第11話「ヴァンパイア血めぐり競争」(中編)
お久しぶりです。
また書きたくなったので書いてみました。
短いですけど、たぶん、後編が多くなるかと思います。
その頃、風奈は校舎内を彷徨っていた。
同じように校舎内に入っていく生徒(吸われる者)たち。
その中に紛れ込み、どこに逃げようか悩んでいた。
音楽室、理科室、教室。
どこへ逃げても勝ち目はない。
やはり隠れるしかないのか。
そう思いながら、風奈は様々な教室を見ていく。
「風奈!」
突然、声をかけられ、振り向くとそこには哀歌がいた。
「哀歌。もしかして、哀歌も逃げる役?」
「そうなの。どこへ逃げようか悩んでて。風奈はどこへ逃げるつもり?」
「それが、まだ決まってなくて」
「そうなんだ。じゃあ、一緒に逃げない?」
「うん、喜んで」
哀歌と合流し、風奈は一緒に逃げることになった。
一人より二人のほうが心強い。
安心感を持ち、二人で教室内を見回った。
「どこにしようか?」
「そうね、教室だと隠れる場所は少ないし、ここはやはり屋上か体育館かな」
横で哀歌がそう言った。
「屋上か体育館か――」
どちらにしようか悩む。
でも、屋上は行ってはダメといわれてるので、ここはやはり体育館しか選択義はない。
体育館にしようか、そう言おうとした時。
「ねぇ、体育館にしない? 体育館のほうが広くて隠れる場所いっぱいあるし」
横で哀歌に言われた。
「いいよ、じゃあ体育館に決定」
少し小走りながら、体育館へと続く道に行った。
風奈と哀歌が体育館へ向かっている間、沙夜はというと。
スタートしてから十分後、沙夜は校舎内にいた。
「どこにいるのかしら。予想でいうと、理科室やコンピュータ室の準備室。でも、そこは見つけやすいから、もしかしたら違う場所かも――」
とりあえず、目的なしに沙夜は歩き続けた。
「体育館、寒い」
午前中だがら、気温は低い。
まだ寒い体育館は凍えるような寒さであった。
「どこに隠れようか?」
風奈は哀歌に問う。
「う~ん、ここがいいんじゃないかな?」
指をさしたその場所は体育用具入れの物置だった。
中へと入ってみると、とても広く、あまり用具が置いてない。
ここに隠れて扉を閉めれば完璧に隠れられるだろう。
「うん、いいね。ここにしよう」
返事をし、二人一緒に用具室へと入る。
奥の方の跳び箱の後ろへと進んでいった。
ちょうど二人分入れる広さで快適ともいえないが、いい場所である。
「それにしてもみんな大丈夫かな?」
自分たちは何とか平気である。
だが、他に逃げた子たちが心配だ。
もし、吸血鬼同士吸いまくったら大変なことになるから。
「大丈夫だよ、きっと。それより私たちの心配をしなきゃ」
「そうだよね、分かってる」
風奈は頷いた。
その頃、沙夜は体育館近くまで来ていた。
「ここしかないわよね、他に探す場所は」
哀歌は教室や理科室、音楽室など様々な部屋を見ていった。
そして、最後に残ったのが、体育館だったのである。
気持ちを切り替えて、沙夜は体育館内へと入っていった。
体育館にはピアノ、いつも沙夜が利用してる生徒会長用の机が置かれてある。
「さて、どこにいるのかしら」
辺りを見回し、そういった。
その頃、風奈たちはというと。
哀歌が立ち上がった瞬間だった。
「どうしたの? 哀歌」
「ちょっと外の様子を見てこようかなと思って」
「止めたほうがいいよ。絶対に見つかるよ」
「大丈夫、心配しないで」
そういいながら、哀歌は入り口へと向かい、体育用具室のドアを開けた。