の前で待ち合わせ。
って雅人くんから来たんやけど…。
雨やけん断ってしもうた。
(佳)断ったん??それで大丈夫なん??
(美)う〜ん。なんか怒ってたっぽい。
(佳)また今度にしさいや!
(美)そうだね。今度は私から誘う!
それでちゃんと直接好きって言う(ω)
(佳)美沙子ちゃん偉い( ̄‥ ̄)
(美)ちゃんづけきもい〜(笑)
美沙子がんばれ。私は素直に思った。
―数日が過ぎ、夏休みも
残り半分となった。
今日は初めて彩の家に行く。
待ち合わせまで時間がないから
急いで支度をして家を出た。
私の家から彩の家までは遠い。
必死こいて自転車を漕いでいると
見覚えのある人が向こうからくる。
…あれは確実に祐也くんだ。
祐也くんを見つけるのは得意。
ドキドキドキドキ。
でもそんなに仲良くないから
自分からは話かけられない。
―すれ違う瞬間。目が合った。
なんだか切なくなった。
せっかく会えたのに「バイバイ」も
言えれない。この性格直したい。
彩みたいに祐也くんと普通に話したい。
一緒に笑い合いたい。隣に並びたい。
色んな感情がおしよせてきた。
こんな気持ちになったのは初めて。
―そうしているうちに彩の家に到着!
今どきの洋風な家だ。お洒落。
(ピ〜ンポ〜ン)
「藤谷佳奈です」
そういうとすぐにドアが開いた。
「佳奈〜!どうぞ〜!今日は親も姉ちゃんも
いないから気ぃ使わないでね」
「ありがとう。お邪魔しま〜す」
家に入るといい香りがした。
いつもの彩の匂いだ。
「ウチの部屋2階の一番奥やけん。
先に上がっとって!ジュース持って行く!」
「わかったぁ」
そうして階段をあがる。
一番奥の部屋って何かいいな〜。
ドアを開けると…。目がキラキラした。
「可愛い〜」
それしかでてこなかった。
とにかく「女の子の部屋」って感じ。
ピンクで統一されたその部屋は
彩に似合ってる。こんな部屋で
毎日過ごしてたらあんな可愛い子に
なるんかな?(笑)
私の部屋を思い出す。
統一感なくてごちゃごちゃ。
見習わないとな〜。女磨きしよっ!
足音がして彩が部屋に入ってきた。
「佳奈お待たせ〜!適当にそこらへん
座っててよかったのに!」
彩がジュースとお菓子をもって言った。
そういえば私は立ったままだった。
「彩〜!女の子!」
「何よ女の子って(笑)佳奈もそうぢゃん」
「部屋可愛すぎる!」
「あぁ!ありがとう」
そのあとはお決まりの恋話。
でも今日はちょっと違う。
「佳奈に言ってなかったよね??
実は祐也くんのこと諦めた。
というか他に好きな人ができた」
彩の突然の告白に戸惑う。
「そうなんだ…。いい感じと思ったけど」
表では心配そうに言ったけど
裏では内心嬉しかった。
「夏休みの部活で男子テニス部の
安原くんがよく話しかけてくれて
そのうち惹かれてしまっちゃった。
彼と一緒にいると楽しいの!」
「そうか〜。それならがんばれ!」
「ありがとう。祐也くんはなんだか
遠い存在みたいな気がして…。」
「なんか分かるかもな〜」
祐也くんのことを考える。
いつも周りは友達に囲まれていて
男女に好かれて部活熱心で。
すべてがかっこいい。
悪いところなんて思い浮かばない。
私は祐也くんの全てを好きになった。
「おいっ!佳奈っ!大丈夫かぁ??
何ぼ--っとしてんのよ!」
「わぁ!ごめんごめん!考え事してた!」
「やっぱり佳奈はおもしろいね」
「お褒めの言葉として受け取っとく!笑」
そのあとも色々語った。
小学生時代のこと。クラスのこと。
ときどき祐也くんのこと。
気がつくと夜の7時になっていた。
「こんな時間までごめん!もう帰るね。
ホントに楽しかった〜。ありがとう。」
「こっちこそありがとう!また来て!」
「もちろん(笑)」
「玄関までお見送りするね」
「ありがとう。お邪魔しました〜」
「ばいばい!」
「ばいば〜い」
はぁ〜。楽しかった!
やっぱ親友との会話は弾む!
それにしても彩は祐也くんのこと
諦めたんだ。何か意外。
なんだか気持ちがすっきり。
でも彩の新しい恋は応援する。
それが私にできることだから。
って何1人でまじめぶっちゃってんの??
まぢ痛い子〜。
まぁそれほど祐也くんのことが
好きなのです。うへへへ∩ω∩
今日はなんだか疲れた!
早く寝よう。
―夏休みも残り数日となった。
日付があっという間に変わる。
それだけ毎日充実している。
美沙子の恋。彩の恋。みんなの恋。
夏は恋がはっちゃける時期なんかな??
それに比べて私は恐ろしいほど進展なし。
あぁ〜。祐也くん!
あなたと仲良ししたいです!話したいです!
この気持ち届いてほしいです。
…会いたいです。
美沙子みたいにいきなりメールきて
ほしいな〜。ないと思うけど。
はぁ〜。片思いっていいけど
辛いときもあるんだね。
でも振られたわけじゃないし。
何落ち込んでんだよ!
―夜に彩とメールをした。
そのときに衝撃的なことを聞いた。
(佳)いまカップル多いよね( ̄‥ ̄)
(彩)そだねえ!うらやましっ!!
(佳)彩はもててるぢゃん♪いいな〜!
(彩)何言ってんの!これ聞いた話やけど
祐也の好きな人って佳奈か美穂か紗耶香
の誰かなんだってえ(*¨*)
(佳)うそやろおおお∩ω∩
(彩)ほんとほんと。いいな〜。
あんないけめんにもてて(つω`*)
(佳)でも美穂ちゃんじゃない?
あの子可愛いし!
(彩)分からんよ〜(*´∀`)佳奈かもよっ!
紗耶香は違うと思う。彼氏いるし!
(佳)ぢゃあ美穂ちゃんってことにしとく!
(彩)照れちゃって(//∀//)笑
(佳)照れてません(つд`*)
(彩)ぢゃあもう寝る!ばいばい!
―やばいやばいやばい!!!!!!!!
祐也くんの好きな人…。誰??
気になるじゃん。でもどうせ
美穂ちゃんでしょ??可愛いし性格いいし。
その候補??に入れただけでいい。
祐也くん。あなたの本心が知りたいです。
誰を想っているの??誰に興味があるの??
私はあなたが好きだよ。
毎日あなたを想っているよ。
でも告白なんて勇気がない。
もししたとしてもこの関係は
消えてしまう。それは嫌だ。
だから片思いで十分だよ。
見てるだけで満たされます。
これからも好きでいていい??
迷惑かけてないよね??
…この私の気持ち届いてないよね。
でもいいんだ。これで。
そして。ついについにやってきた新学期。
長い長い夏休みが終わって9月に。
そう!やっとあいつに会える!
私はうきうきで学校の準備をしたあと
るんるんで登校した。
教室に入ると彩はもう来ていた。
「彩!おはよ〜!」
「佳奈〜!久しぶり!おはよう!」
「新学期やねぇ!学校楽しみにしてた!」
「まぢかぁ!佳奈もしかして何かあった?」
「ないよないよ。全然ない」
「そかそか!まぁね。うん。笑」
「彩にやけちゃってる!」
「そんなことないよ!ほら!今日暑いから」
「ごまかすな!暑いかな〜??普通(笑)」
そんな他愛もない話をしていると。
「おっはよ〜!みんな久しぶりぃ!!」
祐也くんがやってくる。
日焼けしてる。似合ってる。
やっぱりかっこいい!!!
会いたかったよぉ(泣)
「ぉお!祐也!また遅刻寸前じゃん!」
雅人くんの一言。
「今日は20分前に起きた!!」
私の20分前はあなたを想ってました。
「おっせ〜。明日ちゃんと朝練来いよ!」
「たたたぶん行ける!」
(キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン)
―ガラガラ
「みんなおはよう!今日からまた
張り切っていこうな。
2学期は体育祭に自然の家に文化祭に…。
色んな行事がまってるぞ。」
久しぶりに担任登場。
あなた…。日焼けしてませんね?笑
というか!自然の家あるじゃん!
1泊2日だけど。楽しみすぎる!
移動はバス。祐也くん隣がいい!
も〜。早く自然の家になれ〜。
色んな妄想してしまう。
―翌日。今日から体育祭練習が始まる(泣)
本番は来週の日曜日。あと10日。
暑いのにホント大変。
運動オンチな人にとっては
ふさわしくないイベント。私はその1人。
私は彩と一緒にペア障害走に出る。
まぁ個人競技じゃないからいいけど。
それと今年はダンスリーダーになった。
率先してクラスみんなにダンスを
教えるみたいな感じ。
内申点あがるらしいよ!
まぁ興味本意でやるだけだけど。
―それから日々は忙しい。
気づけば体育祭当日まであと3日。
練習は順調に進んでいる。
今日は学活の時間に席替えをした。
祐也くんの隣がいいなって願いながら…。
くじをひくと18番。一番後ろの席。
一番後ろはいいんだけど…。
隣祐也くんじゃないし。不気味な人。
くじ運悪いな〜。
でも祐也くんは前の方だから
いつでも後ろ姿眺められる。
それだけは良かった。
恋したら自分が自分じゃないみたい。
そして。体育祭当日。
なんだかあっという間。
朝学校に行くとみんなの髪型が
いつもと違っていた。
ポニーテール率高し。
私もだけどね。彩と約束したの。
「佳奈〜!おはよっ。つか可愛い〜//」
彩が大声で言うからクラスのほとんどが
私の方を見る。もちろん祐也くんも。
「彩も似合ってるよ!」
「ありがとねん☆"今日のペア障害走
がんばろねえ」
「うん。もちろん」
そして運動場へ。
みんな気合いはいってる。
先輩達は髪がもりもり。
(♪)生徒のみなさんは入場門に
団ごとに整列してください。
アナウンスが入る。
「佳奈〜。なんか緊張してきた!」
「大丈夫だよ!こんなに人数いるから
誰が誰だか分からないって!」
そういいながらも祐也くんは
一発で見つけられる。
午前中は出番ないから応援だけしてた。
暑い暑い。無理無理。
そして念願の昼食たいむむむむ!
お弁当を食べて彩と語った。
この時間が楽しい。
そして午後の部へ。
私たちのペア障害走とダンス、
祐也くんの200m走がある。楽しみだあ!
まずはペア障害走。障害走の2人組版
みたいな感じ。結果は…。
もちろん1番!私と彩の最強こんびだもん♪
続けてダンスはでしゃばって踊った。
青春してきたよ(笑)
そしてそして!祐也くんが出る200m走。
よういドンの合図で素早くスタートした
祐也くんは他の走者と差をつけて
ぶっちぎりの1位!かっこいい〜。
走るの早すぎでしょ。モテ要素(笑)
それ以上モテないで〜。
ライバル増えちゃうのっ!
な〜んて考えながら。やっぱり大好き。
他の人にとられたくないという気持ちが
だんだんと強くなっていった。
中学最初の体育祭は大成功!
なんと優勝しちゃった。
同じ団の3年生は泣いてた。
先輩にいい思い出作れてよかったな。
ちょっとは力になれたよね??
その帰り道。今日は部活が休みだから
美沙子とのんびり帰る。
「美沙子〜。かっこいい」
「いやいや(笑)急に何言ってんの?」
「ほんとに好きかも」
「あ〜ね。200m走1番やったね」
「そうそう。そうだよ。」
「なんか暗いね。大丈夫か??」
「うん。たぶんね」
「そういえば体育祭も終わったから
次の行儀は自然の家だね!」
「そっかあああ!それがあった!!」
「今度は何??変わった子やねえ(笑)」
「気にしないでね!考え事!」
「祐也くんと何かあればいいね」
「絶対ないと思う…。」
「分からないよ〜??まぁがんばり!」
そんな会話が続いていた。
家に帰って美沙子にメールした。
(佳)帰宅りん( ̄‥ ̄)
言い忘れたけど席替えしたら祐也くんが
いっつも眺められる席になった!
くじ運最高〜///
―なんてキモいこと書いて送ったら…。
(彩)佳奈??佳奈よね??
―………え??
あ。間違えて彩に送った。やば。
(佳)はい。佳奈です。
(彩)佳奈って祐也好きやったんか〜。
好きな人できてよかったね!
応援するよっ//
(佳)なんか恥ずかしい/////////
(彩)いいじゃん!これからは
隠し事なしだからねっ(*´∀`)
(佳)分かってます(?`)
(彩)じゃあまたねん♪
あした詳しく話そう!
(佳)はっはい…。(笑)
あ--あ。ばれちゃったよ。
まぁそのほうが気が楽だよね。
彩は何でも話せる仲だし。
これで堂々と彩にも祐也くんのこと
話せられる。
火曜日。体育祭の振り替えで
月曜日は休みだった。
だから学校は久しぶり。
これからどうなっていくんだろう…。
色々と。でも自然の家は楽しみたい!
―教室に入ると彩が言う。
「佳奈ちゅあ〜ん☆"おはよう!!!!」
彩がにや顔で言ってくる。
「あああ。おはよう…」
う〜ん!やっぱり恥ずかしい。
今日の5*6時間目は自然の家について。
班決めの結果、彩と一緒になれた。
他にはおとなしめの女子2人の4人班。
だから移動のバスの隣の席は彩。
嬉しいね(´T`)♪るん
それからそれから。バスの隣の列には
男子が座るんだけどなななななんと!
祐也くんと雅人くんペアだった!!!!
やばいやばい。神様ありがとう。
でも祐也くんは通路側の席なんだけど
私はあえて窓側にして通路側を彩に
座ってもらう。だって隣なんて
移動中ずっと緊張しちゃうもん。
も〜。自然の家楽しみすぎる!
ちなみ、自然の家まであと20日。
早く20日後になれっ!
それからの毎日は浮かれていて…。
ネガティブだった私が
何事にもポジティブになった。
恋のパワー恐るべし。
嫌な部活もがんばったりした。
日にちはあっという間に
過ぎていくもんだね。
いよいよ明日は自然の家。
今日の授業はほとんど学活。
明日の最終調整をする。
先生が日程表に沿って確認していく。
体験内容はつまらない。
座禅があるけど1時間ずっと座りっぱなし。
スポーツ体験なんかなくていい。
だってゴルフとか卓球とかだもん。
まぁ部屋とかで楽しもう。
班ごとだから彩と一緒〜。
あした楽しみ!
その日の部活はあしたが自然の家
ということで1年生は休みだった。
だから隣のクラスの部活が一緒の
茉莉と帰った。美沙子は車だったし。
茉莉とは最近めちゃくちゃ仲良くなって
趣味も合うし話が尽きない子。大好き!
話だしたら普通に2時間は超える。
今日も色々話して帰りは楽しかった。
でも茉莉には祐也くんのこと言ってない。
茉莉は恋に無関心だから。それに
言うの恥ずかしいし。何でも話せるけど
それだけはやっぱり言えない。
―ついにやってきた今日!
今日から1泊2日の自然の家!
家族に見送られて私は家を出た。
学校まで茉莉と一緒に行く。
1人で集合場所行くよりも
2人の方が心強いし!
話題はやっぱり自然の家について。
「荷物何持ってきた〜??」
私が聞くと茉莉は
「必要なものだけ!まじめやけ
不要物持ってきてないよ〜(笑)」
とかまじめぶりをアピール。
まぁ本当にまじめだからね。でも天然。
そこがまたいいんだよな。
そういいながら学校到着。
もう半分以上集まってる。みんな早い。
茉莉と別れて私は4組のところへ。
みんな集まってた。私が最後の1人。
私に気付いた彩が言ってくる。
「同じ班の子1人休みだって。
だからうちらの班3人だけ!」
「そうなんだ〜。こんな日に休むとか…。
何かあったんかね??」
「風邪だって!」
「この時期に風邪なんかひくかな〜?」
「ひくんじゃない?笑」
そして出発式が始まった。
先生の言葉のあと生徒代表の言葉で
そのあと諸注意を聞いて終わり。
それより私は早くバスに乗りたかった。
隣にいる彩が話しかけてくる。
「佳奈!うちが祐也にいっぱい
話しかけるけんね!佳奈も話に
ついてきてよ!」
「いやいやいや。聞いてるだけで十分」
なんていいながら。本当は話したい。
そしてクラスごとにバスに乗り込む。
私たちは後ろの方の席。
計画通り私は窓側で彩が通路側。
隣の男子列は窓側が雅人くんで
通路側は祐也くん。結構近い。
私の前の席の通路側は
クラスで2番目に仲がいい莉穂が座る。
莉穂も1学期の間は祐也くんのことが
好きだった。けど諦めた。
この佳奈・彩・莉穂はクラスで
うるさい女子3姉妹って言われてる(笑)
だから盛り上がるだろうな〜!
私は別にうるさくないけど。
そしてバスが出発する。学校から
目的地までは1時間半。
「佳奈〜!いよいよだね♪」
彩が嬉しそうに言う。
「そだねえ。楽しもうね!」
「佳奈は頑張って。色々と(笑)」
「いやいや。頑張りません」
「なんでええ!チャンスだよ!」
「無理無理。ありえません」
「そうかなあ?まあウチは頑張るよ!」
「まぢかあ!応援してます」
「敬語多い(笑)」
―彩は積極的でうらやましい。
くんに告ったりするんかな?
そういえばこの自然の家の間に
祐也くんに告る子いるんかな〜?
そうだったら…。祐也くんは
付き合ったりするんかな?
その子が特別な存在になるんかな?
そんなの嫌だ。祐也くんが他の子に
取られるなんて嫌だよ。
お願いだからそんなことには
なりませんように☆"
「佳奈〜!またぼーっとして!」
「あ〜。またしてた?ごめん(笑)」
「考え事多すぎやろっ」
「乙女は色々と大変なの!」
「佳奈って乙女やっけ?初耳〜!」
「一応乙女です」
「そうなんだあ。覚えとこっ(笑)」
「覚えとってやああああ」
―それから少しの沈黙。
しゃべりっぱなしもキツいし。
それに隣の隣は祐也くんがだから緊張。
なんだかいつも近くにいると緊張する。
だから素の自分が出せない。
祐也くんにいいところだけを
見てもらいたくて演技してしまう。
そんなときに彩が言った。
「ね〜え!佳奈!莉穂!しりとりしよ〜」
「しりとり(笑)小学生みたい!」
「いいじゃん別に〜。あっ!祐也と
雅人くんも一緒にしよ-よ!」
彩は隣にいる祐也くんたちに言う。
「俺らもまきぞえにするなよ」
祐也くんはそう言って笑った。
お〜と!その笑顔かっこいい(笑)
そしてしりとりが始まる。
途中祐也くんがみんなを笑わかせたり
彩が変なことを言ったりして
みんなとのしりとりは
人生の中で1番楽しくて1番緊張した。
そしてあっと言う間に目的地へ着いた。
敷地は広いけど泊まる場所は
なんだか古くてお化けが出そう。
まずは入所式のため体育館に入る。
色々と説明を聞いたあと
各班ごとに部屋へ。
男子は1階で女子は2階。
だから男子とはあんまり会えない。
男子っても祐也くんのことだけど(笑)
あとの男子は興味ない。
私たちの部屋はベッドだった。
ベッドが4個もあるから部屋は狭い。
他の班のみんなはほとんど二段ベッド。
そっちの方がいいな。なんとなく。
荷物整理をしてカヌーの準備をしたあと
私たちは昼食場所へ向かった。
朝食・昼食・夕食とも同じところで
バイキング形式。野菜やからあげや
果物など平凡な食べ物がある。
私は気分的にカレーにした。
昼食のあとはカヌーのために
近くの広い川へ移動。見晴らしがいい。
私は彩とペアでカヌーに乗る。
最初の方はカヌーを乗り回した。
他のカヌーにぶつかったり
遠くの方まで行っておじさんに
助けられたりして楽しかった。
カヌーから落ちそうになったりもした。
でも次第に飽きてきて私は河原にいた
莉穂と河原の石集めをした。
彩はその間莉穂のペアの子と
カヌーに乗っていた。
河原で莉穂としゃがみこんで
石をいじりながら語っていると
祐也くんと雅人くんが近づいてきた。
「お前ら何しよん?」
祐也くんが話しかけてくる。すると
「石拾い!」と莉穂が答える。
「そうなんや。まあ頑張って」
そして2人が行こうとする瞬間…。
祐也くんが振り返って
私を見てにこっとしてくれた。
…えええ〜。今の完全に私目線!
目が合っちゃったし!
あ〜。嬉しいっ!テンションあげ。
そのあとも余韻に浸りながら
私たちはカヌーの時間を終えた。
色々と楽しかった。
宿泊場所に戻ると部屋で彩に報告。
ちゃんと喜んでくれた。
そしたら彩も安原くんと話せれたらしい。
よかったよかった。
自由時間になると外へ出た。
広場では遊んでる子がいたりする。
その中で数人がサッカーで遊んでいる。
その集団をよく見ると紛れもなく
祐也くんたちだった。ここへ来てまで
サッカーするなんて…!
やっぱり上手いしかっこいい。
―そして夕食。お腹すいたな〜。
私はまたカレー。そしてみかん。
他に食べるものがなかったから。
一旦部屋に戻って座禅のため
体育館に向かった。
これから1時間座りっぱなしで
話したらいけないと思うと憂鬱。
まあ私はずっと寝てた。ときどき
パシンッという誰かの肩を叩かれる
音がした。みんな偉いな。
風呂に入って部屋に戻って寝る準備。
消灯の時間になり
部屋の電気は無理矢理消えた。
彩とオールする約束だったけど
ちょくちょく先生が見回りに来るし
彩は先に寝たから私も寝ることにした。
でも何だか眠れない。
ずっと祐也くんのことを考えてた。
起床して私たちは朝のつどいへ。
今日1番初めに会った男子は祐也くん。
外に出るとすぐにいたんだよね。
ちゃっかり目も合った。
ざっと朝食を済ませて準備をしたあと
市内の名所を回るウォークラリー。
班ごとに回っていく。
途中、祐也くんに会った。
話しかけてくれたけど全部彩が答えた。
佳奈もちゃんと話しさいって
言われたけどなんか無理。
だって目が合っただけで喜んでる程度。
話すなんてレベル高すぎ。
だからいつまでたっても進歩ないんだな。
ゴールして最後の昼食を食べたあと
気分が乗らないまま荷物整理。
もう自然の家も終わったも同然。
あとは帰るだけ。なんだか早かった。
職員の方にお礼を言ってバスに乗った。
みんな疲れてるみたいでバスは静か。
雅人くんなんか窓に寄り添って
カーテンで顔を隠して眠ってる。
私もタオルで顔を隠して寝たフリをして
流れていく景色を眺めていた。
でも彩と莉穂の会話は聞こえている。
―数十分後彩が祐也くんに話しかける。
「ねえ祐也ってこの自然の家で
誰かに告られた〜?」
「はあ?んなわけないやん!」
祐也くんは答える。
「そう?あると思ったけど」
「ないない。全然ないし。」
「へえ〜。以外」
「でもカレカノっていいよね」
「祐也にもそんな感情あったんだ」
「男はあるの(笑)お前らは?」
「あるっちゃあるね。莉穂も?」
「う〜ん。やっぱりあるかも。
下の名前で呼びあいたい!」
「俺それ分かる(笑)」
「まぢで?じゃあ今から練習してみなよ!」
「何で?突然すぎ。普通に嫌。ハズい」
「男はぐちぐち言わない!
じゃあまずうちの名前から!」
「いきなりすぎやろ!」
「いいのいいの♪」
「………あや」
「おお〜」
「うるさい。もう嫌や」
「うちだけじゃダメやろ。次は莉穂!」
「分かったよ…。じゃあ……りほ」
「慣れてきたね(笑)じゃあ次は佳奈!」
「ええぇぇ〜」
「わあ!祐也顔赤くなってる」
「うるさい!」
「はいはい!佳奈の名前は?」
「……かな……」
その瞬間私は起き上がった。
みんなびっくりする。だって寝てた子が
急に飛び起きたんだから。
まあ寝たふりしてて話の内容は
全部知ってるけど。
「佳奈?大丈夫?(笑)」
「いま誰か呼んだよね?」
「佳奈今の声聞こえた?ウチは全然
聞こえんかった。莉穂は?」
「うちも聞こえん。佳奈すごいね」
「そうかね?」
「まあ祐也!ウチと莉穂には
聞こえんかったけんもう1回」
みんなの視線が祐也くんに集まる。
祐也くんは焦っている。
「祐也!2文字言ったらいいだけぞ!」
祐也くんの後ろの席の男子が言う。
やりとりを聞いてたみたい。
いつのまにか雅人くんも起きてて
祐也くんに注目。
「ほ〜ら!祐也!佳奈も雅人くんも
起きたことだし!これ練習だって!」
祐也くんはなかなか言わない。
照れてるっぽい。
期待しちゃうじゃん。
「……か…な…」
祐也くんは小声で言う。
「全然聞こえないし。佳奈聞こえた?」
「え?あ、うん」
聞こえてないけど祐也くんが
かわいそうだから嘘をついた。
「佳奈と祐也って不思議だね(笑)
つか2人とも顔真っ赤!」
「だって彩が変なこと言うから…」
「このまま祐也に佳奈と
付き合いさいって言おうか?」
彩がこそこそ言ってきた。
私はすぐ首を横に振って却下。
ありえないっしょ。
隣を見ると雅人くんが祐也くんに
何か言っていた。
もう〜。緊張あんど気まずい。
でも嬉しかったな♪
私たちは無事に学校に着いて解散。
ほんとに楽しかった。特に帰りのバス。
思い出すだけで恥ずかしくなる。
でも祐也くんに下の名前で2回呼ばれた。
好きな人に呼ばれると嬉しい。
そして月曜日。
これからは普通に授業。退屈。
でも今日は学活の時間に席替え。
適当にクジを引いて…
場所は一番後ろになった!嬉しっ!
それでなんとなんとなんと!な〜んと!
祐也くんがと・な・り!!やびゅ〜!!
神様ありがとです。1ヶ月祐也くんの隣!
祐也くんの前の席の子は
帰りのバスで祐也くんをせかした子。
そして残りの時間は自然の家の反省
として1人ずつ紙に思い出を書いた。
私が書いてるときに祐也くんの
前の席の子が祐也くんに言った。
「祐也〜!バスでの続きして!」
「何?続きって」
「藤谷の下の名前呼ぶやつ」
「何でまた…。急に…」
「いいじゃん。俺聞きたい。
藤谷の聞こえなかったし」
「藤谷嫌やろ?」
祐也くんが私に聞いてくる。
「う〜ん…」
嫌じゃないとは言えない。
「ほら。お前のせいで困ってんじゃん」
「困ってないやろ!祐也に言われたら
女子はみんな嬉しいって(笑)」
「お前〜。絞めるぞ(笑)」
「いいよ別に〜!ほら!言って!
藤谷もちゃんと聞いとけよ!」
「うん…」
それから祐也くんは決心した顔で
「……かな」
ちゃんと聞こえる声だった。
祐也くんは顔が真っ赤。
「祐也が言った!すごい!」
「お前〜!ハズいんよ!」
そう言って祐也くんは
教室の隅の方へ行った。
そしてせかした子が私に言う。
「よかったね。祐也に言ってもらえて」
「そうかね?」
そして祐也くんが戻ってくる。
「藤谷今こいつに何言われた?」
「え??別に…」
「顔赤いぞ〜」
「だって…まあ…」
「まあいいや!俺も言えたことだし」
「お疲れさまでした」
「どうも(笑)」
あ〜びっくり!
いきなり続きなんて…。
ま、よかった♪この席最高〜!
数日後。彩の様子がおかしい。
朝からにやけてばっかり。
聞いてみると安原くんと
付き合ったみたい。
すごいな〜。うらやましすぎる。
追求すると彩がメールで告白したみたい。
そしたらすぐに返信がきて
二人は両想いというのが判明。
それで流れで付き合ったみたい。
そんな勇気がほしいです。
11月に入った上旬。
この席の特権は思わぬところで
その役を発揮した。
この席は祐也くんとその前の子との
会話が全部聞こえる。
もちろんこの日も全部聞こえた。
「ねえどうしよ。
今日言った方がいいよね?」
祐也くんが前の席の子に言う。
「言っときさいや〜。絶対大丈夫てや」
「でもなんか言いにくい…」
私はその話を聞いてだいたい分かった。
祐也くんが今日誰かに告白するってこと。
でも誰だろ。なんだか期待してしまう。
「じゃあ電話にしたら?番号教えようか?」
「いや〜。電話はさすがに…」
「それなら直接だね!」
「う〜ん。緊張する〜」
「祐也に言われて振るやつなんか
いるわけないっしょ」
「それはないやろ…」
「まあ自信もって!頑張って」
「おう」
「結果教えてよ」
「おう」
はい。私じゃないんだね。
あの子に番号教えてないし。
ショックすぎてやばい。
誰誰誰誰??祐也くんの目に
いつも輝いている子は誰??
思い当たる子は誰もいない。
少し期待していた自分が恥ずかしい。
その後の部活で私は美沙子に言った。
「祐也くん今日誰かに告白する……」
「何で?どうしたん急に…」
「会話聞いてたら100パーセント
告白の話だった。祐也くんの」
「でもまだ分からないでしょ?」
「私じゃないことは確かなんだ」
「そうなんだ…」
「美沙子〜。なんか悲しい。
祐也くんが誰かの彼氏になるって
悔しいよ…」
「そうだよね…。嫌だよね…」
「うん…」
帰宅してからもテンションは上がらず
祐也くんのことばかり気になった。
誰が好きなんですか?もう告白しましたか?
誰かの彼氏になりましたか?
私のことどう思ってる?
今幸せ?嬉しい?
祐也くんは誰を見ていたの?
私はずっとずっと前から
祐也くんのこと見てたのに…。
次の日も気分はすぐれないまま学校へ。
あいにく祐也くんは来ていない。
昨日どうだったんだろう。
―そのとき本人が教室へ。
いつもと変わらない。
でも目が合ったのにそらされた。
もうお前には用がないってこと?
それから数日たっても誰かわからない。
だから私は彩に聞いた。
彩が言うには祐也くんは1組の早川美夏
っていう子と付き合ったらしい。
私はよく知らない子。
陸上部なのは知っている。
部活が終わったあとに祐也くんから
告白したらすぐにOKという返事が。
2人は恋人同士になった。
素直に喜べない。
美夏ちゃんに嫉妬してしまう。
何で君なの?って。
一部の女子には嫌われてる子なのに。
そんな子のどこがいいの?
祐也くんと接点あったかな?
でも祐也くんも祐也くんだよ。
私に期待させておいて…。
私の初恋は見事に砕けた。
ある日私は彩と美夏ちゃんのところへ
話を聞きに行った。
すると美夏ちゃんは祐也くんからもらった
手紙を見せてきた。
「今日も一緒に帰れる?」
だってさ。直で言えって話。
この前も一緒に帰ったらしい。
はっきり言って幸せそうだった。
そのあと教室で私は彩に
これから好きな人どうするの?
って聞かれた。私は祐也くんを見ながら
元からそんなに好きじゃなかったから
別にいいって言った。嘘をついた。
本当は大好きなのに…。
美沙子にも同じことを言って
全然傷ついてないふりをした。
本当は傷つきすぎているけど…。
クラスでの祐也くんは
いつもと変わらないけど
男子との内緒話をしてるのを
よく見かけるようになった。
内容は美夏ちゃんのことだよね。
その頃から美夏ちゃんは1年の女子から
嫌われるようになった。
理由はただ一つ。
祐也くんと付き合ってるから。
みんな羨ましいのだと思う。
あいつが付き合えるならうちだって
付き合えるって思ってると思う。
でも2学期の期末テストの時期も
2人は続いていた。
祐也くんは美夏ちゃんと一緒に
テスト勉強するらしい。
これは自然と耳に入ってきた。
1学期末テストの祐也くんの学年順位は
50位。頭いいんだ。
私は48位だったから近い。
近かったことが嬉しかった。
私は美夏ちゃんに負けないように
必死に勉強した。
祐也くんにも負けないように。
見返してやりたくて。
そして帰ってきた結果は学年順位23位。
よく頑張ったよ、うん。
私の後ろに130人もいる。
期末テストが終わると次はマラソン大会。
寒いのに半袖で走らないといけない。
そんな中私は衝撃的なことを聞いた。
マラソン大会で祐也くんが学年1番に
なったら美夏ちゃんとキスするってこと。
美夏ちゃんが提案したらしい。
調子乗るなバカ。
それだけはやめて。もう勘弁してよ。
というか何それ…。
祐也くんはそれでいいんかな?
マラソン大会当日は肌寒くて
まるで私の心の中みたいだった。
永遠の寒さ。太陽が出ても
全然暖かくならない。
私は彩と一緒に走った。
順位は40番でまあまあだった。
そのとき1年の男子が帰ってきた。
あいにく祐也くんは1位でゴール。
美夏ちゃんは喜んでいた。
「あ〜あ…」
私は1人でつぶやいていた。
祐也くんは美夏ちゃんのために
頑張ったんかな?
それとも実力ですか?
でも2人がキスを実行したという情報は
誰からも聞かなかった。
よかった。しなかったんだね。
そして2学期も残り少なくなった12月。
私たち女子の耳には朗報が入った。
祐也くんと美夏ちゃんが別れた。
理由は美夏ちゃんの性格が
思ったよりも合わなかったから。
それにマラソン大会のことが
罰ゲームみたいだから。
祐也くんから振ったらしい。
一部は自分から告白しておいて
振るって…。とか言ってたけど。
そんなことはどうでもいい。
純粋に私は嬉しかった。
祐也くんは誰の彼氏でもなくなった。
肩の荷が一気に下りた。
―冬休みはあっという間に過ぎた。
1日も祐也くんに会ってない。
その間は部活の毎日。
そして3学期になった。
1年生生活も残り少ない。
たくさん思い出作らないと。
学年のカップルたちはだんだんと
別れ始めた。彩もその内の1人。
安原くんに好きな人ができたらしい。
その子に告白してだめだったら
彩と付き合ったままにするって
言われたらしいけどなんか腑に落ちない。
彩は利用されてるだけ。
だから彩から振ってやったって。
付き合うって色々大変なんだね。
私はそんな経験ないから分からない。
分かりたくないな…。
2月といえばバレンタイン。
私は本命なんてあげない。
というかあげれない。
みんなには「好きな人がいない」
ってことになってるから。
それなのに渡したら変だし。
だから女の友達だけにあげる。。
私は料理が全くできないから親に頼んで
ガトーショコラを作ってもらった。
それを友達に配った。
みんなからは好評で男子の前で
「佳奈のやつ1番おいしかった〜」
なんて言われたから料理上手と
思われたかな?(笑)
でも祐也くんに渡したかったかも。
だって朝教室に入ったら祐也くんの
視線がび〜んって来たもん。
期待してましたか??
―あっという間に時は過ぎるものだね。
とうとう終業式になってしまった。
嫌だ。この日を迎えたくなかった。
憂鬱なまま最後のHR。寂しい…。
祐也くんとクラス離れたらどうしよ…。
そして最後のチャイムが鳴った。
一斉にみんな立ち上がり担任と
さよならのあいさつをする。
これで終わりか…。
1年4組。この教室にはたくさんの
思い出がある。
祐也くんと1年間過ごした。
大切な友達だってできた。
3年間このクラスでよかったのに。
みんな…。ありがとう。
―4月になった。またこの時期になった。
出会って1年だね。
祐也くんに片思いして1年だね。
2年生でも祐也くんと同じクラスがいい。
離れたくない。接点がなくなってしまう。
話せれなくなってしまう。
そんなことを考えただけで胸が痛い。
そんな思いでクラス替えの紙を見た。
―私の名前はすぐに見つかった。
2年2組。美沙子と一緒だった。
それは本当に嬉しいんだけど…。
祐也くんと離れた。離れた。離れた。
神様のいじわる…。
つながりを失ってしまった。
これからはただ見つめるだけ。
すれ違うだけになるね。
体育も離れた。せめて一緒だったら…。
も〜う。本当にショック。
これから過ごしていけるかな??
「佳奈〜!一緒ぢゃん〜♪」
この声は美沙子だ。
「そだね〜。よかったよかった!」
それは本当のことだ。
「これからもよろしくっ」
「こちらこそ!」
2組での友情関係は大丈夫かな?
美沙子がいるだけで心強い。
それに莉穂とも一緒になった。
部活には新入生が10人入り
私たちは先輩とよばれるようになった。
なんだかくすぐったい。私が先輩なんて。
私たちの先輩はもう少しで引退するから
この子たちとは上手くやらないと。
―2組の教室は楽しい。男子はボケる人
ばっかりいて賑やか。
授業はいつもうるさかった。
そんなクラスは私に合っていた。
ずっと笑いっぱなし。
休み時間は美沙子と教室で語ることが
多かった。それかトイレに行くか。
トイレに行くときは祐也くんの
クラスの前を通る。
すれちがうときもある。
でも何も起きない。
こっちが一方的に見るだけ。
時々目が合うのを楽しみにする。
目が合うだけでテンション上がる。
そんな私の唯一の楽しみは茉莉の話。
茉莉は祐也くんと同じクラスだから
祐也くんの話題が出ることがある。
それを部活中に聞く時間が楽しい。
時々うらやましいと思うときもある。
1年のときを思い出してしまう。
―何事もなく過ぎ去った1学期。
充実してるんかな??
祐也くんとは一言も話さなかった。
話せれなかった。きっかけがなかった。
夏休みも会える時間少ないよね…。
サッカー部は強いから遠征に行く。
祐也くんには頑張ってもらいたい。
でも…。会いたいよ…。
ずっと見ていたいよ…。
でも長い夏休みの間で私は祐也くんに
対する感情が薄くなっていた。
会えてないからかな?
他に好きな人ができたんかな?
(それはないと思うけど)
祐也くんに気づいてもらえないからかな?
どれににしても前よりは
想うことが少なくなった。恋愛停滞期?
なんか自分がおかしい。
つい最近まで好きだったのに。
去年の今頃は恋に燃えてた。
祐也くんに自分を見てもらいたくて。
好きになってもらいたくて。
でも今はそこまでじゃない。
どうでもよくなってきた。
2学期になってもそうだった。
久しぶりに会えたのに喜べない。
でも男子の中では特別。なんだろうね。
こんな感じは初めてだ。
嫌いじゃない。
大好きでもない。
だからといってすれ違うときは
意識してしまう。
今年も体育祭の時期。
私は美沙子とクラスで男女2人ずつしか
なれない応援リーダーになった。
応援タイムのときには特に目立つ。
学ランを着て男女で踊ったりする。
祐也くんも応援リーダーになったらしい。
相手の子がうらやましい。
でも応援リーダーの仕事は結構大変。
でも美沙子がいるから楽しかった。
みんなが練習してる間はサボれるし。
私の応援タイムの相手は山本柊くん。
クラスで権力握ってる男子。
女子の間ではモテてるらしいけど
私にはその魅力が分からない。
顔は普通だし。話したことないし。
山本のこと好きな子からはうらやましい
って言われたりしたけど…。
どうだろうね?
代わってあげてもいいんだけど(笑)
―体育祭当日。
今年はポニーテールじゃない。
そこまで気合いが入ってないから。
練習のとき祐也くんが
他の女子と踊ってるのを見ると複雑で…。
やっぱり好きだと思う。
でも自分からは好きなんて言えない。
たったの2文字なのに。
―応援タイムになった。
各団ごとに3分ずつしていく。
男子嫌いだけど私は頑張った。
だって柊くんと肩を組んで
校歌を歌ったり踊ったり…。
最後なんか手でハートを作ったりする。
こんなとこ祐也くんに見られたくない。
なんだか恥ずかしかった。
親にも真正面で見られた。
私たちの次は祐也くんたちの団だけど
見る気にならなかった。
無理無理。
目をそらしてしまう。
―体育祭も無事?に終わりを迎えた。
全然無事じゃなかったけど。
恥ずかしい。それだけ。
体育祭後の片付けの時間からは
好きな人がいる人にとっては特別。
体育祭のときに付けたはちまきを
好きな人と交換することができる。
告白みたいな感じになる。
もちろん友達同士で交換もできる。
でも私は1つ心配なことがあった。
祐也くんが他の女子とはちまきを
交換するのか。
好きな人いるんかな?
祐也くんの噂は全然入ってこない。
だからよく分からない。
密かに彼女いたりして。
ここに1年以上祐也くんのこと
好きって人がいるのに。
―2年の仕事はイスの片付け。
運動場に出ているイスを倉庫にしまう。
でも面倒だから私はみんなと固まって
色々話をしていた。
その間も祐也くんのことが気になって
話しながらも彼を探した。
彼はすぐに見つかった。
その瞬間目が合った気がした。
向こうはずっと前からこっちの軍団を
見ていたみたい。
私の30メートル先の正面に
雅人くんといる。
すると祐也くん1人がまっすぐ私を見て
こっちに向かって歩いてくる。
手にはちまきを持って。
その瞬間。
《ドクンッドクンッ》
私は初めて自分の心臓の音を聞いた。
正直びっくりした。
なんだか耐えきれなくなって
私は横にいた子を無理矢理連れ出して
トイレに逃げた。
自分の行動がおかしい。
まず何がしたかったのだろうか?
たぶん妄想してるんだと思う。
祐也くんは私にはちまきを交換して
もらいたくてこっちに来た。
そんな都合のいいように。
それで怖くて逃げてしまった。
実際怖いのは事実だった。
なんだかよく分からないけど。
でも目線は完全に私の方向だった。
でも違う人かもしれない。
もしかしたらはちまきを交換しに
歩いてきたのではないかもしれない。
色々な思いが入り交じって
複雑に交錯した。
誰もほどけないほど複雑に。
それを解ける日は来るのだろうか。
それにしても自分が情けない。
何で逃げたわけ??
自分じゃないかもしれないのに。
妄想しすぎ。
冷静に判断するべきだった。
結局私は誰ともはちまきを
交換しなかった。
数日間は大事にとっておく。
いつか祐也くんに交換してって
言われたらいけないから。
ないと思うけど。
でも1週間たっても何もなかった。
それどころか嫌なことがあった。
祐也くんのことを好きな子が
ダメ元で祐也くんにはちまき交換を
依頼したらすんなり
受け入れてくれたらしい。
その子は美沙子の親友で
いつもテンションが高い子。
祐也くんと一緒の塾に通ってて仲もいい。
私もその子と仲はいいけど
そこまでじゃない。
それにしてもうらやましい。
後日美沙子が言うには
そのはちまきを交換してもらった子は
一晩中祐也くんのはちまきを
臭ってたらしい。「いい臭いだ」って。
そりゃそうだよ。祐也くんが体育祭中
ずっとつけてたんだもん。
そして夜中まで祐也くんと
メールしたらしい。
美沙子がそのメール見たらしいけど
祐也くんはその子に対して普通に
ハートマーク使ってたみたい。たくさん。
付き合ってるカップルみたいに。
私がはちまき交換を依頼したら
祐也くんは交換してくれたかな?
みんな勇気があっていいな〜。
それに比べて私なんか逃げてばっかり。
だからいつまでたっても進歩しないんだ。
自分に腹が立つ。情けなくて。
だからこの性格嫌なんだ。
まず祐也くんのこと好きだというのを
誰にも言ってないところからダメだ。
でも誰かに言うと噂で広まってしまう。
そんなのは嫌だった。
どうしていいか分からない。
体育祭の次は中学生活の
一大行事の一つ。修学旅行がある。
私たちは3泊4日で京都・大阪へ行く。
京都では1日自由で大阪では1日中
USJで遊ぶという結構いい日程。
他にも魅力的なことが色々ある。
バスの中も盛り上がるだろうし。
だから楽しみで楽しみで仕方なかった。
―修学旅行の準備期間には色々あった。
まず修学旅行の2週間前には美沙子に
同じクラスの彼氏ができた。
その彼氏は私と1年のとき同じクラスで
自然の家のときのバスの中やその翌日に
祐也くんをせかした子。
美沙子は同じ時期にもう1人に
告白されたけどその人は性格が悪いし
みんなに嫌われてたから振ったらしい。
そして美夏ちゃんにも彼氏ができた。
これまた同じクラスの山本柊くん。
そう。私の体育祭の躍りのときの相手。
2人は前から両想いだった。
美夏ちゃんは祐也くんのこと忘れたの??
まあお似合いなんじゃないかな?
実際に柊くんは私にも優しくしてくれた。
隣の席になったときに私の席に間違えて
男子のノートが配られて男嫌いの私が
どうしようか迷っているとそのノートを
何も言わずに取って本人に返してくれた。
何も言わずにってとこがいいね。うん。
初めてだったよ。あんなこと。
私は小さい声でありがとうと言った。
なんだか恥ずかしくなって…。
私たちの班は仲良し4人組。
もちろん美沙子も莉穂も一緒。
京都では最初に清水寺に行く。
お目当ては『恋占いの石』や恋のお守り。
それでみんなは騒いでたけど
私は買わないと誓った。必要ないもん。
それで恋がかなったら苦労しないよ。
それに親に見られたら嫌だし。
まあ計画を立てるのは楽しかった。
早く行きたいという気持ちが日に日に
増していった。
―修学旅行当日。
今日から4日間は目的地も晴れで
天気には困らなかった。よかった〜。
1日目は移動とクラス別研修。
私たちは関西国際空港へ行く。
―バスの中はおおはしゃぎ!
のはずだったんだけど…。
それは最初だけで時間が立つにつれて
静かになっていった。
寝てる人が3分の2以上いる。
実際に私も眠たいんだけどね。
極限まで美沙子と語っていた。
いつの間にか眠っていて
目を開けた頃には辺りの景色は
まるっきり変わっていた。
空港。飛行機がたくさんある。
関西国際空港だあ〜!!
一気にテンションが上がった。
ってことはここ大阪じゃん!すご〜い!
見学もちゃんとしないとね♪
―ホテルに着く頃には夕方になっていた。
夕食をみんなでとって部屋に戻った。
今日の部屋は美沙子と一緒じゃない。
莉穂と一緒だけど先に寝ちゃって
私もすることがなかったから寝た。
2日目。今日は京都班別研修。
自由行動みたいなもの。
私たちは同じクラスの
他の班の人たち8人と一緒に行動した。
その中には彼氏持ちが3人いる。
まずは清水寺へ。
おみくじをひくと『半吉』だった。
こんなの初めてだ(笑)吉が半分って…。
そして莉穂たちは恋のお守りを買った。
美沙子たち彼氏持ち3人は
恋人守りを買った。恋人同士で持つもの。
私は本当に何も買わなかった。
清水寺からの帰りにネックレスに
文字を刻むことのできる店があった。
そこで美夏ちゃんは自分の名前と
柊くんの名前を刻んでもらった。
でもこれって別れたときに
どうするつもりだろう。
いらなくなるだろ。って思った。
―その後は昼食をとって
ショッピングセンターに行った。
田舎にはにはないブランドの店で
たくさん買い物をした。
こういうのは莉穂と気が合うから
一緒に回って楽しかった。
おそろのバックも買った。
―時間はあっという間に過ぎ
集合場所に戻るとそこのショッパーを
持っていたのは私と莉穂だけだった。
だからみんなにうらやましがられた。
―2・3日目のホテルは一緒。
でもそこは豪華すぎる。1日目と大違い。
私たちの部屋は25階。美沙子と2人部屋。
早めに布団に入って2人で語った。
美沙子の彼氏のことや
学年の男子の評価などをしていた(笑)
オールするつもりだったけど
美沙子が寝てしまったから私も寝た。
昨日と一緒のパターンだ。
3日目は待ちに待ったUSJ。
1年のころから楽しみにしていた。
私は行く前はジェットコースターに
乗る気マンマンだったけど実物を見ると
そうはいかなくなった。
高すぎる。早すぎる。怖すぎる。
これ乗るとか考えられないと思ったけど
みんなが乗るっていうからしぶしぶ
ついて行った。
乗ってる最中のことは覚えてない。
何が起きたかわからなかった。
でもいい思い出になった。
今でもあれに乗ったなんて偉いと思う。
自分で自分を誉めていた。
そのあとは色んなアトラクションに乗って
やばいくらいとにかく楽しかった。
はしゃぎまくった。写真もとりまくった。
思い出がたくさんできた。
だからホテルに着くと1時間仮眠。
そのあと部屋に美夏ちゃんが来た。
部屋に備え付けの電話で
柊くんに電話をしたいらしい。
それで彼氏がいる美沙子を誘いに来た。
美沙子は恥ずかしながらも電話を
したいと言った。
だから私たちの部屋の電話で電話した。
運良く2人の彼氏は同じ部屋らしい。
私はどうしようもできないから
電話をする2人の横で
1人テレビを見ていた。
話の内容はよくわからなかったけど
楽しそうだったのは確かだった。
いいないいな〜。
祐也くん〜。ここに電話かけて〜(笑)
―消灯の時間になり美夏ちゃんは
自分の部屋に帰った。
それから美沙子と夜中の3時まで語った。
恋する女子は輝いてるね。
あっという間の4日目。
今日は帰るのがメインになる。
帰るのは嫌だけどバスの中は楽しいから
別によかった。
男子が盛り上げて女子が笑う。
みたいな感じ。担任もふざけている。
最初の方はDVDを見てそれから
カラオケをしたり音楽を聞いたりした。
途中にあるトイレ休憩では
祐也くんに会える確率が高いと思って
毎回トイレに出かけた。
私の予測通り祐也くんに数回会えた。
それからのバスの中も楽しくて
気づいた頃には地元に着いていた。
がっかりだったけどみんなとの
思い出ができたし楽しかったから
心残りはない。たぶんね…。
今回も何も起きなかったのが残念。
自意識過剰なのかな?
自分から行動起こさないとダメなのかな?
私の今の現状は最悪。
まず未だに祐也くんを好きなことを
誰にも言っていない。
私はみんなから見て『好きな人がいない』
ってことになっている。
それに私の友達が祐也くんのこと好き。
その子はみんなに言っているから
みんなに協力してもらっている。
それは祐也くんも気づいている。
私とは正反対。
最悪だよおおお〜。
―修学旅行から帰った後日。
部活のあと久しぶりに茉莉と語った。
茉莉は色々話してくれた。
私が知りたくない事実も全部。
まず4組のバスの中では祐也くんが
とんでもない行動を起こしたみたい。
バスの中で茉莉の隣に
座っていたいつめんの子が
茉莉の肩にもたれて寝てたらしい。
そこに祐也くんがわざわざ移動してきて
茉莉に『その席変わって』って言って
言われた通り茉莉は変わったらしい。
その子は茉莉と祐也くんが
入れ替わったことに気づかず
そのまま祐也くんの肩にもたれて
30分くらい寝たらしい。
その間他の男子たちはヒューヒューとか
言っていて祝福?してたらしい。
あとから茉莉がその子に聞いたら
「肩の位置が高くなって香水の匂い
したけどまさかあいつとは思わんかった」
って言っていたと言った。
う ら や ま し い 〜 //
祐也くんの肩に30分ももたれたの?
最高ぢゃんか〜。
やばやばやば〜。
そして茉莉はもう1つ教えてくれた。
そのバス事件のあとに起きたこと。
2日目のホテルで部屋に備え付けの電話で
祐也くんは女子と電話したっぽい。
その女子とは私と同じクラスの子で
1年生の最初の方にモテていた子。
本当に電話したかは定かではないけど
その子と同じ部屋の子が
言っていたらしいから本当なのだろう。
祐也くん〜。誰が好きなの??
はっきりしてくれませんか??
私はあなたの行動と言動で
日々こんなに悩まされています。
はっきりした方が諦めつくかも。
諦めれないと思うけどね。うん。
それから数日たったある日。
私は大嫌いな人に告白された。
不潔で顔乙で性格が俺様で地味で
いいところがない。
嫌いアピール出してたのに。
それなのに告られた。手紙をもらった。
美沙子から渡されたから美沙子からの
手紙だと思って読んだら…。
まず字が汚い。そしてルーズリーフ4行に
びっしり愛の言葉がかかれていた。
『小学校の頃から好きでした』
『必ず大切にします』
いやいや…。気持ち悪いです。
最後まで読まずに美沙子に返した。
後で美沙子にはからかわれた。
そいつは手紙の返事が気になるのか
その日の毎休み時間に
私の教室の前に来て立っていた。
こっちを笑顔で見て。うげ〜。
OKされるとでも思ってるんかな?
自分の顔見てみようよ(笑)
すごいことになってるよ。
そしてその日の昼休み。
美沙子と廊下を歩いていると
祐也くんとその友達数人がいた。
その前をドキドキしながら通ると……。
誰かが私にぶつかってきた。
その人を見ると私が大嫌いなやつだった。
そう。さっき手紙で告ってきたやつ。
とっさに離れて祐也くんの方を見ると
「ごめん。手がすべった!」
って笑いながら言ってきた。
私は何が起きたか分からなかったけど
「ちょっと〜!やめてや〜あ」
って笑って返した。
それでそのシーンは終了。
今最高に嬉しい。久しぶりに祐也くんと
話せることができた。
バリバリ目が合った。
そしてその翌日や翌々日に祐也くんと
すれ違うときににやにや顔で見られり
「あいつ返事待ってるよ」
って話しかけてくれるときもあった。
あいつに感謝しないとね♪
やばいくらいテンション上がる。
祐也くん〜。大好き〜。
私のことからかってるだけと思うけど
それでも繋がりがもてただけでいい。
その一週間は幸せだった。
こんな小さなことで幸せになるなんて
私って平凡な人だね。
まあ只今最高なわけです。
このことは忘れませんぞ〜。
でも私は1つ疑問がある。
何で祐也くんたちがあんな地味〜なやつに
構ってあげるのか。
普段は存在自体ないくらいきもいやつ。
みんなから嫌われている。
そいつとクラスも違うし
恐らく今まで関わったこともないだろう。
それなのに告ったことはその日に
知ってるしその日から
異様にそいつと仲良くしてるし。
何か企んでるの〜??気になります。
まあいいや。
今年のマラソン大会も祐也くんが
1位になった。
2年連続だねえ〜。
お疲れさま。かっこいいよ←
それからの学校生活は平凡。
なはずだったけど…。
悪いこと2連発。
まず美沙子が彼氏と別れた。
理由は追求しなかったけどね。
なんか色々あったっぽいから。
そして…。祐也くんに彼女ができた。
隣の学校で1つ年上の3年生の先輩。
ショックすぎて祐也くんの
顔を見れなかった。
見る気にならなかった。
なのにすれ違うときには緊張する。
でもその先輩は
学校で嫌われているらしい。
顔はマシらしいけど…。
性格とかがだめなのかな??
その先輩の回りの友達も嫌われてて
あまり良いイメージはないみたい。
祐也くんはどこで知り合ったんだろうね。
まさかの一目惚れとか。
真実が知りたい。
これから自分が生きていけるか心配(笑)
―その一週間後に
恐れていたことが起きてしまった。
祐也くんの唇が奪われた。
その先輩によって…。
ちゃんと証拠は残っている。
チュープリだから。
しかも祐也くんはそのプリを
SNSサイトの自己紹介のところに
載せているらしい。
それは学年の一部で噂になっていた。
私は見たかったから友達にお願いして
見せてもらった。
それは紛れもなく私が1年以上片思い中の
祐也くんだった。
嘘だと信じたかったけど。
目をそらしたかったけど。
はっきりくっきり写っていた。
これが現実なんだな…。
それからは何事にも
やる気が起きなかった。
勉強も身が入らず部活もだらけていた。
それでも祐也くんを見ると切なくて…。
何で私じゃないのって思ったりして…。
いつまでたっても叶わない恋は
叶わないままなのだと実感した冬だった。
やっぱり諦めるべきなのかな??
3学期。新年を迎えて
私は新たに気持ちを切り替えた。
今年は3年生になるし受験があるから
ちゃんとしないといけない。
身を引き締めて頑張ろう。
でも…。やっぱり祐也くんのことが
気になるよ〜。
あの先輩と付き合って2ヶ月はすぎてる。
ずっと続いちゃうの??
でも最近は祐也くんのことは好きだけど
付き合うのは嫌な気がする。
少ししか話したことないのもあるけど
過去に彼女いたし私は祐也くんの
タイプじゃなさそうだし…。
付き合うのは面倒くさそうだし。
だから片想いのままでいいと思い始めた。
今年のバレンタインも
私は親に作ってもらった。
カロリーが少ない焼きドーナツ。
それを自分が作ったかのように渡す。
好評だったから別にいいよね??
ずっと続けばバレンタインが
4ヶ月記念日だった美夏ちゃん・柊くんも
2月に入った頃に別れてしまった。
噂によると柊くんが美夏ちゃんのこと
嫌いになったみたい。
美夏ちゃんの性格がよく掴めない。
よく嫌われるね(笑)
2年生でいられるのもあと少し。
このクラスメートと過ごすのも
限られた時間になってきた。
そう思うと悲しくなる。
時間はあっという間に過ぎる。
私は中学に入って今までの間に
やり残したことが
たくさんあるような気がする。
それの半分以上が祐也くんのこと。
後悔ばっかりだな…。
でも終了式が間近に迫った日。
祐也くんが別れたと聞いた。
私は心に少し余裕ができた気がした。
まあよかった。
これからも片想い極める。
暖かくなった4月。
私は3年生になった。
本当に早い。もう3年生なんて。
でも進級そうそう問題が起きた。
クラスが最悪。仲良しな子がいない。
莉穂と一緒だけどあんまり
話さなくなったし。
こりゃ困ったな〜。
男子は1年の時に手紙みたいなのを
渡された太田が一緒だ。
予測通り祐也くんとも離れたし。
また体育も離れた。
すると友達に付き添われながら
泣いている子が話しかけてきた。
「佳奈ちゃん。クラスで一緒に
おってくれん?」
その子はかすれ声で言った。
「えっ?あっ。うん」
突然だったからびっくりした。
翌々聞いてみるとクラスが
最悪すぎて泣いていたみたい。
去年も最悪みたいだったから…。
その子は有田のぞみといって
みんなからは「のん」とよばれている。
派手な女子とは仲がいい。
男子とも仲がいい。祐也くんとも。
でも話したことはなかった。
どちらかといえばギャル系で
近寄りがたいオーラがあったから。
でも話すと気さくで楽しいらしい。
これから学校生活大丈夫かなあ??
なんか気を使いながら過ごしそう。
でも一緒になったからには
楽しまないとね。
案の定のんちゃんといるときは
私は緊張していた。
話が合うか心配。
嫌われないかも心配だった。
嫌われたらおしまいだからね。
でもお互いのことを「佳奈」「のん」と
呼ぶようになったりと日に日に
仲良くなっていった。
今思いだせばのんは2年生のとき
祐也くんと同じクラスだった。
それに祐也くんと塾も一緒。
そして茉莉が修学旅行後に
話してくれたバス中の事件の女子は
のんだということも思い出した。
だからのんは祐也くんの肩で
眠ったことがあるんだね。
うらやまし〜。
そうしてのんの肩を見た。
3年生の6月にある大会で負けると
部活を引退しないといけない。
でも私たちは弱いから
負けるのは決まっている。
部活ももう終わりか〜。
私は練習には出ていたけどさぼっていた。
だから試合当日に出るかも分からない。
後輩が出るかもね。
そして大会の前日。
全校集会で健闘会がある。
健闘会とは各部活の登録メンバーが
ユニフォームに着替えて全校生徒の前で
試合の抱負を発表すること。
本当にめんどくさいけど
もう見ることのできない
祐也くんのユニフォーム姿が
見れるからいい。
でも私たちバレー部のユニフォームは
ズボンが異常なほど短い。
だから太もも丸見えなんだよね。
超恥ずかしい//
それも前に出て発表するときに
祐也くんちょうど後ろだったし。
このときだけは見ないで〜(笑)
翌日。この大会が私たちの
最後の試合となる。
そう思うともっとまじめに
部活をしておけばよかったと後悔。
でも過ぎたことはしょうがない。
1回戦2回戦ともに強い学校と
当たってしまって私たちは
ストレートで負けてしまった。
ちなみに私は1回も試合に出なかった。
サボってたからしょうがないか。
これで中学校生活の部活は終わった。
―部活がなくなったから放課後は
とても暇な毎日。
家に帰ってもすることがない。
このときはまだ受験の焦りが
全然なかったんだよね。
だから勉強なんてしなかった。
ずっとメールしてた。
親に勉強しろって言われたけど
何をすればいいか分からなかった。
そんな日々の中で私は祐也くんの他に
気になる人ができてしまった。
自分でも認めたくないけど。
祐也くんの他になんて
考えられなかったし。
私の気になる人は山本柊くん。
なんだかかっこよく思えてきた。
柊くんは祐也くんと違って
時々私の教室に来る。
来るたびにのんと話したりしていつも
のんの隣にいる私も話すことができた。
それから好きになっていったんかな??
自分でもよく分からない。
ただ意識し始めた。
これって二股してることになる??
恋愛なんか興味なかった私が
二股するようになったなんて…。
祐也くんを見るとかっこいいって思って
柊くんを見るとときめいてしまう。
でも祐也くんの方が好き。
それにクラスの太田も気になりだした。
よく見るとかっこいいんだよね。
いつもクラスの中心的存在だし。
祐也くんと同じサッカー部だった。
完全に自分壊れちゃってます。
こんな短期間に2人に惚れてるからね。
じゃあ三股になった??
恐ろしい。
でも3人とも好きだ。
今のところ1番は祐也くんで
2番は柊くんで3番は太田。
はい。三股決定。
―その日からの生活は異常で…。
まずクラスでは太田を見て
休み時間は廊下にいる
祐也くん&柊くんを見て
テンション上がって
クラスに戻ると太田を見て…。
これの繰り返し。
だから1日中神経使わないといけない。
3人に変なとこ見られたら嫌だから。
この生活結構疲れる(笑)
最高学年になると色々なことを
しきらないといけない。
その1つが体育祭。
1学期の間に団長1人応援リーダー男女6人
決めておかなければならない。
投票で決めるけど
私たちのクラスの団長は
太田に決まってる。他にはいないし。
応援リーダーが問題。
女子で応援リーダーになれるのは3人。
それに対して立候補したのは
のんや私を含めて6人。
のんは確定だとしてあとは…。
私は勝てると思ったけど
投票の結果、のんとテニス部の
元キャプテンと販売委員長になった。
そう。まじめな子2人。
のんは決まったときに
「なんで佳奈やないんてや」
とクラス中に聞こえる声で言った。
目線はそのまじめな2人に向けて。
その瞬間クラスが静まり返った。
その後の休み時間に私はのんに謝った。
「のん〜。なんかごめんね」
「佳奈は謝らんでいいって!
あんなやつらと一緒に仕事するとか嫌」
「そうだよね〜。
まあ私の分まで頑張ってね」
「佳奈も手伝ってよね!」
「もちろん!私は莉穂たちとパネルする」
「そうか。じゃあ夏休みも会えるね」
そう。体育祭の準備は主に
夏休み中にする。
私はパネルをすることにした。
絵は下手だから色塗り担当。
それも面倒くさいからただ作業するのを
見るだけになるかもな。
―他のクラスの団長や応援リーダーも
徐々に決まっていった。
隣のクラスでは柊くんが団長になった。
権力すごいと改めて思った。
祐也くんも団長すると思ったけど
いまつるんでいる子が不良系だから
それが原因でやらなかったのかも。
―夏休み前半は宿題などを終わらした。
部活がないから暇で暇で
1日中家でごろごろしていた。
暑いし面倒くらいから
遊びに出るのも嫌だった。
そして楽しみにしていた夏休み後半。
パネルの仕事は大変だけど楽しい。
普通にケータイいじったりできる。
絵を描くのは上手い子に託した。
その間はのんがいる別教室に行った。
太田もいた。
そこで応援タイム用のポンポン作成
などを手伝った。
これも地味な仕事で楽しい。
絵ができあがってくると私の番。
自分なりに丁寧に塗っていく。
これも結構楽でよかった。
そして1番の楽しみは柊くんに会うこと。
団長だから毎日準備をしに学校に来る。
少しの時間だけど会えて嬉しかった。
夏休み中唯一会えなかったが祐也くん。
会いたかった。
―ある日。パネルが仕上がって
帰るのもダルいから
私はパネルメンバーで
教室にあるテレビにiPodを繋いで
ホラー映画を見ていた。
昼だからそこまで雰囲気は出ないけど。
先生は見回りに来ないからバレない。
そのとき柊くんとその相方が
いきなり教室に入ってきた。
「藤谷〜何見よん??俺らも見たい」
教室には他の子もいるのにわざわざ
私に話しかけてくれた。
「あぁ!どうぞ〜」
びっくり。でも嬉しかった。
距離が縮まった感。
見てる最中に
「これ怖いかね??普通やない??」
柊くんは相方に話しかけていた。
私には怖すぎです。
そのとき別の男子が教室に来た。
「藤谷!これこの前見たやつやろ!
あの〜。有田の家で!」
そう。確かにこのホラーはのん家で見た。
私と茉莉とこいつとクラスの男子数名で。
夏休み前半にのんに家に誘われて
るんるんで行ったらホラー鑑賞だった。
私は怖くてほとんど見てないけど。
「そう。のんの家で見たやつ!
一応保存しとったけんね」
「保存しとったんや〜」
「お前って藤谷とこれ見たん?」
柊くんがこの男に言った。
「藤谷というか…。有田とか
クラスのやつらとかと」
「ふ〜ん。そうなんや」
柊くんは何でそんなこと聞いたんだろう??
別に誰と見たって変わらないと思うけど。
まあ夏休みに思い出作れてよかった。
柊くんとのこのこととか。
―9月1日。今日から2学期が始まる。
やっぱり日々は早い。
1日1日大切にしなきゃ。
あとで後悔するかもしれない。
夏休み中の頑張りで
無事にパネルは出来上がった。
自分的に他の団よりはいい。
明日から体育祭練習。例年通り
ダンス練習と応援練習がメインになる。
私はダンスが嫌いだ。
組体操の方がいい(笑)
実際に練習が始まっても
周りの目が気になったりして
ダンスはめっちゃだらだらしていた。
何の動きをしているのかも
分からないくらい。
だって気になる3人に見られたら
恥ずかしいんだもん。
見られていないと思うけど。
全校練習のときに私の斜め前には
いつも柊くんがいる。
団長だから1番前に並んでいる。
その姿を眺めるのが好き。
かっこいいと思ってしまう。
中学生活最後の体育祭当日。
この時期は一昨年も去年も
祐也くんのことで
頭がいっぱいになってた。
それは今も変わらないけど…。
今年は少し違う。
あまりにも祐也くんに気持ちが
伝わらないから他の人を
好きになってしまった。
自分最悪だな。一途極めれないなんて。
―今年は1年ぶりにペア競技に出る。
前は彩と一緒にやったな〜。
私の相手はもちろんのん。
練習のときは1番だったけど
本番はめっちゃ笑いながらしてたから
ビリになった。
ビリの原因はもう1つある。
私の足が遅かったこと。
のんに引っ張られながら走った。
あれは恥ずかしかったな。
午後の部に3年生は団体戦として
クラスごとに30人31脚をする。
2人3脚の大勢版。
練習のときに私の両隣は女子
だったけど直前になって変えられた。
そう。男子になった。最悪。
男嫌いな私が男子と
肩を組まないといけない。
考えられない。無理無理。
隣は太田がよかった(笑)
でもつべこべ言えれないから頑張った。
結果は散々だったけどね。
今年の体育祭はあっけなく終わった。
競技数少なかったし。
思い出は作れたから後悔はない。
私は今年も自分のはちまきを
持ち帰るだろう。寂しいね。
でも別にあの3人と
付き合いたいわけじゃない。
見てると目の保養になる。
かっこいいってこと!
体育祭後から自分の恋愛状況を考えた。
まず自分自身に問いただした。
『誰が本当に好きなの??』って。
これは究極の選択。
でもどうしても…。
どうしても選ぶなら…。
柊くん。
祐也くんは諦めるしかないかも。
全然進歩なしだもん。
半年は話していない。
それに対して柊くんはよく話す。
まだ可能性がある気がするんだ。
告白する気は全くないし
付き合う気もないけど。
今の1番好きな人は柊くんだ。
それからは毎日の給食の時間に
柊くんは私たちの教室にやって来た。
このときは何も怪しく思わなかった。
ただ会えて純粋に嬉しかった。
柊くんは必ず私とのんのところに
来てのんと話して自教室に帰る。
のんの隣にいる私もその他愛もない
話を聞いて相づちをうったりしていた。
この時間もたまらなく好きだった。
近くに感じる。
ある日メル友からよく当たると言う
心理テストのメールが送られた。
私はそれを信じてやってみると
柊くんは『あなたが本当に好きな人』で
祐也くんは『好きだけど叶わない恋の人』
になった。本気でよく当たってる。
そしてこれを10人に送信すると
1つだけ願いが叶うというから
興味本意で送ってみた。
願い事は…。
『柊くんと付き合えますように』
これは叶うはずないと思ったから。
10月最後の日。席替えの前の日に
ちょうど私は日直の仕事で
放課後に給食のおぼんを洗って
教室の後ろで乾かしていた。
そのとき柊くんと友達数人が
担任と女子数人しかいない
私の教室に入ってきた。
私は最初誰が入ってきたか
分からなかったけど話し声で
柊くんだと分かった。
放課後まで会えて嬉しかった。
嬉しかったのはそれだけではない。
「藤谷!俺が手伝ってあげる」
柊くんは私のところに来て
仕事を手伝ってくれた。
「あっ。ありがとうございます」
なんか敬語になったんだよね。
そして作業している柊くんを横でガン見。
背が高くて優しくて…。
でもアゴにごつい毛が無数にはえてて
少し幻滅した。
それに思った以上に顔にニキビがあった。
顔がごつごつして汚い。
祐也くんだったら…。
と少し思った。
ふと柊くんの友達を見るとニヤニヤして
こっちを見ながらこそこそ話している。
作業が終わった柊くんに会釈して
私は教室の窓を閉めにその場を離れた。
柊くんたちはそのまま帰っていった。
仕事を終た帰り道。
私がいつも帰る子と帰っていると
いつもは出会うはずがない
祐也くんにばったり会った。
何事もなく通りすぎた。何事もなく。
通りすぎた後に私が後ろを向くと
祐也くんも後ろを向いていて
遠くながらに目が合った気がした。
複雑だよ〜お。
やっぱりかっこいい。
次の日。普段通りに学校を終えて
廊下に出ると柊くんがいた。
昨日よりも3人多く友達を引き連れて。
そしてその軍団に挟まれながら
下駄箱まで行き靴を取った瞬間。
誰かに優しく肩をたたかれた。
振り替えると雅人くんだった。
ちょっと来てと言われるがまま行くと
「俺じゃないけん」
と意味深なことを言われた。
うなずくだけうなずいてついていくと
柊くんがいた。
そして照れた様子で
「…俺と付き合って」
????????????????????!!!
まぢですか!!!!!!
え〜っ。なになになに〜い??付き合って??
あのメールの願い事叶ってるし。
突然でテンパった私は
「え〜と。うん。あ、いや。分からん」
変な答えになってしまった。
1回「うん」って言っちゃったし。
「じゃあ考えとって〜」
そう言われて私は笑顔でうなずいた。
そうして終わった。
この現場は私がいつも一緒に帰る子に
見られたし雅人くんたちにも見られた。
場所考えましょ〜よ。
ここみんなが通る廊下だよ!
でもやばいぞ。緊張が。恥ずかしさが。
なんかどうしたらいいんだろう。困る。
その後はいつもの子と帰った。
色々茶化されたりした。我慢した。
ふらふらしながら家に帰って
さっき起きた出来事を思い出す。
なんだか現実を受け入れられない。
柊くんに告白されたんだよね??
一般的に柊くんと私は
両想いってことになるよね??
私がOKしたら付き合えるんだよね??
何かどうしたらいいんだろう…。
でも…。
気持ち悪くなってきた。
あの顔の酷さ。生理的に無理。
何で今までかっこいいとか
言ってたのか分からないくらい。
私はこのとき一瞬で嫌いになった。
性格はいいと思うし権力的に
付き合って損はないと思うけど…。
あの顔思い出すだけで気持ちが悪い。
顔で判断しちゃうなんて。
…まずはのんにメールしよう。
(佳)のん〜。助けて(‥`)
(の)佳奈からメールとかめずらし(笑)
(佳)告られたかも。
(の)え??誰に??
(佳)山本さん。
(の)え〜!柊があ〜??
(佳)返事考えとくって言ったけど
どうしようか…。
(の)付き合ってみたら??
柊なら優しくしてくれると思うよ。
(佳)いや〜。むりむり。色々と。
(の)経験も大事で!付き合ってみて
嫌やと思ったらすぐ別れたらいいやん。
(佳)う〜ん。あしたまた話す。
付き合ってすぐ別れるとか
プライド的に許さないんだよね。
仮に付き合っても柊くんを
満足させてあげられないと思う。
最初の付き合いは大切にしたいし。
やっぱり断る。嫌いだもん。
ほんと私は自分勝手だよね。
付き合うって面倒くさそう。
一瞬に帰ったり周りにひやかされたり…。
いいことってあるのかな??
とにかく私は柊くんは無理。
この告白が祐也くんからだったら
どんなに嬉しいかと思った。
次の日。
のんと色々語った。のんはこのときに
私が直で言われたことを知った。
「柊すごいね〜」
なんていいながら。
私も頑張ったんですけど(笑)
そして私は柊くんを振ることも話した。
理由は顔が無理だなんて言えないから
なんか無理。と適当に答えた。
でも返事をどう伝えるかが難点。
一週間待たせてようやく
手紙を書くことにした。
返事が遅れたこと、振るとこを謝った。
そして理由は「まだ付き合ったことなくて
好きとかよく分からないんで」
と嘘を書いた。
これはこれで恥ずかしい。
この手紙はどうせ男子たちに
見られるんだろうな〜。
祐也くんも見たらどうしよう…。
祐也くんとなら付き合ってもいいのに。
この手紙はのんが柊くんに渡した。
その渡す瞬間を私は見てしまった。
心が濁った気がした。
心の中で柊くんに謝った。
本当に申し訳なくて。
直で言ってくれたのに私は手紙。
卑怯だよね。
次の日は学校を休みたいぐらいだった。
でも頑張って行った。
昼休み。柊くんの友達が私の教室に来た。
その子は単刀直入に聞いてくる。
「何で振ったん?」
「え〜。なんとなく」
「柊かっこいいし優しいのに」
「優しいとは思うよ」
それは事実だから。
そいつはそれを聞くと満足そうに行った。
どうせこのこと柊くんに言うだろうな。
変に誤解されたら嫌だ。
その日の掃除の時間。
私は掃除場所に1人で向かっていた。
振ったことを考えながら。
すると窓際に祐也くんが友達といた。
通りすぎる瞬間に祐也くんの友達が
私を見て一言。
「今日テンション下がっとるやん。
恋のお悩みかね??」
それを聞いた祐也くんは笑っていた。
私そんなに病んだ顔してた??
つか柊くんが私に告ったこと
男子のほとんどが知ってると思う。
みんなに言えるほど
自信があったんだね。付き合えるって。
だから振って正解だと思った。
祐也くん。私はやっぱり
あなたが好きです。
一時期は心が離れていたけど…。
それからも気まずい学校生活。
まず変に意識してしまう。
すれ違うときなんか特に。
私は柊くんの方を見ないけど
あっちはこっち見てる気がする。
視線がこっちに向かってる気がする。
何かと生活に不便が出てきた。
学校の帰りに莉穂の家に寄った。
色々語っていると
莉穂は私と柊くんのことを
うっすら知っていたみたい。
詳しくは知らないけど。
だからうっぷんを晴らすために
私は莉穂に柊くんとのことを言った。
すると莉穂は
「振って正解だよ〜!気持ち悪いもんね。
ああいう系の男子は絶対OKされると
思ってるからいい気味って感じ」
と言ってくれた。
そうだよね。確かに柊くんやその周りの
友達はOKされると思っただろう。
でも現実は違った。いい気味だ。
柊くんのことを好きな子には失礼だけど。
「そういうことか〜!」
莉穂がいきなり声をあげて言う。
莉穂が言ったのをまとめるとこうなった。
莉穂の帰宅途中に前に柊くんと友達がいて
その会話が聞こえたから聞いていると
友達が「いつ告るんぞ〜」など言って
茶化してたみたい。それで柊くんは
「まだ」と言った。それを聞いた友達は
「柊なら大丈夫やろ!」なんて言った。
莉穂にそれを聞いたのはいつ頃か聞くと
1ヶ月前くらいと言われた。
だから1ヶ月前には確実に
好きになってくれてたんだね。
ちょうど私が本格的に柊くんを
好きになった時期と重なる。
これって何かの縁なのかな??
考えたら可哀想になってきた。
本当に振ってよかったのかな??
―学校で莉穂によく
「あいつのこと避けすぎ!」
なんて言われる。
無意識のうちにしてるのかな??
家に帰ってメールをチェック。
のんから1件来ていた。内容は…。
(の)柊がまだ佳奈のこと諦めれんけん
付き合ってほしいだって(⊃¨⊂)
(佳)無理です。
(の)無理なんか〜。
ぢゃあそう言っとくよ??
(佳)うん。お願いします?∀`
(の)うち柊に言いにくい(笑)
(佳)のんにまで迷惑かけてごめん(?`)
(の)大丈夫よん♪
まだ諦めれんってど−ゆ−こと??
気持ち悪い。
ただ単に彼女ほしいだけじゃない??
それか振られたままはプライドが
傷つくからもう1回言ってOKして
もらおうとか思ってるんでしょ。
それに正々堂々と直で言ってきたら??
も〜う。また意識しちゃうじゃん。
たとえ嫌いでも気持ち悪くても。
最悪だな。
次の日にのんは柊くんに言った。
「無理だって」と。
すると諦めたようにうなずいたみたい。
これでよかったんだよね。
数日後。教室にいると彩が来た。
私を見つけると小声で尋ねてくる。
「佳奈って柊に告られた?」
何で知ってるんだ??
「えっ??何で??」
「違うん?」
「あ。いや…。そうです…。」
「やっぱ佳奈かあ〜!」
「どうしたん??急に…」
「まあ色々あってね!
誰にも言わんけん大丈夫よ」
「気になるけど…」
「大丈夫大丈夫!じゃあね」
いきなり来ていきなり帰った。
何で彩は知ってるんだろうか…。
まあいいっか。もう関係ないし。
気にしないことにする。
私は最近祐也くんを見ていると心が和んで
やっぱり好きだと思った。
私は時々のんから祐也くんに関する
色々な話を聞く。
のんの塾の隣の席が祐也くんで
のんが持っていた飴を
全部食べられたとか
塾の帰りに塾メン4人で
星空を眺めながら1時間語ったとか。
どの話も羨ましかった。
ずるいと思った。
同じ塾がよかったな。
毎日会えるんだよね。祐也くんに。
でも私はこの適度な距離の片想いで
いいと思っている。
楽しんでいるのかもしれない。
―長かった2学期も今日で終わり。
終業式になった。
2学期も色々あったよね…。
思い出したくないこともある。
嬉しいこともある。
でもこれからは勉強頑張らないと。
もう受験シーズンだもんね。
とにかく冬休みは嫌でもする。
志望校はレベルが高いから。
祐也くんはどこの高校行くんだろう…。
やっぱり同じがいい。
一緒じゃないなんて考えられない。
もし学校が違ったら私は祐也くんのこと
忘れて他の人を好きになるのかな??
なれるのかな??
祐也くんはどこへ行っても
もてるだろうな。
私の存在なんか忘れるだろうな。
悲しいけど…。現実になりそうな予感。
冬休みは宣言通り勉強を頑張った。
でも頭に入っていない気がする。
勉強しててもメールしてても
祐也くんのことが浮かんでくる。
会いたい。
話したい。
あなたは今何をしてますか??
誰のこと考えてますか??
メル友と恋画を交換するのが
マイブームとなった。
お互いの恋愛状況は把握済で
何でも言いやすい。
特に私は誰にも好きな人がいることを
言っていないから。
メル友から送られてくる画像の言葉は
どれもが私に当てはまっている。
人を好きになるって
自分が変わっていくね。
こんな気持ち初めてだよ。
祐也くん教えてくれてありがとう。
待ちに待った3学期。
同時にこれが中学最後の学期となる。
嫌だ。卒業したくない。
祐也くんと離れたくない。
受験もある。
何事にも本気で頑張ろう。
最近はのんともっと仲良くなって
順風満帆な生活。
学校行くのが楽しい。
クラスではのんと太田がふざけて
それ見て笑ってるのがよくある。
このクラス何気よくなってきた。
この時期になって。
もっと早くよくなるんだった。
そんな中。私は見てしまった。
祐也くんと年上の先輩とのチュープリ。
周りに誰もいないから立ち止まって見た。
廊下に貼ってあった。
何で今頃??誰が??
私は祐也くんからの警告に見えた。
『これ以上好きになるな』って。
誰かのいたずら??
本人このこと知ってるんかな??
自分が貼ったとか…。それはないな。
でもあんなプリクラ人にあげるかな??
どうなんだ−??
そんなテンションさげさげのとき。
莉穂に変なことを聞かされた。
クラスが一緒の川野が小学生のときから
私のことが好きらしい。
川野は太田とつるんでる人。
彼女作ったときない。
いつもギャーギャー騒いでるからね。
その話を聞かされた次の日から
川野の様子を見ていると
自分で言うのも変だけど
よくこっちをチラ見している。
今まで全然気づかなかった。
目が合うときが数回ある。
これって何〜??
最近祐也くんのことが頭から離れない。
1年生やり直したい。
もっと女子力つけて接したかった。
そしたら何か進展あったかな??
受験前にこんな気持ち。
どうしたらいいでしょうか。
でも嬉しいことがおきた。
廊下ですれ違うときに
祐也くんとぶつかった。
祐也くんの友達がわざと私の方に押して。
からかいたかっただけと思うけど
そんな何気ないことでも嬉しい。
当たったんだよ。祐也くんに。
何ヶ月ぶりだろうか。
その後ものんと階段を降りていると
真後ろに祐也くんたちがいて
祐也くんの友達が
「また押してやろうか?」
的なことを言った。
祐也くんは
「いや。いい(笑)」
そりゃそうだろ。階段とか危ないし。
でも祐也くんが後ろにいるだけで
ドキドキしてしまう。
それにしてもからかわれてるのかな??
いじめられてるのかも。
私が嫌いだからわざとくっつけて
そのあとに「呪いタッチごっこ」
とかあったら悲しくて泣いちゃう(笑)
そんなこと考えたら
本当にそうだと思ってしまう。
それだけは嫌だよ〜。
きもがられるのは最悪。
今日は祐也くんとたくさん?あった。
もう嬉しいね。うん。
帰りに友達と話していると
祐也くんの話題が出た。
その子はSNSサイトで祐也くんと友達で
メールとかしてたみたい。
そして祐也くんの好きなタイプを聞くと
『ノリがいい子』
と言ってきたらしい。
私は祐也くんの恋愛対象外かも。
ノリよくないもん(泣)
ノリがいい子と言って思い当たるのは
のんや2年の体育祭で祐也くんと
はちまきを交換した子。
やっぱり好きな人はその2人の
どっちかなのかな。
私は無理っぽい。
私立受験の結果第一志望学科に通った。
でも本命は1ヶ月後の公立受験。
受かりたい。小さい頃からの憧れだし
親にも迷惑かけたくないし。
みんなの進路も決まって
推薦で通った人たちには
一足早く桜が咲いた。
太田もその1人。サッカーが上手いから
推薦が来たらしい。
高校でも頑張ってほしい。
絶対彼女できると思う。
公立入試まで2週間となった。
最近私はのんと一緒に帰っている。
だからいつもとは違う道から帰る。
ということで祐也くんにも会える。
帰り際まで会えるなんてあげぽよ。
祐也くんたちが後ろだった日。
会話が聞こえてきた。
祐也くんの友達が言う。
「お前ってこいつのこと好きなん?」
こいつって誰〜??
後ろだから全然見えない。
私とのんどっちのこと??
「えぇ〜。いや…。妄想の彼女!」
妄想って…。何ですかよっ。
どっちどっち??どっちなの〜。
のんのことかもしれないけど
のんは祐也くんのこと避けてるっぽいし。
脈あり??と1人で考えていた。
でも後日帰っているときに前にいた
祐也くんが高校のことについて
のんに話しかけた。
私はこの会話で嫌なことを2つ聞いた。
まずは志望校が違うこと。
そして高校で祐也くんは可愛い女子が
いることに期待していること。
すぐに彼女作りそうだよね。
どんな子が祐也くんの彼女になるんかな?
可愛いくて性格がいい子??
私立も違うからどっちにしろ
祐也くんとは中学でお別れだ。
中学の間ずっと祐也くんのこと
好きだった。これもいい思い出。
高校生になったら忘れる日がくるよね?
それまで好きでいさせてね。
迷惑はかけないから。
高校でいい出会いって見つかる?
祐也くん以上の人なんている?
私は公立ぎりぎりだから
地元に残れないかもしれない。
そうなると私立になって
寮生活だから祐也くんには
会える確率5%ぐらいになる。
改めて祐也くんのこと好きだと感じた。
最近学校で祐也くんと会う機会がない。
今はそれより受験のことを
考えないといけないけどね。
卒業も近くなってクラスの話題は
卒業式後のクラス会について。
来れる人は強制参加。
私はのんから強制参加させられる(笑)
今のクラスはまだマシだからいいけど…。
太田も来るんかな??メアドほしい。
でも今のケータイは無料ので
デザインとか色が嫌だから
クラス会のときに持っていきたくない。
みんなは受験終わったらケータイ買う
って言ってる。それもスマホ。
私もスマホに機種変したいな。
入試は無事に終わった。
解放感はんぱない!!
この日のために今まで
色々我慢してきた。
肩の荷が下りた気がする。
結果は卒業式後だけど
気にしないようにしよう(笑)
受かってますように。
面接はあまり緊張しなかった。
人見知りなのにね。
テストの方はダメダメだった。
ゆとり教育終わったからって
急に難しくなりすぎでしょ。
テスト作った人にむかついた。
むかついてもどうにもならないけど。
卒業まで1週間となった。
それと同時に祐也くんのことを
諦めることにした。
私には遠すぎる存在だから。
想いが伝わらなすぎだから。
頑張っても頑張っても
君には届かないみたいだね。
この中学生活は
君だけだった。
君が1番だった。
途中で色々あったけど
最後は君だけ。
でも…。だからこそ諦める。
後悔はしない。
1週間は早かった。
私が思ってたよりもずっと。
卒業式練習があったり
卒業アルバムをもらったり。
何かと『卒業』という言葉がつく。
中学生活楽しかった。
友情関係で悩んだり
恋愛で落ち込んだりした。
それも今となってはいい思い出。
何にも変えられない宝物。
みんなと出会えてよかった。
卒業式では1人ずつ名前を呼ばれる。
私は入学式のことを思い出した。
名前を呼ばれたときに声が裏返ったこと。
それで祐也くんに話しかけて
もらえたこと。懐かしいな。
今度は裏返らずに返事ができた。
私は泣かないつもりだったけど
のんが号泣したから少しだけもらい泣き。
私は泣くタイプじゃないけど。
最後のHRではクラスのみんなに
「1年間ありがとうございました。
2組はいっつもうるさかったけど
最高に楽しかったです。
のん!!色々ありがとう」
そう言った。
これが素直な気持ちだから。
いつもはうるさい教室なのに
今日だけはしんみりしていた。
これが卒業かあ…。
最後のあいさつをして
3年2組は解散となった。
この古い校舎ともお別れ。
みんなともお別れ。
悲しいけど悲しいけど悲しいけど…。
また会える日を信じて。
私は前に進むよ。
校門を出るときに祐也くんがいた。
これで見るのも最後になるかな。
『ずっとありがとう』
声に出せないから心の中で言った。
そうすると自然と祐也くんが
こっちに気づいて話しかけてくれた。
「今日は声裏返らんかったね」
あの日のこと覚えてくれてるんだ。
私は笑顔いっぱいで
「当たり前〜!」
そう言った。
最後に少しだけ会話が成立した。
これでよかったんだよね。
祐也くん。本当にありがとう。
君は最高に最高にかっこいい。
高校でもお互い頑張ろうね。
彼女作るときはちゃんと考えてよね。
すぐに別れたらダメだよ。
私は君以上の人を見つけたら
恋愛をしようと思います。
出会う確率が少ないこの地球で
君と出会えてよかった。
片想いをしてよかった。
この中学生活は忘れないよ。
最高に楽しかったから。




