彼のギフトはホットケーキ
この作品は「なろうラジオ大賞7」参加作品です(*^^)v
些細な口喧嘩が発端だった。
私は日頃溜まっていた不平不満を1ダースほど並べ……
ぐうの音も出なくなったカレは苛ただしくライターをカチカチする。
例え電子タバコでさえ部屋の中で吸って欲しくない私が目を剥くと
「そうだな! ここはお前の家だからな」って言葉をぶつけて私に背を向けた。
ああ……靴をつっかける音が荒々しい……
でも、意地っぱりな私の膝はカーペットにくっ付いたままで……ドアが閉まる音をただ聞いていた。
カレが出て行った後、呆然と宙を眺めていたら……いつしか両頬を涙が伝っていた。
その流れは大袈裟なものではないけれど、枯れるわけでもなく……
ため息をついたその勢いで膝にハラリと落ちてしまった。
◇◇◇◇◇◇
不慣れな音で目が覚めたら……大判毛布がベッドからワープしていた。
まだ鼻の辺りがむず痒いので毛布に顔を埋めたら……カレの匂いと私の匂いが抱き合っている。
それがバツが悪くて顔を上げたら……美味しそうな香りが漂って来た。
あれっ?! これって……
その香りの正体を思い出す間もなく、今度は焦げたニオイがモクモクとやって来た。
「ダメじゃない!」
この言葉に勢いづいて私の膝はカーペットから持ち上がった。
◇◇◇◇◇◇
ヤマザキのポイントを2周回って揃えた2枚の白いお皿にカレの力作が乗っている。
そう! フライパンいっぱいに作ったいびつな形の特大ホットケーキをキッチリ二つに切り分けたのだ!
盛大な洗い物が積み上がったシンクの横で、おこげもなるだけ均等になる様にと私が二つに切り分けた。
そこへバターの欠片を落としてメープルシロップをとろ~りと掛ける。
お互い顔を見合わせて手元のホットケーキにナイフを入れ
ふふふと笑顔がこぼれるお互いの口にホットケーキのピースを運び合う。
所々ダマになったり、おこげになったりしてるけど……
私たちは失敗しない豊かなコーヒーの香りと共に、仲直りを味を嚙み締めた。
おしまい♡
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